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鈴木強君 長官が十二時までの御都合だそうですから、阿部
委員の御
質問もありますので、私はこま切れになっちゃってあれですけれ
ども、まあ、いずれ
カラーテレビについては
関係の業者に聞きますが、
参考人がきょうは来ていただいておりませんから、非常にやりにくいのですが、そういうわけで、長官、私は三十分まで時間をもらっておりますから、
あと十分で
カラーテレビのことについてちょっと伺っておきたいんですが、これはもともとアメリカの市場において
日本の
カラーテレビがダンピングだということから問題が起きておるわけでして、扱いが非常に微妙ですから、対外的のこともありまして、慎重にやらなければならぬと私も思うんですけれ
ども、ただ問題なのは、先般
電子機械工業会が
発表したモデル
価格の問題ですけれ
ども、この公表については私もかなり突っ込んで勉強をしてみたんですけれ
ども、どうも納得できないんです。むしろ、十九インチのコンソール型の機種のほうが最新型であって、国内においても
需要が多いわけですから、こういうものについて実際の販売
価格というものを公表すべきではないかと思うんです。これも、会社のほうからすれば勇断をもってやったんでしょう。なかなかむずかしいところでやったんですから。ところが、出してみて、かえって
消費者の誤解を招いておるということですね。ですから、二重
価格というものがどうして生まれてこなければならないのか、現金正価というものと実販
価格というものがどうなっているかということがさっぱりわからない。そして、何か流通
段階で三八%のマージンを取っているという。そうすると、そんなに取ってないと、小売店の人たちはおかしいと言い出したんですね。ですから、メーカーに対して今度は結束して、適正
価格をきめろと、こういう運動をしてきている。
消費者のほうも、そんなことならば
カラーテレビは買わないという運動を起こしている。
ですから、ことし一年間六百五万台ほど、
電子機械工業会の当初
計画によると、
生産することになっていると思うんです。しかし、いまは真空管からトランジスタへと
機械も性能も変わってきているわけですね。ですからして、真空管時代のものはもう大体さようならで、スイッチを入れるとぱっと画像の出るトランジスタに移行してきてますよ。私は、
電子機械工業会の
会長さんが来た場合に、一体その製品が
在庫としてどれだけ残っているのか、真空管が幾ら、トランジスタが幾らあるのか、現在までの
生産高と
在庫高を全部聞きたかったんですよ。そうすると、真空管なんていうのはだんだん買わなくなっちゃうんです。そういうような問題もあるときだけに、
在庫がふえて、いま幸いというか、そういうふうな問題が出てきたわけですから、ここで謙虚に電機業界も反省をして、適正
価格というものをはっきり打ち出して、そして国民がせっかく
カラーテレビを見ようという意欲があるのですから、その意欲にこたえるようなやっぱり
政策転換をすべきだと思うんですよ。ところが、何か、
生産を少し
調整をして、
在庫はそのままにしておいて、いずれ買うだろうからそのとき売ろうというような、そんな根性を持っているとすれば、とんでもない間違いだと私は思うんです。やはり
通産省は、その間の直接の監督
指導に当たると思うんですけれ
ども、長官としても、この
カラーテレビの二重
価格制については、もう少し国民の納得できるところまで詰めてはしいと思うんですよ。
私は「週刊朝日」のをここに持って来ましたが、大臣もひとつごらんになってくださいよ。ごらんになりましたか。十月九日号ですよ。これに、「まや商会」の山崎さんの
意見が載っております。この人は有名な安売りで名をなして、しかも、相当売り上げ高を伸ばしているようなんですけれ
ども、ここなんかにも、「正価なるものは十七万三千円。今日の仲値が十一万三千円」——仲値というのは、メーカーから山崎さんに売る値段だそうですよ。「わたし
どもでお売りするのが十三万円。」、ですから「一万七千円ほ
どもうけるわけです。わたし
どもでは、ことさらな目玉商品はないんです。一律に一割三分くらいの線で、ピシャッとまや
価格を出してしまいます。」。だから大体「仲値の一割三分が利益ですか。それにしても、現金正価とは大きな開きがあるんですね。」と、こういう飯沢さんの
質問に対して、山崎さんが、「いやもう、現金正価なんてデタラメで、不当表示もいいところです。」と、こう言っているわけですね。ですから、一体現金正価がわからぬものですから、三八%マージンがあると言うのですよ。そうして、モデル
価格のときの
発表ですと、卸売りの店の経費が八%、販売促進費という据えつけ費八%、小売りの経費が二二%、結局三八%。だから、どう見ても、小売りのほうは、モデル
価格の十四万八千円ですか、これについては納得できないのですよ。二二%・八%・八%、三八%ももうけているようなことを言うものですから、小売り業者がだいぶ反対の
意見を出している。ですから、私は、松下がやられた系列会社、これについては、約手方式で、何かいろいろな紐がついているようですけれ
ども、ああいうものはなくしたい。どこの店でも、どこのテレビでも売れるようにしたらいいのですよ。ところが、いままで松下さん一流の系列会社、系列販売店というものをつくり上げて、そこではいろいろ、店舗改造とか、いろいろなめんどうを見てもらえる、そういうものがみんなテレビの
価格にかかっていくわけです。だから高くなるわけなんですよ。そういうものは宣伝費とか販売促進費とかが入っている。小売りのほうは中間でとっているのか、あるいはメーカーのほうにこの分が入っているのか、その辺がよくわかりませんけれ
ども、いずれにしても三八%というのはでたらめだと思うのです。そういう点に納得できない点があるのです。私も非常に困ったものだと思うのですよ。
一方では、
カラーテレビのほうは、NHKでも番組をふやして、さあさ
あといってやっているわけですよ。ところが、いまボイコット運動が出ておりますから、後ほど業界の方に聞いてみようと思うのですけれ
ども、おそらく、カラーの契約なんかも、九月ぐらいから、当初の販売
計画から見て、落ち込んでいるのじゃないかという気もするわけです。これは大臣も御
承知のように、当初
カラーテレビをスタートするときに、国際的な基準をきめなければいかぬという論議が
日本の国会の中に圧倒的に与野党一致であったのです。ところが、正力さんのあの構想が植竹大臣のときに承認されてスタートした。だから、いま
日本の
カラーテレビは、NTSC方式というアメリカの方式ですよ。ヨーロッパの方式とは違うのです。だから、いまアメリカが不況になったからといって、ヨーロッパ、イギリスへ切りかえるというわけにはいかぬですよ。また製造工程を変えなくちゃいかぬですからね。先般、日立が、テレフンケンですか、あそこと契約したそうでして、また他の業者もわれ先にとこれに追随していくような
動きがあるようですけれ
ども、そういうやっかいなものまであるわけですよ。だから、メーカーのほうも、われわれの言うような国際基準をつくってやればいいものを、少し先走ったから、いまになって困っているというような、そういうような過去の経過もあるわけですよ。
ですから、もう少し
通産省と相談して、根本的に、もう一回、
カラーテレビのあり方について、小売り店と流通
段階の問題を含めて、思い切った改革のメスを入れてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。