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岩間正男君 結局、今度の訪米では触れなかった、こういうふうに了解したいと
思います。
ところで、
基地の問題ですが、ジョンソン証言でも明らかなように、いま
基地返還、それからさらに
自衛隊にこれは返す、あるいは民間に返す、こういう形で返還の問題が一つの大きな課題になっているわけですが、この返還の真のねらいはどこにあるのですか、アメリカ側の。これはもうはっきりしているのじゃないですか。ジョンソン証言の中でも言っておりますね。やはり、ドル
防衛の立場で国防費を削減する。したがって、その肩がわりを
日本側に負わせる。これがやっぱり一番
基地返還にアメリカがここで同意している理由じゃないですか。むろん国民感情の緩和ということも、同時に副次的な目的としては出てきているだろうと思う。したがいまして、先ほどから、共同
使用の場合の
基地の費用はどうなるかとかなんとかいうようなこれは質問もありました。これに対する
施設庁
長官の答弁というものは、非常にこれは現実に合わぬですね。はっきり、アメリカのねらいは、
日本側に返して
日本に費用を負担させる、そこにあるのだ。ですから、あなたはいろいろ、共同
使用の場合、両方で持つとか、話し合い、ケース・バイ・ケースというような答弁をされている。これは
管理費は
日本側が持つでしょう。経常費の負担というのはこれはあたりまえですよ。
米軍側がやってきて、そこで燃料を
使用したとか、それから食糧、それらの問題について、これは向こうが負担する。はあたりまえだ。基本的には
基地の返還というものは、これは
日本に返すという目的は、ドル
防衛の、国防費のこれは軽減にあるのだという点ですね。この点はやはり明確にしなければならない問題だと思うのです。この点が
基地返還の中における一つの性格です。
日本側が考えている、あるいは国民感情に基づく、ことに
東京周辺におけるところの
米軍の
基地をこれ以上許すことはできないというこれは強烈な要請があります。そういうものにこたえるというような問題もあるでしょうが、アメリカ側の立場は必ずしも同一でないのだという点を、私はやはり当
委員会でこの返還の性格として明確にしておくことが必要だ。そういう点を明確につかんでおいて、客観的な事実として、その上に立ってわれわれは事に処さなければならぬということを感ずるわけです。したがって、先ほど
施設庁
長官の答弁を聞いておりましたが、非常にあいまいですよ。この点ごまかしてはいかぬと思う。
次に伺いたいのですが、沖繩の
基地の問題です。沖繩の
基地の問題について三つの問題を聞きたいと思う。
一つは、一体次のような目標を持つ
基地というものは、これは今度どうするのかという問題が一つです。第二は共同
使用。先ほどから問題になってます共同
使用の場合の
基地については、一体どういう方法をとるのか。第三の場合は、
米軍が依然として
継続使用する、そういう
基地、その場合には当然これは地位協定の適用というものが新たになされなきやならぬ。それに伴うところの多くの課題を持っているはず。この三つの問題について私はお聞きしたいと思うのであります。
第一の問題ですが、アメリカの第一海兵緊急派遣
部隊、この
基地、これはあの金武湾の沿岸にあります。私も沖繩に行って見たわけでありますが、さらに普天間に第一海兵
航空団の
基地がある。
日本の岩国にもこれはあるわけであります。アメリカの第一海兵緊急派遣
部隊は、チャップマン海兵隊総司令がこの前の議会の証言で、太平洋のいかなる地点にも緊張が高まるに応じて急速に展開できると証言しているように、安保条約の目的と範囲を私は逸脱していると考えます。これは明らかであります。しかし、沖繩に全太平洋を対象にした補給中枢を置くというリーサー構想の問題が、これは衆議院の本会議で三月二十六日に問題になりました。中曽根
防衛庁長官もそこに同席をしておったはずであります。これに対してはっきりと愛知外相はこう言っているわけですね。「安保条約の目的、範囲を越えるようなものであれば、沖繩返還に際して同意しない」、こういうふうに答弁しているわけです。これはあなたもあの席におられたから御存じだと
思います。このたてまえからすれば、返還の沖繩に第一海兵緊急派遣
部隊が残ることは認められないと私は考えるわけです。これに対して中曽根
防衛庁長官はどうお考えになるかお伺いしたい。