○吉田(泰)
委員 この問題が起こった原因は、そういう利用者のいわゆる予想見込みが正しくないからなんですね。だから将来発生する
国立公園、
国定公園についての予想をキャパシティ
指定をしておかぬとたいへんなことになりますよ、平面の
指定じゃいけませんよということだけは、この問題の質問を終わるにあたって
提案をしておきます。収容人員をきちっときめて、多いときと少ないときと人数で規定しておかないと、
施設だけではいけない。そうしないといわゆる規制になりませんからね。また
許可して
改善命令を出さなければいかぬような状況になる。そこにあくまで
法律的な問題が残る。いま既存のものはすでに起こってくるだろうと予測されますので、そういう点特にお願いしておきます。
時間もあまりありませんので、最後に結論を急ぎます。
これは
委員長に申し上げたい。大蔵省、お見えになっておられますか。
——この
委員会に差しかえでやってまいったのですが、私は、この法案担当の者で、
政府の公園に対する姿勢を最後の締めくくりとして結論的にお伺いをしたいのです。また、きのう予算
関係で大蔵省の人をお呼びしたのですが、先ほど、二十分ぐらい前ですか、ノーという回答だったわけです。私、おこったのです。皆さん、予算編成あるいは
公害国会で忙しいだろう。しかし、忙しくとも、立場はわかるけれ
ども、きのうまでに連絡をいただきたい。きょう
——いまお見えになったらしいのですが、出ぬでよろしい。私、これは
委員長にもお願いしたいのですが、あとの問題にも
関係すると思います。
自然公園法というのは、言うならばたいした
法律ではないというようなお考えかどうかわかりませんが、事実私は、結論が必要だから申し上げるのですが、まず外国の公園と比較をしてみたいと思うのです。それと、
政府の態度と発想の転換を望みたい。外国と比較をする場合に、先ほどちょっと触れましたが、日本の
国立公園の場合は、国有地が約六〇%、四〇%は民間の
土地ですね。そこにも
一つ問題がある。これは
政務次官おっしゃるとおりです。アメリカなんかの場合には基金を持っておりますから、非常に
運営が楽だと思うのです。日本にはそれがない。予算も少ない、いま言ったように人も少ない。もう
一つは、これは再度
政務次官繰り返しておいでになりましたが、
国民のいわゆる利用する側の態度、これにも問題があると思います。いわゆるモラルの低下といいますか、私はモラルを向上する一助として反則金という
提案を申し上げたのです。ところが、それだけではなかなかむずかしいということですね。日本ほどきたないところはない。外国の場合は、公園に勉強をしに行ったり、ながめに行ったり、静かな心境になったりするために行く。日本の場合は飲み食いしてどんちゃん騒ぎをするために公園に行く。そのように利用者の態度も非常に違うと思うのです。その違いはある。また公園内
事業者の心がまえも全然違うと思うのです。いわゆる一発的にぶったくり主義が公園内の
事業者に非常に多い。そこらに対するチェックがない。ここらにも
一つ問題がある。それに加えて、何度も
政務次官が、
国民に訴えるという
国民の皆さん方のモラルの向上、徳義の高揚を説いておられましたけれ
ども、その前に私は
政府の公園に対する
考え方そのものも非常におくれていると思うのです。
先ほど就職問題で申し上げましたように、ひとつほんとうに思い切った時代感覚を先取りして公園に対処していただきたい。大蔵省の
政府委員に出席を求めて来てくれなかったと皮肉を申し上げたのも、実は公園の予算なんというものは
——前段の質問のときに、私はもうけっこうですと断わりましたからおいでになりませんでしたけれ
ども、清掃費なんというものは、いままで八百万円足らずです。その範囲内でもっと大事なことがあるのだという問題、これは他省にまたがりますが、たとえば公務員の問題で人の問題を説く場合でも、私は
一つの
提案として、たとえば食糧事務所なんか二万七千名もいるじゃないか。これは農林省所管ですからこの場で論議することではないかもしれません。米の検査員も二千五百名もおるじゃないか。しかも一体何を仕事にしているのだという気がいたします。人がない。人がないばかりではこれはいけないので、硬直した現在の
政府のあり方、特に
政務次官なんか非常にお若いのだから、ほんとうは発想の転換の急先鋒に立ってもらいたい。そうしなければ、予算はない、人はない、しかも人は余っているところは幾らもあるわけです、転換さえすれば。むずかしいことであるけれ
ども。やっぱりそういう時代が来ておるのじゃないか、そんな気がいたします。
したがって、大蔵省当局の
考え方も、もう少し公園などというものにほんとうに時代を先取りした予算を組むようになれば、私はほんとうの実質的な近代国家の仲間入りをすると思うのです。そうしなければ、あくまでごみの山があり、モラルの高揚にたよったところで、二十年たっても、なかなかいまのような教育制度では私は望めないと思うのです。総合的な成果が出てくるものには相当な時日を要するのじゃないか、そんな気がいたしますので、そういう点で、いわゆる
政府の態度
——日一日と公園は悪くなることを私は懸念する一人であります。レジャー人口がふえればふえるほど悪くなるのじゃないか、それに対する具体的な施策を
政府が考えないと、たとえば先ほ
ども私は述べましたけれ
ども、公園にするのにばっと投網をかけて公園にしてしまう、これははなはだもって無責任な
行政の態度だと私は思うのです。最小限度のものは国が国有にするというような形に持っていかないと外国並みの
管理はできない。したがって、
基本的に
政府の態度、これは
政務次官に最後に御答弁をお願いしたいのですが、
政府の態度
——利用者側の態度も大事であるけれ
ども、モラルの高揚だけに依存しないで、モラルの高揚が具体的にできるような反則金の問題とか、
政府の投資の問題とか、そういうことをもう少しお考えいただかないと、なかなかこの
自然公園がよくなるということは非常にむずかしいことであろう。しかし、十年後、二十年後に自然の保持ということを、たとえばケネディ大統領がその教書の中にうたったごとく、日本も
政府がほんとうの自然保持に金をかけて取っ組んでもらいたい。ものを言うだけでなくて。そういう気がいたしますので、最後に私は、
政府に対する要望、態度の発想の転換をお願いして
——大蔵当局の主計官の方にははなはだ恐縮でしたが、もう質問が終わったあとでお見えになったのですから、だからそういう態度も
——委員長にお願いしたいのですが、出席できない場合は、前日にできないと、私はそれでもけっこうだと思うのです、忙しいから。しかし私はそのことを了とするわけじゃない。質問の十分前になって出席できないと言うから私はおこったのです。そういう態度も、これは
厚生省に
関係がありませんが、少しまじめに考えていただきたいと心からお願いを申し上げまして、質問を終わります。