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北村暢君 一応の
説明はわかりますがね、この二四五Tの催奇性の問題について今後
検討をして
毒性に入るか入らないかということについてこれからやると、こういうことですね。ですが、これは森林で使うものだから人間の接しないようなところで使えばいいんだと、こう簡単にはいかないのでありましてね、現実にヘリコプターでこれを散布しておる。その場合に付近の農作物に飛んでいって農作物が枯れたという事例が現実にある。そして、それに対して補償も
——補償というか見舞い金というか、そういうものを実際にやっておる、こういう
事態があるわけです。従来も
農林省の、林野庁の
説明を聞いても、アメリカでも
使用は農村に近いところ、農作物をやっているところ、飲料水に使うような河川、そういうものに近いところでは使わないことにしている。条件つきで使っているんだから、日本でも使って差しつかえない、こう言うんだけれ
ども、アメリカの森林地帯というのは人里離れて人のいないところ、これはまあ飛行機で伐採その他に行って、その伐採をするというような奥地であって、人間のいないところで使う、そういうことであって、日本国内から言えば、これはどこへ行っても、どんな山奥に行っても人家のないところはないくらいになっているでしょう。そういうことであり、実際に使った例からいって、そういういま申したようなあやまちが起こっている事実がある。
一体地元民は非常に不満、不安がっておる。なおかつこれは絶対安全なんだといって使っている。こういうことなんで、この問題は前の
委員会でも私やりましたから詳しいことは申し上げませんけれ
ども、とにかく二四五Tそのものの催奇性ではなくして、いわゆる來雑物のディオキシンが催奇性なんだということを言われているようでありますけれ
ども、最近では二四五Tそのものが催奇性があるんだということがアメリカの雑誌等でも報道されており、
政府自体もそれを認めるという段階、しかもこれはきょうの毎日新聞でも出ておりますように、ベトナムの枯葉作戦に使ったのが、この二四五T。長野のお医者さんがベトナムへ行って、実際にこの奇形の
——これを使ったと思われるところにおける奇形児の幾つかの写真を持って帰られる。きょうの毎日新聞では、これ、写真出ておりますね。こういう奇形児が発生する、そういうことが実際に出ておるし、もうスウェーデンでもトナカイの奇形が大量に出たというので、
生産を停止しておる。そういう国際的な実証がどんどん出ておる。ところが日本ではいまだ何らの研究もされていない。そして研究なしに安全だと称してそして使っておる。催奇性の問題が出る以前は、催奇性だなんということはまず問題にされていなかった。
登録する際にも催奇性の問題は問題になっていない。その後出てきている。こういう
状態なんです。したがってこの
毒性の問題についてですね、いままでの
登録農薬全部再
検討するというのでありますから、しかもこの国際的にこういう大きな問題になっているものをですね、林野庁はいま使っておる。いま国があげて
公害を絶滅しようとしているときにですよ、国みずからがこの二四五Tをヘリコプターからばらまいておる。こういうことが
一体感覚として許されることなのかどうなのかですね。したがって私は先ほど
目的のところでも言ったように、これは
農薬として
農業だけの問題である。これは林業用の
農薬であって、今度の
改正の対象にはならない。りっぱにこれは
農薬取締法によって
登録されておる
農薬である。そこまで今度の
改正の中で当然
考えられるべきであったと思う。これは抜けておるんです。
そこで私、
大臣にお伺いしたいんですが、これは来年の春、直ちにこれは林野庁等が使う使わないで各地で大問題になる。それの中で林野庁は絶対安全なんだから、絶対使うということでもってですね、なわ張りをして、なわを張って住民を入れないようにして、そしてこれを
使用しよう。まいたあとには人も入れない。禁止をする。いろいろ
使用の方法等あるんでしょうけれ
ども、それまでしてこの国みずからが
公害をばらまかなければならないという理由はどこにもないと思うのです。したがってこれはですね、先ほどの
食品化学課長から御
説明がありましたが、全く
農林省と
厚生省のこの問題に対して、人のいないところで使えばいいんだと、こういう簡単な割り切り方をしているというところに非常に大きな問題がある。これはひとつ差し迫って使うか使わないかの問題でありますから、
大臣からこれはこの際はっきりこの問題に対する今後の方針なりそれから
使用その他についての具体的な問題についての処置についてどう対処せられるのか、この際お伺いしておきます。