○
政府委員(
荒勝巖君) まず
価格の安定というものについて
効果的に何か手が打てるかという御
指摘かとも思いまするが、
御存じのように、
野菜はいわゆる非常に季節商品でございまして、やはりそれはそれなりの季節変動
——価格につきまして季節的な
価格変動が非常に激しい。やはり冬の
キャベツと夏の
キャベツの間にはおのずから作型も違いますし
産地も違いますし、また反当の
生産量も非常に違いますので、しょせん値段が同じ
キャベツでありましても逆に言えば異質のものというふうに理解せざるを得ないのではなかろうか、こういうふうに思っております。したがいましてと夏の
価格の基準となるべき
価格の水準と冬の
価格のそれとは当然違ってくるということで、われわれもいわゆる
野菜生産出荷安定資金協会という協会を設けまして
価格変動対策のための
価格補てん事業を行なっておりますけれ
ども、やはりそういった過去のいわゆる夏の
キャベツなら
キャベツ、冬の
キャベツなら
キャベツ、それぞれ
価格水準を異にいたしましてそして
価格補てん事業を実施しておる。
ただそこでなぜやっているかといいますと、不当な暴落という、いわゆる一定の過去三年なら三年間の市場の
価格の水準がございますが、その水準と対比いたしまして一定の
比率以下に下がるというのを不当な暴落というふうに理解いたしまして、非常に下がったときというものをとらえましてそこの時点でやはり補てん事業をやっておりまして、いわゆる単なる年間を通ずる
価格を
キャベツなら
キャベツについて一本
価格といいますか、
一つの基準
価格に、同じところの水準に持っていくという考えは初めからございませんで、やはりそれはそれなりの季節的な
価格の変動の中で極力過去の経験値に近いところで安定していきたいというだけでありまして、それから非常に水準が暴落したものを何とか防止する、補てんする、こういうことでいまの
法律のたてまえは仕組んでおるわけでございます。
また一方暴騰の場合でございますが、
出荷調整で何とかならぬかという御
指摘かとも思いますが、ことしの冬
野菜につきましてあれこれと世間で御意見があるようでありますが、われわれの見ましたところ、むしろやはり
野菜でございますので、そう長期にわたっていわゆる一種の思惑的に買い占めてするというわけにはなかなかむずかしいのではないか。たとえば
バレイショでございますが、北海道の
バレイショが、この冬のいわゆる一月から四月までの間のいわゆることしの
バレイショの消費の大半といいますか、ほとんどを占めるのが従来の経験でございますが、
バレイショについてそういったいわゆる思惑的にストックがどこかで行なわれたというような話はわれわれとしては取りたくないのでありまして、むしろ昨年のいわゆる秋の作況予想のときには比較的順調であった
バレイショが実際の収穫のときには非常に冷害を受けまして悪かったということで、結果論としてさきに
バレイショが七割前後でん粉にすり込んでしまって、あそこの北海道の業界の通常のいわゆる形態がございまして、さきにでん粉にすり込んでしまった結果、
あとでそれほど
バレイショがなかったということで、北海道は根こそぎこちらに、場合によっては毒ジャガ事件を起こしましたほど、
バレイショが
東京方面へ出尽くしてしまっておったというふうな
かっこうで、むしろなかなか買い占めによる
価格の暴騰ということは実際問題むずかしいではなかろうか、こういうふうに理解しているわけでございます。
われわれといたしましては、いわゆる行政的に
法律命令で
野菜の
出荷をすべしというふうなことはできないんでありますが、それとはなしに、ただいまでいう誘導行政といいますか、
生産出荷協議会というものをひんぱんに開きまして、作物別
指定地域別に、
大臣から
お話がありましたように、
生産者あるいは
出荷者、小売りというものが集まりまして情報を持ち寄って、このくらいまでいくのではなかろうかということで、そういう
出荷の調整的な行政
指導をしていく、こういうふうに御理解願いたいのでございます。