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喜屋武眞榮君 私は、特に
自然公園法に関連して、沖繩のかかえておる問題について、幾つかの質問をいたしたいと思います。
まずその前に、今
国会が
公害国会であるといわれておるそのとおりに、聞けば聞くほど本土においては産業
公害、
企業公害で
ほんとうに憂慮にたえない問題が一ぱいあるということを私沖繩から参りまして、ひしひしと感じておる次第でございます。
ところで、その立場からの
公害は、沖繩は、先ほども述べてくださったとおりに、まさに処女地といってもいいくらい、これからだと、ぼちぼち
企業公害もいま憂慮されつつありますが、それほど本土に比較して、まあ当面の問題となっておるのは二、三あるわけでございますが、全般的に申し上げましてこれからだと。今後の問題として、ころばぬ先のつえとしてこれを徹底的に完全に実行させる、そういう方向に持っていくことによって防止できると、こう思っておる次第でございますが、ところか本土では見られない――この前も私強調いたしましたが、いわゆる基地
公害、基地あるがゆえに起こっておるところの
公害、毒ガスの問題あるいはB52による爆音の問題、あるい燃える井戸水の問題、それから基地の中の沖繩と言われている
状態からかもす外人犯罪の問題、この数々の問題が、まさに
皆さんが論じておられる
公害以上の深刻な不安と危険が日にち毎日積み重なってきておる、そういう
状態でございます。そこで私たちは、このような沖繩を、七二年に向けて完全復帰をかちとる、いわゆる基地もない、毒ガスもない、B52もない、原潜入港による汚染もない平和な島沖繩を取り戻していく、こういう願いを持って絶えずそれを要求し、訴え続けておるわけであります。
皆さんもおっしゃるとおり、沖繩は空も海も自然もまことに美しい。この自然を、立地条件を私たちは復帰に向けて沖繩こそ東洋のナポリ、日本のナポリたらしめたい、こういう願いを持っておるわけでございます。
そこで、琉球
政府といたしましても、十カ年経済開発計画を打ち出して、その中にこの自然公園の問題も含まっておるわけでございますが、ところで、この自然公園の、いま琉球
政府における
自然公園法に基づいた県立自然公園が三つばかりいまあげられておるわけでございますが、このことはぜひ復帰に向けて、いま論ぜられておる国立公園、国定公園に沖繩を指定してもらいたい、こういうものがその中にも含まっておるわけであります。そこで
政府としましても、その方向に向かっていま具体的に計画を進めておるわけでありますが、ところで日本
政府とされましても、七二年復帰に向けて最近加速度的にいろいろの立場からの
調査がひんぱんになってきておるわけでございます。その場合に、琉球
政府のこの計画と、日本
政府の計画とがかみ合わない形で一方的に
調査を進めていくならば必ずそこに食い違いが出て、そして実現困難なことに際会しないとも限りません。そこで沖繩における立場からは、その自然の開発と、それから保護あるいはこれの利用、その三者がうまくかみ合っていきませんというと、先般来心配されておりますこの
公害の問題にからみついてたいへんなことになるわけでございます。
そこでお尋ねしたいことは、一問一答の形で時間をかけてお尋ねしたいとも思いますが、だいぶおそくもなっておりますので、一応今回は問題を五、六問お尋ねいたしまして、それに対して、いま進められつつある
調査実態の中でどのようにこれが具体化しておるのであるか、また考えられておるのであるか、そういう点を詳しくお答え願いたい。
このように御
要望いたしまして、まず第一点は、日本
政府の進められておる
調査と琉球
政府の計画とが常にその時点、時点で緊密な連絡提携のもとにかみ合わせて
調査が進められておるのであるかどうか、そのことを明らかにしていただきたいということが第一点。
第二点は、沖繩における国立あるいは国定公園などの自然公園に対する方針をどのように考え、計画をしておられるか、その方針を示してもらいたい。
第三点は、先ほどもちょっと出ました西表島を国立公園に指定して保護をはかるとともに、公園利用の促進をはかることは、沖繩側といたしましても望んでおることでございます。ところが、これによって西表島の開発、産業的な開発が島の人人の
生活を阻害することはないだろうかという、一面またその心配を持っているわけでございます。その面との、いわゆる開発と保護、利用の関連におけることに対するお考え。
第四問は、西表島を国立公園とした場合に、その利用促進のための施設はどのように整備する方針であられるか、そのことについてお聞かせ願いたい。
第五問は、西表島の人々は北部、北側の周回道路と縦断道路により西表島を周回することのできる道路の一日も早く完成してもらうことを望んでおるわけでありますが、
厚生省の
調査団は、縦断道路は原生林の破壊をもたらすので反対しておる、こういうことも聞かされておるのでありますが、このことに関する見解を伺いたい、これが第五点でございます。
次に第六問は、沖繩本島には、現在、先ほど申し上げました三つの
政府立公園がございますが、自然公園としての整備が立ちおくれておるのも事実でございます。沖繩経済にとって観光収入、いわゆる復帰した暁、あるいは基地が撤収された基地経済に変わる経済開発として、第三次産業の観光ということを非常に重要産業の
一つに考えておるわけでありますが、この観光収入は重要な位置を占めるとともに、沖繩の有する亜熱帯のすぐれた自然景観地は全国民にとって、あるいは国際的にも貴重な野外レクリエーションの場を提供することになると確信いたしております。そこで自然公園としての整備に対し、何としても国の手厚い援助を行なって整備の促進をはかるべきであると考えておりますが、どうお考えでありましょうか。
最後の第七問は、沖繩諸島の海岸は亜熱帯的なすぐれた景観を有し、特にサンゴ礁を中心とする海中は美しい美観を呈しておる。国際的にもまことに優秀であるということも聞かされておるのであります。この美しいサンゴ礁の発達したところが多いのでございます。これらのサンゴ礁の保護と利用及び漁業との調整をどのように両立させていくかということが非常に重大な問題であるわけであります。
以上の七つについて、まとめて御質問をいたしたわけでありますが、ひとつ一問一問、できるだけ時間の許す限り納得のいく、また県民にもその期待にこたえていただくよう、
要望も兼ねまして私の質問を終わりたいと思います。
よろしくお願いいたします。