○鈴木強君 関連。
大蔵大臣、これは非常に大事なところですから、見解の相違ということでなくて、もう少し詰めて考えてほしいんですよ。それは
経済が安定している場合はいいですけど、この十年間非常に高度に成長してきておりますから、毎年年率五%程度も
物価が上がってくるというようなことになると、十年たてばもう五割ですね、簡単に
計算しても。だからして、そういう中で好むと好まざるとにかかわらず、
政府が
幾ら物価を安定しようと、三%にしようとか、まあ、いろいろいままで
努力はされておるんですけれども、残念ながらそうはいっていない。そこでスライド的なものが一部に導入されてきたと思うんですね。だから私は、もし
大蔵大臣が、そういうことは敗北主義だとおっしゃるなら、これから、たまたま新
経済社会発展計画が出てまいりました。これは四・四%ですね、年
平均。で、五十年には三・八%にするというわけですから、それではこの新
経済社会発展計画を受けて、
政府が具体的に実行計画を立ててこれはだいじょうぶですと、絶対
物価は下げますという、そういう
国民が納得できるだけの具体的な政策が生まれてきて、それでなおかつスライド制をとるというのであるならば、これは、君
たちの言うことは敗北主義だと言われても私
たちはやむを得ませんけれども、十年間のこの経験に徴して、いま羽生先生もおっしゃっているように、案際に御家庭の奥さんが一生懸命苦しい中から貯金をしてたんすの中へ入れておっても、その
物価どろぼうというものはどっかから入ってきて、貨幣の価値を毎年毎年下がらして、十年前の一万円のものが五千円になってしまうという、そういう切実感を持っておるわけです。だから、この
物価どろぼうというものは何としても退治してもらいたいというのが実際の
国民の願いだと思いますよ。だからして、そういう
物価安定が願いなんです、大臣がおっしゃるように。それが、だいじょうぶだと、五年後には、六年後には三・八%にしますと、こういうはっきりしたものが出てくればいい。幸い、四月一日の
物価安定政策会議からも提言があります。これは詳細に出ております。それといまの新
経済社会発展計画と突き合わせて、そうして五年間の、六年先の
物価はこうなるということを示してください、ここで。そうすれば、われわれはそれでもおまえらが言うのは敗北主義だと、スライド制をとるのは。私は引き下がりますよ。そうじゃないと思う。だからしてその政策を、いま言ってすぐというわけにはいかぬでしょうが、自信のあるところを、御両者おられるのだから、そこで相談してもいいですから、そういうことがなきゃ私は絶対下がりませんよ。これは見解の相違で片づけられては困ると思います。