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大出委員 そうですね。行政日表という——私は冷酷むざんとは言わなかったけれ
ども、非人間的な
俸給表というものは否定したいということを本
会議で申し上げた。こんな
俸給表があっていいはずはないと申し上げた。何しろ四人世帯形成ができない。こういう
俸給表があってはいけないということを言ったんですけれ
ども、行政日表十四号の方は三万八千円、一名、六十歳。十五号の三万九千四百円、ここに二人いる。十九号四万三千円、ここは一名。二十号の方が四万三千九百円、ここに五人いる。
ところで、この中である一人の個人の例をとりますと、六十歳のお年寄りで、自分の子供さんがなくなってしまって、奥さんもなくなってしまって、現に一人でお孫さん四人を育てている。一体三万八千円だとか三万九千四百円というのが
民間に比べて高いですか。これはあなたのほうの言うとおり、個々にはわからぬということで、
平均とって
延伸をしたら、三万九千四百円、六十歳のおじいさんはお孫さん四人を育てているのに
たちどころに
昇給延伸に入ってしまう。これを称して冷酷むざんといわなければ何が一体冷酷むざんなんです。あなたは実際お
調べになりましたか、
調べてないでしょう。私は御本人から手紙をいただいて
調べておる。こんなこと私は容認できないですよ。
答弁は要りませんが、私はわずか三人の世帯だけれ
どもお伺いして
調べた。少し気の毒過ぎますよ。しかもこれは行政日表、いまの
公務員の
給与の中で一番低いところですよ。しかも
年齢まさに六十歳、悪戦苦闘して人生渡っている世の中に、
平均をいかにとったからといって、そういうことは私はあり得ないと思っているのです。正直に申し上げてこれはおたくの罪でない。なぜならば、長い間
人事院というのはそういう
調査方式をとってきたのだからおわかりにならないのは無理もない。それが実は私の発想の出発点で、本
会議の席上で、予算を大蔵省に認めてもらって、
公務員の生計の
実態というものを、たとえどれだけでもほんとうに
調べてみてもらいたいということを強く申し上げた
理由はそこにある。あなた方のほうがほんとうに
公務員の
生活の
実態を、生計費そのものがどうなっているかをお
調べになっていないところに、現状というものを把握してないで、ただ数字の上で官民比較をとって、中位
等級をとって突き合わせて、
平均で論議をされる。そうしたら統計局へ持っていって機械に入れてお出しになる。エコノミストの臨時号におたくの前の
給与一課長さんがたいへんいいことを言っておられる。全くもって
公務員の
擁護者で、玄関番で、
生活も何もかもみんな
人事院がめんどう見てやっているんだということを言っている。その意識でいていただかなければ困るけれ
ども、その課長さんが——いまはおかわりになっているので、いまの長橋さんを責めるわけじゃない。前の方です。年々
給与勧告の時期になると
人事院の前を新聞記者がうろうろして、わっと集まってくるというのです。そのときだけ生きがいを感ずるというのです。それはそう考えていただかなければ困る、実際に。なぜならば、われわれは
公務員の
生活の
擁護者だからという。
生活の
擁護者が
生活の
実態を知らないで擁護できますか。そうでしょう。もう言いませんがね。
長官に私は承るのですけれ
ども、いま私が申し上げたのは、一番
下位等級の、あってはならない
俸給表と私は申し上げて行政日表を取り上げて本
会議で申し上げた。非人道的な
俸給表ですよ。あってはいけません、こういう
俸給表は。私はそう思う。食えないどころじゃない、これは子供を生めないです。
そこで私はもう少し上のほうの
号俸に触れて申し上げますが、これまた行政日表の
方々なのですけれ
ども、行政日表の五
等級ではなくて、その一つ上の四
等級を取り上げまして——先ほど私が申し上げた
等級号俸の数字が間違っていないようでありますから確認は求めません。求めませんが、この四
等級の十三号、ここにも該当者がおります。六十歳、これは四万三千九百円。十四号に五人おいでになりますが、これは四万五千二百円。十五号に二十五人おいでになりますが、四万六千三百円。十六号に五十九名おいでになりますが、これが四万七千四百円。十七号に三十六人おいでになりますが、これが四万八千三百円。十八号、ここに十五人おいでになって四万九千二百円。行政日表の四
等級の十九号にいってようやく五万円になる、五万百円、ここに十四人おいでになる。二十一号にいって五万一千九百円。二十二号は五万二千七百円。二十一号というのは二十人です、五万一千九百円。二十二号にいって五万二千七百円、ここに二十二名おる。二十三号が五万三千五百円、ここに七人。つまりこういう六十歳の
行口の
俸給表に載っておる
方々の分布状況になっておる。全部四万円台、五万円にやっと足がかかったというところ、ここにこれだけいるのです。これが官民比較の面で
民間より高く出るはずはない。どういう突き合わせをしているかはそれは別だ。
ところで、
行口の
俸給表の比較的いいところ、たとえば一
等級の七号六万三千円、ここにも一名おいでになる。
行口の一番てっぺんの十号六万九千百円ですが、ここにも二人おるのです。一
等級の十二号にいって十六名、この辺では七万二千九百円。やっとこういうことですね。二
等級というのはほとんど五万円、まん中からまあ六万円台になりますが、こういう状況、これが行政(二)表。
行政職の(一)表、表看板みたいな
俸給表ですが、御参考までに申し上げておきますが、これでいっても行(一)表のほうで、これは行政職ですから、れっきとした表看板ですけれ
ども、この行(一)表のほうの七
等級の七号に一人おいでになる。行(一)ですからこれは五十八歳です。この方が四万六千百円。この
法律が通れば、
規則が出てくれば直ちにこれは
延伸に入るわけなんです。四万六千百円、
年齢五十八歳。七
等級の九号、ここにもおいでになりますけれ
ども、これはぴったり五万円。七
等級の十二号に一名おいでになりますが、五万五千四百円。十三号に三人おいでになりますが、五万七千二百円。七等の十六号にいってようやくこれは六万円台になりますが、六万四百円。ここにも該当者がおいでになる。決して高い
俸給じゃありません。さらに六
等級にいきまして、六
等級の二号にも該当者がおる。五十八歳。ここで四万二千百円しかもらっていない。五十八歳ですよ。六
等級の五
号俸、ここにも該当者がおいでになりますが、これで四万九千四百円。六
等級の六号で五万一千九百円。六
等級の十一号くらいまでいって六万四千二百円になりますが、このところに十三人いる。六
等級の十五号あたりへいきますと三十五人もいますが、この辺はずっと三十人前後の人が並んでおります。十五号までいって七万二千八百円。よわい五十八歳です。ここのところはみんな三十人台、四十人台いる。十六号をとらえましても七万四千三百円。もう一つ、四十二名存在する十八号、ここで七万六千七百円、こういう数字です。五
等級の場合でもそうです。五
等級だって、これはずいぶんおいでになる。五
等級十七号あたり百七十四人いる。こういうところを当たっていきますと、四
等級なんかだって、八万四千百円というところに五人いる。みんなこれは五十八歳です。ですから、ここらをずっと当たっていきますと、どういう官民比較を
皆さんがおやりになったかそれはわからぬけれ
ども、こういうところにたくさんおいでになる。
しかも、この中には女性もおいでになるはずです。なぜならば、ここに女の
方々がどのくらいいるかという数字を
人事院からお出しをいただいた。これを見ますと、女子の実数を示すと三
等級で六千八百六十六人、四
等級で七千三百三十九人。これは行政日表でございます。つまり行政(二)表の三
等級で女子の方が二九・八%いるんですね。行政日表の四
等級にいきますと七千三百三十九人で、これは五二・二%女子なんですね。年寄りで、これだけの
年齢で、何か事情がなければいないですよ、大体働いていない。それぞれみんな家庭事情をかかえてずいぶん苦心惨たんして、せがれの借金を払っている人だっているんだ。みんなそれが四万円台にいる。それを年が六十だからというので
昇給延伸いきなり十八カ月、さらに二十四カ月、そこから先は
昇給させない、こういうことを、個々の
公務員を
対象にして、そこに基礎を置いて
調べていないで、
平均をとったら高いから、これは私は筋が通らぬと思うのですよ、この点は。だからもっと理論的にいえば、そうではなくて、各
号俸、
等級別に一つの基準をつくって、ここから以上の人は高いんだから
延伸をする、この基準以下の人はしない、こういうふうにしなければ、これは個々の人
たちは
法律だからあと持っていき場所がない。
法律じゃなかったら、まことにもって不服だといって審査請求さえできますよ。
行口というのは特殊な仕事をするんだからとおっしゃるならば、もしそういうことばかりやっていたら、ますますそういうところに働く人はなくなってしまう。政策的につくっている行(二)表でしょう。たんつぼの掃除なんというものはやり手がない。ないからといって行政日表をつくって、そういうところに集めてやらせている。だとすれば、そこらはやはり考えなければ、この
昇給延伸措置というものは非常に大きな負担を個々の、そういう
公務員の低所得の
方々にかけてしまうということになりはせぬかと心配する。だから、そういうところまで手を伸ばしてお
調べになっての上のことならば私も納得をいたします。しかし
給与局長に承った限りは、個々についてはおわかりにならぬとおっしゃる。ならなければたいへんな結果になったこの責任はだれが負うのかということになる。私はそこを心配をするのでこう言うのですがね。
総裁何か御
答弁がありましたら……。