○新井
委員 もともと
設計変更はできないというふうな考え方で
検討したところで、それは決して何もいい知恵が出てくるわけはないと思います。先ほど答弁にもありましたけれども、昭和三十七年に長期
計画としてつくられた道路でございますから、その時差というものが現在の
都市化とマッチしないということは当然出てくるんじゃないか。したがって、それをそのまま進めるということは常識的に考えても非常におかしなことであって、そこに手直しをされなければならないことがあればどんどん手直しをして、そしてその地域の住民の方にも喜んでいただかなければならない。私は、これがやはりいつも心がけていかなければいけない施策の
一つであると思うわけでございます。そういう
意味において、美濃部都知事がちょうど何か区民集会かなんかを行なったそうでございますけれども、そのときに、住民との話し合い抜きで道路が
計画されることは、これはもうとんでもないことである。
それから二番目の問題は、団地は
住宅地であるから、その中を幅の広い自動車道路が通る、そうして十文字に切ってしまうというようなことも反対である、それから公害を生む多くの道路が通るということは当然考えられるわけでございますけれども、そういうようなことについての科学的な
データの裏づけがないところにそういうものをつくることは問題である、こういうようなことで都知事にただしまして、都知事のほうも大いに
検討しようというようなことで言っておるそうでございます。
そこで非常に問題になりますことは、今後の話し合いについていろいろなことをお聞きになっていると思いますけれども、
一つは騒音でございまして、これはもう高速道路でいろいろと苦情等も出ておるところも聞いておるわけでございますけれども、たくさんの車が通る場合に、その騒音はどの程度になるかということを、道路公団としてもきちんとした科学的な
データを出して納得をしてもらわなければいけない。
それからまた排気ガスの問題も、現在自動車では、中古車でとまっているときは五・五%ですか、そういうようなことで規制はどんどん行なわれてまいりましたけれども、そういうようなことも、非常に近くを通るということで、それもある科学者の話によりますと、風のない場合等については、数万台の車が一日通った場合に、そこの空気は非常に悪化して、人間が生息するような
状態ではなくなるというようなことも考えられる。これもこまかい
データをいまあげるわけではございませんけれども、そういうようなことも至るところに本が出ておるわけでございます。
そういうようなことで、ほかにもいろいろの
問題点があるわけでございますけれども、今後そういう面をひとつ前向きに
検討していただいて、道路公団はこれだけの守備範囲である、都のほうではこうだ
——いろいろ複雑な機構の中にあって非常にたいへんなことではございますけれども、ひとつそういうことについて前向きに
検討していただきたい、このように思うわけでございます。
この問題であまり時間を食っていてもしかたありませんので、前向きにやっていただけるということでおいておきますけれども、
政務次官、こういう問題について地域住民の方が非常に困って、仕事をあるときは休み、また苦労して、自分たちでもって何か防衛をしなければいけない、自己防衛を自分たちでやらないとだれもめんどうを見てくれないというようなことがあるわけでございます。これは
建設省であるとか、または道路公団であるとか都であるとか、いろいろと組織的にもありまして、確かにそういうことの調整というのは非常にむずかしいわけでございますけれども、こういう問題が起こったときに、住民側の立場としてなるほどそうだというときには金がかかるとかかからないとかは別にして、それを認めるところは一切認めてそういう問題を解決してあげなければいけない、このように思うわけでございますけれども、そういう点について、
建設大臣が今後そういうときにどのように調整をはかってくれるか、そうしてまた、一歩前進した住みやすい道路や
住宅をつくるかということについての
見解をひとつお聞きしたいと思います。