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足鹿覺君 それではなるべくすみやかに御提示を願いたい。
そこで、いまのあなたの説明を聞いていると、何もかも具体的に実のある御
答弁とは私思いませんが、具体的な事例を、では
一つ申し上げましょう。
自衛隊が配置される
沖繩基地についても、おおよそのところはすでに決定しているという話であります。一例をあげますと、九月二十八日の
日本経済新聞によれば、「(1)陸上
自衛隊は那覇近効のホイール・エリア、普天間両
基地、(2)海上
自衛隊は東海岸のホワイトビーチ
基地(3)航空
自衛隊と海上
自衛隊しょう戒機部隊は那覇空港
——をそれぞれ使用する方針を固めた。」と報道しております。私がここで
質問しておるのは、こういうすでに新聞に具体的な発表をされたことを資料を出せといっても、そういったことの
関連も含めて、なぜこの
委員会を通じて国民の前に明らかにされ、
沖繩県民にこれを知らされないのでありますか。私はそういうことについて、もっとあなた方は誠意を持ってお
答えになる必要があるのではないか。だから以上述べた点で、はなはだ遺憾であります。詳細な資料の御提示をお
約束されましたので、この問題についてはこの程度で打ち切ります。
最後に
長官、このリチャード・ハロラン氏の論文を読んで私の受けた印象は、要するに
米軍の使用しておったものは一九七四年ないし七五年には
日本から完全に撤退をするか、大体完全に近い線で撤退をする。つまり撤退はするが、新しい
一つの方針に向かって新しい体制を別なところにつくる。つまり後退をするのである。こういうことが結論として言えるのではないかと思うのです。いわゆる
日本の
基地そのものからは撤退するけれども、
自分たちの
基地は後退した適切なところに新しくまた設けるであろう、こういうことに尽きるであろうと思います。このリチャード・ハロラン氏の述べておるところによると、「われわれは自衛のための人員供給という第一義的な責任は、直接脅威を受けた国が負うよう期待するであろう。」、つまり直接脅威を受けるであろう
現地調弁主義ですね、これはあながち
沖繩のみをさしているのではないでしょう。東南アジア、いわゆるPATOないしはASPACに期待をかけておる。
日本がPATOやASPACの軍事同盟的な
条約機構に入るとは
考えておりませんが、少なくとも自衛のための人員供給という第一義的責任は、直接脅威を受けた国が負うように期待するであろう、つまり
現地でやれ、
アメリカは犠牲の負担を軽減して、そうして
現地においてアジア人とアジア人同士を戦わしめるという
一つの後退とみなす、そういう方向に向かって提言をしておりますし、
日本の著名な軍事評論家も、「これを要するに、このハロラン論文は、
アメリカが
考えている一九七五年までのアジア政策の一端を示したものかも知れない。
わが国のアジア政策がいままでの
アメリカまかせの消極的なものではもはや通用しなくなったことを警告しているとみてよかろう。したがってこの論文は、日米安保
条約の改定問題から始まって、
自衛隊の海外派遣といういままでのタブーにも
関係をもち、さらには憲法の根本にもふれる重要な意義をもつものといわねばならない。」、このように結論を述べておるのであります。
私はこの論文のすべてを肯定するものではありませんが、少なくとも傾聴に値するものである、かように
考えるものでありまして、これは
長官のあるいは
防衛庁当局の真摯な御検討を願っておきたいと思います。
時間がありませんので、今度は至って局地的な問題で恐縮でありますが、いま述べたような
立場に立って
基地問題、特に美保
基地問題について伺いたいと思います。
九月二十一日、浜口海将は、魚雷艇の
基地を鳥取県境港周辺につくりたいというセンセーショナルな
言明をいたしました。すなわち境港は地形上最適と思うが、
地元の事情もあり、どこに置くかはきめておらない、こういう
発言をした。つまり美保
基地のいままでの
地元の反対抵抗がきわめてきびしいということを念頭に置いた慎重な
発言であったと思いますが、これに反し、土屋政務次官は九月二十八日、その問題でその
地域はわき立っておるところへ初巡視と銘打って美保
基地航空
自衛隊を訪問され、新聞記者団との会見において、同
基地のジェット
基地化はいまのところ
考えていない、いまのところですよ、という異例な
発言をされております。すなわち、滑走路のつけかえは現に行なわれております。
地元住民の反対陳情、署名請願等を無視して、
自衛隊の
基地内なんだから、やるのは何が悪いかといわぬばかりに行なわれております。また、
地元の最も騒音の被害をまともに滑走路のつけかえによって受けるであろうと思われる境港市会も特別
委員会を設け、市長もこの問題に対しては市民の意向を
考えて対処したい、かように市も何ら同意を与えていない。このような中にあってすでに滑走路のつけかえは始まっております。あわせてこれと符合するごとく四十六年、四十七年の二カ年計画で滑走路のつけかえが行なわれ、第四次防は昭和四十七年に発足することともこれは符合しております。また一方、これは運輸当局も先般発表しておりますが、運輸省がジェットの輸走力を四倍、大型機を二十三空港で発着を可能にするということを中心に新空港五カ年計画なるものを発表し、そして山陰においては島根県出雲をジェット化空港の対象にしております。つまり先般の当
委員会で橋本運輸大臣に私が
質問したとき、
自衛隊との併用
関係はでき得る限りこれを
整理し、
自衛隊は
自衛隊、民間空港は民間空港として分離をしていく原則で対処したいということの趣旨からか、運輸政策審
議会が発足をし、その審
議会に付議されるであろうこの案が一般に公表されておりますが、われわれは不幸にしてその
内容を知っておりません。こういうこととあわせて、もし勘ぐるといたしますならば、山陰ではジェット727の大型機は出雲に移動する、そして滑走路のつけかえが完成になる昭和四十七年、つまり第四次防を発足せしめる年に、いわゆる二十センチの堅固な滑走路とつけかえが行なわれる。こういう諸
情勢の中に土屋政務次官がそのようないまのところ
考えていない、こういう異例の
発言をされたことはきわめて私は遺憾であろうと思う。
今日まで私どもは鳥取、島根両県、これは決して労働組合のみではありません。
地元住民も一般市民も、労働者はもちろん先頭に立ち、すべてが立ち上がって、今日まで
米軍のビーチクラフトすらこれを拒否した長い伝統と歴史を持っております。あなたたちが、もしある時期にこれをジェット化しよう、そういう含みでもってこのつけかえ工事をなされようとするならば、われわれは、われわれの断固たる決意を持って対処せざるを得ない。土屋政務次官はどのような意図を持って、いま私が述べたような諸般の背景の中にあって、ある時期とは一体どのような
意味を持って申されたのか、きわめて重大であろうと思いますので、この際これを撤回して、このようなことを
考えていないと訂正をされ、
地元住民はつけかえそのものも反対をしておりますが、少なくともジェット
基地化に対する懸念はこの際一掃されない限り、どのような事態が今後起こるかをあなた方は近くごらんになることができるでありましょう。重要な
質問でありますから、しかと御心境のほどを承りたい。