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木村禧八郎君 ただいまの
論拠は非常に薄弱ですね。まず、この数量についてですが、四十四年度はなるほど
中国のほうが
かなり上ですね。一万九千五十俵に対して
韓国から一万七千三百七十八俵ですね。ですから、多いようですけれども、四十五年の
見通しになると、
中国は約二万俵、
韓国のほうが三万五千俵ぐらいが予想されていますね。しかも、将来は、いま
韓国は五カ年
計画で大
増産計画ががあるわけでしょう。約十三万俵以上の
計画を立てて、
日本がこれを援助しているわけでしょう。これに対して助成をする、そういう
関係にあるわけですね。ですから、数量的にいきましても、あなたは
中国のほうが
供給力があると言いますが、
中国は
ヨーッパ等にも
かなり輸出しているのでありまして、しかも、
韓国は、
日本だけに輸出しなければできないわけですよ。
韓国の場合はそうでしょう。ですから、今後の問題は、
韓国の
生糸が問題です。それが、今度、
ケネディラウンド最終の来年四月一日からは、
韓国のほうは七・五%、
中国は一五%になるんです。こんな
差別が出てきますよ。それから
中国の
生糸は、御
承知のように、高級、中級、あるいは低級、いろいろバラエティーに富んでいると言われているんですよ。
韓国のほうは
日本と競合する点が非常に多いわけなんです。そういう点からいきましても、また、
値段につきましても、
韓国のほうは、
生糸の騰落に応じて、
日本が上がれば
韓国も上げてくるし、
日本が下がれば下げてくる。ところが、
中国は、やはり国際価格で売るために、
日本のほうが暴騰しても国際価格は変えない、下がってもやはり変えないわけでしょう。非常に安定的なんですよ。しかも、どうしても今後
日本は
生糸を六万俵以上も
輸入しなければならぬのです。六万五千俵とか、どうしても
輸入しなければならぬ。したがって、
国内の消費者にとっても、やはり安定的
輸入ということが必要なんです。物価対策からいいましても安定的
輸入が必要でしょう。しかも、
中国の
生糸が
韓国より割り安と言いますけれども、この
根拠も非常に薄弱です。
衆議院で
堀昌雄君に
答弁された
蚕糸園芸局長の数字なんかも、これは保税の
関係をちっとも
考えていないんですよ。
韓国の場合は、
輸入して保税工場でつくって外国に輸出するでしょう。だから、
関税かからないですね。それを保税から出した場合は
関税かかりますからね、外国へ輸出する場合は。だから、その分は高くかけるんですよ。そうでしょう。過去の統計から見ましても、
中国の
生糸は、大体
日本の
生糸相場の高値と安値の中間ですね。高値よりはやや安く、それから最低
値段よりは多少高い。
ですから、そういうあらゆる面から検討しまして、
中国の
生糸と
韓国の
生糸の
輸入について、ケネディ・ラウンドでなぜこんなにひどい
差別をするのか。いわゆる国益ということをよく言われますけれども、物価対策からいっても、それから
日本の消費者にとっても、安い安定的な
——あんまり安いと、また
国内産業をなにしますけれども、いわゆる適正な価格、安定的な価格の
輸入ということは、物価対策からも必要でしょうし、いわゆる国益からいっても必要なんです。それにもかかわらず、こんなに
差別を残しておくというのは、どうしても私はそこに政治的な意図があると思うんですよ。いわゆる
中国を敵視して、
韓国のほうを不当に
保護して助成していく、そういうことがあっはならないと思うんですよ。もっと合理主義に基づいてやはり
考えていかなければならぬと思う。この点は私はどしても納得がいかないんです。数字的にも、前に
衆議院の
大蔵委員会で堀議員に答えました数字に基づいて検討してみますと、いろんな要素をもっと勘案しなければならぬのですよ。非常に単純ですよ。こんなことの比較で重要なこういう
関税政策がきめられたのでは、これはもう業者も迷惑になりますよ。国益の点からいっても私は正しくないと思う。もっと科学的に客観的に十分データを検討してみる必要がある。われわれしろうとでも、そういうデータをいろいろ集めて検討してみますと、どうしても不合理な点が非常にあるわけです。この点、私は具体的にここに数字を持っておりますけれども、いますぐ数字的に答えろとは言いませんが、もっと検討してみてください、もっとね。
ケネディラウンドにつきましては
関税局長も
かなり前向きで取り組むと言われておるのだけれども、それを一言……。
四百二十四
品目と言いましたね。
——五
品目じゃないですか。