○土橋
委員 私は、
二つの問題について、大臣もお忙しいということでありますので、約十分間
程度の質問をさしていただきたいと思います。
第一の問題は、今回の
答申の問題をめぐりまして、
佐藤政府が去る六十三特別国会において声明をいたしておりますように、今年度は警戒型の安定経済政策を中心とする
財政あるいは政治をとっていきたい、こういうことを申しておったわけです。そして物価の値上がりは四・八%
程度に押えなければいかぬ、それ以上はやらぬ、責任をもってそのような体制を組んでいきたい、こういうことを
佐藤内閣は言明しておったわけであります。そういたしますと、閣僚の一人である井出郵政大臣も、同じように
佐藤内閣の中において、現在約七%前後の消費者物価が上がっておるわけですが、こういうことは大臣の重大な責任の問題でございます。なお、私鉄運賃が去る十月の当初から上がっております。かてて加えて、
一般生鮮食料をはじめとして食料品は非常に上がっております。こういう物価の値上がりに対して、郵政大臣は、閣僚として、
佐藤内閣としてどういう責任を負うのかという点が第一点。
第二番目の問題は、諮問の内容は明らかに
料金値上げとは書いてないわけです。あなたがおやりになったことは、
郵便事業の正常運営を確保するための方策について郵政大臣が
答申を求めたわけです。ところがこの内容は、その重大な基本であるところの
郵便事業の正常運営を確保するための方策を中心に
答申をしていないわけです。問題は、
郵便の
料金値上げという
方向にこの
答申が行なわれておるわけです。そうなってまいりますと、ここで抽象的に
指摘をしておるのですが、労使間の問題についてはきわめてあいまいな、きわめて抽象的な
答申をしておるわけです。その他の
事業面においても大体そういうことがいえるのじゃなかろうか。ただ、
料金の問題については非常にこまかくいろいろ書いてある。したがって、郵政大臣が諮問しておる内容とはずれた、
料金値上げという内容を、この
郵政審議会は故意に
佐藤内閣の基本的な態度に逸脱をしてこういう
答申をしておるのじゃないかといっても過言ではないと思うが、大臣はどう
考えるのか。これが第一の大きな問題。
二つ目は、特に赤字が出ておるということをいっておるのですが、御承知のように四十一年度から
計画的な
郵政事業の会計を持ちまして、四十五年度において百十九億の赤字を
出しておる。四十六年度になれば約五百七十億の赤字を出す、こういうようなことがいわれておるわけです。そして、先ほどからの答弁では、
人件費の一六%のベース
アップのために、そのために赤字が出たというような説明を加えておるわけです。したがって、この赤字という問題がはたして
ほんとうかどうか。
つまり、
佐藤政府の高度経済成長政策に伴うところの大資本に奉仕をしながら、日本全体が軍国主義化をする
方向で、結局
郵政事業を通じて大資本に奉仕をする体制を終始一貫とっておる。その結果赤字が出ておるのじゃなかろうか。いわば政策的な赤字じゃなかろうか。こういう懸念を私
ども多分に持たざるを得ない。したがって、現在郵政大臣が直面をされておる物価を上げない、そして安い
料金で
郵便物を輸送する、こういう基本的な線をはずしておるのではなかろうか。
この
答申の内容としては、特に物価問題については何ら書いてない。少なくとも郵政大臣の諮問機関であるべき
郵政審議会が物価問題について何にも書かない。
料金問題についても、その内容を的確にただすようなことについては書いていない。これはどういうわけか。この
答申自身がある種の誘導された、そしてその結果から結論を
出した、そういう
答申であるとしか
考えられないように思うが、どうか。こういう点についてまず答弁をしていただきたい。
もしあなたが
答申を求めた適正な内容からいうならば、現在の全逓その他の労働者との関係はどうあるべきか、あるいは賃金の形態についてもどうすべきか、あるいはこの協約違反傾向についてはどういうふうにやるべきかという点をやはり明確に
答申すべきである。そういう肝心なところは触れないでおいて、ただ
料金のところだけことこまかに書いて、しかも中には、場合によっては一便だ、こういう
国民に対する恐喝的な内容を含んでおるわけです。明らかに
郵便法の規定に違反をすることを
郵政審議会は
答申をしておるわけですよ。したがって、こういう点、
答申内容自身について大臣はどう
考えておるのか、この点を伺いたい。先ほどからの経過は聞いておりますから、今後とも大蔵大臣あるいは経済企画庁長官、郵政大臣がこの問題について、
ほんとうに
郵便料金を上げないという立場で、物価問題について当初の約束どおり
佐藤政府の方針を堅持すべきである、こういうことについての明確な御答弁をいただきたいと思うわけです。