○土井
委員 この
道路交通法の一部を
改正する
法律案の提案理由説明の内容を見ますと、一にこの
法案が提案されました
目的は、「人の健康または
生活環境に係る
被害の実情にかんがみ」というところにあるようでございますから、したがって何といっても人の健康、
生活環境の保全が優先的に
考えられているということでなければ、この
立法趣旨は生きてこないと思うわけでございます。
その辺に対して、先ほど
山本委員からすでに御質問がございましたけれ
ども、続けて私はまず厚生省のほうにお伺いをしてみたいと思うのですが、特に
法案によって
考えてまいりますと、第二条の部分に当たりますが、「
交通公害」とは、「
道路の
交通に起因して生ずる
大気の
汚染、
騒音及び
振動のうち総理府令・厚生省令で定めるものによって、人の健康又は
生活環境に係る
被害を生ずることをいう。」と書かれております。先ほどの御
答弁を承っておりますと、
振動のほうについては、あるいは
騒音のほうについては、研究
調査が進んでいて、それに対しては具体的な
基準というものをやがて出るやに承ったわけでございますが、最もいま憂慮さるべきはやはり
大気の
汚染という問題だろうと私は思うのです。もちろん、これは
騒音についても
振動についてもゆゆしい問題でございますが、急を要する、早く手をつけなければどうにもならない具体的な
被害が起こっているというところから
考えて、やはり早く手をつけなければならないという問題は、私は
大気の
汚染というところにあるのではないかと思うのです。そういう点から
考えていきますと、もうすでに周知のことでございますが、
自動車から吐き出されます
排気ガスの中には先ほど力を入れておっしゃいました一酸化炭素のみではございません。
大気を
汚染している物質のおもなものを見ていきますと、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物、鉛化合物に浮遊粉じん、ディーゼル黒煙等々があるわけでございます。さらに御承知のとおりに、この夏引き起こされました各地での光化学スモッグの
原因になると
考えられておりますオキシダントなんというものはもうしろうとでもよく知っておるわけでございますが、第二次生成物として窒素酸化物と炭化水素との光の化学反応によって生成されるものだということになっているわけでございますから、局地的に起こる現象とはいえ、やはりこれはある局地に起こる非常な
被害としてこの窒素酸化物、炭化水素等々の環境
基準というもの、さらにはこの排出
基準というものを具体的に
考えなければ、今回の
法案を作成する
意味が薄いと私は思うのです。この点について厚生省のほうでは、特に私お尋ねいたしますが、炭化水素、窒素酸化物についての
基準をどのようにお
考えになっていらっしゃるかということを、まずお聞かせいただきたいと思います。