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高山恒雄君 まあ政治的な外交面におけるいろいろなニュアンスをお使いになるということについては、これは外交ですからあり得ると私は信じます。けれども、基本原則を外務省が線を出すということはあまりにも外務省としては現在の繊維業界の実態というものを把握してみえないのではないかという感がするのです。したがって、私はいろいろ外務省の内部の問題を多少私ながらに調べてみたのですが、いま米国の大使館は
日本に二百六十三人の人が見えております。
日本はわずかに五十九名です。これで対等の貿易ができるかというと、私はできない。これは大蔵大臣も
予算をもっと組んでもらわなければいけません。
一般予算の中で外務省が占める
予算は六・七%、これは
一般会計の中ですから、これ外務省は人的な問題と渉外費問題と非常に限られた狭いものでしょうけれども、
一般会計の中でそういうふうに単純に割り切ることはできないにしても、あまりに
日本の外交面における国の
予算、人員の動員、これが貧弱だ。これは御承知のように、外務省も三カ年計画でいろいろここに出しておられます。それは三年計画、もう三年目です。それでも通産
関係の各大使館におられる派遣の通産官僚はわずかに一名か二名です、これ。それで業界の資料よりも通産省の資料のほうがまずいです。そういうことで世界の三番目になったという
日本の——生産国である、しかも輸出国である、——先ほど大蔵大臣も
説明されたとおりです。私は大賛成です、そのとおりです。それにもかかわらずこういう貧弱な外交公館で、しかも
日本から提案をするということは大きなあやまちだ。むしろ
日本の企業をどうして守るか。先ほども、通産大臣、総理大臣は見えなかったんですが、一応
政府が考え、
政府としても大体四十四年度はもうきょうで終わりですが、一五・四%の伸びを全産業で見ておられる。そのうちで一番悪いというのが農業なんです。その次が繊維なんです。一〇%以下というのは繊維と農業です。いわゆる農産物。そのほかはほとんど一七%から悪いので一二%ぐらいのがあるわけです。悪いものをどうしてしわ寄せを
政府はしなくちゃならないのか。そこらの基本原則が私は間違っておると思うんですよ。しかも、なぜ繊維が、一〇%こさないかということは、綿で規制されています。そこに化繊が四〇%ないし四二%伸びても、あるいはウールが伸びても、綿が横ばいでありますから、カバーして見れば伸びはわずかに〇・九八%しかならないんです。
そこでもう
一つ問題になりますのは何が問題になるかといいますと、繊維の場合は御承知のようにこの地域に大きく歴史とともに拡大されております。それがほとんど中小企業です。こういう立場からいきますならば、繊維にいま規制すべきでないという私は原則が出るはずだと思うんですよ。どうしてその原則が出ないのか。その認識がないから、外務省から、外交的なテクニックならいいですけれども、基本原則は変わらないといいますから安心をしますけれども、私は
日本はき然たる態度でやってもらうべきだ。したがって、総理大臣並びに通産、外務大臣が見えないときに、私は農業にも
関係がある、農林大臣は私に対して生糸だけの答弁をされましたけれども、私が言うのは、農業の人口は出かせぎに出ておるではないか。繊維産業が地域に拡大されておる地域は出かせぎ労働者いないんですよ。それは繊維産業があるからです。その繊維産業で働くから出かせぎをせぬでもいい。これは北陸四県は、御承知のように新潟の一部にありますけれども、近畿にしても中部にしても中国にしても北関東にしてもほとんどがやっぱり農業外収入として繊維で働く労働者が多いんです。こういう
日本の総合的な計画のもとに外交をやっていただくなら私たちは安心しますけれども、いまの外務省の人員とそうして国家の
予算から考えてみても、これは十分なる御理解をしてみえないんじゃないか。この点を私は申し上げたいのであります。これに対してはどうお考えになっておるかですね。