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政府委員(
岩間英太郎君) ただいま御
指摘のように、補助基準と適正基準とあるわけでございますけれども、実際に公にされておりますのは補助基準でございますが、一般的に考えまして、
一つの基準がございました場合には、それに対してほんとうに望ましい基準はどういうものかというものをやはり持っておりまして、そこに向かって絶えず
努力をするということが必要ではないかと思います。その
意味では、
文部省の中におきましてもいまの基準を望ましい基準に改めればどういうふうな基準の案があるかというものを考えておりますのが、実は適正基準というものでございまして、これは表には出ていないわけでございますが、御参考のためにあるいは各県にこれをごらんに入れる場合もあるかと思います。しかし、これはあくまでも
文部省の案でございまして、実際の基準が現在補助基準としてきめられているものでございますが、その中身の一番違っております点は、これは小学校の十八学級の例をお示しいただきましたが、その場合には特別教室が適正基準で二つばかり多うございます。補助基準では六つのところが八つになっております。その
内容は、音楽教室が
一つ、それから資料室が
一つ多いということでございまして、そういたしますと、時間的なことを考えなくても有効に授業ができるというふうにしてございますが、現在の補助基準で時間的に合理的な基準を考えますとそれで実施が可能であるということでございます。それから、そのほかに管理関係の部屋、たとえば適正基準でございますと、
教育相談の部屋とか、あるいは児童会の部屋とかいうものが特別に考えられておりますし、それから会議室、職員室にいたしましても、現行の基準よりは高いというふうな点もございます。そういうふうな点をひっくるめまして、先ほどお示しいただきましたような面積の差になっているわけでございまして、私どもも
予算要求の際にはこの数字を実現してほしいということを実は大蔵省に
要求しているわけでございますが、まだその実現ができませんことはまことに残念に思っております。なおその
方向に向かいまして
努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
それからお話しのございましたいわゆる過密地域の市町村でございますか、例をお示しいただきまして、ただいま御
指摘になりましたように、たいへんな量の
教育施設を整備しなければいかぬというふうな問題でございまして、これにつきましては私ども校舎の面では何とかそういう地域につきましても需要にこたえるように
努力してまいっておりますけれども、そのほかに過密地域につきましては、私どもいささか手の及ばない面がございまして、非常に歯がゆい
予算になっているわけでございますけれども、実態といたしましてはいささかその市町村の規模を越えました
——規模と申しますか、財政
能力というか、あるいは
行政能力とかを越えました大きな仕事が出てきたというふうな事情でございまして、
教育関係ばかりではございませんで、上下水道、道路その他いろいろなことをやらなければならないというふうなおそらくことであろうと思います。たとえば、横浜市の場合を見ましても、全国平均
教育予算が一六%に対しまして、一八%というふうに若干高くなっておりますけれども、そんなに大きな割合ではないということは、そのほかにもいろいろな事情が出てきているのではないかという点でございます。
それからもう
一つは、これはかりに二十年後にこういうことが起こりました場合には何とか始末がついたかもしれません。と申しますのは、そういうところには所得の比較的低い、若い、しかも
子供の多い、小さな
子供の多い方がお住まいになっているわけでございますから、二十年後になりますと、その市町村にとりましては非常に貢献度の高い方々ではないかと思いますけれども、たまたま現在におきまして需要ばかり大きくて実際の入ってくる収入が少ないというふうなことでございますので、二十年後にかりにこれが起こりました場合には何とかつじつまの合う問題であったかもしれません。そういうふうな地域的な、あるいは時間的な差というものを私どもは財政上どういうふうに見ていくか。また、
文部省ばかりではなくて、ほかの省にもいろいろ関係のある問題を含んでおります。それから、さらに地方財政が苦しくなったという場合に、
文部省としてできることよりは、むしろその地方財政全般としまして処理をしていかなければならないような問題があるのじゃないか。いろいろな問題がございまして、私どもの
予算だけでは
先生方からごらんになりましてたいへん歯がゆいものであると思われるわけでございますが、私どももまた同じような感じがするわけでございます。御
指摘に従いましてできる限りのことはしてまいりたいと考えますが、現状はそういうぐあいでございますので御了解いただきたい、こういうふうに考えます。