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国務大臣(山中
貞則君) 質問は簡単でありますけれ
ども、中身はたいへんたくさんありますので、なるべく簡単に答弁いたします。
海洋博覧会につきましては、
沖繩の立地条件、あるいは珊瑚礁島嶼を取り巻く美しい海洋等の条件によってたいへん着目すべきアイデアだと思いますが、現在の体制の中で、
沖繩で海洋博覧会を、国際海洋博覧会条約に基づいて催すことを決定するには、施政権の問題がありまして、日本国としてこれを催す、場所は
沖繩であるということ等については国際法の解釈等がありますので、もう少しこれを検討してみたいと考えますが、
一つの着目すべきアイデアであることは私も認めたいと思います。
いま
一つは、本土に人口が流出をこれから続けるのではないか、あるいは本土の求人難等の
関係から、そのような現象も一方には起こりましょうが、しかしながら、やはり言われましたような現在ありまする外資、あるいは現在相当現地で企業の労働需要等を喚起するであろうと思われる企業の進出等、あるいは本土から向こうに参りまする本土産業、こういうものが、立地条件にふさわしい産業基盤づくりができますならば、私はそんな、ただ本土に人手が足りないからどんどん来るんだということでなくて、やはり自分の生まれたところで家族と一緒に、自分の県づくり、そして自分
たちの県の経済づくりの人手として有効な活用がされるような
沖繩をつくりたい、こう考えておりますが、本土の企業といたしましても、先般大阪で三日間にわたりまして日琉経済人の会合がございました。これは、復帰の目標がはっきりと七二年にきまりましてからは初めての会合でありましたことも手伝いまして、たいへん熱心な討議が具体的に繰り返され、ある場合においては、激論に近い真剣な議論が展開をされました。この結果、両者集約をされまして、日本
政府に対しまして、本土の企業が現地に進出しやすいように、企業に対して、融資あるいは税制その他の問題でめんどうをみてほしいというような共通の要望がございました。私はこれを受けとめて、ただいま申しましたような不必要なる本土流出の現象にならないようにしたいと考えております。
次には、医療の問題でございますが、ただいま御審議を願っております来年度予算の中で、医師の確保その他の続けてまいりました政策、あるいは巡回派遣医師等の予算の増額、人員増額等に、さらに今回から、離島の多い
沖繩でありますので、巡回診療艇を一千二百万円で二隻、さらに一億四千万円でヘリコプターを二機購入いたしまして、離島の医療診療に誤りなきを期したいと、こう考えておりますが、その船の一隻は
沖繩本島、一隻は八重山並びに宮古群島のどこかに拠点を置くというつもりで巡航をさせたいと思いまするし、またヘリコプター二機は、本島に基地を置くことになると思いますが、これは整備その他で緊急の場合にどうしても予備機が要りますので、二機ということにいたしましたけれ
ども、これら等も、現地の医療に従事する方の協力を得まして、単に緊急な離島患者のけがや病気や、そういうものばかりでなくて、やはり立地条件から言いまして、向こうの漁業はくり舟漁業等の非常に零細な沿岸漁民が多うございますし、また太平洋地域といたしましては、
沖繩の近くで本土から参ります漁船や、
沖繩自体の沖合遠洋漁船等の遭難等も起こりまするし、そういうような場合におきましては、海上保安庁の将来は十一管区あたりも当然設定を考えなければなりませんが、それまでの間に、そのような海難救助等にも使えるような多目的な使命を帯びてヘリコプター二機備えておりますが、基本的には、
沖繩において絶対数のお医者さんが足らない、そういうことが問題でありますので、これから十分それらの
対策を考えてまいりたいと思う次第であります。