○
岩間正男君 私は特に
最初に
出資金の問題を問題にしました。これは
東京につくられるということ、それから
エカフェがいままで何をやってきたかということの特徴的なものをあげたわけです。そういう中に、なるほど
統計そのものをこれは進めていくということ、そのことは技術的に考えれば、それだけの考えからこれは問題はないかもしれません。しかし、それがどう運用されるかというやはり政治的な
背景というものとあわせて考える必要があると思うのですね。で、私はそういう
意味で、たとえば
エカフェ事務局が編さんした「
エカフェ二十年の歩み」によると、
エカフェが実施しようと
計画していた作業にとって
統計の不足が重大なハンディキャップであった、こういうふうにいっておるわけですが、単にこれは技術的に解釈できない。その
背景には、これを運用する政治の
性格というものがはっきり出てくるのじゃないか。そして
日本の
やり方につきましては、いま言ったように、非常に
アジアの
諸国が警戒をしておる、こういう点が考えられる。それから実際の問題として、ほんとうにこれが
住民の
福祉に、
発展途上国の
住民の
利益につながっているかというと、そうならない。そうならないで、実際は非常に別な
目的の
方向に使われてきた、こういう結果が非常に多いと思うのです。これは
メコン川の
流域の
計画一つ見れば、非常に
国会でも問題になったと、こう考えますというと、私はこの
計画というものは、これは新
植民地政策というようなものとつながっているのじゃないか、こう考えざるを得ないのであります。
まあ新
植民地主義というのは、これは言うまでもなく、その特徴とするところは、
東南アジア諸国のような
後進国に対して、これを低
開発国とか、あるいは
発展途上国なんという
名前で呼んで、その国の
経済的独立や
工業化を実現させるために
経済援助を与えるということは、いかにも
先進国のなさねばならない義務であるかということを実際は装っている。が、実際は搾取と略奪のための
経済侵略を大いに進めておる、そういう現実の姿があるわけです。かつてケネディ前
アメリカ大統領は、
対外援助は、
アメリカが全世界にわたって影響と
支配の立場を維持し、そして確実に崩壊するか、そうでなければ
共産主義圏に入ってしまうであろうかなり多くの国をささえるための
一つの
方法であるということをはっきり述べているのですね。これは私はこのいま進められている
日本の
海外援助、
海外進出、あるいは
海外侵略と呼んでもいいと思うのですが、そういう
方向とこの問題は切り離しがたく、結びついているのが現状じゃないか。
先ほど来あげましたように、
エカフェの名によって多額の
出資金と
日本のきも入りで、そのような
アジア統計研修所の
設置が行なわれ、そして
アメリカの新
植民地政策、そういうものが一部肩がわりされ、そうしてこういうような片棒をかつぐという
かっこうで
日本の
独占資本が
アメリカ侵略のあれに乗り出していく、そういうための道を切り開くためのこれは
方法じゃないか、こう言わざるを得ないと思うんでありますが、こういう点についてどうなんですか、これは。技術的な問題はいいです。
日本のいままでとってきた
やり方、そういうものとの
関連において、
長官の見解を伺っておきたいと思います。