○佐野
委員 どうもやはり、
公害がこのような形で発生しておる中に、わが国におけるところの土地利用計画が十分でない、土地利用計画に法的な拘束力と執行力を持たせなかった、こういう点が、
企業をして高度経済成長政策の名のもとに
公害をまき散らした、こういう点が強く反省されねばならないと思いますけれども、そのためには、
都市計画法ができて、いわゆる土地利用計画が初めて法的拘束力を持ってわが国に登場してまいった、八つの用途
地域に分ける、あるいはまた高度
地区なり、空地
地区なり、文教
地区なり、幾つかの
地域、
地区制を採用することになる。ここには私権の制限も行なわれますし、特に市街化調整区域の場合におきましても、
都市計画法上の許可制をとっておる。ですから市街化区域の場合においては、七十坪以上であります場合には、県
知事の許可がなくては開発行為はでき得ない、こういう規定を置いておるわけですね。しかも工業
地域、準工業
地域、工業専用
地域、こういう用途
地域の区分も法的拘束力をもってこれから執行していく、こういう出発が始まったわけですね。それだけ私権には相当な影響を及ぼしますから、ここで公聴会なり何なり、住民の参加のもとでいわゆる
都市計画はどうするか、あるいは用途
地域をどう決定するか、こういう住民参加の中で
一つのプランをつくっていく。そこには法的拘束力を持たせる。先買い権、買い取り請求権という制度もこの中から生まれてまいる。ですから、これからの
企業立地に関しては、
都市計画法なり建築
基準法が大きく動いてくるわけです。
その場合に、許可制をもって、わずか七十坪の土地を動かすにいたしましても、そこにいま構築物を建設する場合におきましても、
知事の許可制にかかってきておるわけですね。その他の法令を見てまいりましても、高圧ガスその他を見ましても、やはり県
知事の許可制になってまいっておる。多くの法令は県
知事の許可制になってきておる。
と同時に、土地利用計画で十分な
関係のある、しかも過去の反省の中から出てまいりましたところの
公害事前
防止として、用途
地域の法的な拘束力を持たせる。こういう場合に、その用途
地域の中における
工場建設、しかも、ここにおいていろいろな発生装置を持つところの
事業所ができてまいる。これに対して県
知事がほとんど届け出制だけだ。たとえば許可制その他によってやっていくというのは、許可制の場合ならば、これは
公害基本法によって許可されたところの
事業所であります。これにはばい煙
施設はありますけれども、それは心配ないんだ、あるいは粉じん、やりますけれども問題ないんだ、しかも、これは県
知事として
都市計画上にも沿っておる。同時に
内容もそうであります。こうしてこそ住民は公聴会を開き、住民参加の中できめるところの
都市計画、用途区域、その中におけるところの
事業場そのものが、住民の生活環境なり住民の健康のためにどうなるかということも十分にわかってまいる。何をやっているのだ、これは許可を受けてやっておるのだ、片方のほうは許可を受けて、片方の
施設だけはこれを無許可で届け出でやるのだ、これを届け出ているのか届け出ていないのか住民にはちっともわからない。
自分たちの住んでいるところを
自分たちでよくしていこうじゃないか、そのために私権も制限しますよ、こういう法のたてまえが、国会においてずいぶん時間をかけて
都市計画法を三国会までも通じてやりましたのが、ようやくいま動いてまいった中で、実は発生
施設がこの中には届け出でいいのだ、こういう形で通産省なり
厚生省の
基準に従って、私は届け出ました、いや虚偽の届け出をしたら五万円の罰金だ、しかも、それはどんどん進んでいく、これはおかしいじゃないか、これはとめなければいかぬじゃないかといったときには、罰金があるから、あなたの言うには行政罰があるから、その上にもう
一つ執行罰という過料を課するのは二重的な不利益を与えるというのですけれども、ちっとも不利益には——全然性格が行政罰というものと違ってくるのじゃないですか。その不作為的なために停止命令、
事業はやめなさい、作業はやめなさい、工事はやめなさい、やめなかったら一日幾らくらいの罰金をとりますよ、こういう形で押えるよりしょうがないじゃないか。そういう状態なんですから、とめなければそういうものに電気やガスはあげませんよ、こういうことは、
法律上明確にしておくために、私は許可制があった場合にいろいろな口実化ができる。これはこういう
基本法によって許された届け出があるのだとか、いろいろ
内容も告示できる、そのためには届け出だと、県
知事としては届け出を受け付けて、
内容を書類審査するなりいろいろやるという過程の中においてしかでき得ない。しかも、そういう場合にもっと住民も参加して無届け——現にこれは無届けの発生装置なり何なりというものを一体どうして押えるか、やはり住民参加なり、そういう
都市計画の中におけるこういう
事業場なんだ、こういうことがはっきりすることにおいて押えることができるのじゃないか。そうするには、他のものは許可制になってきておるのに、このことだけは
厚生省と通産省が
基準をつくって、その
基準によっておまえらは届け出ればいいのだ、こういう形の第六条というものは、
考えてみても、もっと実行性を持たせる、実行性を担保するためにはやはり許可制にすべきじゃないか。
大臣どうですか。私は一、二の
地方自治体もそういう
意味において許可制をとっておる。また許可制をとらなければ実行性をあげられない、こういうことで許可制を条例の中に採用している。ある県におきましては国の
基準に従って届け出でいいのだ、こういう条例を設定したところにおきましては、いわゆる許可制に条例を改正する直接請求としての県民の請求運動が起こってまいっておる。こういう現状を
考えてまいりますなら、もうすでに
自治体におきましては
公害を事前に
防止する、起こったらもうだめなんですから、
防止するためにはもっと
地方自治体に許可権限を持たせなければならぬ。その許可権限の内において
地域住民と一緒になってこれを
防止する道が生まれてくるのだ、権利としていろいろな
方法がとれるのだ、公示だとか、掲示だとか。しかしながら、単なる届け出の場合にはこれはわからぬじゃないか、告示のしようもないじゃないか、片方においてはたった十五坪や三十坪の建物を建てるためにも——あるいは公聴会を義務づけているところもありますが、聴聞会を開く。住居
地区の中にこれを建てていいのかどうか、利害
関係で聴聞会を開く。こういう形で片方でやられておるときに、
公害をまき散らして、発生源になるこれらの問題について、事前に
規制をする。そのために強力な権限というものを
地方自治体に与えるためにも、許可制というものは妥当な
措置じゃないか。そういう世論、そういう動きが真剣にいま高まっておるのが現実じゃないか。そういう現実にやはり
法律はこたえる必要があるんじゃないか。こういう点について、
大臣はどうお
考えになりますか。