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1970-12-17 第64回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年十二月十七日(木曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 濱野 清吾君    理事 白浜 仁吉君 理事 高橋清一郎君    理事 丹羽 久章君 理事 森下 元晴君    理事 華山 親義君 理事 浅井 美幸君    理事 吉田 賢一君       阿部 文男君    笠岡  喬君       中山 利生君    田中 武夫君       高田 富之君    日野 吉夫君       鳥居 一雄君  出席政府委員         通商産業省重工         業局長     赤澤 璋一君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      徳田 博美君         会計検査院事務         総局第五局長  石川 達郎君         参  考  人         (日本航空機製         造株式会社取締         役社長)    東海林武雄君         参  考  人         (日本航空機製         造株式会社専務         取締役)    宮本  惇君         参  考  人         (日本航空機製         造株式会社取締         役)      平田 好蔵君         決算委員会調査         室長      池田 孝道君     ――――――――――――― 委員の異動 十二月十七日  辞任         補欠選任   水野  清君     笠岡  喬君   勝間田清一君     田中 武夫君 同日  辞任         補欠選任   笠岡  喬君     水野  清君   田中 武夫君     勝間田清一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  国が資本金出資している法人会計に関する  件(日本航空機製造株式会社に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 濱野清吾

    濱野委員長 これより会議を開きます。  国が資本金出資している法人会計に関する件、特に、日本航空機製造株式会社に関する問題について調査を行ないます。  本日は、参考人として、日本航空機製造株式会社より取締役社長東海林武雄君、専務取締役宮本惇君、取締役平田好蔵君の出席を願っております。  参考人からの意見聴取は、委員質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。
  3. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 日本航空機製造の問題について少しお尋ねいたしたいと思いますが、この問題は先日もたいへん国民の注視の的になりましたことは御承知のとおりだと思います。特にこの問題に当たりまして、通産省監督権限について少し尋ねてみたいと思います。  日本航空機製造会社について、通産省立場として、航空機工業振興法の定めるところによりますと、日航製通産大臣監督するところによってその業務を行なうことになっております。今回問題になったシャーロット社との契約については、会社営業活動として行なったものでありますが、通産省監督権会社の具体的な営業活動にまで及ぶものかどうか、私はこの際確認しておきたいと思います。今回の例のように、会社の将来の命運をかけるような大きな契約の場合は、事前監督官庁相談すべきであると私は考えるが、あなた方のほうは相談を受けられたかどうか、どうでしょう。この点、通産省見解をひとつお示しいただきたいと思います。
  4. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、日本航空機製造株式会社に対します監督につきましては、航空機工業振興法第二十条の規定によりまして、毎営業年度事業計画資金計画収支計画認可、それから第二十二条によりまして、長期借り入れ金等認可、こういったことを通じまして監督を行なっておりますほか、同法によりまして一般的な監督責任を負っておるものでございます。  今回のような事案でございますが、営利を目的といたしておりまする株式会社でございまするので、その一々の営業活動につきましては、私ども個々にはくちばしをいれておりません。そういったたてまえからも、また第二十七条によりまして、毎営業年度決算等につきましては報告をするというようなたてまえに相なっております。今回のような契約内容等につきましては、当時、当然通産省は、こういったことをやりたいというような報告を聞いており、また、それなりに通産省としても意見をあるいは言っておったというようなことではないかと存じております。
  5. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 少し飛躍した点から申し上げますと、下取りをした飛行機相手方に渡すというようなときには、これは重要な財産相手方に渡したわけでありますが、二十一条に「会社は、通商産業省令で定める重要な財産を譲渡し、担保に供し、又は有償で取得しようとするときは、通商産業大臣認可を受けなければならない。」というようになっておりますが、この二十一条の適用というものはどういうような見解を示されますか。
  6. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 ただいま御指摘の第二十一条の重要な財産の譲渡ということが、今回の三十三機の引き渡しに当たるかどうか、こういうことでございますが、三十三機を向こうに引き渡しましたのは、先般の委員会でも日本航空機製造のほうから答弁がございましたように、一応これをシャーロット社に売却をし、そして、その代金をもって手数料の一部と相殺をするという契約でございます。したがいまして、この二十一条の規定には直ちに該当しないものと考えております。
  7. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 二十一条に該当しないとするならば、十億三千五百八十七万円というような不当支出指摘を受けるような問題が起きてくるまでに、一体通産省としての監督立場としては、どういうような点に、この監査はでき得なくても会社運営に対する注意をしておられましたか。どうでしょう。
  8. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 今回の事案のような場合には、非常に重大な会社運営にかかわることでございますので、私どもといたしましても、当時から十分これにつきましては注意もし、また監督指導もいたすべきであったと深く反省をいたしております。ただ、こういったようなことにまで十分な指導監督が及ばなかったということはまことに申しわけないことでございまして、今後はかかる事態のないように、なお一そう指導監督を強化してまいりたい所存でございます。何とぞ御了解をお願いいたしたいと思います。
  9. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 ただ単なる、申しわけないとか、こういうような問題が起きてきてすみませんと思いますじゃいけませんが、監督官庁のお立場として、国策会社として国民税金出資をしたこの会社に対して特に注意を払わなければなりません。それは私が言うまでもなく、十分局長は理解できることであろうと思います。いままでに会計検査院からこの会社赤字欠損等々に対して指摘せられております。そういう意味におきましても、きょう始まったことではありませんから、どのような注意をしてこられたかということの一例二例をひとつあげていただきたいと思います。
  10. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 一方におきましては、会計検査院指摘が前々からございましたし、また一方におきましては、会社当局といたしまして、私どものほうにいろいろな長期計画につきましての収支見通し資料が出ております。そういったような資料によりますると、昨年あたりから私どもは百八十機計画で進行いたしておりましたが、百八十機を売り上げました場合にほぼ収支が均衡する、赤字が出ましても若干の赤字ではないかというような計画会社から出てまいりました。それを審査いたしております段階で、私どもは、どうもこのままではとうてい赤字の増加というものは防ぎ切れないということから、昨年の暮れにおきましては、関係のメーカー六社の社長会議も開きました。そして、この日本航空機製造の今後の運営に関しまして、十分なる体質改善をしてもらいたいということで、二、三の御注意も申し上げ、また、日本航空機製造に対しましての今後の運営について特段の配慮をするような注意も申し上げたわけであります。さらに、本年度になりましてから、こういったような長期計画上の赤字というものが非常に判然としてまいりましたので、これではいけないということから、急遽航空機工業審議会を開催いたしました。ここに長期日本航空機工業政策あり方を諮問いたしますと同時に、この中に政策小委員会を設けまして、日本航空機製造の問題をこの場で審議をしていただき、また同時に、その場には日本航空機製造社長委員として出ていただきまして、そういった立場から、私どもとしては、今後日本航空機製造のあるべき形について十分御注意も申し上げたというようなこともございます。そういったことを通じまして、日本航空機製造業務運営体質改善が行なわれるように注意をしてまいったつもりでございます。  ただ、こういったような事態がございましたことにつきましては、先ほど申し上げましたように、一般的な監督指導権を持っております私どもといたしましては、まことに不十分であったということで、申しわけなく存じておる次第でございます。
  11. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 国民のとうとい税金から、新しい時代の要望する経済大国としての航空機開発に対しては、どれだけの赤字が生まれ出ても、一つのものを開発する上においてはやむを得ない現象であろうと私は思うのです。しかし、このようなずさんな会社あり方に対しては、国民の一人としても許すことはできません。そういうことを考えてみますると、通産省自身も、局長の現在の心境というものは、実に謙虚な考え方で新しい形での意欲に燃えられて、会社自身あり方に対してはもっときびしくやるべきであったという反省の色はよくわかります。しかし、それがもっと事前になぜ行なわれなかったのでしょうか、私が遺憾に思うところはその点なんです。あなたのいま言っていらっしゃる心境というものはよくわかりますが、事前に、会計検査院指摘をした一年、二年前のときに、あなたの代でなかったかしらぬけれども、なぜもっと通産省は厳重な監督と勧告を与えなかったかということなんです。いまさらこれを申し上げてもやむを得ない現象になっておりますけれども、私は、こういうことがあってはならないということを、もっともっとほかの会社に対しても、通産省は謙虚な気持ちで考えをしっかり持っていただきたいということを強く要望するんです。しかし、これであなたの問題を打ち切ったのではありません。きょうは、さらに参考人においでいただいておりますので、順次追っていきまして、また局長答弁をいただくことにいたしましょう。  それじゃ参考人にお尋ねいたしますが、先日の浅井君の質問に対していろいろと御答弁がありましたけれども委員長が四つの項目に分けて、その答えを出しなさいということを会計検査院にお願いせられたから、会計検査院から正式文書が出ておりますが、だいぶ食い違っておる問題があります。これは専務宮本さんの答弁会計検査院指摘しておる点とはだいぶ食い違っておる。たとえば十五万ドルの問題にいたしましても五十万ドルの問題にいたしましても、あなたの答弁と食い違っておるところがある。私は、このような大事業をなしていく日本航空機製造そのもの自体の十五万ドルを払った問題にいたしましても、前渡しということであるが、その積算根拠がなくて、デモフライト的な費用に見合うもののように思いますが、あとで精算していないようであるが、はたしてどうでしょうか。これは精算しておりますか。
  12. 宮本惇

    宮本参考人 先日も申し上げましたように、前渡金の積算根拠はいかにという御質問でございますが、われわれといたしましては、当時シャーロット社のいろいろなデモフライトあるいはその他の問題に対する協力の度合いということと、初めの契約におきまして一機が売れれば手数料を払う、その事態におきまして相当商談が成立しかかっておりましたので、その範囲内という意味で十五万ドルを支払ったわけでございまして、具体的な精算根拠というものはございません。
  13. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 十五万ドルにいたしましても五十万ドルにいたしましても、私ども考えている面から申し上げると、手づかみで、これでがまんをしてくれ、要求に応じてこれでどうだ、三十三機も渡すが、というようなかっこうになった決算だと私は考えるのです。これは私一人の考えではありません、きょう出席していらっしゃるところの委員の皆さんの考えも私の考えと一致しておるように思うんです。  そこで、これだけの仕事をしようと思うのに、一体このシャーロットという会社自体をさがし出すということにおいて、どのような信用調査をせられたかということが問題になりまするが、この会社にすべてをまかせるということにおいての会社内容は、私に言わせれば全くナンセンス的なあり方だといって過言でないと思うのです。たとえば授権資本が五十万ドルといわれておるけれども、実質的な払い込みというものは一体幾らの会社なんですか。一機五億円もするものをアメリカを中心にして各国に売ろう、独占的な権限を与えましょうというような契約をしていく上において、この会社よりなかったとするならば、一体こういう飛行機をつくって売るということに対する考え方が、基本的の出発として全然間違っていたといわなければなりませんが、その点について、実際の業務に携わっていらっしゃった専務にお尋ねいたしたいと思うのです。
  14. 宮本惇

    宮本参考人 先日も申し上げましたように、四十一年当時YS11の販売状況が非常にお先まっ暗であったということでございますが、そのときにアメリカローカルエアライン後継機としてYS11が適当であると、先方からやってきたわけでございます。当時日本は、われわれがかりにアメリカへ持っていっても相手にされなかったということで、向こうから参りましたのに飛びついたわけでございます。シャーロットという会社は、アメリカの、この間申し上げましたように中古機販売業をしているので、新品は初めてでございますが、ただシャーロットとやりましたことによって、アメリカへの輸出の糸口ができたということは言えるかと思います。しかしながら、そういう独占販売代理権を与えてほんとうにやってくれるという点の見通しが確かに誤ったということはまことに申しわけないと思いますが、われわれといたしましては、シャーロットのおかげで、アメリカあるいは中南米、ひいては世界じゅうに売れたという事実はあったと申し上げたいと思います。したがいまして、いまになってみますれば、その点の慎重を欠いたということは、私自身深く反省をいたしておる次第でございます。
  15. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 いまだにシャーロットがあったからこそアメリカとの関係ができたのだとあなたはおっしゃいますが、これだけのものを国策会社として設立をし、そして生産過程に入ってきてお先まっ暗だなんというようなときに、あなた方だけでやれるというようなことよりも、政府が五十数%のたいへんな出資をしているのですから、政府側にもなぜ相談をもっとせられなかったのですか。あなたは何度でも同じようなことを言って、シャーロットがあったからこそ、いまになってこれとしては損をしたけれども、それによって得た利益というものはまだあるのだというような見解を示していらっしゃいますが、そういう言い方は私は納得できないですよ。
  16. 宮本惇

    宮本参考人 シャーロットが参りまして、こういう話があるということで、もちろん通産省にも御連絡をし、また現実にデモフライトその他のときは係官の方にも行っていただいたわけでございます。したがいまして、確かに、当時の状況としてはまあ売れる見込みがない、われわれといたしましては、せっかく日本の技術をもって開発した飛行機がこのままで三十機ないし四十機でおしまいになってしまうということは非常に残念でございますし、最大の販売努力をいたしたつもりでございます。したがいまして、現在数としては百五十ないし百八十というものが売れておりますが、同時にまた、赤字が出たということにつきましてはまことに申しわけないとは思いますが、しかしながら、これにはこれなりの、やはり初めての飛行機を特に輸出をするというために思わざる失敗と申しますか、あるいは多かったということの結果としてこうなったことはまことに申しわけない。ただ、初めてでございますので、飛行機販売、特に輸出ということは全然日本としても経験もございませんでしたので、結果としてまことに申しわけないのですが、百八十機売っても赤字になるという結果になってしまいましたことにつきましては深く反省をいたしておりますが、やはり初めてのことで、いろいろ思わざること、われわれの予想しないことがあまりにも多かったということも事実でございます。
  17. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 きょう出席をしていただいております全責任者である取締役社長東海林社長にお尋ねいたしたいと思いますが、こういうような大きな赤字に進んできたのですけれども、あなたは責任者として、この会社に常に御出勤になって、そしていろいろの面を指導していらっしゃったかどうか、どうでしょうか。
  18. 東海林武雄

    東海林参考人 お答えいたします。  私が就任いたしましたのは本年の三月末日でございまして、それから毎日実は出勤しております。業務を見ておりますが、いまお尋ねになったことが、全部見ておるかどうかという御質問でございましたらそれだけお答えいたしたいと思いますが、ほかにございますか。
  19. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 それでは、あなたは前の社長から引き継ぎというような話を何か聞かれて、この会社に対しての決意というようなもの、このままではいけないというお感じにならなかったでしょうか。
  20. 東海林武雄

    東海林参考人 お答えいたします。  私が就任しましたときには、実は会社内容の詳細にわたってはわかっておりません。しかし、就任と同時に、もちろんこれは今後の経営のためには詳細を知らなければなりませんから、それをだんだん調べてまいりますと、きょう問題になっておりますような問題が出てくるわけなんでございます。  そこで、このままではだめなんだということで、先ほど局長からも何かお答え申し上げたようでありますが、審議会を開いて、これは一体どうするか。五月の決算時におきまして百五十四億の赤字になっております。資本金は七十八億でありますから――ただ延べ払いの勘定がございまして、それが八十何億しますというと、実質の赤字が七十六億何がしかになります。そういたしますと、資本金をほとんど食ってしまったという形になるのでありますから、今後の計画というものは、いわゆる立て直しにはよほどの覚悟が必要ではないかということで今日までやってきたのでありますが、これもいまのままでは――これは御質問にございませんけれども、なぜそういう赤字になっておるか、いまの問題になっておりますこと以外には、金利負担が非常に多いということなんです。でありますから、このままでは幾ら働いても赤字になるということは、この金利負担を抜本的に取り除かない限りは、われわれが幾ら努力してもこれはだめなんだ。そこで、経営委員会と申しますか、この間六社の社長会議でもはかりましたけれども、いわゆる再建委員会のようなものは、きょう午後開かれます審議会にそれを提案いたしましてそういうものをこしらえようか、こういうことに相なっておる次第でございます。  以上、お答え申し上げます。
  21. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 ただいまの話を聞いてきますと、非常にたいへんな金利を払っていかなければならぬということですが、その金利は年間どのくらいなんですか。
  22. 東海林武雄

    東海林参考人 過去においてのいままでの支払いは、金利としては百億をこしております。それから四十五年度、今年度金利支払い、これは三月まででありますから予想が入っておりますが、大体五十三億三千万円、こう見ております。
  23. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 どうもありがとうございました。  それでは、専務にもう一ぺんお尋ねいたしたいと思いますが、同じようなことを聞くわけですが、先日も答弁のうちに、この引き取りをしてもらった飛行機に対しては売買契約をしたとおっしゃっておりますね。売買契約をしたとして、また、今度は売買契約としての金額をそのまま向こう手数料として支払っておりますが、そういうような契約のしかたというものは、商法の上においても、あるいは考え方におきますと、片一方で利益をあげながら、そのまま相手方にずばっと払うという手数料という形にならなくて、ゼロということではなくて赤字ということにならなければならぬと思いますが、そのような帳面上の処理をしたとすると、それは粉飾的なあり方のように思いますが、どうでしょうか。
  24. 宮本惇

    宮本参考人 お答え申し上げます。  新しい飛行機を売る場合に下取り機を引き取ってくる、その下取り機を実際売ります場合には高く売れないということで、今回の場合はシャーロットに対して手数料として払った分がございますが、その差額がいわば下取り差損という形で別途損失として計上してございます。
  25. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 もう一度お尋ねいたしますが、下取り機売買契約をして、そしてシャーロットにこの飛行機を渡すときも売買契約をして、そして売買契約とすれば利益になっていきますけれども、それが全部向こうに払ったのですから、そういう帳簿上のあり方というのは納得できないのですけれども、どういうことですか。
  26. 平田好蔵

    平田参考人 お答え申し上げます。  下取り機だけに限ってお話し申し上げますと、下取り機一つの商品でございますから、下取りしたときの価格仕入れ価格になっておりまして、それを損して売ったわけですけれども、売った価格売り値になっておりまして、したがって原価高売り値安という決済になっております。したがいまして、その差が赤字ということで、赤字累増の原因になっております。そして下取り機を売ったときの収入は、そのまま販売代理店手数料ということで落としてございますから、経理上は全然関係ないことになっておりまして、粉飾というようなことは全然ございません。
  27. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 くどいようでありますが、別に下取りしたときは下取りしたとして、帳簿価格に五百八十五万ドルという下取り価格――事実受け取ったのは五百八十五万ドルである、この帳簿価格が三百八十三万一千ドルということになる、シャーロットに渡したときには二百二十三万ドルと、三つの段階になっておるわけですね。それはおわかりになるでしょう。  そこで、本来いえば帳簿価格で引き取ってくれと言うことが、商人として考えるならば普通なんです。それから、下取りで取ったときには、新品をある程度高く売るという意味において下取りも少しは高く取ってやろうということになるわけですから、これは理屈に合うわけなんです。シャーロットに今度売るときは二百二十三万ドルですからね。百六十万ドル近いものを損して引き取ってもらった。ある程度の時期がたてばそれは安くなるということはわかるのですけれども、こんな差をつけて渡したということにも一つ疑問点を持たなければなりません。そこで、帳簿価格で折衝してみたら受け取ってくれなかったかどうかということにも問題があるわけなんです。受け取ってくれなかったから安く渡したということになるのだろうと思うのですが、そうすれば、何も売買契約しなくて、そのまま手数料として渡しますよということに帳面を持っていったっていいと思うけれども、なぜ売買契約をしたのですか。その点に疑問を持つと私は言うのですよ。私の質問がわかりませんか。そのまま一銭も一厘も、相手に取ってもらった価格から帳面に残るものはないでしょう。しかも、相手に渡した金は手数料として評価して、下取り飛行機を三十三機全部向こうに渡したのでしょう。そうすると、その飛行機手数料というものはそのまま手数料として行ったのですから、売買契約をして一応帳面に載せるというような行き方というのは、何か帳面操作上に疑惑を持たなければならぬと思うが、どうでしょう。
  28. 平田好蔵

    平田参考人 お答えいたします。  下取り機下取りいたしましたときは、これはもちろんその下取り機を将来代理店手数料に充てるというような考えはなかったわけですから、そのときは普通の仕入れという帳簿のつけ方をしたわけでございます。それでそのあとそれを口銭のかわりに渡したというときに、おっしゃるとおりそれをそのまま口銭として渡したという経理のしかたもあると思いますけれども、まあ買ったものですから、一応これを売りに立てて、同額を口銭として払うという決算のしかたもありますので、別にどちらでもよかったのじゃないかというので、そこに帳面の操作をするためにあえてそういうことをしたという考えは全然ございません。
  29. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 こういう問題が起きてこなければ、そういうことを追及したり聞こうと思いませんけれども、こういう問題が起きてくると、やはりこういう処置の方法というものに疑惑を持たざるを得ないということになるわけなんです。だからこの際確認をしておきたいと思って聞いたのですが、もう一度申し上げましょう。  下取り機向こうでそのまま金額をきめて出した、そしてそれは契約上の手数料として出したものならば、それを売買契約帳面に載せなければならぬという理屈は成り立たないと私は思う。その売買契約帳面行き方というものがおかしいじゃないかということなんです。これはさらにもう一ぺん会計検査院調査をしてもらうことにいたしますが、今度、売った価格を二百二十三万ドルにきめられた、それは向こうの言い値であったのか、あなたのほうがもういたんできたからそれで取ってくれと言ったものか、それは知りませんが、百何十万ドルという差金のついた取り方をしてもらったということについては、一体どのような価格に対する審査、どのようなメンバーでそれを行なわれてこの価格をきめられたかということなんです。少なくとも、あなた方は個人の会社として経営をしていこうという考えではなかったでしょう。少なくとも、国策会社として国民の金がここの中に通っているのだという考え方ならば、引き取った価格が五百八十五万ドルというばく大な金額であって、帳簿価格が三百八十三万ドル、しかも取ってもらうときには二百二十三万ドルというようなほんとうに大きな差がついておりますが、この大きな差をつけるときにはどういう慎重な態度でやられたか――この契約に対しての不備があって、こういう金で出さなければならぬという運命に立ち至ったことは理解できるけれどもシャーロットに引き取ってもらうときの価格に対しては慎重な態度でやらなければならなかったと思うが、これはどういう方向でこの価格をきめられたか、これをひとつお尋ねいたしたいと思います。
  30. 宮本惇

    宮本参考人 お答えいたします。  価格が、二月十日の場合に三百八十三万ドル、それから四月二十五日が二百二十三万ドルと二段になっております。これは実は、二月十日にいよいよ縁を切るときには、五十万ドルの現金と、この値段につきまして時間的に余裕がなかったということで、先方の了解をとった上で、後日できるだけ正確な値段にしようということで、二月の分はいわばかりの値段でございました。  しからば、四月になって二百二十三万ドルをどういう根拠でやったかという御質問でございますが、これはわれわれといたしましては、たとえばマーチンという飛行機を一機だけ現実にわれわれの力で売ったのでございますが、二万五千ドルでしか売れなかった。非常に古い飛行機でございます。それを四万ドルで引き取ってもらった。そのほかのコンベアその他につきましては、当時いろいろ調べました結果、大体の相場があります。それが、たとえば飛行機の状態におきまして、すぐ飛べるもの、半分ぐらい時間のたったもの、全然オーバーホールをしなければ飛べないもの、そのオーバーホールをしなければ飛べないものが一番安いので、現実にわれわれが引き取りました個々の飛行機の状態から見て、大体この程度の値段が妥当であろうということを基準にいたしまして二百二十三万ドルという値段をきめたわけでございます。これはその後の情報でございますが、シャーロットが引き取った三十三機を一体どれだけで売ったかということを調べてみましたところが、現在十八機売っております。十五機はまだ手持ちで持っております。売った値段も、オーバーホールその他からいえば、必ずしもわれわれが売りました値段より高く売っておらないという事実もありまして、したがいまして、四月二十五日の分が、大体当時のいわゆる中古機の相場から見ておかしくないという一応の前提のもとにああいう値段を算出したというのが実情でございます。
  31. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 専務に申し上げますが、シャーロットがそれを引き取っていって売った価格はもうけていないとかどうとかおっしゃいますが、シャーロットというのは、十五万ドルに五十万ドル、そして飛行機を三十三機もらったというのは、あなたの会社契約自体が不備であったための手数料として持っていったものですよ。それは向こうは何の資本をかけたものでもなし、ほんとうに契約、一片の紙によって――こちらの契約がきちっとできておれば、日本自身が、一年間一機も売れなかったらおまえのところはわが社に対してどれだけ賠償するかという話が成り立っておれば、こちらがもらえるのですよ。それを残念ながら、契約の不備のためにそれだけのものを払っておるのでしょう。だから、向こうが幾らで売ろうと、それは無から有が出た利益じゃありませんか。それをどうしてあなたはそういうようなものの言い方をするのです。現在、国民がこのような金の使い方をせられてはたまらないという前提に立ったとき、別に銭もうけはしておりません、私どもの売った価格は公平でありますとおっしゃる。それはなるほど公平かもしれません。公平なら公平のような段階がなければならない。それについて、どういう専門的な技術屋によって、これは時期がたって幾らで下取りとして取ったけれども帳簿価格はこうなっておるが、これを向こうに引き取らせるについては、この値段が適当であるという慎重な審査をした結果渡したのだという答えが出てこなければ本当でないと思う。向こうがそれを引き取っていって、売ったのは十八機で、そんなにもうけておりませんとかどうとかいうようなことは、私は答えにならないと思っている。どうでしょうか、その点。
  32. 濱野清吾

    濱野委員長 宮本参考人答弁のための答弁というのはやめなさい。時間がかかってしょうがない。君の答弁はずるいよ。答弁のための答弁でなく、真実を話しなさい。
  33. 宮本惇

    宮本参考人 先ほど申し上げましたのは、私の言い方が悪かったら訂正いたしますが、私の気持ちは、二百二十三万ドルの価格査定は、一応先ほど申し上げました当時の相場に基づいてやったのでございますということを申し上げたわけでございます。
  34. 濱野清吾

    濱野委員長 シャーロットはただもらった金でしょう。そんなものを引き合いに出すから審議が延びてしょうがない。
  35. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 そうすると、こういうような査定をする上においても、本当にその査定をするような技術屋はあなたの会社にもいなかった、また、そういう人を雇い入れて調査をしてもらうということもなかったということなんですか、どうでしょう。
  36. 宮本惇

    宮本参考人 日航製にそういう中古機の査定をし得るという技術屋は、残念ながらおりません。当時といたしましては、日本における唯一の経験者とすれば、日本航空の中にそういうエキスパートがおられまして、その方等の御意見も承ったと聞いております。したがいまして、残念ながら現在うちの会社でそういう鑑定人的な者はおりません。
  37. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 だんだんお尋ねをいたしますと、実際飛行機をでかす技術はあっても、問題は、それを売る上においての営業マン的な考え方で進んでいける機構というものは整っていなかったということにも相なるだろうと私は思うのです。  そこで、時間がありませんから私の持ち時間での結論に入っていきたいと思いますが、率直に申し上げまして、専務はいろいろ御答弁になりましたけれども、最初の出発点から実際問題として実にずさんであったと言わざるを得ないということになるのです。その例をあげていけば数限りない事例があがりますけれども、それはそれとして、この四十四年度末の貸借対照表によると、先ほど社長が言われた累積赤字は百五十四億に達しております。それから割賦販売による利益分を差し引くと、実質的な赤字額は七十数億になるわけでございますが、これが年々増加しているという傾向なんです。YS11は四十七年までに百八十機を生産して一応終わるという予定のように聞いておりますが、これを最後まで売って割賦販売による清算が終わるのは、計算すると十年先になるわけなんです。一ぺんにキャッシュでくれませんから、年々もらっていくということになると十年先になる。そのときの段階での損益の見通しはたいへんな赤字になるように思うが、この点どうでしょうか。
  38. 宮本惇

    宮本参考人 御指摘のように、YS11の販売は全部延べ払いでございますから、現実に全部決算が終わりますのは昭和五十二年ごろになります。そのときの損益予想がどうなるかということでございますが、先般もお答え申し上げましたように、実質で百億以上になるのではないかという見通しに現在なっております。
  39. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 そういうたいへんな金額が赤字になることを覚悟してやらなければならないということも、これは考えものでありますが、それについて、この赤字をもっと埋めていくという方向に対する何か考えを持っておられますか、どうでしょうか。
  40. 東海林武雄

    東海林参考人 先ほども申し上げましたけれども、私がこの春、日航製にやってまいりましたということは、いまのような日航製の状態ではどうにもならない、これは一体どうにかならないのかということでございまして、私が乗り込んでまいりましたけれども、いまいろいろ問題になっておりますような問題点がたくさんございます。たくさんございますが、何と申しましても、飛行機の仕事というものは非常に大きな金額を要するということと、いまの七十八億の資本金の中で、さっきも申し上げましたけれども一年に五十三億三千万円の金利負担をしているということは、一体会社自体としてはやっていけないわけでございますね。ただ、その場合に、販売努力をしたらそれは一体埋まるのか埋まらないのかということになりますと、これはその後販売しているものは損をしておりません。若干ながら黒字になっておるのであります。  でありますから、基本的には、どうしてもそういうような多額の金利負担を何とか整理しなければいけないということで、これも再建委員会で――先ほどもこれは触れましたけれども、本日の午後に開かれます委員会でそういうものをつくって抜本的にこれを整理をしておこう、そうすれば明るい見通しが出てくるのではないか、私はこういうように考えております。
  41. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 いま社長さんの話を聞きますと、一番大きいガンになるのは金利問題である、この五十数億の金利が何と、かいい方向で処理ができていくならば再建される形になっていくのじゃないか、赤字解消に大きな役割りをするのじゃないかという見通しをしていて、再建委員会にこれをかけていきたいと思うというお話であります。  その前に、この会社の従業員の内容に触れることはどうかと思いますが、会社自体には男女合わせて四百六十数人いらっしゃるということなんです。このうち営業担当は女子を含めて四十七人ということであるようでありますが、このうちの七、八人は事務的な人であって、そして重役が二人、実働する者は三十数人よりないということであります。こういうものを真剣に売り込んでいくいろいろの面において、はたしてほんとうにこの内容で進んでいって営業マンとしての万全を期することができるのだろうかというように私は心配をするものなんです。力不足ではないかということになると思うが、この点はどうですか。金利だけではなくて、もう一つ、その内容に対しての社長考え方というものを率直に聞かせてもらいたいと思います。
  42. 東海林武雄

    東海林参考人 その問題は先生の御指摘のとおりでありますが、何にいたしましても、手不足と申しますか、そういうような点は痛感しております。  ただ、販売につきましては、御承知かもしれませんけれども、商社の活動を非常に重点的に考えております関係上、これは不足は不足でございますけれども、それと協力するという関係では現在のところはやっていけるんじゃないか、こう考えておりますし、将来の問題としましては、これを十分充実させていきたい、かように考えております。
  43. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 結論を言いたいと思いますが、通産省局長、ひとつしっかり御答弁を願いたいと思います。  昭和四十五年八月の航空機工業審議会の答申によりますと、その基本的な考えとして、経済大国としてのわが国の航空機工業の育成の必要性がいわれております。私もこれに同感するものであります。次のYX開発に要する開発費の負担及び日航製の性格、組織の改革等、今後いろいろ考えていく問題がたくさんあります。幸いに、こういう問題が起きて、経営改革委員会が設置せられて抜本策を考えるようでありますが、その基本的な考え方あるいは構成メンバー、そういうような点についてどう考えていらっしゃるか、ひとつあなたの考えを、あなたは大臣のかわりとして、責任者として国民に訴えるべきであり、みずから反省していらっしゃるようでありますから、しっかりした御答弁を願いたいと思います。
  44. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 日本の航空機工業も、昭和二十七年以来、各種の航空機のいわゆるライセンス生産をはじめといたしまして、特にYS11というもので飛躍的にその基盤を固めてまいりました。私ども、今後の日本の産業構造あるいは機械工業に占める航空機工業の先導的な役割り、こういったものを重視いたしまして、やはり国家としても、これには十分なる育成対策、振興対策を進めていかなければならないと深く考えております。この点につきましては、昭和三十三年に成立いたしました航空機工業振興法においてもその趣旨が強く述べられておるところでございます。  こういった振興法の趣旨にも沿い、また、いろいろと困難な問題はございますが、私どもは当面、YS11に続く新しいジェット航空機というものを日本人みずからの手で、みずからの技術でやはりつくっていきたい、そういう政策をやっていきますことが、日本の航空機工業の今後の飛躍につながり、これはひいては国民経済全般に大きく利益をもたらすものだという点を確信いたしております。  こういったような非常に大きな問題が現在目の前にございます際に、日本航空機製造自身体質改善の問題が、これまたきわめて重大な問題として御指摘を受けておる次第でございます。そういったような観点にかんがみまして、本日の午後になりますが、航空機工業審議会を開きまして、その中で、ただいまもお話がございましたような経営改善専門委員会というものを置きまして、その委員会日本航空機製造の経理、組織、運営長期計画、こういったものの徹底的な究明を行ないますとともに、経営改善策につきましての抜本的な検討をお願いしたい、こう考えております。  この専門委員会は、やはり企業経営についての学識経験者あるいは財務、経理についての専門家、こういったような、きわめて中立的であり、かつ、こういう問題に対する専門的な学識を持っている方に委員を委嘱してまいりたいと考えております。こういったような第三者機関で日本航空機製造の組織、運営、今後の営業活動あるいは長期計画全般にわたりまして根本的な改善策を推し進めてまいりますと同時に、私ども監督立場にあります通産省といたしましても、この改善委員会の検討の進みぐあい、その結論等も十分勘案をいたしまして、今後日本航空機製造に対する私ども指導を一そう強化してまいり、御期待に沿うように必死の努力を続けてまいりたい所存でございます。
  45. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 参考人としての東海林社長の決意をひとつ聞かしていただきたいと思います。
  46. 東海林武雄

    東海林参考人 私が参りましたのは、日航製というものが日本にとりまして非常に重要な産業であるというたてまえから、これの立て直しというと語弊があるかもしれませんけれども、そういうことで参りました。いま言ったように、この春私が就任以来これが検討を重ねてまいりましたが、その結論としましては、いまの経営専門委員会というもので、これをあけすけに実際に日航製のある姿というものを出して、そうしてこれが再建の方途につながるかどうかということを御検討願う第三者の手でやっていただくということにいたしまして、さらに大きな、今後のYSに続くいわゆる後続機の問題に取りかかっていきたい、かように考えておる次第でございます。
  47. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 一応この問題を打ち切ることにいたしますが、国民としましては、こういうような事態が起きたことを遺憾に思っておることは間違いありません。  そういう意味におきまして、通産省も、いま参考人として日航製東海林社長がおっしゃったように、十分心して、そして航空機発達のために真剣な努力をしてもらいたい、これを私どもは願ってやみません。  くどいようでありますが、いままでいろいろ内容を検討してみると、ほんとうにずさんそのものであると申し上げて決して私は過言でないと思う。時間があったらもっと追及すべき点はたくさんありますけれども、それはあなた方が一番よく知っておられることであろうと思いますからこれ以上の追及はしません。いまの決意をそのまま生かして、このあなた方の汚名を、より一そういいものをつくることによって挽回していただくことを心から願って、一応私の質問を打ち切ることにいたします。  たいへん御苦労さんでした。
  48. 濱野清吾

    濱野委員長 華山君。
  49. 華山親義

    ○華山委員 シャーロット社との間のいろいろな不始末の問題につきましては、いろいろ論議されまして、なおお聞きいたしたいことがありますけれども、それを省きまして、最初に一言だけお聞きいたしておきますけれどもシャーロット社が売り込めなかった、しかし日本の商社によって売り込むことができた。何かシャーロット社に大きな欠陥があったのだろうと思いますけれども、それは、あとでお考えになってどこに――シャーロット社にそういう能力がなかったのか、どういう点にあったのか。信用がなかったのか、あまりにも小さい会社で、資本の点で足りなかったとか、いろいろな点があったと思いますが、どういう点であったのでしょうか。
  50. 宮本惇

    宮本参考人 いまから考えますと、要するにシャーロット社というのはいわばブローカーでございまして、実際にソールエージェントとしてのやる能力、資本、そういった点が欠除しておったということを深く反省しております。
  51. 華山親義

    ○華山委員 私も全く、どちらかというならば、悪質業者に引っかかったんじゃないか、極端なことを言えばそういうことが言えると思うのです。ある人が新聞を見て私に言ったのですけれども、悪質の不動産業者に行って、たいへんいい気持ちで帰ってきたところが、あとからひどい目にあったのと同じようなことになったんじゃないかということを私に漏らした人がありますけれども、私は適切なことばじゃないかとさえ思うわけです。私、悪質な業者でなかったかとさえ思うわけです。  さて、そういうふうな、会社が売り込めなかったので日本の貿易業者が売った、それに対する手数料はいままでどのくらいお払いになっておりますか。
  52. 宮本惇

    宮本参考人 ちょうどシャーロット手数料支払いに見合うものが八億八千万円でございます。
  53. 華山親義

    ○華山委員 もう一度……。
  54. 宮本惇

    宮本参考人 日本商社に払いました手数料は八億八千万円でございます。
  55. 華山親義

    ○華山委員 その八億八千万円につきましては、何か各業者との間に契約でもあって、一定の基準によってお払いになっておりますか。
  56. 宮本惇

    宮本参考人 これは厳重な契約を結びまして、大体平均三%くらいの率で、実際やってもらったことに応じて払っておるわけでございます。
  57. 華山親義

    ○華山委員 日本の業者との間では三%、それから前に契約したシャーロット社との間ではもっと高いですね、契約が。こういうところにも問題があったのじゃないかと私は思うのです。日本の業者だったら三%、ほかのほうでございますと六%とか五%――売り上げによって違っておりますけれども、そういうふうな違いがあるわけであります。  さて、一つ伺いますけれども、そのことはそのこととして、これは委員長にもお聞き願いたいのでございますけれども、私も決算委員を多少の間やっておりますが、これは決算委員会としても考えなくちゃいけない問題があると思う。  と申しますことは、昭和四十二年の商工委員会航空機工業振興法の改正をいたしておるわけでございます。それで、このときのことを読んでみますというと、この改正の要旨は、YS11の設計、試作等の完了後においても、政府日本航空機製造株式会社に対して出資することができるものとすることでありまして、従前の法律によりますというと、これらの完了後には政府出資しない、こういうふうな法律を改正しておるわけです。そしてその改正の趣旨は、おそらくは、もう開発の済んだあとは御自分でやりなさい、独立採算でやりなさい、そのあとは金を出しませんよということだったと思う。それをここで改正しております。その次に、政府出資の限度を四十二億円としておるわけであります。四十二億円というのは従来からの合計でございますけれども、四十二億円としているわけであります。  それで、これにつきまして、この改正法の審議には商工委員会では三日間やっているわけであります。これはたいへん長いものになりますから一々申し上げませんが、その中でところどころを申しますと、参考人としておいでになった、そしていまここにもおいでになっておりますが、宮本専務はこういうふうに言っていらっしゃいます。「今年度予算におきまして政府出資等の助成策をお願いいたしておりますので、これらの総合的効果によりまして、少なくとも百二十機の販売によりまして企業としての採算はとり得るということを確信いたしておる次第でございます。」こういうふうに言った。この確信がだめになったという現実の状態なわけであります。(田中(武)委員「おれがだまされたということなんだよ。」と呼ぶ)  それから、いまここにおられる田中さんにはたいへん御迷惑なのかもしれませんが、田中さんはそのときに商工委員としておいでになっておりまして、そして、一体この四十二億――いままでのを全部合わせて四十二億になるわけでありますが、四十二億だけでもうたくさんなのか、将来間違いないのか、こういうことを聞いているわけでありますけれども、そのときの重工業局長の高島さんは「その点はYSnというものに関連いたしましてははっきりめどを持ちましたので、これは出資の限界であります」、こう言っております。これからもう出さなくたっていいのだということを言っているわけであります。そうしまして「YSに関する限りはこれで区切りをつけていく、こういう気持ちで出資限度をきめました。」こう言った。ですから、もうこれだけでYS11の問題はもうおしまいなんだ、こういうふうに言っておられる。それで田中さんの質問の趣旨は、普通だったならば、予算の定むる限度においてというのでありますけれども、この法律では特別に四十二億と、こう言っておられる。なぜ普通の法律のように、予算の定むる範囲といわないで四十二億という金額を出したのかということについて、ずっとその後のいろいろな要旨を見ますと、とにかくこれでおしまいなんだから四十二億というものを男らしく出したのです、こう言っているわけです。ところが、現実の問題はこういうことになってきたわけです。  これは私、多少の間決算委員会に籍を置いておりますけれども、非常に重大な問題だと思う。どちらが悪いのか。国会が、いま田中君の申しましたとおり、だまされたことになるのかもしれません。悪意はなかったのでしょうけれども、結果においてそういうことになるわけであります。ほかにもありますけれども、ちょっとたいへんな、決算委員会としては重視しなければならない問題だと思うわけであります。  それで、こういうふうになりました結果は一体どこから出たのか、どこにこういう狂いがきたのか。おそらく、その当時大蔵省と折衝なさって、限度四十二億ということをきめられたと思うのでございますが、その際には将来の――われわれは銀行から金を借りるのにも、一々将来の計算を立ててそして融資を仰ぎます。その際に出された計算書というものがあると思いますけれども、どこに狂いがきたのか、何ゆえ狂いがあったのか承っておきたい。
  58. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 四十二年におきます航空機工業振興法改正についての御論議をいま御指摘を受けたわけでありますが、当時の情勢を調べてみますると、百二十機の生産計画というものがまずございました。そこで、百二十機の生産計画ではあるが、その際金利問題というような問題は当時から指摘をされておりまして、このままでまいりますと、百二十機の場合にもなお当該会社としては赤字を生ずるおそれがある、したがって、この日本航空機製造の百二十機長期生産計画に対して、何らかの政府の助成をしていかなければYS11の今後の量産販売に重大な支障があるのではないかということから、当時におきましても航空機工業審議会の中に専門委員会を置きまして、今後のYS11の量産販売促進対策をどうするか、その場合に必要な政府の助成はどうするかという審議が行なわれておったように記憶をいたしております。  そのような審議の経過を経まして、結論的には、金利のつかない金をこの際日本航空機製造に与える必要があるというようなことから、一方におきましては、五十五億円という当時の資本金、そのうちの三十五億円が政府出資でございましたが、この五十五億円の出資を増資するということ、それからもう一つは、当時アメリカ等に販売をいたします場合に、一トンばかり大きな飛行機にしなければ売れないというような事情が判明をいたしましたので、その改造設計等に要します経費、これも政府が助成をするというのが適当であろう、こういったような大まかな筋立てではございますが、詳細な点はいま私記憶がございませんが、大体そういったような筋立てからいたしまして増資をする、かつまた、政府が十億円の助成金を三年にわたって出す、こういうことがきめられたように思います。  その段階におきましては、先ほど商工委員会における宮本専務の陳述をお読み上げになりましたが、日本航空機製造におきましても、百二十機生産を行なうことによって収支は償いますという確信を持っておったと考えます。そういったような確信のもとに、政府といたしましても、四十二億円を限度として出資をすれば、これでだいじょうぶであるというふうな考え方をとっておりました。その点、当時田中先生から鋭く御指摘を受けておるところでございます。  その後の情勢につきましては、引き続きまして日本航空機製造のほうから御説明があろうかと思いますが、私ども立場で見ておりますと、その後需要の増加もあり、また販売努力も加わりまして、百二十機生産から百五十機生産へ、さらに昨年の当初におきましては、これを百八十機生産へというふうに生産機数を上げることにいたしました。私どもの感じでは、生産機数を上げることによって、一方では人件費、材料費等が値上がりをいたしますが、量産効果が出てきて、そのほうがむしろ会社としても利益になるであろう、また輸出もできまするので、そのほうが国にとっても利益である、こういう判断から百八十機計画にまで計画を拡大してまいった、こういう経緯であろうと思います。  百八十機計画になりましても、先ほど東海林社長の言われたように、なお相当の赤字が残ってまいる。これはなぜかということでございますが、私どもの承知いたしておりますところでは、やはりその後におきまする人件費、材料費の値上がり等――一方ではいまのように量産を拡大しますことによるコスト減もありますけれども、やはり材料費、人件費等の値上がりのほうが大きかった。さらには、国際的に見て、だんだんとジェット時代になってまいりますし、それから同種の飛行機と国際舞台で競争しなければならぬということから、売り値がどうしても上げられない。私どもとしてはもう少し、二千万円でも三千万円でも売り値を上げられないかということを申したこともあるようでございますが、これはどうしても上げられないということ、さらにはまた、その後の経過におきまして借り入れ金の金利がまた金利を生むというような事態になってきた、そういうことから、当時、四十二年に想定をいたしておりましたような基本的な点が大きく変わってきた、くずれてきた、こういうことではないかと私は理解をいたしております。
  59. 華山親義

    ○華山委員 これは私は、決算の問題からいたしまして大きな問題だと思います。とにかく、その際にこれは委員会では満場一致で賛成をしているのです。そういうようなことで結果がそれとは全く逆にいった、こういうことは決算委員会としてはほんとうに重大な問題であり、追及さるべき問題だと思います。場合によっては、国会のほうが審議が足りなかったということになるのかもしれない。そういうふうなことでございますが、私、見ますというと、どういうふうにお考えになりますか、いろいろなことで人件費――あるいは販売高を多少でも上げていく、手数料も減らしていく、そういうふうな合理化の面はあると思いますけれども、そういうところの経営の内部の合理化、それだけによっては将来とも赤字を続けるのじゃないか、根本的な解決にはならないのじゃないか、こういうふうにも私は思います。  と申しますことは、なぜこれが原因になるかということをいろいろな損益計算書等で考えてみますと、十年あるいは五年の繰り延べの払いをしているわけです。したがって、そこから入るところの受け取り利息があるわけでありますけれども、その受け取り利息よりも支払い利息のほうがずっと多いわけです。原因は延べ払いのところにあるのじゃないか。しかし、現実の問題として延べ払いでなければ売れない、これは現実だと思うのです。そうすれば、この圧力は営業外収益と営業外支出とにおける受り取り利息と支払い利息との間のこの差、これにあるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。それで、現実の問題として考えるならば、これを通俗的な目で見るのならば、まあ世の中にあるところの月賦販売会社ですね。月賦販売会社が非常に薄い利益で売っておって、そしてそれを全部借金でやっている。それは売るほうにも多少利息をつけて見込んで売るでしょう。ですけれども、そんなにたくさん利息の見込みもっけられないというふうなこともあって、私は、根本的にはこの点が是正されなければこの会社は永久に赤字が続くのではないか、こういうふうに思いますが、社長さん、どうですか。
  60. 東海林武雄

    東海林参考人 ただいま先生が御指摘になりましたのは、私ら逆ざやと言っておりますけれども、受け取り利息と支払い利息との差というものが出てまいります。これは今後の問題としましても、日本の現状からいたしますと、商売の面から見まして、どうしても逆ざやな現象というものは仰せのとおり解消しなければ、この面の赤字というものはおそらく消えていかないだろう、かように考えておりまして、これらもきょうの委員会のほうではもちろん取り上げる問題になっておりますから、その結果によりましてこういう問題を解消していきたいというように考えております。
  61. 華山親義

    ○華山委員 それで、この最近のことによりますと、受け取り利息と支払い利息との差額が七億ほどございます。年によっては十五億ほどのこともございますけれども、これはとても損益計算書によるところの売り上げ利益でカバーできない。そして、これについて先ほど宮本さんのおっしゃったとおり、なかなか売り値の点、あるいは合理化の点でもそう利益を伸ばすことができないということになれば、私はこれはなかなかたいへんなことじゃないかと思うのです。  それで、決算立場から言えば、そういう点については、そういう点を追及しておらなかったという面もございますけれども、そういうことについて三日間にわたるこの議事録のどこをさがしたって出てこないのですね。そういう点はその当時お考えになっていたのかどうか、その点をひとつ伺っておきたいと思う。もしもそういうことを知っておって黙っていたんだとすれば、これはとんでもない話だ。しかしこれは本質的な問題だと思うのですよ。その当時当然考えなければいけない問題だったと思うのですよ。それがこの議事録の中に出てこない。どうなんでしょうか。  これは通産本省にお聞きしたほうがいいのか、その当時の当事者であられる宮本さんにお尋ねしたほうがいいのか、ひとつお話し願いたい。
  62. 宮本惇

    宮本参考人 いま先生御指摘のとおりでございますが、当時としては、その予算が通りましたころは輸出というものが全然出ておらなくて、予算が通ってから輸出が出始めたわけでございます。そうなりますと、たとえば売り値が、やはりものすごい競争になりましてなかなか上げられない。しかも原価のほうは、先日から申し上げておりますように、A型改造ということをやりまして、もちろん補助金はいただきましたけれども、その原価が、いわゆるランニング価格が下がってまた上がったというところで、初めの段階が予期以上の赤字が出た。と申しますのは、あの四十二億円のときにはA型改造というものが入ってなかったわけでございます。  それから第二点といたしましては、やはり販売費用が予期以上にかかった。先ほど来御審議いただいておりますが、下取り差損という問題と、それから輸出をやってみて一番感じましたのは、われわれいままで考えておったよりもはるかにサービス費用がよけいにかかる。飛行機でございますから、やはりネジ一本なくても飛べないというようなことでサービス費用がよけいにかかった。  それから第三点といたしましては、やはり飛行機ができ上がったときにすぐ売れるということならば右から左にお金が入るわけでございますが、これが滞留せざるを得ないという期間が相当ございます。この間の金利の逆ざやというものが予期以上に出てまいりました。  最終的に、最後にいえば、YS11の場合は資本金が五十五億でございました。これは開発費で全部食いつぶしております。したがいまして、この四十二億円のときは、いわば量産資金的に二十三億円ふえたわけでございますが、二十三億円の資本金に対しましてあまりにも所要資金量が大き過ぎるということで、結局量産は全部借り入れ金でまかなった、したがいまして、受け取り金利と借り入れ金利がパーならばいいのでありますが、やはりそういう点が逆ざやになったという点は、今日複利でいきますればたいへんな赤字になってしまう、したがいまして、実際問題として、輸出に際し予想せざる出費が、全く予想していなかった出費が多かった、これが現状でございまして、そういった見通しを誤りました点については、心からおわび申し上げたいと思います。
  63. 華山親義

    ○華山委員 私は予想できなかったわけじゃないと思うのですよ。また、予想できないで――こういうような赤字が出そうだというのだったらば、そのときはそのときで、国会の議決を経ているのですから、国会にまた報告するなり何なりしまして、さらに増資を求めるなり救済策を求めるなり、そういった方途があってしかるべきだと思うのです。それはやはり国会の権威というものを重んじてもらわなければ困る。その後にこういう事態になって初めて、会計検査院から指摘があったのでその根本問題までも論及しなければいけないということは、私はたいへん残念だと思う。  これで私も一応終わりますけれども、たいへんな問題だと思いますが、これは新しい飛行機の問題も出てくるわけでございます。しかし新しい飛行機に移る、そのときに会計がごたごたになってしまって、何かわけがわからなくなってしまったということでは困るわけですね。ですから、このYS11にかかわるところのものは、国会においてもああいうふうに、ここでけじめをつけるのです、こういうふうに言ったのですから、けじめがついたのかつかないのかきちっとしてもらわなければいけませんし、国会の関係のみならず、会社の経理といたしましても、私はこのYS11に関するところの会計というものと、新しく今度事業をなさるのだとするならば、新しい飛行機の問題とは、これは別個の計算でやっていただかなければならない、こう思いますが、社長、いかがでございますか。
  64. 東海林武雄

    東海林参考人 先生のおっしゃるとおりでございまして、その点ははっきりさせたいと考えております。
  65. 華山親義

    ○華山委員 そういうふうなことですが、しかしこれにつきましては、通産省のみならず、大蔵省もおいでになっていると思うのですが、その当時、大蔵省もあれでいいんだというふうにお考えになっていた、その後毎年毎年損害が出てくる、そして国会がきめた、国会に説明したようなことができない。言うことが明白であったならば、やはり国会に対しまして、私は、そのつど報告すべき問題じゃなかったか、そうすれば、国会におきましても、これは何とかしなければいけないというふうなことから、別個の考え方も商工委員会等から出たんじゃないかと思うのです。いまになって、こういうふうな事態になったということは、私は非常に国会の立場からも残念だと思う。そういうことをひとつ申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  66. 濱野清吾

  67. 田中武夫

    田中(武)委員 私はこのYS11、これに関しましては、三十三年に法案が成立したときから商工委員でその審議に参加したものである。したがって、航空機製造株式会社の、どちらかといえば私はむしろ応援の立場をとっておりました。したがって、きょうもあまりいやな質問をやらないつもりでおったのですが、先ほど来の質疑答弁を聞いておりますと、少し言っておかねばならない、こう思いますので、あえて質問をいたします。しかし、ここでいま私が申しますことには直ちに答弁はできないと思います。したがって、それは検討事項あるいは研究事項として、後日に研究をした結果を知らせてもらってもいいと思います。  それは、会計検査院は本件につきまして不当事項として指摘をいたしております。  しかし、私はこれは法律違反の支出である、このように思うわけでございます。シャーロット社との契約は単なる代理店契約ではありません。独占契約であります。そういたしますと、独禁法の六条第一項によって禁止せられているところの契約であります。独禁法はすなわち強制規定であります。そうするならば、民法九十条によってこの契約は無効である、したがって、その契約に基づいて支出したことは、違法の契約、なかったところに支出したことになります。したがってこれはシャーロット社に関しては不当利得となる、したがって当然不当利得の返還請求をなすべきであります。  もう一つの観点から見ました場合には、この契約はあくまでも双務契約であります。具体的にシャーロット社の義務をうたっているとか、うたっていないとかは別といたしまして、これは一方的な契約でなくて双務契約であることは間違いありません。そういたしますならば、一方のシャーロット社のほうは、いわゆるYS11の販売努力をするということが契約内容であります。しかも、一年間に五機以上売った場合は云々ということ、この条項によって、シャーロット社は当然契約に基づくところの販売努力をすべきであります。ところがこれをやっていない。そして日本航空機製造株式会社のほうはその努力に対して手数料を支払う、こういうことを内容とする双務契約であります。ところが、一方がその契約を履行していない。契約不履行であります。それなら当然民法の原則、あるいはこれは双方がいわゆる航空機の販売等々を営業として行なっておる、業として行なっておるという点から見るならば、商法の規定が適用せられると思うのです。そういたしますと、商法の五百二十五条によってこれは当然契約を解除すべきであります。したがって、契約解除するときにあたって、その手数料ないし違約金を支払う必要はありません。  いずれからいたしましても、これは不法の支出である。したがってシャーロット社は不当利得をしておる。どういう面から見ても、これは返還請求をなすべき性格である、このように思いますが、いまそこで御答弁ができるならば答弁を伺います。
  68. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 お答えいたします。  最初の独禁法違反ではないかという問題につきましては、これがはたして独禁法で禁止している販売ないし取引方法に該当するかいなかにつきましては、これは少し検討させていただきたいと存じます。  次の双務契約であるというような観点からの御質問につきましても、われわれの指摘いたしましたのは、そもそもそういう契約がおかしい。先ほどお話もございましたように、当方の義務だけ規定いたしまして、先方の義務を規定していない、いわば片務的な契約であるというような観点で論旨を進めているわけでございますが、御質問の点につきましては、なお検討させていただきたいと思います。
  69. 田中武夫

    田中(武)委員 いま会計検査院のほうからそういう答弁がありましたが、独禁法六条一項を見ますと、これははっきりと禁止せられたものであります。と申しますのは、これこれの地域内においては他の者をして販売させないということです。したがって、独禁法第六条一項にいう契約である、私はそう思います。  それから、いかなるものであっても、この契約が片務契約であるとはいえないと思います。双務契約であります。したがって、会計検査院がその契約内容の不当性を指摘し、そうして不当の支出だと、こうせられたことで私は文句を言っているんじゃありません。しかし、私の感じからいうならば、これは違法の支出である、このように私は思うということを申し上げているのです。したがって、会計検査院あるいは会社当局等々がこれについて検討の結果を知らしていただけばけっこうです。いまここで直ちに結論を出せと言っても無理だと思います。もしそうでなくて、ここで論議をやろうとおっしゃるなら、法制局でも呼んできて私、論議をしてもいいと思います。あるいは公正取引委員会を呼んできて論議していいと思いますが、それはちょっと無理だろうと思うのです、失礼ながら。したがって、これは一つの懸案、研究事項として提案をしておくという程度でとどめたいと思います。委員長……。
  70. 濱野清吾

    濱野委員長 承知しました。
  71. 田中武夫

    田中(武)委員 じゃ、そういうことで……。
  72. 濱野清吾

  73. 浅井美幸

    浅井委員 先ほど丹羽委員からも指摘がございましたので、私は前回も質問をいたしましたが、先ほど丹羽委員質問に対しての御答弁の中で疑問点がございますので、その点をただしたいと思います。  通産省に伺いたいのですけれども日航製シャーロット社の間で独占販売の代理店契約がこれは結ばれた、これについて監督官庁である通産省として、その内容をチェックしたことがあるのかどうか。いわゆる契約内容ですね。ずさんな契約であるということが再三指摘されておりますけれども、それが契約内容についてチェックをしたことがあるかどうか。
  74. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 当時、四十一年当時でございますが、先ほども答弁申し上げたように、通産省といたしましては、法律に基づくところによりまして認可等をする反面、一般的な監督指導権限がございます。責任がございます。そういう意味合いから、本件につきましては、当時やはり担当のほうで日本航空機製造から本件に関する事情聴取をし、あるいはそれについて何らかの指導をしておったということは十分考えられるところであります。ただ、宮本専務からも御答弁がありましたように、当時の全般の事情から見て、本件につきましてはやむを得ないものと、そういう判断をしたのではなかろうかと私は思います。
  75. 浅井美幸

    浅井委員 やむを得ないものと判断したかどうか、この点はあなたのほうも当時の局長じゃないのでわからないでしょうけれども、これは明らかに、こういう一方的な契約であったということについての通産省監督不行き届きは、これは免れないと思うのです。  先ほどの下取り中古機の問題ですけれども、先般私は質問のときにこの点について宮本さんにもお伺いした。ところが、きょうはまた強弁して、二百二十三万ドル、八億二百八十万円でよかったというような内容の返事がありますけれども、これは通産省の重工業局長として、この三百八十三万一千ドルの評価が二カ月後に二百二十三万ドルに変化したことについて、あなたはどのように知っておられるのですか。
  76. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 当時の事情でございますので、私自身としてはつまびらかにいたしておりませんが、今回指摘を受けましたにつきまして事情を調べてみますると、先ほど答弁がありましたように、契約解除をするということが日本航空機製造にとって必要であり、かつ、今後の経営上も有利になるという判断、この判断につきましては前々から検査院等からも指摘がございまして、通産省としてもそういう方向で本件を処理すべきだという考え方を持っておりましたように承知をいたしております。  それから詳細な内容の点でございますが、この点につきましては、申してみれば、株式会社である日本航空機製造の行ないます営業活動の一部というふうにも考えられますので、そういった詳細な点まで当時事情の報告を受け、審査的な立場ではたしてチェックしたかどうか、この点は実はあまり明らかでございません。私自身といたしましては、いま御指摘にあった十三億何がしという事柄の性格がどういうものであったか、その点はいろいろ聞いておりますが、いわゆる減価、当時減額いたしました簿価に近いところで、とりあえず向こう側と裁判によらないで和解の状態で話をする、こういった状態でいろんな数字が出てきたのではないか、あくまで前の数字はその和解に至る一つ段階としてのかりのものであったのではないか、こういうような感じでこれを受け取っております。
  77. 浅井美幸

    浅井委員 局長にお聞きしたいんですけれども、四十四年二月十日の評価額というのは、評価ではなくて和解のための話し合いの額ですか。
  78. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 和解をするためには一応の金額を決定する必要がございますが、その金額を決定する際の評価額として示されたものと思います。
  79. 浅井美幸

    浅井委員 和解の額じゃないじゃないか、評価額じゃないですか。その評価額の基本はどのようにして結ばれたのですか。局長、あなた監督の責任があるんでしょう。監督の責任がないと言うなら、私はまた航空機工業振興法――先ほど丹羽さんが引かれたけれども、これを引かなければならない。第十九条に「輸送用航空機及びその機体構造部品の製造及び販売」をするときは通産大臣認可を受けなければならない、あるいはまた借り入れ金をするときにも通産大臣認可を受けなければならない、こうあるじゃないですか。あなたが答弁してください。
  80. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 もちろんその当時におきましてこの解約手続を進めるということでございまして、最終的にこういった金額で解約するということについての報告はあったものと思います。また、それについて関係部局課におきまして当然内容の審査をしたものと思います。十三億という金額が、最終的な解約に伴う契約をいたします途中の段階で出ておったということについては、その当時これをどういうふうに扱っておったか、私まだ十分承知いたしておりません。ただ監督上、いまお話しがございましたような点につきまして、当然通産省としては、その面につきましても重大な監督責任があるわけでございます。その点については、私、監督指導上の責任といたしまして、事の重大さを十分痛感をいたしておる次第でございます。
  81. 浅井美幸

    浅井委員 あなた、答弁になっていないですよ。その当時どういう監督をして、どういう調査をし、どういう検討を加えたんですか。あなたは加えたと思いますじゃないか。これはきょう初めてじゃないんですよ、局長。きょうは二回目ですよ。この間この辺が焦点になったじゃないですか。焦点になった問題についてなぜ勉強してこない。なぜ調査してこない。もう一ぺんお答え願います。
  82. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 当時の事情につきまして、一年以上前でございますが、日本航空機製造から、こういった趣旨の解約をするということについての説明を受けておるという事実ははっきりいたしております。ただ、詳細の点につきましては、いまの十三億何がしというような点につきましては、実は通産省も十分承知していなかった。最終的な解約としてこういうことで解約したい、解約に伴う各種の契約をしたいという報告を受け、これについて関係の部課において審議をしておる、こういうことでございまして、私どもとしては、その経過過程における指導が十分でなかったという点はおわびを申し上げたいと思います。
  83. 浅井美幸

    浅井委員 それ以上聞いても無理でしょうから、じゃ参考人にお伺いいたしますが、この中古機下取り価格の決定にあたって、下取り機の転売可能性、整備保管に要する経費の見積もり、転売までの保管予定期間等の検討、これを行ないましたか。
  84. 宮本惇

    宮本参考人 当時といたしまして、率直に申し上げますが、三十三機を持っておりましても、具体的になかなかたいへんであろうという判断もございましたのと、もちろん個々の状態はある程度わかっておりましたけれども、そういう経験もございませんので、詳細な比較検討はいたしておらなかったというのが事実でございます。
  85. 浅井美幸

    浅井委員 では十三億七千九百十六万円、三百八十三万一千ドルに評価された基準は一体何ですか。
  86. 宮本惇

    宮本参考人 帳簿価格に一応三%程度の利益をかけたわけでございます。ただ、マーチンのほうは下取りの差損の問題がございまして、これはむしろ低く評価いたしまして、それを別途下取り損という形で計上したわけでございます。
  87. 浅井美幸

    浅井委員 要するに、この間私が言っておった点ですけれども、十三億七千九百十六万円が八億二百八十万円に下がった最も明確な根拠というのは一体何ですか。先ほど丹羽さんの質問では、八億二百八十万円の評価のほうが正しかったようで、最初のほうはあらかじめいいかげんな評価をしておったというような説明であったけれども、そんなことでは説明つきませんぞ。この点、きょうはっきりしてもらうまで、あなた方の腹の中を聞くまで私は質問をやめないつもりですから。
  88. 宮本惇

    宮本参考人 十三億円の評価のときは、この間も申し上げましたように、五十万ドルプラス三十三機ということで契約を解除するための基本契約を結ぶ、その当時、それではその評価をどうするかということでわれわれのほうで一応十三億円ということを出しましたけれども、たまたま時間的余裕もございませんで、いずれ詳細に検討してやるということで、後ほど二百二十三万ドルというものを出したわけでございます。
  89. 浅井美幸

    浅井委員 その評価というのは、あなた方は非常にかってな、ずさんな評価であったということですか。
  90. 宮本惇

    宮本参考人 いま御指摘の点は、二百二十三万ドルの評価につきましては、先ほど丹羽先生にもお答えいたしましたとおり、アメリカの雑誌その他で、たとえばコンベア240は幾らという大体相場みたいなものが出ておりましたのと、当時、日本におきましてその中古機が幾らかということを確かめるすべもございませんでしたが、日本航空あたりに専門家もいらっしゃるので、そういう評価が大体適当であるかどうかということも見て、そしてそれを積み上げまして二百二十三万ドルという評価をいたした次第でございます。
  91. 浅井美幸

    浅井委員 うそを言っちゃいかぬ。あなたは、先ほど中古機下取り価格の決定にあたって、下取り機の転売可能性もわからぬし、整備保管に要する経費見積もりも、転売までの保管予定期間の検討も全くやってないじゃないですか。また、その引き渡しにあたって、運航整備記録に基づくエンジン、機体のオーバーホール施行の有無、装備品のメンテナンス状況、内装その他の使用状態の確認、機体状況に応じた中古市場価格調査、これやったのですか。
  92. 宮本惇

    宮本参考人 それは詳細にはやっておりません。
  93. 浅井美幸

    浅井委員 やってない――あなたの言った八億二百八十万円というのは、では相手方シャーロット社の言いなりに下げたのですか。
  94. 宮本惇

    宮本参考人 私が先ほどの定価表その他、申し上げましたのは、これは全然別の、いわばそういうニュース的なものがしょっちゅう出ております。それをもとにしてやったという意味で、これは一応の中古機の当時におきますマーケット的なもので、詳細に大体このくらいというのが出ておりますので、大体それに基づいてやりましたということを申し上げました。
  95. 浅井美幸

    浅井委員 だから、その根拠は一体どういう根拠でやられたのですか。雑誌か何かに出ておるそういうものであって、一つ一つの部品について、一つ一つの機体について、一つ一つの内装について、あなた方は検討しないで、言いなりに渡したことじゃないですか。
  96. 宮本惇

    宮本参考人 言いなりと申しますよりは、ここにもございますが、いわばそういう相場のあれが印刷物として出ております。それを基本にしてやったということでございます。
  97. 浅井美幸

    浅井委員 根拠が明らかでないということについては、あなた認めるのですか。こちらの評価の根拠については明らかでないじゃないですか。ただそういう市場ニュースみたいなものを見てやっただけであって、一機当たりに対するほんとうの価格というものを積み上げた積算じゃないじゃないですか。これはどうなんです。
  98. 宮本惇

    宮本参考人 具体的に積み上げたものではございません。ただ、現実にマーチン一機を、これは日航製で売ったわけでございます。そのときは二万五千ドルで現実に売れたわけでございます。そういう意味でマーチンを四万ドルに評価をして引き取ってもらった、こういう経過でございます。
  99. 浅井美幸

    浅井委員 あなたが下取りの際にシャーロットに評価をさせた一機当たりの価格がありますね。たとえばコンベア340型が二十七万ドルで下取り価格をとっておる、あるいはまたコンベア440型を三十一・五万ドルでとっている。それを一律に今度は十七万ドルに評価しておる。この評価の根拠というものは明らかなんですか。あなた方そういうニュースだけ、いわゆる中古市場から出しておるニュースだけで判断するのに適当なんですか。
  100. 宮本惇

    宮本参考人 いまから考えますれば、適当であったということは申し上げることはできないと思います。
  101. 浅井美幸

    浅井委員 適当でない評価額で八億が出されたわけだ。十三億の評価というものはあなた帳簿価格だとおっしゃる。三%引きの帳簿価格で出した。三%引きの帳簿価格という話ですけれども下取り価格が二十一億ですよ。二十一億から三%引いたら十三億になりますか。
  102. 宮本惇

    宮本参考人 私は先ほどは帳簿価格の三%引きと申し上げたわけではございません。と申しますのは、マーチンのほうは下取り差損を別に特別損失として計上いたしておりますので、そのほかのほうはそのままにしてございます。
  103. 浅井美幸

    浅井委員 要するに三百八十三万一千ドルで評価されてもおかしくなかったということが言えるのですか。
  104. 宮本惇

    宮本参考人 私といたしましては、三百八十三万一千ドルで評価されたものは高過ぎる、実際売るとなる場合に高過ぎるということじゃないかと思います。それと、当時でございますが、向こう手数料のトータルがたしか三百三十何万ドルで、もし請求どおり払うとすれば三百三十何万ドルでございましたので、そういう意味で、実際の市場価格を勘案いたしまして、実際それを売る場合にはそれは売れないという意味で、当然そこで減価をした。具体的な商談のときはそれを二百二十三万ドルに持ってきたということだと思います。
  105. 浅井美幸

    浅井委員 要するに、三百八十三万ドルというのは、向こうの要求額に合わした金額であって、実際においてのあなた方の評価というものを、三百八十三万ドルでは初めから高いと思っていながらその評価をしたのですか。
  106. 平田好蔵

    平田参考人 三百八十三万ドルの根拠につきましては、先般も御説明いたしたのでございますけれども、その当時の弊社における帳簿価格を基準にしまして、あるものについては若干三%ぐらい高くなっているものもございますけれども、そういう価格で評価してございます。これは先ほど宮本専務から説明いたしましたように、当時至急に解約契約を結ぶ必要がある、それには手数料の一部として三十三機引き渡す形をとらなければいかぬ、そのときに価格はすぐきめられないけれども、一日のうちにきめてくれということなんで、一応基準がありませんでしたので、その帳簿価格をとってきめたものでございます。これは全く仮の契約でございまして、後日、両社よく検討いたしまして、ほんとうと思われる価格に直した契約書につくりかえるという暗黙の了解があったものと承知しております。
  107. 浅井美幸

    浅井委員 暗黙の了解といまおっしゃったんですけれども帳簿価格帳簿価格とあなたはおっしゃるけれども帳簿価格根拠は一体何ですか。その帳簿価格積算してやった基礎を見せてもらえますか。あなた方帳簿価格帳簿価格とおっしゃるけれども帳簿価格とは一体何なんですか。
  108. 平田好蔵

    平田参考人 帳簿価格と申しますのは、下取りしたときの価格でございますけれども、長く持っておりまして、その現物が非常に価格が下がっている、あるいは、買い取り価格が最初からそれほど値打ちのないものを商策的に買ったという場合に、評価がえをして帳簿に載せる場合がございまして、三百八十二万ドルのときには、三十三機の中の一部はすでに評価がえを終わっておるものがございました。しかし、いずれも帳簿にのぼっておる価格であります。
  109. 浅井美幸

    浅井委員 その評価がえというのは、何の根拠で評価がえなさったのですか。先ほどはあなた方は転売可能性や、あるいは経費の見積もりや、転売までのそういういろいろなものの検討は全然行なってないじゃないですか。それは帳簿で評価がえできるのですか。
  110. 平田好蔵

    平田参考人 確かにおっしゃるとおりに、機体の現状も精密にはわかっておりませんでしたけれども、大体オーバーホールがなされたものか、オーバーホールしてから何時間たったものか、その機体の製作年月日はいつで、何時間使ったものかというようなことは大体わかっておりましたので、それを基準に市場のニュースをとりまして帳簿価格を直したものでございますけれども、おっしゃるように精密であるかとおっしゃいますと、精密ではございません。ごく大ざっぱに、とてもこんな高いものじゃないから少し下げておこう、こういう程度のものでございました。
  111. 浅井美幸

    浅井委員 大ざっぱな目の子の評価をしたとあなた方はおっしゃるのですか。いまオーバーホールをやったとかやらなかったとかおっしゃいましたけれども、ほんとうにやっていましたか。オーバーホールの施行の有無なんか点検しましたか。会計検査院指摘によってはないはずですが、会計検査院、どうですか。
  112. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 三百八十三万ドルを二百二十三万ドルですかに評価がえしたという次第につきましては、われわれもただいまお話しにありましたのと同じような疑問を実は持ったわけでございます。そこで、この価格算定の基礎が一体どうであるかという点をいろいろ尋ねましたけれども、ついにわれわれの期待するような資料は実はなかったわけでございます。
  113. 浅井美幸

    浅井委員 会計検査院では、いまあなたが言うような答弁のことは全くなかったと言う。あなたはこの場へ来てごまかしちゃいかぬですよ。この間から私たちがこうやって決算委員会で取り上げているのは、あなた方の答弁にごまかしがあるから、そういうものを全然やらないで、目の子で三百八十三万一千ドルを出したのか、それともまた、その価格が八億二百八十三万円だったことについて、文句なしに渡したのか――何もかもやっていることがずさんじゃないですか。武士の商法ではありませんけれども、あなた方は一体何をやっておったのか。向こうの言いなりじゃないですか。けさからいわゆる税金の使い方についていろいろ問題になっている。あなた方の責任の追及を私たちはこの間しなかった。きょうは私たちは責任を追及しますよ。そういういまの答弁なら、みんなごまかしじゃないですか。会計検査院指摘をして、そういう事実がなかった。だから私は、あなた方が十億円の損失だなんて言っておるけれども、実質十六億円の損失をやっておったのだ、こう言っておいた。それをまだきょうの、先ほどの丹羽委員に対する答弁ではごまかそうとしておる。私は、あなた方がこの大きな損失ということについての責任をほんとうに感じているかどうかと聞いているのですよ。
  114. 濱野清吾

    濱野委員長 浅井君、委員長が発言したくはないのだけれども、おおむねいまの参考人答弁が実際とは違っておるということはわかるのじゃないですか。たとえば、引き取りが五百八十五万ドルでしょう。二月に仮値段として帳簿価格三百八十三万ドルでしょう。その次に、実際売り渡したときには二百二十三万ドルですか、だんだんに下げてきているのですね。それについて現実に調査した結果、会社側の判断において、売り渡した金額じゃなくて、シャーロット社の申し入れか何かに従って決定した評価だ――答弁を聞いて総合的に判断すると、私はそう考えられるのです。しかし、ここでは言いにくいだろうと思うのだが、委員会としてはそう受け取っていいのじゃないですか。これはいつまでたっても解決しませんよ、十分以上この問題についてはやっていますがね。性格的に宮本参考人は言いたくないのだろうしね。  まああなたがお怒りになるのは当然だと思うのですけれども社長もかわっているのですから、どうです、もうこの問題をあんまりやったって意味がありませんよ。  それから参考人の方も、平田参考人の話だと、あの当時申し入れもあったろうし、こうしてくれという言い分もあったろうし、したがって、いまあなた方の答弁のうちに、こまかい評価をしなかった、実際の価格評価というものはあなた方がやってしかるべきものなんだが、それをやらなかった、あるいはニュースその他日航あたりの意見も聞いて、そうして決定したと言うのですから、浅井さんの質問のような実態は答弁できないはずだ。だから、そのとおり答えて――もう時間が来てしまっている。十五分もこの問題にかかっているのですよ。議事進行上、委員長は迷惑なんだ。だから、あなた方答える具体的なことがあるなら、結論だけひとつお答えして、お答えができないならば、われわれ委員会としては、これはどうもまことにずさんきわまるものだった、シャーロット社に引きずられて評価したのだ、こういうことに了解するよりほかないですね。十五分も一つこと言い合っておってもしようがないです。  答えますか。――それでは宮本参考人
  115. 宮本惇

    宮本参考人 御指摘のとおり、われわれ自身がずさんきわまりない評価をしたということは、まことに申しわけなく思っております。
  116. 濱野清吾

    濱野委員長 浅井さん、この問題だけはどうぞひとつ……。
  117. 浅井美幸

    浅井委員 この問題はあとで委員長の提案どおり理事会でもう少し詰めてもらうということで、次の問題ですが、さらに会社経営のずさんな一つとして、違約金の問題です。  運輸省の海上保安庁とYS契約を結んで、五億六千六百五十七万円で、昭和四十二年三月十日付、四十三年三月三十一日までに納入するという契約をしたのですが、完成して納入したのは、当初の納期よりも三百五十四日おくれて四十四年三月二十日となっておる。それで、納期が百日以上の遅延については契約金額の一割以内の違約金を支払うことになっておって、この場合は三百五十四日遅延したので、五千六百六十五万円の遅滞金と、契約締結のときに一億六千七十六万円を前払い金で受け取ったので、この利息として、三百五十四日分の日歩二銭で千百三十八万円、計六千八百三万円を海上保安庁に違約金として払った、こういうことがあるのですけれども、これは事実ですか。
  118. 宮本惇

    宮本参考人 御指摘のとおり事実でございまして、全く申しわけないと思っております。  この事情だけ申し上げたいと思いますが、これは四十一年当時、ちょうど輸出機のA型改造ということをやることがきまりました際に、御承知のように、海上保安庁機というのは非常に特別仕様で、当時おりました約六、七十人の技術部の大部分を相当大量に突っ込まないといずれかの設計が間に合わないということになりまして、会社といたしましては、とにかく輸出機に重点を置き、海上保安庁に結果として御迷惑をおかけしたことになりましたことを深くおわびを申し上げたいと思います。
  119. 浅井美幸

    浅井委員 その点も、いまの話ですけれども契約をしたときに、その契約内容、あるいは機体の注文について特殊なものがあれば、これは初めから納期が延びるということは、しろうとが考えたってわかるはずです。それを契約を受けて約束をしていながら、それからあわてて六十人の技術者をほうり込んだ、一生懸命やりましたけれども間に合わなかった、これはあなた方一体ほんとうに商売をやろうという、会社としての経営をやろうとする立場に立つ者の答弁ですか。
  120. 宮本惇

    宮本参考人 海上保安庁との御契約は四十一年三月末に御契約申し上げまして、その当時は、われわれ自身といたしましては何とか十分間に合わせたいと思っておったのでございますが、先ほど申し上げましたように、A型改造というこれまた大改造とぶつかりまして、そちらに相当の人数をさかなければならなくなったために実際問題としておくれてしまったということでございます。
  121. 浅井美幸

    浅井委員 通産省に聞きたいのですけれども、こういう事実、こういうような考え方答弁、こういうので会社経営というものは成り立つのですか。
  122. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 契約にあたりましては、十分その遂行がなし得るという点について慎重な事前検討が行なわれてしかるべきと思います。本件につきましては、その点の事前検討が不十分であったというふうに認めざるを得ないと思います。
  123. 浅井美幸

    浅井委員 そのようなこともあります。  あるいは、参考人にお聞きしたいのですが、アメリカのエアクラフトセールス会社というのはどういう会社ですか。
  124. 宮本惇

    宮本参考人 これは当時の輸出許可を得る方法といたしまして、十年の延べ払いの許可を得るために、一種のペーパーカンパニーでございまして、そこを通して十年で売る、実際は一部社債がもう少し長期間というものがありましたのを、政府と御相談の上そういう形をとって、そこを通して売ったというのが事実でございます。
  125. 浅井美幸

    浅井委員 これはアメリカのエアクラフトセールス会社で、所在地がニューヨークにあって、これは四十二年九月十九日にできておる。ところが、このシャーロットとの契約が四十二年はまだずっと続いておる。四十二年の一月あるいは十月にこの五十万ドルの支払いができておる。エアクラフトセールス会社というのは、所在地がニューヨークにあるのだから、アメリカに対する販売考え方じゃなかったのですか。
  126. 宮本惇

    宮本参考人 具体的にはピードモントエアラインに対する販売を主たる目的とした会社でございます。したがいまして、実際問題としては、そういうところへ売るために、そういうエアクラフトカンパニーを通して売るという契約にピードモントとの間でなっておるわけで、実際の仕事はいたしておりません。
  127. 浅井美幸

    浅井委員 所在地はニューヨークというのではないでしょうか。あるいはまた、ピードモントというのはアメリカじゃないのでしょうか。契約書には、アメリカに対する独占販売契約ができておる。それをピードモントというのは、どこかフランスかイタリアの会社ですか。
  128. 宮本惇

    宮本参考人 ピードモントはアメリカ会社でございます。ピードモントはアメリカのエアラインでございます。そこへ二十一機売ったわけでございます。
  129. 浅井美幸

    浅井委員 じゃ、独占契約との関連性はどうなるのでしょうか。
  130. 濱野清吾

    濱野委員長 手数料を二重払いしたんだよ。片一方は日本の場合、片一方は向こう
  131. 浅井美幸

    浅井委員 それは委員長、また違うんですよ。
  132. 濱野清吾

    濱野委員長 長くなっちゃってしようがないよ。
  133. 宮本惇

    宮本参考人 これは、そういう意味では実際的に販売活動をいたしておりません。
  134. 浅井美幸

    浅井委員 四十二年の九月にこれをつくって、四十二年の十月にはピードモントに合計で十機販売した。シャーロット社との契約は、四十二年度中に解約をしようと思えばできた、こういうふうに私は判断するわけです。それは、実際あなたは販売してないとおっしゃるけれども、実際は二十一機販売したと言っている。一体どういう関係ですか。
  135. 宮本惇

    宮本参考人 現実問題といたしましては、ピードモントあたりとの契約になるころからシャーロットは単なるブローカー的な役割りしかいたしません。そこでわれわれとしては、ピードモントの契約に対するシャーロットの非協力をなじって、それきりいわば断交状態になりまして、実際は、ピードモントの場合は、シャーロットが最初の段階で顔を引き合わしてくれただけでございまして、その後はもうシャーロット相手にせずに、直接ピードモントとやった、こういう形になっております。  したがいまして、その点につきましては、もう十五万ドルを払いましたあとには一切シャーロットとは断交状態にあったわけでございます。
  136. 浅井美幸

    浅井委員 相手を難詰し、いわゆるシャーロット社契約の――先ほども田中さんが触れていましたけれどもシャーロット社契約で一機も売ってくれない、それについてあなた方は難詰しておった。責めておって、このエアクラフトというようなものをつくってまた売っておる。ここにあなた方の契約違反がある。そうして難詰しておった。それに対して、また今度はこういうふうな多額の金を手数料として払った。話が全然一貫しておらぬのですけれども、その点どうなんですか。具体的に説明してください。
  137. 宮本惇

    宮本参考人 われわれといたしましては、十五万ドル払っただけでシャーロットをいためつけてやろうと思いまして、そのままずっときたわけでございまして、最終的に、この間も申し上げましたように、これは結果は別でございますが、裁判をやっても非常に不利な結果が出る可能性があるということで、和解という形をとりまして、手数料という形で払ったというのが事実でございます。  ただ、この点につきましては、もうまことに申しわけないと思っております。
  138. 浅井美幸

    浅井委員 委員長もおこっているんだけれども、話が全然わからない。そういうでたらめな考え方でやっているから、あなた方には通用するけれども、私には全然わからない。こういう契約のしかたについて、あなたがいま言ったようにエアクラフトがペーパーカンパニーであって、単なるブローカーだ。ブローカーであろうが何であろうが、契約がある以上は、アメリカに売らなければ、これは最初の契約にあるようにあなた方が払わなければならないのだ。そういうずさんなやり方をやっておる。  いつまで押し問答をやってもしかたがないので、あと一、二点にしぼりますけれども、これに対して私は東海林さんにお聞きしたいのですけれども、こういうずさんな経営あるいは血税のむだづかい、また不当支出、こういうことに対する責任は一体どのようにとられるのですか。
  139. 東海林武雄

    東海林参考人 私が参りましてからこの事実を知ったわけでございますけれども、その点につきましては、まことに遺憾だった、かように考えておりまして、その後の契約あるいは販売、そういうものにつきましては、十分いままでのそういう苦い経験を生かしていく、また名誉挽回しなければならないのだということでやっておりますが、今後のいき方につきましても、もちろんそういうことはずさんな契約だということを私自身が認めております。でありますから、そういうことのないように十分注意をし、監督もしていきたい、かように考えております。
  140. 浅井美幸

    浅井委員 最後にお聞きしたいのですけれども、いままで決算委員会指摘され、あるいは会計検査院指摘されたことについては、補助金やあるいは不当な融資の場合は返還を求めています。この十億円の補助金が出ていますけれども通産省としては返還を求める意思があるのかどうか。
  141. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 本件につきましては、十億円の補助金の支出そのものの問題ではない。いわば会社全体の問題でございます。そういう意味からいたしまして、ただいま私といたしましては、十億円そのものを返せというような返還請求をする考えはございません。
  142. 浅井美幸

    浅井委員 会社全体の問題といっても、四十二億の国庫負担金が出て、またさらに十億円の補助金が出ている国策会社です。その金が不当に使われたことがわかっておってその返還を求めないという、そういう考え方はおかしいじゃないですか。一体、通産省としてはこれをどういうふうに処置をするのですか。
  143. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 今回の事案にもかんがみまして、通産省といたしましては、監督指導上の責任の重大さを痛感いたしております。また、ただいま東海林社長からお話がございましたように、日航製側におきましても、事柄の重大性を十分認識いたしまして、その体質改善については今後一生懸命努力する気がまえであると私どもも承知をいたしております。  先ほど来の御答弁で申し上げましたように、今後経営改善に関します専門の委員会もつくりますので、その審議も十分勘案しながら、私どもといたしましては、日航製の組織運営等、全般にわたりまして今後抜本的な改善策を進めてまいりたい、かような決意でおるわけでございます。
  144. 浅井美幸

    浅井委員 きれいなことばなんですけれどもね。こういうずさんな契約によって不当な支払いをしたことについて、会計検査院から指摘があった。それはあなた認められるのですね。それに対して、いままで補助金を返還した事例というのは数多くあるのです。数多くあるのですよ、初めてではないのです。だから、そういうふうにあなた方は考えておるかどうかということなんです。今回これを初めてやろうというのではないのです。いままでは、不当事項として不当と認めた国庫補助金については、全部返還を命じておるのです。先ほどの議事録ではないけれども、四十二年のときにいわゆる航空機工業振興法を改正して、四十二億の国庫支出金をして、そしてやってきたこの会社なんです。これが、いまあなたが言うように、会社全体がずさんなんです。ですから、そういうものに対して補助金の返還を求めるのが、国民としての当然の権利であり、要求じゃないですか。これはあなた、監督官庁としてそういうことをする気が全然ないのか、検討するのか、どっちなんです。
  145. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 今回御指摘を受けております事案、御指摘のとおりでございまして、先般来私がるる御答弁申し上げ、かつ、私どもとしても、今後の指導監督につきましては万全を期したいと繰り返し申し上げておるところでございます。これはきれいごとでございませんで、私どもも必死になってそのつもりでかかってまいりたいと思います。  いまお話しの四十二年に支出をされました十億円の金額でございますが、これは当時改造いたしましたが、その改造そのものに対するいわば補助金でございました。この補助金そのものにつきましては、十分改造の効果をあげ、そして、その使途につきましても会計検査を受け、正当な支出が行なわれているという事実がございます。したがいまして、今回指摘をされましたことの関連におきましては、会社全体の問題としては非常に大きく関連があると思いますが、そのもの自身が不当に支出をされ、あるいは不正に使用されたということではないと思います。  そういう事態にもかんがみまして、私どもといたしましては、今後の会社全体の運営につきまして、御指摘のような点も十分勘案し、また会社側にも十分な気がまえで臨むようにいたしますので、その点について、いま直ちに私ども返還を迫るということにつきましては御猶予をいただきたい、こういうふうに思います。
  146. 浅井美幸

    浅井委員 これで質問を終わります。
  147. 田中武夫

    田中(武)委員 議事進行。  先ほど来の質疑応答を聞いておりますと、ますますわからないというか、不可解なことばかりなんです。また、このような公開の席上では言えないようなこともあるかもわからないと思います。  そこで、理事会でも開きまして、関係者を理事会へ呼んで、そこで腹を割っての一つ考え方等を聞いていただくような方法をとったらどうかと思います。  先ほど、裁判をしても負けるであろう、そういうことでこういたしました、こう言っておるのですが、一つだけ私申し上げますが、先ほども何条とだけ言いましたが、これは商行為です。したがって商法の適用があるのです。五百二十五条を一ぺん読み上げましょうか。「売買ノ性質又ハ当事者ノ意思表示ニ依リ一定ノ日時又ハ一定ノ期間内ニ履行ヲ為スニ非サレハ契約ヲ為シタル目的ヲ達スルコト能ハサル場合ニ於テ当事者ノ一方カ履行ヲ為サスシテ其時期ヲ経過シタルトキハ相手方ハ直チニ其履行ヲ請求スルニ非サレハ契約ノ解除ヲ為シタルモノト看倣ス」すでに契約はないのでしょう。解除になっておる、こうみなしていいわけですよ。それに対して何で金を払わなければいけないのか等々、私は答弁を聞いておる限りにおいては全然理解ができません。したがいまして、そのように御処置いただくようにお願いをいたします。
  148. 濱野清吾

    濱野委員長 ただいま田中委員からの議事進行についての御意見については、この本委員会が終了後、理事会を開催いたします。  華山君。
  149. 華山親義

    ○華山委員 ちょっと申し上げておきますけれども、御承知のとおり、YS11を結局百八十機売りましても、またそれに対する資本というもので損害を埋めるという場合でも、なお損害が残るというお話でございましたが、現在の借金は政府保証債あるいは政府保証借り入れ金が大部分なんです。結局これが全部政府の損失になるのだということをひとつ御留意になっていただきたい。自分の会社だって、破産すればいいというものじゃないのです。これは民間会社と違って、借り入れ金なりそういうものはほとんど全部が政府で保証しておるものなんです。それですから、結局は国民負担になる。その中には、先ほどから問題になりました中古の下取りと、それを売った十億プラスアルファというものもこの中に入っているわけです。これは国民全体の問題であり、国庫全体の問題であって、一会社の問題じゃありません。そういうことをひとつ御留意を願いたいと思って、御答弁は要りませんが、申し上げておきたい。
  150. 濱野清吾

    濱野委員長 この機会に、東海林さん、きょうはあなたいらっしゃっているが、第一日はあなたはおいでにならなかったのですが、きょうの委員の皆さんの質疑並びに応答で大体のことはおわかりと思いますので、将来あなたはたいへん苦労されると思いますが、会社の組織とか会社の幹部の人的構成などにつきましてはできるだけ早く改善して、堅実な運営をしてもらいたい。委員諸君の希望は大体そうだと思います。これは、いままでの第一日目、第二日目の質疑応答の中からにじみ出た結果、そうするよりほかはない。ことに営業担当、経理担当、これらは十分考慮して選考してもらわぬと、委員会は何も会社内容に関与しようとは思いませんけれども、こんな事件が再々持ち上がったら、これは国策会社だけに国民に信を失うことになります。ですから、言いにくいけれども決算委員会としては、将来を担当する新しい社長のあなたにこのことだけは十分心得てもらいたい。  それから通産省、きょうは大臣来ませんけれども、繊維問題その他でしかたないと思いますが、あなたの答弁を聞いておれば非常にきれいな答弁ですけれども、あなたのほうでも責任があるのです。これはあなたのほうから重役の推薦をしたのでしょう。あなたがやったのじゃないけれども、国が出資している場合は、その所管庁があらかじめ重役陣営の構成について通産省が推薦しているに違いない。しかも、監督権を持っているのでしょう、委員諸君の主張のように。この点は、あなたのほうも少し親身になって苦労しなければいけませんな。それだけはひとつお含みおきを願います。
  151. 濱野清吾

    濱野委員長 次に、閉会中審査申し出に関する件についておはかりいたします。  すなわち、決算の適正を期するため、  一、昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算    昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算    昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書    昭和四十三年度政府関係機関決算書  二、昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算書  三、昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書  四、歳入歳出の実況に関する件  五、国有財産の増減及び現況に関する件  六、政府関係機関の経理に関する件  七、国が資本金出資している法人会計に関する件  八、国または公社が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しまたは貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する件 以上、八件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十分散会