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赤澤政府委員 最初にお触れになりましたシャーロット社との契約の
関係につきましては、これは日本航空機製造の営業販売活動の一環ではございますが、このこと自体、私
ども、監督指導の面におきまして十分でなかったという点につきましては、先生の御
指摘のとおりでございまして、この点はまことに私
ども申しわけないと思っております。
それから第二の点でございますが、ただいま御
指摘になりました航空機工業振興法第二十条並びに二十二条におきます通産大臣の認可でございます。この点につきましては、従来の経緯を一言申し上げておきたいと思います。
それは、
昭和四十一年当時でございますが、当時はYS11の
計画は全体で百二十機ということでございました。当時すでに、百二十機の
計画において全体の収支がどうなるかという見通しを、私
ども日本航空機製造からの資料も受けまして
検討いたしました。その結果、やはりこのままで推移するならば相当
程度の赤字を免れないのではあるまいかということから、四十二年におきまして、御
承知かと思いますが、航空機工業振興法の一部を改正をいたしまして、一方では増資を行なうと同時に、
先ほど御
説明いたしました十億円の補助金を三カ年にわたって支出をするということで、当時の情勢といたしましては、百二十機をもっていまのような
措置をすれば大体収支は償うであろう、こういう
前提があったように
承知をいたしております。その後、事態が経過をいたしましたが、事態の経過とともに百二十機
計画が、これは需要の面からの引き合いの増加もございまして、さらに四十三年におきましては、百五十機
計画ということにふくれ上がってまいりました。その際の
各種の見通し作業等もあるようでございますが、私の
承知いたしておりますところでは、百五十機をもって大体これがとんとんになる、こういう
計画であったように
承知をいたしております。この点につきましては事業の見通しでございますが、一方におきましては、人件費あるいは材料費等の値上がり、同時に量産が進行するにつれて、御
承知のように、もしその他の要素が一定であるとすればコストは下がってくるべきものでございます。そういう
一つの一定のカーブのようなものがございますので、そういったような本来下がっていくべき傾向、それから人件費、材料費の値上がり、こういったものを両方見合いながら、かつ販売努力によって販売価格等も若干引き上げが可能ではあるまいかというようなことを
前提といたしましては、四十三年当時におきましては、百五十機をもって収支が相償うという
計画があったように記憶をいたしております。その後、四十四年、昨年でございますが、昨年になりまして、さらに需要の増大と、また収支の面からいたしまして、この百五十機
計画が百八十機
計画ということに変更になっております。こういうふうに、過去四十一年から今日までの間、百二十機
計画、百五十機
計画、さらには百八十機
計画、こういったような長期の
計画のもとに、一応、日本航空機製造が提出をいたしました長期
計画をにらみ合わせながら、毎年の資金
計画あるいは事業
計画等の審査をしておるわけでございます。
そういった審査をいたすにあたりまして、当然当該年度の
計画内容なり、あるいは所要の資金等が出てまいりますが、これらはもちろん、そういった年度が始まります前に大蔵省と予算折衝がありまして、その予算の
段階で、
先ほど申し上げましたような、あるいは場合によりましては大幅な要求をしたこともございますし、また毎年度の所要量産資金につきましては、四十四年度分までは、政府の保証をいたしますものは全体所要資金の八割、民間がこういったことに協力いたしましてこの量産資金をまかなっておるものが二割、本年度におきましてはこの比率が七対三ということで、まず、あらかじめ所要資金につきましては予算が、予算あるいは財投
計画できめられてまいります。そのきめられましたものを
前提に、一応、日本航空機製造が
先ほどの長期
計画ともにらみ合わせながら、事業
計画、資金
計画等を提出してまいるわけでございます。実際問題といたしましては、こういった
計画を、四月
段階で私
ども審査をいたしましてきめるわけでございますが、こういったようないろいろな
計画、特に長期
計画の
前提にはいろいろ不確定な要素もございますし、また実際問題として一年を通じて
各種の販売、購買活動をしておりますので、往々にしてこういった諸
計画が期待どおりには実現をしてまいらない、こういうことがございます。こういったことにつきましては、私
どもは常に、
計画どおりいくように、これまで日本航空機製造にももう少し収益をあげるように、あるいは経費を切り詰めるように指導しておりますが、何ぶん営業そのものの活動でございますので、そこまで立ち入って
通産省が詳細にこれを、たとえば四半期ごとにチェックするというようなことはいたしていないのが実情でございます。
そういったような経緯を経まして、
先ほども御
説明いたしましたように、本年の三月末の決算におきましては、累計いたしまして七十六億円余の赤字を計上するに至っておる、こういうような状態でございます。