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国務大臣(
根本龍太郎君) お答え申し上げます。
住宅政策のいま一番の隘路になっているものは何と申しましても宅地が非常に高いということ、したがいまして、でき得るだけ適正な値段で大量の
住宅地をこれは
開発しなければならないと存じています。そういう目的を達成するためには、いろいろの施策をいま考えております。いわゆる新都市
計画法あるいは都市再
開発法等、これに基づいて現在線引きをやっていまするが、それも
一つの大きな土台になるわけでございます。
その次には特に首都圏、それから近畿圏、中部圏が一番
住宅の困難なところでございまするので、これらの地区について、現在まで手をつけていないところで、しかも相当大量の宅地化し得べきところのものを、それぞれの
整備委員会の事務局をしていま調べさしております。大体そういうところは、
交通の問題で、
道路あるいは通勤軌道がない、あるいはまた水の処理ができていない。そういうために、地方自治体も、あるいはまた
政府でも、さらには民間デベロッパーも手をつけていないというところのものがあるはずでございます。こういうものをよく調査した上、これに対しては、総合的に、
建設省では
道路、運輸省ではこれに対する軌道を設置するというような
措置を講じますれば、相当多量の土地が
開発できる。それを、公共
事業体あるいは民間のデベロッパー、あるいはさらには民間の個人の、あるいはまた企業体、それぞれで行なうところの
住宅政策に
供用する、こういうような
構想を進めるということが第二点でございます。
第三点は、でき得るだけこの持ち家を
民間資金によって与えたいということでございます。現在、
日本の高度
成長に幸いされて、
かなりの企業体は、毎年のように相当の大幅な賃上げをやっております。増収増益が多いのでございまするので、そうした企業体においては、企業体自身の発意に基づいて、その従業員に持ち家を持つような施策をしていただくと、これに対しましては、税制上、あるいは必要とあれば
財政資金を講じまして、そうした人々の
住宅を充足してやる。それからもう
一つは
住宅ローン、あるいは
住宅ローンに関連する
住宅保険制度を
整備いたしまして、これによって、
かなり収入の上がった人たちが、
住宅を自分で持てるという
一つの金融的な
裏づけもしてやるということです。そういうような施策をしてもどうしても充足できないいわゆる低所得者、勤労者の方々の人々につきましては、どうしてもこれは公的資金によってこれは補っていかなければなりませんから、そこに
重点を入れていきたい。そうでありませんというと、みんなが
住宅を欲していながら、なかなか手に入らないものだから、みんなが公的資金に基づくところの
住宅に殺到して、とうてい問題が解決しないという現状でございますからであります。
さらに、
民間資金によるところのものにしても、公的
住宅につきましても、できるだけ
住宅のコストダウンをしなければならないと思います。それと関連して、最近における建築労務者が非常に少なくなっております。板金工、大工、左官、この人手が絶対的に少なくなっておるのみならず、非常に賃金が高くなっておりまするので、たとえ資金を充足さしてやっても、技術的に
労働力でこれはできなくなってくる、こういう現状にかんがみまして、
住宅の工業生産化をいま進めておる次第でございます。公団や公庫の、あるいはまた公営
住宅も、現在は五階程度まではプレハブでできそうでありますが、でき得ればこれが五階から十階程度までプレハブ的にこれができるようにする、あるいは民間の
住宅につきましては、工業生産化されたものが自分の持っている資金に応じて、たとえば台所あるいは居間、さらには今度は書斎、寝室等、資金力に応じて継ぎ足しができるようなやり方をしていきますれば
かなりのコストダウンができる、こういうふうな総合的な施策をもちまして、この困難な
住宅宅地問題を解決してまいりたいと考えている次第でございます。