○安永英雄君
先ほどの産学の問題について答弁されたのでありますけれ
ども、いまおっしゃった点で私もこの
産学協同に取り組む
考え方の基本というのがはっきりいたしましたし、私もそこにおいて今後
検討をしていきたい。
大学の自治、
学問の自由、これを侵すか侵さないか、こういった問題を
基準にして
産学協同の問題は考えていきたいという
大臣の答弁でありますので、そういったところから私も今後この問題については
検討していきたいというふうに考えます。
次に、海外派遣の問題について、どうもわかりませんが、これも時間がありませんから答弁も要りませんけれ
ども、目的とそれから具体的
計画、これを明確に早く示してもらいたいと思います。これはある面では
外国に行って新しい文化を見てくるのだ、または振り返って
日本をそれによって見詰め、見直すのだ、こういう話があるかと思えば、
文部省の見解じゃありませんけれ
ども、出発する事前に十分教育をし、帰ってきたら核の分裂するごとくそれが伝達されるように、これは
文部省の
考え方ではありませんけれ
ども、そういう意図がもしもあるとすれば、そこまではっきり出してもらわなければ、これはなぜ出すのかという問題はそのつどつど、あるいは予算委員会等であるいは
文教委員会等ではっきりしたものが、予算は出ていますけれ
ども、これを何のために使うのかという問題については従前から明らかでなかったと私は思う。五百人もの人間をいまから出すというのですから、いままでは多少数も少なかったしあまり明確にもなっていなかったんでもよかったかもしれない。いままでは校長さんの慰労の意味でパリ見物をしてきなさいということでよかったかもしれないけれ
ども、もうこんなに五百人も出していく、私
どもは反対ですけれ
ども。これだけのものがあるなら当面やらなければならない問題はたくさんある。これ自体がいいとか悪いとか私は言っているわけじゃありませんけれ
ども、ここで論議するつもりありませんけれ
ども、五百人の人間を出すのですから、目的、それから具体的
計画、これについては早急にひとつ示していただきたい。
次に、提案されております
国立学校設置法の改正の問題でありますが、まず第一番に、この国会という場と
国立大学を
設置するという
関係でありますが、いまの
法律からいきますというと、
国立大学の
学部、あるいは
大学院の
設置という問題については国会にはかって、そうしてこれが議決され、予算も通過する。それからこれが具体的に
設置ということになります。
私立学校の場合は、これは
私立大学審議会にはかっていくわけでありましょう。で、
先ほどの
局長の答弁にありましたように、
大学設置審議会の決定したものを、
文部大臣としてはこれは何という表現を使われたか知りませんけれ
ども、とにかく信用して、そして国会に提案をしたのだ、こういうふうな形で、いわば
大学設置審議会にいま一任という形、そして
大臣がそれを信用されて提案をされる、こういうような形になっておりまして、で、国会においてわれわれが
最終的にこれを決定をするわけなんですけれ
ども、ずっと長い間の経過を見てみますと、私はきめる限りにおいては、少なくとも審議会の審議した経過、こういったものもつぶさに提案と同時にやはり出す、あるいは、たとえば
秋田大学ができあがった、その
完成するまでの
計画というものがこういう
計画なんだ、経費もこうなんだ、これはいままでの質問でもこちらが聞かなければ、薄っぺらな原案がぽんと出まして、そして従前の会議録を見ますというと、もう簡単に、これはいわば軽視じゃないかというぐらいな形で通っていっておる。
大臣も信用するという立場でこれを出されておる。私は、国会のわれわれの責任がそれで果たせるのかという気持ちにもなるわけです。しかも考えてみると、たとえば
秋田大学の問題については、一年前に、準備資金というものがちゃんと前年の国会で予算として通っておる。それから一年たっておる。したがいまして、この点については
年間とにかくこれについての審議のできるような形がとれないものか。そしてわれわれがこの
国立学校の
設置を決定する責任が十分に果たせるような仕組みにはならないものかというふうに考えるわけだ。たとえば、これは長くなりますけれ
ども、いまから、きょう委員会で決定をし、あしたの本会議でこれが可決される、こういったとします。そうすると、それから
秋田は生徒募集をやる。昨年の三重工
学部の
設置も六月までいったという状態なのです。そうするとさきの話じゃありませんけれ
ども、非常に
国立学校の、たとえば
医学部に
入学したいという全国の志願者、これは
私立を問わずほとんど試験が終わっておりまして、あと三校
私立がある、そうすると
秋田大学に一校ある、これはたいへんな競争率でありますから、私はおそらく
秋田のこの
大学の生徒募集をやった場合には、全国からわっととにかく押し寄せてくるだろうと思います。そうなりますと、
秋田のほうの
地元の要請としては、やはり
秋田に、雪をかき分けても、山間僻地まで行ってくれるような
地元の
医者がほしい、そのためには、たくさんの県費も出して、ひたすら今日まで
設置を望んでこられた、ところが実際に試験をしてみると、はたしてどういうかっこうになるだろうかというような気持ちもするわけです。したがって、かつて変則的な例もあったらしいのですけれ
ども、国会の議決がない前に、一応
文部省の指導として、内々に何か生徒をある
程度選定した、
国立大学の試験日等に合わせて、ある
程度やったということも聞いておるのですけれ
ども、その問題はさておきまして、私としてはもう少し内容について
検討をし、責任のある結論と、こういったものを出さなければならない、こう思います。場合によってはこの審議会等で相当の議論等をやられ、
文部大臣もそれを信用されて、ある場合には国会あたりで、そういう会期の問題とか何とかの問題で、これが可決を見なかったなんていうような形になりますと、それは一
年間延びていくというような重大な状態も考えられます。そういった点をわれわれが十分に審議できるという問題について、何かくふうはないかという気がするのですが、何か
考え方はありませんか。従前どおり
法律的にのみいかざるを得ませんか。