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小林武君 私は考えてもらいたいと思うのは、この報情の出どころというのが電車の中で聞いた。これは警視庁少年第二課の萩原庶務係が言うんですよ。電車の中で聞いた。なお、そのことについては、
先ほど私が
名前をあげた茂木管理官が、情報の出所について次のような説明をしているんです。東洋商業高校生が電車の中で、朝高生が総武線の日本高校生を襲撃するらしいと話しているのを安田学園高校生から聞き、これを安田学園高校の担任の教師に伝え、この教師が本所署へ、本所署から警視庁へ連絡があったと、こう言っている。そうすると、これは警視庁のあなたが知らぬというのはちょっとおかしいですね。本所署から警視庁へ言って、茂木さんがそれを言って、今度は萩原庶務係がこれを朝鮮の中高級学校に、おまえさんところのあれが総武線に集まって二百名けんかするらしいと通報した。私はこれはかなり重大なことだと思うのです。あなたどうお考えになっているか知らぬが、私
先ほど言ったように、これは少数の
一つの学校の中高級生といったところで数はきまっていますよ。それがとにかく大学から高校にわたって、
相当数の高校や大学の学生が朝鮮の高校生に対して乱暴を働くということだけは間違いない。警視庁の認識違うかもしれぬけれ
ども、そういう
一つの、あなたのほうでも心配して、問題が起きないようにと警視庁が学校側まで集めてやるというような事態でしょう。その中に朝鮮の高校生が二百名集まって、まさに暴動ですよね。二百名も集まって一斉にいまやろうという、こういうようなことは、的確な情報があっての話なんですよ。的確につかんだならいいですよ。ぼくに言わせれば、いまや流言のようなものだ。私は、あなたが知らないというならしようがないけれ
ども、そのときの
検事が朝鮮の中高級学校の
職員に聞いてみると、さようなことはございませんと、こう答えている。答えてあるにもかかわらず、そのことはどういう形をとったか、あなた知りませんか。これは東京都内の各学校、特に総武線、その近所の学校には私立、公立を問わず通報している。学校側に厳重に警戒するようにという通報を出している。東京都の高等学校教
職員組合が把握しただけでも、両国高校、墨田高校、本所高校、向島西高、向島商業高校、深川高校、墨田工業高校、江東工業高校、江東商業高校、小松川高校、江戸川高校、葛西高校、関東学院高校、東高校、これは警視庁から、六月六日に日本の学生を襲撃するとの情報がある。したがって、各学校は注意してほしいということで出した。これは的確な情報だとは言ってないのです、不確定情報だと警視庁は言ってる。私はそこに非常に問題を感ずるのですよ。ちょうど大震災のときのあの不幸な状況というようなものがまた再び再現するかのごとき——私はこういうものが、何かためにするためにだれかがやったというなら、はしにも棒にもかからぬような人間がやったというならともかく、警視庁ともあろうものが、あれだけの一体力を持った警視庁が、事実というものを的確につかむことなしにこういうことをやったということは、私は軽率だと思う。かりにそういうようなことが事実起こったというなら、これはまた私は別だと思う。学校でもそういうことはないと言っている。いままでの、それから起こったことを考えても、少数ですよ。日本に朝鮮の
人たちがいるといったところで、六十万ですよ。日本の学生が一体何ぼいますか。私はこれは流言的なもの、不確定情報というか、流言的なものだ。これはひとつ、何ぼ言ってもおわかりにならぬようだから、文句ばかり言ってるように聞こえても困るから、あなたに
一つ注文を出しましょう。この情報はどういう形でやったか、その情報のあれについて学校に
通達だか、通報だか知らないけれ
ども……。それから学校長にもいってる、校長会にいってる。この校長会にはどういう
通達のしかたをしたのか。その受けとめ方についても調べてもらいたい。私の聞いたところでは、学校の中にも授業短縮をやっておるところもある。まさにこれはえらいことだと思うのです。また父兄の中から、ぜひきょうは休んでもらいたいという、そういう申し入れもあったと。しかし、それは各学校が休むというところにはいかなかったようであるけれ
ども、中には授業短縮をやったところがある。
それからもう
一つあなたに調べていただきたい。きょうあなたに答弁してもらうというよりも調べてもらいたい。これについて警視庁は、ぼくのほうから出したこれについて、わが警視庁からはこの通報
通達はしていない、それは各署長がやったことだと、こう言っている。ところが本所署長は、各学校への
通達は警視庁のやったことで、木所署は知らない。これではどっちのことだかわからない。これはどっちがほんとうか。
先ほど申し上げたように、警視庁の少年第二課からは直接朝鮮中高級学校に言ってるわけです。
名前もあげられているのです。しかし各学校へは、私のやったことではないと、こういうぐあいです。私のほうではないと、こう言っている。本所署はうちがやったことではない。これはこの前も和光大学の問題のときに、
地元の警察署が、わしのほうは知らぬ、とにかく警視庁の命令でやったと言っている。警視庁は
地元の警察署サイドでやったということで、どっちがどっちだかわからない。命令系統というものが厳としておることにおいては軍隊と警察が一番はっきりしているはずなんです。それがわからぬということは、一体どういうことなのか、そのことをひとつ明らかにしてもらいたい。それをあなたのほうではっきりしたものを持ってきたときに次の会にひとつやろうと思うのです。
それからもう
一つ、このごろ怪文書が出ている。豊島区千早町にある城西高校あてに、朝鮮高校親衛隊という名称で、「六月六日なぐり込みにくる、かくごしろ」、こういう文面なんです。武蔵福岡から送られている。はがきは、受け取り人、
内容文面、差し出し人がそれぞれ筆跡がいずれも違う。それから同じ日に同じ学校に朝鮮学生連合組合という
名前で「吾ら朝鮮の学生は日本の高校の学生に対して集団ぼう力をおこなう。」、六月六日、女子、男子ともにただおかんぞ、必ず行なう、こういうあれを出している。それが目白警察署に保管されているという話なんです。こういう事態、これは一体どういうことなのか。こういう一体怪文書まで飛んでいるということは、こういうことで日本人が大きなあやまちをおかしたという、いわれもないことをやったというような過去の経験もある。しかも、その前において朝鮮の高校生がひどい目にあっている。私は非常にその点でこの問題で感ずるのは、警視庁の見方というようなものが何か片寄っているのではないかという感じがするのです。
先ほどの資料
一つ見ても、その資料の中に出てくるあれには、わがほうに肩を持ったのか何か知らぬけれ
ども、どうもそういう傾向がある。ある新聞の囲み欄の中に書いてありましたけれ
ども、日本の外国へ行っている子供たちがその
土地でもってこういう目にあったら一体どうだろうというような記事を見て私は同感だった。この種の怪文書その他を通して、何か朝鮮の高校生の
人たちに乱暴を働くことが当然であるというような合理化の材料に使うようなおそれがあるし、さらには六十万の朝鮮の
人たちに不安感を与えるところの重大な問題に発展するおそれがあると、こう考えるのです。
まあ、きょうはもうあなたにお答えいただくということよりかも、そういう資料について十分御検討、出すものは出していただいて、それから説明するものがあったら説明していただく。
先ほど来
名前をあげた
人たちの場合にも十分
調査をしていただく。七月十日のときにはひとつあなたと、それから
責任のある方の御出席をお願いをして、きょうはそれだけでやめましょう。