○北村暢君 いまの受託されるものの立地条件なり何によって直営かまたは再受諾をするという
ような形があるというふうな
お話でございますが、事実そういうことが起こるのではないかと思うのですが、事実、作業請負をしている任意の組合もあるわけですね。大型の機械を持っている者も民間であるわけです。したがって、直営ということになれば、これは雇用
関係の問題が出てまいりますし、相当規模の事業量がないというと、またうまくいかない面も出てくるのではないかと思うのですが、最初から直営でいくというのは……、受託のないものは直営でやろうが何し
ようが小さな規模でできないわけです。こういうものがたくさん出てくれば、機械を効率的に使う、これは
農業経営の全部を受託するわけですから、部分的な作業じゃないわけですから、苗しろから刈り取りまで、さらに脱穀までやろう、こういうわけでしょう、ですから、そういう点からすれば、機械を効率的に運営するためには、また帯しろその他の問題からいって、大規模
農業というものを
考えながら直営でやる場合に、私は相当思い切ったことができるのではないかというふうに思うのです。したがって、これが直営をする場合に、特に
農業経営を、
農協に限って経営委託を認めるわけですから、それは他の農事組合とか
農業法人とかには認めないわけですから、任意組合には認めないわけですから、したがって、それは、私は
農協がこれをやるということにおいて、合理的な、しかも労働力を十分に生かして使える形の企業的な
農業経営というものができるのではないか。そういう方向に行くことが私は望ましいのではないか。
これはなぜそういうことが可能性があるかと言えば、あなた方がすでに
計画している
ように、
農業の就業人口というのは急速に減少しているということを
考えてみると、
農家の戸数ももう六十年には四百万戸くらいで、したがって、一戸の
農家に一人ずつぐらいしかいなくなって
農業経営自体がすでにできないものが相当出てくるのではないかという想定に立って、自立経営
農家でも借地
農業ができる
ようにし、
農業協同組合も委託経営ができる
ようにし
よう、こういうことなんでしょう。したがって、そういう点からいけば、そういう
農業のにない手が自立経営
農家を
中心としてやるが、なおかつ
農業協同組合でも組合員の
利益のためにその受託経営をやろう、こういうのですから私はそういう可能性はいま直ちには起きてこないでしょうけれ
ども、将来においてあり得ることであると、こういうふうに思うのです。
そういう場合に、私は先ほど参
事官の言われた便宜主義的な運営の面から言えば、何と言うのですか、再受託の
ような形で請け負ってもらうという
ようなことが起こるのかもしれませんけれ
ども、それはなるべくそうあるべきでなくて、私は直営でやっていく、そうして直営でやり、そこで
農協で働くこの農作業に従事する作業員——職員になりましょう、雇用
関係になりますから。そうすると、これはもうやはり
農協につとめて農作業に従事をして雇用
関係は
農協との間に雇用
関係が成立して、そうすればこれは今後における年間雇用的なものにまで発展して持っていかなければならない。
一体機械の構造からいけば、後ほどに出てくるあれですね、転用相当
農地の整備事業等出てくるわけですから、そういうものとあわせて雇用労働というものが
農業だけではどうしても切れるわけですから
農協が行なうことによって雇用の
関係をうまく労働の配分をしていくということが
考えられなければならないのではないか、こういうふうに思うのです。それはやはり
農協が一つの
農業経営という企業的な感覚でこの事業というものをやっていかないというとこれは私は失敗をするのではないかと思います。
そういう面から言って、いまの点についての
答弁はありましたけれ
ども、御都合主義でできる
ようなかっこうでやるんだと、この
ような
指導の
方法では私は成功しないんではないか。信託事業そのものも
伸びないというのはそういうところに私は原因があるんじゃないかと思っています。したがって、
農協がやる気でやらなければ、ほんとうに
農業経営ということなんですからいいかげんな
手数料だけもらっていればそれでよろしいという
ような感覚でこれをやろうとすれば必ず失敗すると思うのです。そういう面についてもう少し受託した後における
農業経営のあり方という問題について深刻に私は検討されるべきだと思うのですが、この点についてはひとつ
農林大臣から
方針を承っておきたい。