○小柳勇君 再度具体的な質問ですが、これをきょう取り上げていただいたのは、水資源審議会の責任者堀さんが去年二月に行かれまして、順調にダムの計画、発電所の
調査、それから電力需要の
調査、工業化の研究などをやっておったのですが、万博でこちらに来ている間に、
アメリカのカイザーのアルミニウム・エンジニア部門が
大統領を口説きまして、そうしてアルミニウム工場をつくってやりますよという口実をもって、その計画を日本からカイザーのほうに取り上げようとしている。いま
調査費用大体百四十万ドルないし百五十万ドル、約二百万ドルぐらいあればその計画ができて、しかも佐久間ダムの二倍ぐらいのダムができて、六十万から七十万キロワットの発電ができる。当面は六分の一ぐらいしか電力は要りませんから、日本ではいま公害問題などありますから、アルミニウム工場などをあそこにつくってやったらどうかという企業の意欲もあるようであります。したがってこの際——須磨大使も大使
会議では
発言すると言っておられたから
発言されたと思いますけれ
ども——この際七億ぐらいのものを
考えて、せっかく取りかかった水資源開発の審議会の二カ年間の仕事を十分に活用させてもらいたい。そのことが、中国でいまつくっているタンザン鉄道以上に、アフリカの東部海岸に日本の政治的なくさびを打ち込む非常に大きな柱になるということを切々と訴えておられた。これは通産省だけではできない問題だと思いますが、外務省なり大蔵省としても、このくらいのことで将来アフリカの政治経済の中心的なものができるとすれば、金をかけてこの実現のために努力しなければならぬと思うのです。時期がおくれますと、またカイザーのほうでどんどん話が進んでいくようですが、いまならば
大統領の気持ちも変わるのではないかということを、アジアの出先機関の諸君あるいは商社の諸君がたくさん集まった席で切々と訴えておりました。大使も見ておられましたが、そういう具体的な問題に取り組んでいくべきだろう。
それからこちらに学生を留学生として呼んだとおっしゃいましたが、実際見ていますと、いわゆる政治権力者と国民とは全然断絶しておるわけでありまして、留学生が帰りましてもどこから手をつけていいかわからぬというような、そういう実態であります。そういうわけですから、出かけていって、国民の目に見える学校とか道路とか村をつくるとか、そういうものに目を向けていきませんと、留学生を呼んだからこれで経済
協力になるということにはならぬのではないか。技術者を運ぶなら、その技術者につけて
品物を持っていくかとか、実際
品物をつくる中で経済
協力しなければとても——日本よりも百年ぐらいおくれたコースを歩いているというのが実態のようであります。皆さんも御存じだと思いますけれ
ども、しみじみわれわれ感じますので、いまの具体的な問題と将来の経済援助の問題、経済
協力の問題は、ただ頭の数字の上で国連に対する申しわけの数字を出すということではなくて、実際血の通った経済
協力をしなければならぬと思うのですが、その具体的な問題と将来の構想についてもう一回、
大臣並びに大蔵省、外務省からの見解を聞きたいと思います。