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足鹿覺君 懇切な御
答弁で時間を食いまして、もう持ち時間がなくなりました、この水の問題についてはまだ一時間くらいかかってもし切れませんので、別な機会に譲りますが、まず慣行水利権に手をつける、その後に水全体についても調査
検討するということでありますが、ただいま申し上げましたように伏流水の問題、発電用水利権と遊休水利権の問題、また河川法と流水権そのものの調査といったようなものとが、やはり大きな問題として提起されております。また大都市
周辺における農業水利との調整の問題、これらは非常に重要な問題でございます。いわゆる電力会社が占有しております発電用水あるいはその遊水等につきましても、私はもっと
検討してみなければならぬ問題があると思う。いずれ機会を得て十分
検討したいと思いますが、要するに私は水の都市あるいは工業用水に必要な部分を回すということは、国土の総合開発の上からこれをはばまんとするものではありませんが、農民の長い間の慣行水利権というものが結ばれるあるいは慣行水利権として届け出てあるものもあるし、ないものもあります。またみなし水利権というようなものもございます。建設
大臣は特に秋田の米どころでございますから、十分それらの実情を御調査になりまして、いやしくも農民が慣行水利権を取り上げられるというような形にならないように、十分配慮されんことを期待いたします。
最後に、これは御
答弁はなくてもけっこうでありますが、先ほ
ども、この問題は自分で発想したんだ、こういうことであります。さきには米の消費拡大で、玄米パンの推奨もされました。私は、ああいうことは、言い出されたからにはもっと徹底して、閣僚会議でも
主張し、そうしてそれが一般に普及していくことを私は期待いたします。特に有力閣僚として、その実力を私
どもは期待しておるわけでありますが、自民党の政調会長当時の農工一体論というその構想を進めて、建設相は過密・過疎を同時に解決していこうという雄大な構想であるとも聞いておりますが、なかなかそう簡単にはまいらないと思います。進行のいかんによりましては、かえって離農を促進する一面、兼業が定着するという場面も出てくると思います。また、兼業そのものが増大していくという傾向も出てくると思います。このような面から
考えてみまして、慣行水利権の調整という名のもとに、農業用水を工業用水に大量に回す一策として、農民の慣行水利権の規制制限ということをお
考えにならないで、あくまでも先ほど述べられた水そのものの実態を深く調査されまして、あやまちなきを期してもらいたいと思います。それでなくとも農民の最近の心境は、労働力不足に悩んで、他産業に中高年層を奪われている。後継者もない。
政府は公然と離農促進政策を唱えられておる。農地の転用によって、市街化地域から農民を締め出そうとしておる。また、農業用水そのものもどういう方法で調査をするか、調査地点等も明らかでない
関係から、相当自分たちの慣行水利権を取り上げるんではないかという心配をしております。
そういう理不尽なことは私はなさるまいと思いますが、要するに、一連の
政府の農業縮小・合理化政策の一環として慣行水利権に手を伸べていくと、こういうことにならないように、農業は農業として、あくまでも
一つの産業として、水なくして私は水田の経営はできませんし、また、今後、
大臣が指摘されておる——私は、十数年前から畑地かんがいを提唱してまいったものであります。水田を畑地化していく、それに水が必要であるということは言うまでもありませんし、現在の酪農・果樹に対する冬季間の畑地かんがいを行なうことによって、品質・数量ともにいい成績をあげておるということは、もう実例としてあがっております。ただ、
政府の補助が足りない。水田本位から完全に脱却しておりませんから、それらに手が伸びておらない。全く私が言わんとするところを
大臣みずからも言われたわけでありまするので、十分、その点も施策の上に、農業の経験豊かな建設
大臣でありますから、十分に力を発揮していただきまして、農民の反発や強い怒りを受けられないように、今後対処されんことを期待をし、そのことだけを申し上げまして、私の持ち時間が少し超過いたしましたので、これできょうは
質問を打ち切ります。失礼いたしました。