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政府委員(小暮光美君)
農林物資規格法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
本
法律案を
提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その
内容の概略を御説明申し上げます。
第一は、
法律の題名及び
目的の
規定について所要の
改正を加えることであります。すなわち、本
法律案におきまして、後に御説明いたしますように、一定の農林物資について品質に関する適正な表示を行なわせる措置を定めることといたしましたのに伴い、
法律の題名を農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する
法律に改めますとともに、
法律の
目的にも農林物資の品質に関し適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資する旨の
規定を加えることとしております。
第二は、農林物資等の定義についての
規定の整備であります。すなわち、「農林物資」の範囲につきまして、輸入品を含めることとするとともに、農林物資を従来個別に
政令で指定することとしておりましたのを定め、飲食料品等は包括的に農林物資に含めることといたしております。また、日本農林規格により品質表示の適正化をはかるという
趣旨から「規格」の定義につきましても、品質の
基準とともに表示の
基準がこれに含まれることを明確にすることといたしました。
第三は、日本農林規格に関する
規定について、表示の適正化と格づけの効率化をはかるため、所要の
改正を加えることであります。
その第一点は、一般消費者が品質を識別することが容易でない加工食品等にかかる日本農林規格は、必ず表示の
基準を含めて制定しなければならないことを明確にしたことであります。
第二点は、都道府県が日本農林規格による格づけを行なう場合における格づけの方法は、従来都道府県が各個に条例で定めておりましたのを改め、農林
大臣が統一的に定めるものとしていることであります。
第三点は、いわゆる認定工場制に関する
規定を置くこととしていることであります。加工食品等工場制生産によって生産される品目につきましては、一次産品たる農林水産物とは異なる
特殊性があり、その格づけについて特例を設けることが日本農林規格の普及をはかる上で必須となるのであります。このため、従来から認定工場制を採用し、運用してまいったのでありますが、これが
法律上の
制度でありませんために種々の問題が生じていたのであります。このような
事情にかんがみ、今回の
改正案におきましては、この認定工場制を法に明記することといたしました。すなわち、格づけを円滑に行なうため特に必要があるときは、登録格づけ機関は、農林
大臣の承認を受けて格づけの業務の一部及び格づけの表示を製造業者に行なわせるとこができることとし、このような製造業者のうち農林
大臣の認定を受けたものは、その容器、包装等にあらかじめ格づけの表示を附しておくことができることといたしたのであります。
第四点は、登録格づけ機関につきまして、その公共的性格が強くなっている状況にかんがみまして、その登録の要件を整備するとともに、格づけを求められた場合における格づけの義務を
規定していることであります。
第四は、表示に関する
制度を整備することであります。日本農林規格
制度は、何ぶんにも業者の自主性を基調とした
制度でありますので、その普及に徹底を欠く場合もなしとせず、これのみをもって表示の適正化に完全を期することはできないのであります。また、この
制度は、規格の制定、格づけ体制の整備等の準備に時日を要しますので、消費者の要望にこたえて、適時適切に表示の適正化をはかっていくには、不十分な点があることも否定できないのであります。このような状況にかんがみまして、今回の
改正案におきましては、新たに一定の農林物資について、適正な表示を一般に行なわせるための
制度を設けることとしたのであります。すなわち、日本農林規格が制定されているか、または相当の期間内に制定されると見込まれる農林物資で、品質に関する表示の適正化をはかる必要があるものとして
政令で指定するものについて、農林
大臣は、製造業者または販売業者が守るべき表示の
基準を定めるものとしております。こうして表示の
基準を定めた場合には、これが一般に守られるようにするため、農林
大臣は、表示の
基準を守らない製造業者等に対して、これを守るべき旨の指示をし、この指示に従わない者があるときはその旨を公表することができるものとする旨の
規定を設けております。
第五に、以上のほか、農林物資規格調査会に関する
規定、表示が適正でないと認める者の農林
大臣への申し出及びこの申し出に関し農林
大臣のとるべき措置に関する
規定、認定工場にかかわる製造業者及び表示の
基準の定められた農林物資の製造業者等に対する報告の徴収及び立ち入り検査に関する
規定を整備いたしますほか、不当景品類及び不当表示防止法との
関係その他所要の
規定を整備いたしております。
以上をもちまして、この
法律案の提案理由の補足説明といたします。
なお、お手元に
農林物資規格法の一部を
改正する
法律案の、横長のものが配付してございます。時間の
関係もあり、きわめて簡潔に資料の
内容を御説明申し上げます。
まず第一表は、主要加工食品及び林産物の生産の動向、三十八年から四十三年まで出してございます。
それから四ページにまいりまして、主要加工食品及び林産物の輸入の動向、同じく三十八年から四十三年まででございます。
それから第三に、六ページでございますが、主要加工食品の世帯当たり支出金額及び購入数量、人口五万以上の都市全世帯について表示いたしております。
それから十ページにまいりまして、日本農林規格JASの
対象品目及び規格数の一覧がございます。五十四品目、三百四規格の概略がこれでごらんいただけると思います。
それから十一ページにまいりまして、JlS規格による農林水産物等の格付けの現況、四十五年三月一日現在でございます。それから十三ページにまいりまして、品目別登録格付け機関の一覧表でございます。いずれも社団法人または財団法人と相なっております。
それから十五ページにまいりまして、認定工場制をとっている品目と品目別の認定工場数を示しております。
それから十六ページに、JAS規格の品目別普及の状況がございます。きわめて普及度の高いものと非常に普及度の低いもの、かなりの差がございます。しょうゆ、マヨネーズ類がきわめて高い普及率のほうに入っております。それから合板等にもかなり普及率の高いものがございます。
十八ページにまいりまして、加工食品のJASにおける表示
基準の現状を出しております。
二十三ページにまいりまして、JAS
制度に直接
関係いたします予算の推移が示してございます。四十一年度当時約二百万円ございます。四十五年度が二千二百万円というふうに相なっております。これは直接的な経費でございます。
以上でございます。