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北村暢君 いまの
答弁で大体様子はわかりましたけれども、問題は、母乳のBHCの残留農薬の
汚染された問題については、これはやはり先ほどの、昨晩における
厚生省と
農林省との課長同士の電話その他の問題がいろいろあって、新聞に出る出ないという問題があったという経過はわかりました。しかしそのくらいいま重要な問題であるということは、マスコミも重要視していることは間違いないわけですね。チクロの問題これは全部チクロは回収しましたね、製薬会社が回収している。事母乳の問題ですから、私もきのう、おとといですか、きびしく
質問をしたわけなんですけれども、この
法案を提出するにあたっては、先ほど来言われているように、牛乳に対する稲わらが
汚染源であるということで稲に対してはBHCは使わせないということ、使用禁止をしておる。しかし母乳については
考えていなかったことは、私は事実だと思うのですよ。それがいま来年の三月までに
厚生省が結論を出すと言うから、それを待ってやる。待って禁止をすることになれば、いま
作物といっても施設園芸くらいのものですからあれでしょう、来年の作付に間に合うということにはなるのだろうと思うのですが、それが使うか、使わないかということが未定ですから、実際にいま七千五百トンくらい流通はしているということになる。しかもこれは
土壌に残留すれば二年、三年は残留をして
作物に二、三年は
吸収されるという問題が出てくるわけです。したがって三月に使用を禁止をしても、ここ二、三年というものはまだ残留農薬が出てくるという
可能性はあるわけですよ。
ですからこれは私はそういう
意味において、いま禁止しても二、三年は出てくる
可能性があるんですから、早い機会にこれは手を打たなければいけないのではないかというふうに思います。ですからこれは私どもも事母乳に関する問題ですから、一生を通じて幾らとればいいというようなのんきな問題ではないと思います。ですからこの間からもきびしく言っておるのですが、これはやはりこれだけ
公害問題がやかましくなり、もうとやかくのごまかしではきかないところへきておるわけですね。もう東京都も一刻も早く追跡
調査を徹底的にやると、こう言っていますね。そういう事態にありますから、これは私は政治
判断からしても、すみやかに使用を中止するという農林当局の配慮が必要だと思う。おとといの
論議を聞いて私はさすがに
農林省だと思った。これは牛は大事にするけれども、人間のほうはお粗末だ、人間より牛のほうを大事にしている、これはさすがに
農林省だと思って感心して聞いた。これでは許されませんよ、常識ではね。
農林省のいままでの農薬に対する
考え方というのはそういうふうな感覚だった。人間よりも牛を大事にする政策でまことに見上げた心がけだけれども、それでは今日私は通用しない。
だからそういう
意味において私は事は
厚生省の課長と
農林省の課長とのやりとりであったかもしれないけれども、ああいうことが新聞に堂々と出るということは、申し入れするかしないのか、するかもしれないと言ったことが、もうすると言ったように出てしまった、それくらい私はマスコミは敏感にこの問題にきておると思うのですよ。そこは私はやはり行政の範囲で許されるものと、政治
判断の問題とあると思うのですけれども、そういう
意味において私は
農林省にもこの問題に対しては、もう東京都が追跡
調査をどんどんやるということが出てきていますからね。それにその結果を待って何だのかんだの言っておるよりも、
農林省は
判断として緊急性を
考えるならばすみやかに何らかの処置を、やっぱり様子を見ているとか、結果を待っているとかいう時期ではないような感じがしておる。これは私の政治
判断だからまあそう言うのでありますが、そういうことなんです。
それからもう
一つは、果樹、林業にもとおっしゃられましたが、いままでの
論議を聞いていると、農薬というのは農業サイドだけでものを
考えておる。林業のほうは林野庁で、農政局の所管じゃないというふうな感じを受けている。したがって牛乳の
汚染が稲わらであると、こう言うのだけれども、それは確かに長崎等において牛に稲わらを食べさしておるところには、そのBHCが稲わらが
汚染源であるということは言えるかもしれませんけれども、北海道等は牛に稲わらなんか食べさしておらぬ、しかし稲わらだけが原因なのかどうかということについては若干疑問があるんですよ。BHCはその牛のえさになる稲わらだけでなくて、林業にもBHCを使っているわけですね。山にも使っている。牛は、BHCをまいた草から、BHCをまかない草だからと区別しては食べないと私は思う。だからこれは林業の問題特にまた牛は草のあるところを好んで、本能的に草のあるところへ行くわけです。そして山にBHCを使っていないとは言えない。そちらのほうはどうなっているのか、実態はさっぱりわからない。こういうことでしょう。したがって、牛乳
一つ見ても、稲わらだけ見てもこれは
可能性は多いわけですけれども、林業の、森林
関係のBHCの
規制も、当然牛乳
一つの
汚染を見ても、これが
考えられなければならない問題ですね。まだその点については何ら
調査もなければ、そこまで頭が行っていないという感じがするのです、この前からの
論議を聞いていると。その問題が
一つあると思います。
したがって、BHCの問題は、牛乳の
汚染源としての場合は、稲わらだけでなしに、やはり森林にまくBHCというものも
対象にやはり
考えなければいけない。特に母乳については、この前も申したように稲わらじゃないんですから、他の
農作物から入る、あるいは、河田さんからこの前ありましたように、えさを通じて、肉、卵というようなものを通じて母乳に慢性的に入ってくる。こういう形になるので、やはりそういう
意味において、私はこの際、BHCの問題については、あらゆる角度から検討すれば、すみやかにこれは措置しなければならない問題ではないか、このように
考えるのです。ですから、そういう点からしてぜひひとつこれは農林
大臣の
公害国会にふさわしい
答弁をしていただきたい。