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北村暢君 あなた、そうおっしゃるけれ
どもね、
畜産の専門家はなかなかそう見ておらないようですよ。ここにも、あなた方の食肉の
価格安定の問題についても、豚肉については
価格安定制度がありますけれ
ども、肉牛にはそれがない。まあ県等で若干子牛に対する基金制度をとっておるようですけれ
ども、そういうような形で、どうもこの肉牛の
生産というのは、将来において伸びるというのは非常に困難でないかということが言われております。まあいまの
畜産局長の非常に自信ある
答弁で、しばらくこう様子をこの数年見なければならないことだろうと思います。
畜産の専門家は、計画は立てられたけれ
どもも、それを
実施していくところの具体的な
施策に欠けておるので、この計画が達成できるかどうかということについては非常に疑問がある、
価格の問題についても疑問があるということを、非常に強くこれは
指摘をしておりますね。ですから、この点について私が非常に問題があると言うのは、この肉用牛についての
基本的な
生産の
考え方ですね、たとえていうと、これは野草等を使用するという面についても、
生産者は牧さくをするようなことではもう肉用牛の
生産は成り立たないということで、国有林等を放牧に貸してもらいたいと、こう言うんですが、それじゃ牧さくをしてください、貸しましょうと言うと、牧さくをやるのならだめだと、もう採算はとれないと。これくらい肉用牛というのは土地なり
生産手段にちょっと金かけるというともう採算がとれなくなる、こういうしろものなんです。したがって、いままでの肉用牛は、役牛として一応目的を達して、それから肉にするんですから、それなりに肉は安くても採算とれるわけですけれ
ども、これからの肉用牛は役牛じゃないので、本格的に肉を目的でやるわけですから、したがってこの
生産資材に金をかけたり、またこの子牛の流通の問題について非常に問題があるということで、肉牛の
生産を
拡大していく上においては幾つかの障害がある。そう簡単な問題では私はないと思っているんですよ。何か
畜産局長の話を聞いていると、伸び率がいいからこれを
維持していけば達成できるのだというような話、ごく簡単に
考えられているようでございますけれ
ども、これは非常に大きな問題です。ですからこのいままでの伸び率が少なかったから、ちょっと伸び率が高い率で出てくるのかもしれない。あまりはっきりしませんが、とにかくこれは大きな問題だと思う。しかもこれは今後の
生産を
拡大していくためには、何といってもこれは牧草等の土地の問題が関連してくる問題で、したがって飼料の需給の総括表の中においても、最後に草地、牧草の用地の
拡大ということがたいへんな問題だと、現在、草地、牧草地が十五万五千ヘクタールしかないものを六十一万一千ヘクタールに持っていこう、こういうふうに出ておりますがね、これに濃厚飼料をあまり与えたのではまた採算が合わなくなってくるわけでありますから、どうしてもこれは粗飼料によらざるを得ない。それが用地確保の問題とも関連して非常にむずかしい問題だと思うのです。ですからそういう点について、しかも乳牛については不足払い等がありますが、したがってその乳牛に対する、酪農に対する
保護政策は非常に徹底しておりますから、酪農のほうはどんどん伸びるでしょう。それと同時に乳用牛の牛肉というのが出回るわけですから一これは肉用牛の値段の半値ぐらいでしょう、同じ牛肉でも。ですから
価格の面においても、それから
保護政策の面においても、用地確保の問題においても、これは大きなネックがあるのですよ。したがってこれはよほどの
政策的な手段を講じないというと私は簡単に伸びない、こういうふうに思っておるのですが、これは最後ですから、この
畜産局長の自信のある
答弁に対して、そういう安易な
考え方でいいのかどうなのか、
大臣の見解をひとつ承って、私の質問は終わりたいと思います。