○中井
委員 いまの答弁で大体
内容がわかりましたが、実際相当な、そう言っては悪いが、インチキなものがある。
笑い話を
一つ紹介しますが、工業技術院の、もういまはやめておられませんが、馬場博士の
指導によって、亜硫酸ガスの発生を防ぐために、中部電力が二十五万キロの——将来は五十万キロになりますけれ
ども——発電所の中で五万キロだけマンガンを使って発生する煙を吸収をしまして、それから硫安を取るという試験を、これは通産省が金を出して——中部電力ももちろん出したのでありましょう。いよいよその試験に三年前にかかるということになったときに、ある日突然、三重県の四日市周辺に向かって、マンガンを使ってやると非常に有毒である、それは全然だめであるという、かなり詳細なデータをつくった投書が四日市市に三百枚ばらまかれたわけであります。ですから、しろうとはみんなそれを信用しまして、
地方紙には一斉にそれが大きく報ぜられました。
私は、そういう事件が起こりますときから、前の国会でありまするから、社会党の井手以誠君が
公害対策の
委員長のときでございましたから、よく知っておりましたので、これはおかしいなと思っておりましたけれ
ども、新聞にどんどん出ておりまするから、どうかいな思っておりましたら、一年たったら、それは全くのうそではありませんけれ
ども、売り込みに行ったが断わられたので、腹いせに手紙を三百通出した。東京から出してはわかるというので、飛行機に乗ったかどうか知らぬが、北海道の飛行場から投函をしておるというようなことで、結局、実験は成功しました。実験は成功しましたが、そういうことが何かあるので、もういやになってしまって、その後ずっと続けておるかどうか、私もまだ確かめておりませんが、そういう一例をとりましても、日本という国はあわて者の集団ですから、勇み足といいますか、そういうことも、十分ひとつ通産省あたりがよく監督をしてもらいたいというふうに考えるわけであります。
そこで、宮澤君が来ましたから、先ほどから言っております四日市のコンビナートの
企業の
公害対策費のことでありますが、大協石油や石原産業や中部電力というようなところは、もちろん少のうございますけれ
ども、まあ必死になって
対策を講じておるが、
昭和四日市石油というのは、一番大きなところは案外にやっていないのではないかと言ってきのうおこりました。ところが、いや煙突を高くしているというので、私はそれじゃ調べてみると言ったら、煙突を四本高くしている。百メートルが一本、百十メートルが一本、百二十メートルが一本で、合計五億三千七百万円、硫黄回収装置が一億三千九百万円とか、水添脱硫装置が十五億円とか、いろいろこう書いてきておりますけれ
ども、実際この
程度で四日市の亜硫酸ガスが減っておるかどうか。使用量はどんどんふえているのですから、たとえば〇・一七%にしても、二、三年して倍たくということになれば、もとどおりになってしまうのですから、その辺のところをもう少し——今度せっかくいろいろな
法案が十四も十五も一挙に通るわけですから、これは
水質汚濁の
委員会でありますけれ
ども、ひとつ各
企業にもやかましく言ってもらいたい。百メートルばかりの煙突では、もう間に合いません。たしかオランダでは、四百メートルぐらいの大きな煙突が一本立っているそうであります。日本は、あまり高い煙突は技術的に非常に不可能だという
説明をしばしば私は聞くのでありますが、現実にそんなことはない。もっと高いものを立てられると私はしょっちゅう言っているのですが、いや、高いものを立てると、四方八方に広がるだけであって、ちっともかわらないというふうな理屈もありますけれ
ども、その辺のところについて——これは私、市役所から取った資料でございます。きのう市長が来まして取った資料でございますが、合計百八十一億も使っているのですよ。一体、
政府はどれだけこれに助成したのか。労働組合の諸君も、私
どもと一緒になってやっておるのです。これは当然のことですから私は黙っていますが、海上保安庁が、たとえば石原産業を摘発しましたときには、労働組合員の各労働者が朝十時から夜十時まで二十人ばかり引っぱられて、昼めしも晩めしも食わしてもらえずに調べられたというような話もあり、東京支社にもガサが入り、
大阪の本社にもガサが入ったというようなことで、それで三十三億七千二百万円使っているが、まだ盛んに攻撃されている。こういう事態は、私は皆さんの判断にまちまするけれ
ども、こういうことも申し上げておきたいと思う次第であります。
そこで、これは言いっぱなしのことでありますが、宮澤さん来ましたので、ちょうど悪水等の関係が出てきましたので、ちょっと申し上げますが、第三条によりまする、
排水の
汚染状態に対する
総理府令というのは半年以内に必ず出すと、佐藤君にいま言い切っていただきましたので、たいへんありがたいのでございます。四日市としましては、亜硫酸ガス——これは無色無臭なのですよ。何かにおいがするから、四日市へ行ったらくさいし、亜硫酸ガスが出る、それはうそです。これは無色無臭です。今度は
排水のほうですが、小さな川がたくさんございます、四日市の市内に流れ込む川ば。その川は三十年、四十年前から全くくさいのであります。悪臭であります。作業
環境で発生する悪臭であります。それから色は黄色、茶色、それからときには黒い色、あるいは白いのも出る。それから、あわがいっぱい出てくるそうでございます。透視度、これは正常なものではもちろんない。大体一尺くらい下が見えるという
程度でありまして、これを出しておるのはどこかということになると、いま繊維問題でアメリカとやっていらっしゃるのにはなはだ申しわけないのだが、これは谷口君の東洋紡績、それから鈍紡、東亜紡織、そういう日本の一流の紡績、特に羊毛の整毛の
段階において出る。御案内のとおり、豪州からの羊毛の七割は四日市に陸揚げされます。そして四日市で整毛されて愛知県なり
大阪なり兵庫県に出る、これが順序でございますが、その整毛の過程がたれ流しなのだ。これはアメリカのほうの紡績業界ではどういうふうにされておりますか、ちょっとそれを伺いたいのです。