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1970-05-12 第63回国会 参議院 逓信委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年五月十二日(火曜日)    午前十時十八分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         近藤 信一君     理 事                 長田 裕二君                 新谷寅三郎君                 松平 勇雄君                 永岡 光治君     委 員                 植竹 春彦君                 古池 信三君                 郡  祐一君                 迫水 久常君                 白井  勇君                 菅野 儀作君                 寺尾  豊君                 久保  等君                 森  勝治君                 塩出 啓典君                 北條  浩君                 村尾 重雄君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  井出一太郎君    政府委員        郵政大臣官房長  野田誠二郎君        郵政省郵務局長  竹下 一記君        郵政省簡易保険        局長       上原 一郎君        郵政省経理局長  溝呂木 繁君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    説明員        法務省民事局第        三課長      枇杷田泰助君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     —————————————
  2. 近藤信一

    委員長近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法律案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 長田裕二

    長田裕二君 できるだけ簡単に質問をいたします。この売りさばき手数料構成要素といいますか、どういう点を考え手数料を一割から五厘の間にきめたかということについてお答えを願います。
  4. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 手数料の算出の考え方でございますが、切手を買い受けまして売りさばきますまでには相当程度の資金を要しますし、また人件費的な部分もございますし、切手類保管等のためには物件費的な経費も要るわけでございまして、そういったもあのコスト計算を綿密にいたしたわけでございます。それも一万円までのグループにつきましてやりますと同時に、金額によりまして段階を設けまして、五万円まで、十万円まで、二十万円まで、それぞれコストの態様も違ってきますので、グループごとコスト計算をしたわけでございます。コストとしまして取り上げましたものはこの金利部分でございまして、一万円まででございますと、買い受けの平均額が四千二百七十七円になっておりますが、それに対しまする金利といたしまして年九分を見ております。それの一カ月分が月額の中に入るわけでございます。それから切手類保管箱、これは十五年耐用ということに見て、その償却費。それから標識を掲げてもらうということになっておりますが、これはまあ七年もつということを想定いたしております。それからいろんな手間賃が要るんですが、これは人件費の取り方はなかなかむずかしいところでございますけれども郵政職員普通職三級一号の一時間当たりの単価を用いまして算出いたしております。それから切手類印紙につきましてやはり危険負担が必要かと思います。これにつきましては、損害保険の純保険料率を採用いたしまして、千分の一という率を保険料部分として見ている次第でございます。それに若干の雑費及び若干の利潤というものを見まして、買い受け月額四千二百七十七円に対しまして、コストの総計が四百八円五十三銭と出ましたものですから、これを査定いたしまして一割——〇・一という数字を出したわけでございます。これが一万円までのコストでございますが、金額が高くなるにつれましてコストの取り方が若干違いますけれども、おおよその考え方は同様でございます。
  5. 長田裕二

    長田裕二君 まあいまのお話の中でも、売り上げ高に全く関係ない保管箱とか、標識とか、あるいは雑費類とかあるわけですが、数年前から外のポストの維持、管理、あるいはその他郵便事業についての——まあ、ただ切手を売る、あるいは印紙を売ることだけではなく、協力も要請しているんではなかったかという気がいたしますが、そういうような部門はありませんでしたか。
  6. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 売りさばき人の方々にはいろいろ事業協力をやっていただいておるわけでございまして、年賀郵便が始まりますると、早く郵便を出してもらいたいといったようなポスターを掲げてもらうとか、いろんな事業周知の一翼をになってもらうといったことが多いわけでございます。またポストにいたしましても、ポスト愛護ということで、ポストをきれいに保ってもらうということ、これは義務づけておるわけでございませんで、自発的に売りさばき人の御協力によってやっていただいておる、こういうわけでございますが、それらの一つの労働といいますか、お骨折りといいますか、そういうものに対してはコスト計算をいたしていないわけでございまして、全く奉仕的にやってもらっておるというのが実情でございます。
  7. 長田裕二

    長田裕二君 切手類自動販売機がかなり前からいろいろ問題になっていますが、いま何台ぐらい、どういうところに設置しておりますか。
  8. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 切手類自動販売機は、主として郵便局でございまして、二百五十の郵便局の中に五百七台設置いたしております。それから数が少ないのですが、郵便局以外の場所で現在四カ所やっております。これは団地、それから駅前の広場、それからもう一つホテルの中、こういうところでございますが、設置状況といたしましては以上のとおりでございます。
  9. 長田裕二

    長田裕二君 その郵便局以外に設置した四カ所は全部売りさばき所と無関係に設置していますか。何か売りさばき所と関係させておりますか。
  10. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 売りさばき所とは関係ございません。まあ、ところによりまして、第一ホテルというホテル内の切手自動販売機は、その管理を売りさばき所にやってもらっておりますが、それ以外は売りさばき所と関係ございません。
  11. 長田裕二

    長田裕二君 手数料料率体系を見ますと、四十一年四月の改正で大体十万円以下の改善をやる、それから四十三年四月の改正で十万円から五十万円までの改善をやる、それから今回さらに十万円以下を区切りまして、一万円から五万円までの分の改善をやるということで、四十一年、四十三年、四十五年・今回の改正をあわせますと、一通り体系がそろった、バランスのとれた形になったというような感じがするわけですけれども、一方世間を見ますと、人手不足ということから、ああいう手数のかかる物の値段というものがものすごく上がってきている。これが実情でありまして、おそらく売りさばき所につきましても、全般としてそういう影響は多かれ少なかれ、受けざるを得ないというような感じがするわけです。そこで、全般として、いままでのような、こういう料率体系でいいかどうかという問題も大きな問題として振りかかってきているのではないかと思いますが、人手を省くという方向でこれに対処していくか、世間一般の傾向のように、そういうことで新しく取り組んでいくか、非常に大きな問題だろうと思います。販売機の問題なども、そういう情勢も加味しながら、郵政省として今後さらに売りさばき所についてどうやったらいいかという観点から取り組んでいただきたい。これは希望を申し上げます。  次に、四十二年の八月から施行されました登録免許税法の大改正につきまして法務省の方にお尋ねをいたします。  この四十二年の大改正によりまして、登録免許税については、従来は印紙納付原則であったと思いますが、現金納付原則になり、金額一万円以下の場合その他政令で定める場合にだけ印紙納付を認めるというふうに、たてまえが転換したと思うわけです。しかも、附則によりまして、四十五年の十二月末日まではいままでのとおりでいいけれども、四十六年一月からはその原則がそのまま——要するに、現金納付原則になって、一万円以下と政令で定めるものだけについて印紙納付を認めるというふうに転換したわけです。したがって、現在でもある程度、もう四十二年以来原則が変わっていますから、従来の印紙から現金に逐次移りかわっているというふうに思うわけですが、特にことしの末、あるいは来年の元旦からはっきりと経過措置も打ち切られるわけでございます。これがどういう影響を及ぼすかということは、これは郵政省大蔵省との関係、あるいは郵政省切手もしくは印紙、特に印紙の売りさばき所などとの関係にある程度変動を来たす一つの大きな要素になると思います。そこで、施行令十八条に書いてあります「登記所の近傍に収納機関が存在しないため当該登記所においてつかさどる登記又は登録に係る登録免許税を法第二十一条」——現金納付——「の規定により納付することが困難であると法務局又は地方法務局の長が認めてその旨を当該登記所公示した場合」、地方法務局の長が近所収納機関——これは日銀代理店ではないかと思いますけれども——そういうものがないために現金納付が困難だ、従来どおり印紙納付を認めるというようなことで公示をする登記所、まあ地域ですか、そういうものはどういうものを予定しておられるか、それにつきまして法務省のお考えを伺いたい。
  12. 枇杷田泰助

    説明員枇杷田泰助君) ただいまお話のございましたように、昭和四十二年以来登録免許税納付方法印紙中心主義から現金納付原則とするというふうに方向転換されたわけでございますが、四十五年の——ことしの十二月三十一日までは現金納付でもよろしいし、印紙を張って納めてもよろしいということに付則の十条でなっておりますために、実は、今後の方針をきめるのにその間どのような動きが見られるであろうかということを私どもは見ておったわけでございます。それによりますと、実は、四十三年度の統計でございますけれども登記関係で四十三年度中に納められました登録免許税の総額が約八百六十五億円でございます。その中で現金納付されましたものが百十億円でございまして、七百五十五億円は印紙で納められておるわけでございます。したがいまして、かなり大多数の方がやはり印紙をお使いになっておられるということがわかるわけでございます。それからもう一方、一件当たり登録免許税額が幾らかということを見てまいりますと、平均いたしまして約八千五百円でございます。そうしますと、登録免許税法の二十二条でございますかで一万円以下のものは印紙で納めることができるということでございますので、平均的には印紙で納めることができるかっこうになるわけでございます。かなり登記を御利用になる一般国民方々は、登録免許税はもう印紙で納めるものだというふうなお考えがある。と同時に、印紙で納めるほうが便利だというふうなお気持ちがあるかと思われまして、それが、ただいま申し上げましたような圧倒的に印紙利用される方が多いという数字になっておるようにうかがえるわけでございます。そういう状況考えますと、ただいま御指摘登録免許税施行令の十八条の運用基準考えます際にも、一般国民の方にあまり窮屈な、特定の金融機関で納めなければならないというふうなしぼりをあまり大幅にかけることは検討を要すべき点があるのじゃなかろうかというふうに考えますので、そこら辺をどの程度基準で線を引くかということは、御利用になる申請人方々の御事情考慮しながら現在いろいろな資料を集めて検討中でございますので、はっきりとした線はまだ申し上げる段階にはございませんが、ただいま出し上げましたような事情のもとで検討しておるということだけを申し上げたいと思います。
  13. 長田裕二

    長田裕二君 それでは、施行令十八条で具体的にどういうところを指定するか、公示するかということについてはまだいろいろ検討中で方針もはっきり固まっていない、日銀代理店でも登記所のすぐ隣り近所にあるようなところは、これは指定し、公示をするというようなことになるわけだと思いますが、その範囲などは、これから検討になるというふうに考えてよろしいわけでございますか。
  14. 枇杷田泰助

    説明員枇杷田泰助君) ただいまお話しのとおりでございまして、各登記所によりましてもいろいろ地域的な事情もございますので、一律の基準ということにはならないかもしれませんけれども、近隣の金融機関あるいは郵便局の所在地といったようなものの距離それから機構、そういうものも考慮して基準はきめていくという考えでございます。
  15. 長田裕二

    長田裕二君 どういうきめ方を法務省のほうでされるかということとも関連しますが、その範囲が相当広くなる。登録印紙税法改正そのものは、これはそれなりの理由があってされたことでしょうが、この範囲が相当広くなるかどうかということで、いわば収入印紙の売りさばきの中で一万円以上のものがかなり現金収納に移っていくということ、それがたとえばいただいた資料の十ページあるいは十一ページにあります、たとえば十一ページの百五十万円をこえる月額の売りさばき所が全国で九百二十九カ所、〇・九%というようなことですが、高額のものはかなりそちらに移っていくというようなことになりますと、郵政省大蔵省側印紙の売りさばきについて、昭和四十五年度は何億になりますか、あらゆる手数料経費を込めて三分という手数料大蔵側から受け取っているということの一つ前提が変わってくる。一番いわば高額のいいところ、一番極端な百五十万円以上ということになると、月額五厘の手数料を売りさばき所に支払っておる。その部分が総体的に小さくなってきて——五厘あるいは一分という低率の手数料を支払う部分が小さくなってきて、だんだん高い一割なり、あるいは五分なり、あるいは二分五厘なりという、そういうところの比重が総体的に高まってくるというようなことが当然招来されるわけですので、大蔵側との関係で長い間据え置きのこの三分がいいかどうかという問題がますますくっきりと、まあ適当なことばかどうかわかりませんが、先鋭な形で郵政会計に迫ってくるような感じもいたします。また売りさばき所の側にとっても、高額に売れるところが五厘というようなのは、いわば従来一万円印紙というものが相当大きな比重を占めていた。手数はあまりかからない、枚数も一度に片づける、そういう部分がなくなっていくということで、このいまの体系、各金額ごと料率をきめていくこの体系そのものにも若干の変動を来たすというようなことになろうかと思いますので、先ほどの法務省お答えでは、どういうふうに具体的に指定するかはなお慎重に検討していくということでしたので、どういう影響が来るかということをそうはっきり金額的にいま予想することもできないわけですが、郵政省におかれましても、そういう面はひとつよく法務省のほうの措置、その及ぼす影響等十分心を配られて、非常に手数をかげながら特別会計負担にこれがなるというようなことのないように、あるいはまた支払い手数料体系についても、それぞれの状況に応じて合理的な料率をおきめになるように、今後その点に意を用いられることを希望いたしまして、私の質問を終わります。
  16. 森勝治

    森勝治君 まず、郵政大臣に若干基本的な問題についてお伺いをしてみたいと思います。  先月の二十七日だと思いましたが、主婦代表佐藤総理陳情を行ないました。これは相次ぐ物価高で台所を預かる主婦としては悲鳴を上げておるので、物価上昇政策はとらないように、国民生活の安定のために最善努力をしてほしいという趣旨の陳情を行ないました。佐藤総理も、そのことについては最善努力をいたします、すなわち政府といたしましても物価抑制に全力を尽くす、こういうふうに明快に答えられたわけでありますが、ところが、この舌の根もかわかぬその翌日には、郵政大臣のあなたは郵便料値上げ発表されました。そうなりますと、失礼でありますが、一体自民党内閣というのは、物価抑制国民生活の安定というものは、いわゆる郵便料値上げをもって安定に資するのかという、これは邪推が生まれてまいります。賢明な大臣でありますから、佐藤総理が前の日にそういうお約束をしたということを考慮に入れずに、全然関係なしに発表されたものとは私は理解していないのです。なぜならば、あなたも佐藤内閣閣員の一人でありますから、そういう面からいたしますと、何とも四月二十七日の佐藤総理のこの陳情団に対する回答と、翌日のあなたの郵便料値上げというこの問題は、各紙一斉に報道してあります。たとえば、ある紙のごときは「物価安定約束……値上げあおる」「奇妙な政府姿勢」「封書二十円の準速達新設」「はがき十円」「郵政省、原案固める」とか、「値上げ前提に準速達」あるいはまた「料金上げ適正配達」「郵便改善井出構想」、こういうふうに翌日発表されたわけです。私は、善意に解釈いたしますならば、くしくもときを同じくしたのではないかと、こう思うのでありますが、そうは善意に解釈いたしましても、どうもこの大臣発表等を見ますと、必ずしもそうでない。これは郵便料金値上げというものが郵政の固まった考え方であって、それは物価が上がろうと下がろうと、客観的にそうなるので、主観的にはそんな考えはないのだということで、いわゆるわが道を行くということで、こういう線を出されたような気がしてならぬわけであります。おりおり、ときもときでありますから、こういう問題をもし唐突に出したということであるならば、明らかにこれは閣内不統一、私はこう考えざるを得ないのであります。まことに失敬でありますけれども、あなたが就任早々、私は前大臣、あるいは前々大臣発言等を引用いたしまして、現在その所管の衝に当たっております新大臣としての、これからのあり方はどうかということを、しばしば新大臣に対して失礼でございましたが、当委員会でもあなたの見解をただしたところであります。あなたも、この点については記憶なお新しいところだと思うのでありますが、今回もこうして、他の大臣発言とあなたの発言を比較いたしまして、あなたに質問するのは僣越のさたでありますけれども、どうもこういうところはゆるがせにできないような気がするわけであります。これは、多くの国民がこういう印象をぬぐい切れないのではないかと思うのであります。もちろんわずかの料金であるから値上げは何でもないとおっしゃるかもしれませんけれども郵政事業国民生活は昔から密接不可分関係でありまして、社会生活上これはなおざりにできないことは大臣以下全職員周知のとおりであります。しかも親しまれてきた郵便事業逓信事業、こういう問題につきまして物価抑制おりから、こう出されるということは、もちろん近代的に脱皮を要求される郵政事業でありますから、もろもろの構想発表されるのは差しつかえありません。しかし、総理値上げしないと答えて、その翌日そういう物価値上げを支持する——もちろん大臣所管の省からいわせると、それは直接でありません、間接になるかもしらぬとおっしゃるかもしらぬが、しかし、郵便料値上げ物価の高騰に輪をかけたということは、過去の歴史が明らかに示しておるところでありますから、こういう問題からいたしまして、どうも私はふに落ちない。この点、大臣からひとつ基本的な問題を伺いたい。特に、あなたは農政の大家でありますから、そういう面からいたしましても、台所を預かる主婦方々は、蔬菜その他副食物等関係の白菜、キャベツ等、おしなべて、もはや軒並みに高騰して、このことで頭にきておるのが全国主婦でありますから、農政のそういう問題からいたしましても、これは国民生活、いわゆる台所につながる行政というものと、大臣発表というものが、総理物価抑制という前日の言明に引きかえて、どうも私どもは合点がいかないわけであります。だからして、きょう私は率直に、これはおそらく大臣の真意と若干違った形がこう文字にあらわれてきたように、むしろ善意の見方で発言をしているわけであります。したがって、あなたの構想に対する発言の内容を取り違えをしたならば、われわれも当然これは考えを改めますけれども、どうも改めただけではだめで、これは矢でも鉄砲でも郵便料値上げをするんだと、こういうふうにしか受け取れないのでありますが、この点は私の思い過ごしかもしれません。したがって明確に、この点についての所管大臣としての御所見をお伺いいたします。
  17. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) お答えいたします。  いま森さんのおっしゃるように、総理言明郵政関係新聞記事とが、あたかも期を一にしたごとくあの時点において話題になりましたことは御指摘のとおりであります。物価政策に最重点を置いて取り組んでおる姿勢は、これは佐藤内閣基本方針でございますから、同じ閣員としております私としても、総理のそういった気持ちをくみ取って施策に当たらなければならないことは当然でございます。そこで、いまお示しになりました新聞記事でございますが、各紙をずっと克明に見てまいりますならば、ニュアンスがいろいろまちまちに表現されております。そういう意味で、ある一紙には非常に値上げを強調して書かれておりますけれども、総体の感じといたしましては必ずしもそうではないはずでありまして、ただそういう表現になりましたことは、あるいは私の不用意ということもあったのではないか、こういうことは反省をしておるわけであります。郵便事業の現状につきましては、これはもう森さん十分に御承知のとおりでありまして、人手中心にやらなければならぬ仕事であり、しかも人件費年ごとに上がってまいる、こういう時期に際会いたしまして運営が非常に困難をきわめておるということはお察しいただけることと思います。そこで、当委員会の最初の時期に森委員からそういった問題についてお触れになりました際にも、私は、これは決して軽々しく扱うべきものではない、十分慎重に考慮をしてまいる所存でございますと、お答えをしておったつもりであります。それは現在においても変わっておりません。そこで、先般新聞紙上に出ました表現が何か非常に決定的のように出ておるのでありますが、そうではなくして、省内に設けられました郵便事業基本問題協議会という機関省内の衆知を集めて、一体いまこの困難なる郵便財政というものを切り開いていくのにはどういう道があるのか、その問題点をひとつ洗い出すならば、かようかくかくのものではなかろうか、こういうことでありまして、決してそのときにいまおっしゃるような、封書が二十円で、はがきが十円だというふうな具体的な問題に触れたわけではありませんし、あるいは準速達というふうな用語も、省内検討の中にそういう名称が生まれたわけでもございません。そういう意味で、今日新聞関係の諸君は、やはり物価問題にたいへん関心が集中されておるということからあのような記事となって出たものと思うのでございますが、私の気持ちは、これはあくまでも慎重でなければならぬということには変わりはないわけでございます。とりあえず以上お答えをいたしました。
  18. 森勝治

    森勝治君 そういうお答えをいただきましたが、二十八日の閣議におきまして、物価安定のために産地消費者を直結する具体案というものを大臣諸公はお打ち合わせになったわけでしょう。物価値上げを抑制しようということで、安定のための、いま申し上げたように、産地消費者との直結の具体案なるものを作成して閣議できめておって、その閣議を出られたあなたが、その足で今度は郵便料金値上げという構想発表された、この辺の真意がわれわれははかり知れないのです、正直に言って。これが旬日を経たとか、半年とか、かすに時をもってするならばいざ知らず、閣議できめておいて、その足で値上げという——ですから片手で物価高騰に水をかけ、片手で物価をあおるという姿だ、こういって評論を加えているわけです。ここに私は佐藤内閣の、国民生活の安定に資するなどと言っておったって、みんな所管大臣がそれぞれ都合のよいラッパばかり吹いているような気がしてならぬわけです、閣議の直後ですから。大臣、そういう姿をあなたはどう考えておられるでしょうか。これは私の杞憂でしょうか。偶然の一致でしょうか。その辺の真意がはかり知れないのです。その点をお答えいただきたい。
  19. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 先ほど申し上げましたように、私もこの問題には十分注意をしておるわけでございまして、閣議の空気というものと、いまの発言とが食い違うようなことがあってはならないという神経を使っておったわけであります。したがって、私の記者会見において発言をいたしました際は、事値上げというふうな問題は一つの禁句であると心得まして、そういう点には直接私の口から触れてはおらないつもりでございます。先ほども申し上げましたように、現状分析をして、問題点ありとすれば、おおよそ、かようかくかくのものではなかろうかという点に触れましたものが、受けとめるほうにおいては、物価問題やかましき際でありますから、少しエスカレートしたということではなかろうかと思うのでございます。いずれにせよ、弁解がましく申し上げてもしかたがないことでありますから、そういう点は、さような受けとめ方をされたという点については、私のほうもたいへんこちらの本意ではないわけでありまして、この点には遺憾の意を表する次第でございます。
  20. 森勝治

    森勝治君 そういたしますと、大臣主婦代表との佐藤総理の会見の物価抑制という約束も、閣議においても物価抑制の具体策をきめ、そういうことを十分承知の上で、郵便改善井出構想というものを発表したけれども、これはいわゆる値上げということには触れてない、その段階では考えてない。ただ近代化のみの構想発表した、こういうことですか。その点やはり非常に今後の審議にも関係いたしますから、郵便料金値上げというのは非常に国民に、それはあなた方担当の側から言うならば、わずか二円あるいは三円、あるいは五円程度の何がしかの、問題にするほどでもないと言うかもしれませんが、国民の側から言うと、非常に重大な関心を呼び、料金値上げ等についてはしばしば、郵便料金のみならず、他官庁の所管に属する問題についても国会で盛んに論議がかわされてきたところでありますから、当然各方面の反響をすでに呼び起こしておるときでありますから、そういう点について明快にひとつお答えをいただきたい。
  21. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) ダイレクトに値上げという問題に言及しておりませんことは、先ほど申し上げたとおりであります。ただ時が時でありますだけに、物価が神経質に扱われておる際でございますから、いま申し上げましたような新聞関係において受け取られ方をしたという点におきましては、あるいはタイミングの点において適切でなかったかという感じはいたしております。
  22. 森勝治

    森勝治君 大臣がそういう即郵便料金値上げというふうに、二十八日の「郵便改善井出構想発表の内容をとらまえて誤解されたことは、必ずしも大臣の真意ではないという率直な御意見であります。私は、大臣がそういうふうに簡明に釈明をされましたから、若干私は心にかすが残るような気がするのでありますが、先を急ぎますので次の問題に移りますが、郵政事業、なかんずく郵便事業というものが赤字をかかえて、しかも他の事業のようにいわゆる時代化に即応できない、どうしても最終的に人の手を借りなければならぬ、こういう面から具体的な改善策を発見することができないで、長い間模索の状態が続いておるということ、すなわち対策に苦慮されていることはわかりますが、この解決ということを料金値上げという形で押し広げることは、私は必ずしも国民の立場から見るならば、歓迎できないような気がいたします。したがって、大臣のそういう真意が、大臣の側から言えば、すぐそれが料金値上げに結びつけられるように報道され、国民もまたそういうふうにエスカレートしてしまう。それだけ郵便料金値上げというものに国民が神経をとがらしている証左だと私は思うのであります。また半面は、郵便というものと国民生活というものが切っても切れない密接な関係にあるという姿も、また当然ここで証明をされると思うのであります。しかしいま申し上げたように、何でもかんでも料金値上げをして事足れりということでなくて、やはり国民の福祉を増進する事業という、この最終的な眼目というものは失ってもらいたくないし、これはいつまでも守り続けてほしいと思うのであります。私は、よく前から対大蔵との関係、この交渉力を強めなさい、折衝を深めなさいとしばしば言明してまいりました。まあ失礼でありますが、予算を握っている立場と、これを分けてもらう立場はなるほど違うでありましょう。違うでありましょうが、私は、もっともっと郵政関係の皆さんが胸を張って大蔵関係に対して強い折衝の態度で臨んでもらいたい。特にこの点を、私はしばしば言っておりますが、ことしもまた強く皆さん方に要望したいのであります。したがって、当然もう来年度の予算の問題にそれぞれ取り組む時期が間もなくやってまいります。したがって、そういう問題について従来ややもすると郵政官僚は大蔵に対して弱腰だというようなそしりがありますから、これを一挙にひとつケリをつけてもらいたい。そして資金の運用のワク等もさらに広げさせてもらいたい。これはできるはずだと私は思うのであります。これはなぜこれほど申し上げるかといいますと、私のみならず他の先輩の皆さんもしばしばこのことについて言及をされ、所管の皆さんもお約束をしていることであります。ただ、どういう交渉をしたか、その概略についての御報告がないから、私のような、こういう質問がまた飛び出すのかもしれませんが、いずれにいたしましても予算の獲得状況郵政状況大蔵省の査定の状況を見るならば、十年一日のごとしというのが——努力願った皆さんには恐縮でありますが、そういう感じをどうしてもぬぐい切れないような気がいたします。したがって、そういう面からもひとつ予算獲得の問題等については全力をあげて当たっていただきたい。そして値上げなどということはかりそめにも早々の間で花火を打ち上げてもらいたくないと私は思う。そのためには最善努力をすることがまず第一歩だと私は思います。
  23. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 前回も同様な御所見を伺いました。われわれもそのつもりでおるわけでございます。実は私、このごろ郵務局長に申しつけましたことは、少し郵政百年の歴史などにこのごろ興味を持って調べておりますと、封書が三銭、はがきが一銭五厘という安定した時代が三十八年続いておるのでございます。一体このことなどは、単に料金だけにたよらず、何らかの手立てが講じられておったのではないか。そういうふうなこともひとつ克明に調べてほしいと申したのもついこのごろでございます。そんな次第でありますから、これから国会が終了いたしますると懸命に明年度予算と取り組むべき時期がまいるわけであります。いまのような御趣旨の線に従って、これから対処いたしたいと考えおります。
  24. 森勝治

    森勝治君 大臣のこの新構想発表の裏には、省内に設置された郵便事業基本問題協議会ですか、そういう会があり、その方針というものが外部に発表されたかのごとき報道がされているわけであります。大臣値上げはせずといったのかもしれませんが、あるいはいま申し上げたこの基本問題協議会の内容が値上げを含む構想なるゆえをもって、大臣がそう言ったというふうにとられたのかもしれません。そこで私は聞きたいのでありますが、このいま申し上げた郵便事業基本問題協議会、これはいつスタートされたのか、この点をお伺いしたい、そしてその目的を……。
  25. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) いまお話がございました郵便事業基本問題協議会でございますが、これは新年度に入りまして、こういう構想省内に出表して、具体的には四月二十四日に第一回の協議会を開いたのは事実でございます。そのねらいといたしますところのものは、御承知のように郵便事業は昨今いろいろな問題に当面しておりまして、遅配問題、要員確保のむずかしさ等々、事業経営の上で非常な難点に逢着しておるわけでございますが、同時に国民に対するサービスの面におきましてもいろいろと問題が出まして、皆さんから日常のこととして御指摘をいただいておるという、まことに郵便事業の上から申し上げますると、一つの危機といいますか、非常に重大なる時点にいまあるというわけでございます。したがいまして、この事態を何とかして切り開きまして、業務の運行を正常に帰し、国民の信頼を取り返したいというのが省の念願でございまして、そのためにこれは本来でありますと、郵便の事業でありますから、郵務局がやればいいところでありますけれども、一局にまかしておくわけにいかない、省をあげてこの問題に取り組む姿勢が必要であろうということで、大臣及び次官の御意思もございまして、この会の発足を見たわけでございます。したがいまして、そういう趣旨から申しまして、協議会の会長には事務次官をもって当てる、委員には省内の部長、局長の全員をもって当てるといったような、非常に大がかりな挙省的な組織をしておるわけでございます。いま申し上げましたようなことでございまして、この協議会は業務運行をどうして正常化するかということが最大のねらいでございまして、料金値上げをするということは考えおりません。事業の経営でございますから、財政の健全化ということについて、これを全然無視するわけにもまいりませんけれども、この協議会が今日まで数回会合をやりまして、いろいろとやってまいりました内容は、決して料金値上げではございません。業務の運行をどうして正常にするかという、その一点にしぼられておる次第でございます。
  26. 森勝治

    森勝治君 そういたしますと局長にお伺いしますが、大臣も、井出構想発表おりには料金を上げる問題は考えておらないと言われた。あなたもそう言明されたことは間違いありませんね。
  27. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) それに間違いございません。私も井出構想発表のときには、記者会見に御一緒した一人でございますから、そのときの光景はよく覚えておりますが、この構想料金値上げに結びつけて受け取られるということを大臣は非常に懸念されまして、そういう意味の御発言もあったわけです。くれぐれもそういうことではないのだ、さっき私が申し上げました趣旨のものであるということを繰り返し述べられたわけでございます。ただ、この構想の中に先ほど御指摘がございました準速達といったような構想、そういう制度をかりに導入するといたしますならば、準速達とそうでないものとの間には、これは制度上料金格差を設けなければならない。これは至極当然のことでございまして、そういう二種類の郵便を設けるわけでございますから、その選択をしてもらう上におきましては料金格差をつけるということ、これはやむを得ないといいますか。そうしなければこの制度はできないわけでございます。そういうことに触れました際に、非常に時期が時期なものですから、記者の皆さんの受け取り方として、料金格差、すなわち準速達という名の値上げといったような、そういう受け取り方をされたのではなかろうかといったようなことを、あとになって気がついたわけでございます。
  28. 森勝治

    森勝治君 局長はあとの祭りだと言われますが、あとの祭りではない。これから料金値上げをしようとするのですから、料金値上げだととられたことを——そういうふうに思い込まれてしまったからあとの祭りだとおっしゃる。その真意というのは料金値上げは全く考えておらないということを当委員会で明言された。あとの祭りということは、私はそういうふうに理解いたしたのですが、よろしいんですか。当面、料金値上げは毛頭考えていない、ただ料金値上げというふうにとられたのは、気がついてみたら全く残念しごくだ、あとの祭りだ。だから、いわば場所を変えてこの席上で料金値上げではないということを、ことばをかえていまあなたが釈明した、私の質問に答えて。そういう所管局長として、当該局長としての見解を表明した、こういうふうに理解してよろしいんですね。あなたがそう最後におっしゃるならば、私はそういうふうに理解したい。
  29. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 井出構想というふうな、あのタイトルのつけ方も、実はこちらはそんなつもりではないのでございまして、この協議会をいま局長の言われましたように、その後も二、三回開いておるのでございますが、言うなればそのテーマとでもいいますか、こういう問題を一つ洗い出して、これをたたき台にこれからも検討を加えようではないか、こういう趣旨から発しておったということを私からつけ加えて申し上げます。
  30. 永岡光治

    ○永岡光治君 いま、森委員郵便料金値上げに関連していろいろ質問しております。私も、切手類売りさばきの、この前の審議にあたってその問題が出ましたが、非常に料金値上げの問題について何か避けて通ろう、避けて通ろうというような気持ちがあるわけです。これは大胆率直に、料金値上げをしないということをなぜ言えない、賛成、反対いろいろあると思いますが、今日郵政事業を立て直す方法はそれ以外にございません。私はないと思う。ことしの四十五年度予算でも約三十億からの赤字、それを埋めるために非常に苦心された。したがっていろいろと施設改善をしようとした経費が縮小されて、思うようにできなかった、四十五年度予算では。そういうことにかかわらず、さらにせんだっての郵政の給与の引き上げの問題で何百億かの持ち出しが必要になった。そういうことを考えると、これは何か避けて通ろう、避けて通ろう、そういう遠慮は要りませんよ。これは国民の代表で私ども来ておるわけですから、こうしなければ郵政は立ち直らないんだということを率直に言ってもらったほうが、むしろ私は素直であるし、また国政に参加する私どもの立場としてもほんとうにそうなんだろうか、どういう方法でやるんだろうか、どこまで上げなければならぬだろうかということを考える上において必要であろうと思います。その郵便速達制度の問題について触れておりますけれども、今日の遅配の状況——井出構想といいますかも一つの方法だと思っております。やはりいろいろ区別をつけまして高等信もその性質の度合いに応じて速達を実施していく、それについて料金値上げが必要ならば、あるいは格差をつけることが必要であれば、これまたやむを得ない方法ではなかろうか。第三者的に見てそういうふうなことが出てくると思いますが、何か避けて通ろう、避けて通ろうというような、非常にその態度がよろしくないんじゃないでしょうか。大胆率直に、いま検討しておるんだ、またそれは検討しなければうそだと思うのですよ、そういうことは。四十六年度予算要求をやがてこれから八月にかけてしなければならぬ段階にきておるわけですから、料金値上げも全然考えていないんだということは、あまりそらぞらしい感じがするわけですが、何か避けて通らなければならぬ、あるいは当面そういう表現を使わなければならぬ問題があるでしょうか。私は、そういうことは大胆率直に郵政の事業をあずかる省としてははっきりしたほうがいいんじゃないかという感じがいたしますが、関連して質問をいたします。
  31. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) この基本問題協議会でまだまだ検討しなければならぬ点も多々あるのでございます。たとえば、一体企業努力というものにどの程度の期待ができるのか、ないし節約の余地はどうなのかというようなことから始めまして、先ほど私がたたき台と申しましたような、ああいう問題点をさらに議論をいたしました上、郵政省内部だけでも私はいかぬ。各界、各層が関心を持っていらっしゃるわけです。先般もここで御発言がありましたが、全逓労組におかれましてもいままでかつてなかったことだと、郵政事業改善策というものを非常に具体的に示されたという例もあるんだと、こうおっしゃっておられますが、そういった面も、これは私どもは率直に話し合いを第一線に働く人としてみなければなるまいかと、こうも思っております。そういうことで、いまのところは煮詰めておる段階でございますから、いずれそれがもう少し明確な結論の出る時期はくると思いますが、そういう際にしっかりした腹ぎめをいたしてまいりたい、こう思っております。
  32. 森勝治

    森勝治君 いまの局長の説明ですと、四月二十四日にこの会ができて、二十八日に発表となりますと、わずか数日間でこの郵政の基本的な構想を練られた。こんなに簡単に、当面する基本政策というものがきまり、まさに旬日を出ずして——拙速はときには非常にとうとぶべきことでございますけれども、七十年も八十年もかかって築きあげた郵政事業に一大変革を加えようとするこの事業を、失敬ではありますがあるいは事務次官、各局長、各部長が集まって三日や四日でぱっぱっと花火を打ち出すように、そう郵政事業は変わり身が早くできるでしょうか。まあ、大臣のいま御説明の中でこれがすべてでない、これからだとおっしゃるから、私はこの程度にしておくわけでありますが、こんなに二日や三日で郵便事業の基本的構想というものがまとまるはずはないでしょう。長い間かかって、国民の期待にこたえる郵政事業はいかにあるべきかということを模索してきたわけでありますからね。それで、あるいは公社化しようとか——長期展望に立てばそういう問題がまた出てくるわけであります。もちろん、この基本問題協議会というのは、基本ということばはありますけれども、これは当面する問題にいかに対処すべきかということで今度の構想発表をされたんだと思う、たとえ当面といっても二日か三日で発表されるとは。私は、この辺が、失敬でありますけれども、それだけの衆知を集めてぱぱっとできる皆さんでしたら、もっと近代化は促進され、もっと期待される郵便事業が出現しているはずです。これはどういうわけですか。
  33. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 御指摘のように、このような構想が一日か二、三日でできるわけのものではございません。こういった考え方はもうすでにずいぶん前からあったわけでございまして、私が郵務局に参りました去年の秋には、すでにこういった考え方——これ以外にも幾つかのいろんなアイデアというものが郵務局内にはまとめられておったわけでございます。それは膨大なものでございますけれども、そういう資料がすでにあったわけでございまして、これは何年がかりかの集積のものでございます。決して一夜づけのものではございません。それらを年が明けてから、よりよりみんなで語らってまいって、これは郵務局が主管でございますから、郵務局でいろいろと検討いたしまして、その中から幾つかのものをピックアップして、そうして先ほど申しました基本問題協議会に提案をした。これは今後郵便事業がこれでいくんだと、そういう打ち出し方ではございません。基本問題協議会においてまずこの問題を手始めにひとつたたいてもらいたいと、そういう出し方なんでございます。あの構想に盛られましたテーマのほかにも幾つか大事なことがあろうかと思いますが、これは今後協議会の中に持ち込まれてくるわけでございまして、つまり扱い方といたしましては、きわめて流動的といいますか、弾力的にこのアイデアというものを今後遂行してもらいたい、こういう姿勢でいるわけでございます。アイデアそのものは相当前々から時間をかけて練ってきた問題であったということを申し上げたいと思います。
  34. 森勝治

    森勝治君 それでは、多年にわたって懸案事項を検討中のものを基本問題協議会という名で発表したにすぎない、こういうお答えですか。
  35. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) まあ、おっしゃるようなことになろうかと思いますが、あの時期にああいう形で出しますにつきましては、いろいろと省の幹部といたしましても熟慮いたしたわけでございますし、上司においても客観情勢その他につきましては、十分御配慮をいただいたと思っております。
  36. 森勝治

    森勝治君 私が聞きたいのは——あなたのお話を聞いていますと、協議会ができなくても、前から前もって検討しておるんだから、だから前からの集積が発表されたという説明になったから、それなら基本問題協議会なんというものはあってなきにひとしい、ただ看板をかりて発表したにすぎないんだ、中身のない、からっぽのものではないかというのが私の質問の趣旨なんですよ。そういう受け取り方をしてよろしいかと言うのです。観点を変えて私は再質問しているわけです。
  37. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 御質問の中身を取り違えまして申しわけございません。  先ほど来、私が申し上げましたことは、あの構想は全く郵務局内においていろいろと検討してまいってきたものでございます。その諸問題をこれからは郵便事業基本問題協議会という挙省的な器の中に投げ込みまして、そこで存分にいろいろな角度からこれを掘り下げて検討する、郵務局案はいわばそのたたき台になるわけでございまして、そういう形で今後基本問題協議会において大いにこれをもむわけでございます。そういう形であの構想を協議会に出したわけでございます。
  38. 森勝治

    森勝治君 そうしますと、先般の発表は案のまた案というのですか。思案にくれているわけですから案がたくさん出るでしょうね。とほうにくれるのも案のうちですからね。あれはもう協議会の構想発表ではなくて、協議会に提案する事務局の案だと、こういうことですね。あなたの説明を聞くとそういうふうにしか受け取れない。
  39. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 協議会に持ち込みました経緯につきましては、もうすでに十分申し上げたとおりでございます。  この問題の扱い方につきましては、郵便事業当面の課題としておおよそこういうところであろうという大臣、次官の御判断がございまして、この問題を先ほど来問題になっておりまする基本問題協議会においてしっかりとももう、この問題が当面の課題であろうというふうに規定いたしまして、協議会にかけてもんでいこうという省の姿勢として出されたわけでございます。
  40. 森勝治

    森勝治君 ですから、省の対外的な発表ではなくて、事務局の案の発表ということにとどまる、その域を全く出ない。したがって、あのたとえば「準速達作り三段階」とか、たとえば「ママさん配達員活用」等、こういう構想というものはまだ素案の段階だ。そうして、あなたの話だと、この基本問題協議会にかけて存分に掘り下げて討論をしていただこう。そういうことで出したということですから、郵政としては固まっていない。こういうことですね。どうもそこがおかしい。
  41. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 森さん、その点ですがね。これがまあ半熟であるか、ほんとうに完全に卵が熟したかという問題になるかと思いますが、省としましては、こういう機関を設けて発表をする以上は当然原案というものがなければなりません。したがって、長い間郵務局で苦心をしてまとめましたものをこの協議会で取り上げまして、とりあえずこれをひとつスタートラインにしようじゃないか。そういう意味においては一郵務局案ではなくて、その協議会でもって取り上げて、ひとつこれを当面のテーマにしようではないかという確認はした上に発表されたものでございます。
  42. 森勝治

    森勝治君 いまの大臣の御答弁でわかりました。  局長、重ねてあなたにお伺いいたしますが、大臣の答弁のとおりでございますね、しつこいようですが。
  43. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 大臣の御答弁のとおりでございます。
  44. 森勝治

    森勝治君 それでは、あなたの御答弁を御修正いただきたい。なぜなれば、あなたは、事務局案というものを出してこれを協議会で存分に掘り下げて討論してもらいたくて案を出したとおっしゃる。ところが、新聞その他われわれが受け取るところによると、これは郵政の案として対外的に発表された。これがことばをかえて井出構想なる表現を用いて発表された。われわれはそういうふうに受け取りました。ところが、あなたの説明はそうではない。存分に討論をしてもらいたくて、掘り下げてもらいたくて出した。ところが、私は、そういう方式で発表をされたものがまだ草案だというような御答弁では困るから実はそう申し上げたわけですが、私は誤解しないで聞いているつもりですが、その点若干あなたのことばが、まあ私、野人で博学の理解に之しいものですから、平凡な日本語で解明していただきたい、しつっこいようでありますが。
  45. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 私もことばづかいが十分でございませんので、なかなか御理解がいただきかねておると思うのでございますが、まあ大臣のおことはではございませんが、利事務当局といたしましては半熟みたいな形で実は出したわけでございますが、これからその卵をもっとゆでていくか、それで切りあげるかといったようなことは、今後、協議会において十分検討していくと、こういうことになろうかと思います。
  46. 森勝治

    森勝治君 大臣質問いたしますが、お聞きのとおりお答えであります。だから、私は何かのどにかかるものがあるのです。大臣は、完全でないにしても一応協議会案の構想として対外的に発表したとおっしゃるのです。片一方は、それを協議会でやってもらうんだとおっしゃるのですね。半熟だから、あるいは未熟だか知らぬが、それを協議会で料理してもらいたいとおっしゃるのですよ。あなたのほうは、協議会で料理したものを、国民の皆さんがお気にめすか知らぬが、当面は基本的な構想として郵政が協議会の名のもとに発表したと言われているのです。そのとおりだと思ったら、いまは違うのですよ。だから、大臣もう一ぺんあなたにお聞きしたい。どうも、大臣局長の答弁が違う。全く違う。
  47. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) あの案は、協議会というまな板の上に乗せまして、一応、問題点はかようかくかくであろうと、これを協議会としては承認をいたしまして、そしてさらにこれから煮詰める作業をしようではないか、そのスタートラインに並べられた素材である、こういうふうに御了解いただいてけっこうだと思います。
  48. 森勝治

    森勝治君 それでは、郵政としては、当面は基本問題としてこのようなかっこうでやるという発表をしたということではなくして、これからそういう方針でやりたいことを検討するということを発表したと、草案のそのまた草案を発表したと、それにすぎないと、こういうことですね。どうも堂々めぐりの御答弁のような気がしてしようがない。たとえば半成熟であろうと未熟であろうと、なま卵であろうと半熟であろうと、ともかく当面するこの郵政の隘路を打開するための構想として発表されたと、こういうふうに聞いたのだが、いまの大臣お話でも、発表はしたけれどもそれを検討すると、検討中のものを発表はしないでしょう。草案を対外的に発表はしないでしょう。だから私は、大臣とあなたの発言の内容が違うから重大に受け取っているのですよ。何もそんな未成熟のもので、省の方針がぴちっときまらぬものなら、ああいう内容がよろしいときめたあとでアドバルーンを上げたらよかろう。無用なことはせぬでもよかろう。きめられたあと発表されても事足りるのではないか。しかし郵政なら郵政の立場があるから一応やっていきたいということで郵政が対外的に発表したのでしょう。ただ、こまかいことについてどうするかは、それはこれからいろいろ事務当局でやるのでしょうが、基本構想発表されたのだから、あれを中心に進められるのでしょう。発表したものを、これをまた練り直すというように大臣が言われた。私は、いまの後段の大臣の答弁は前言をひるがえしたと、こういう理解に立って私は再質問をしているのです。だからその点、私の血のめぐりが悪いのかもしれませんけれども、明快にしてくださいませんか。一応構想として発表したのでしょう、公的見解でしょう。
  49. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) あの構想は最終的に固めたものではございません。これは先ほどから申し上げているとおりでございまして、省としてあれは最終的な一つの線ということで、これでいきますということを発表したわけではございません。この問題点は今後十分実施に移すという面においてその方向で検討するに値する問題であると、そういうことを申し上げたわけでございまして、したがいまして、今後そのやり方のこまかい点等々につきましては、なお掘り下げてまいるということに相なろうかと思いますが、全然問題にならなくなるといったようなことにはならない。したがいまして、大筋は違ってこないという形において今後もまれていくわけでございますが、発表しました時点におきましては、決してこれが最終的にまとまった結論的なものではなかったということを申し上げておるわけでございます。
  50. 森勝治

    森勝治君 どうも無責任時代だから無責任な答弁というふうにしか私は受け取れないのですよ、あなたの話を聞いていると何だか。だから、私は無策なんてことをさっき言っているわけですけれどもね。対外的に発表したんでしょう、郵政はこうしていくというふうに。そうじゃないのですか。こうやりたいと思うけれども、これがなおかつ協議会で具体案をこれから検討するのだ、こういっておられるのですが、未熟児でも何でも対外的に基本方針を立てたんでしょう、旗を掲げたんでしょう。進めの旗を掲げたのでしょう。これをおろして検討するのじゃないんでしょう。進めの旗を立てた、この旗をどっちの方向に向けて進むかということはこれからやることで、こういう中身で仕事をしますといって発表したのでしょう。発表した仕事の内容をこれから検討を始めるということじゃないんでしょう。その辺をはっきりしてください。どうもわからぬですよ、これは。
  51. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 森さん、そこの感触ですがね。まあこのことばが当たるかどうか、つまりまだ未定稿なんです、まだ。しかしこの間、推敲の余地はあって、そうして最終案をまとめるまでにはなお数回の協議会を持たなければならないと、こういうつもりでおるわけでございまして、省をあげてのああいう大きな協議会をつくりましたから、新聞の諸君もこれには注目をしておるわけでございます。したがって、その際の発表に当たって問題点の所在はかようかくかくである、こういうものを示したのでありますから、さっき申し上げておるように、言うならばスタートラインについてこれからの方向はかようかくかくである、これを示したわけでございまして、最終の結論は、これはもう一ぺんそう遠くない機会にやっぱり打ち出すものであると、かように私は心得ておるわけでございます。
  52. 森勝治

    森勝治君 それは世俗でいう中間発表ということでありますね、中間発表、そうですね。
  53. 近藤信一

    委員長近藤信一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  54. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 速記を始めて。
  55. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) ただいま中間報告かという御質問でございますが、さように御理解をいただいてけっこうであります。
  56. 森勝治

    森勝治君 局長お答えの中に、検討に値するということばが出ましたね。そこで聞きますが、郵政の幹部の皆さんが考えている検討というこのことばは、どういう意味をもたらすのでしょうか。その点ひとつ検討という用語について御解明願いたい。これは後々の質問に若干関連いたしまして、私どもの立場からいいますと、非常に重要な位置を占めるものでありますから、検討ということばについてお答えを願いたい。
  57. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 十分に協議しました後におきましては、当然これを実施に移すということを予定しておるわけでございますから、検討に値するということは、後々実施に移すという方向で勉強の対象とするに値する、こういうことであろうかと思います。
  58. 森勝治

    森勝治君 重ねてお伺いをいたします。検討ということは、将来実施をするために前向きの姿勢で取り組む、こういうことでありますね。
  59. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) この協議会が前向きのことをやっておるということは間違いございません。
  60. 森勝治

    森勝治君 検討という用語の語義は、協議会のただ一部分のそういう段階のときの検討という狭い視野でなくして、広い面での検討ということでしばしば出てくるわけでしょう。あながち協議会ばかりが検討ではないのですから、だからこういう質問をしているわけですから、そういう理解でよろしいのですね。
  61. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) そういう御理解でよろしいかと思いますが。
  62. 森勝治

    森勝治君 じゃ、その点についてまた検討する問題はあとで質問いたしますから、次に移ります。  中間発表というようなことでありましたので、私もこれ以上やるのもどうかと思うのでありますが、かりそめにも中間発表とは言いながら、二十四日に協議会がスタートして、閣議物価抑制の会議等をした直後に、中間発表といえども、こういうものを出すというのは、あまりにもそれはずさんのそしりを免れないと私は思う。これは失敬でありますが、料金値上げの口実を求める場当たりなものだと、こういうふうにしか私にはどうしても受け取れないのであります。中間報告ですから、これから討論もいたし、中身も変わってくるでありましょう。したがって私は、こんな二日、三日でぱぱっと発表するものではなくして、やはり何十年かの郵政事業の近代化について、それぞれの衆知を集めて模索をし、ようやく一つの方向を見出だそうとする現今におきましては、やっぱり料金値上げということにのみに走ることなく、もっともっと検討すべき、模索すべきものがたくさん内蔵されておると私は思うのであります。ですから郵便事業の抜本的な改善の問題、改正の問題、方向転換の問題についてもたくさんあると思うのでありますので、そういう面ともぜひ取り組んでもらいたいと思うのであります。なかんずく、基本問題協議会などという銘を打つのでありますから、そうなればこれは何もそうやらぬでも、従来の所管の郵務は郵務、人事は人事、監査は監査、保険は保険で従来やってきたとおりやればいいのですから、それで皆さんの意見を求めて大臣の決裁をとればいいのです。しかしそれでは郵政事業が社会の急転換に追いつけないということから、抜本的改正をはかろうとされているわけですから、これは広く知識というものを野に求めることも一つの方策だろうと思うのであります。利用する国民の側からの考え方を求めるのも一つの近代化への道でありましょう。なかんずく、幹部職員の頭ばかりでなく、従業員諸君の考え方を徴するのも一つの模索でありましょう。先ほど大臣が全逓の例を出されましたが、全逓の諸君もまた近代化の問題について一家言あるはずであります。したがって、それら諸君の考え方も率直に取り入れられて、郵政の近代化をはかることが最も肝要だと思うのであります。したがって、局長が言われたように、十分にこの協議会で基本的な問題を掘り下げるということであるならば、もっともっと部内の衆知を集めてしかるべきものと私は思うのであります。これは大臣のほうから全逓の名前を出されましたから、私はそういう面に関連していま質問しているわけでありますが、そういう問題で十分ひとつこの事業改善策につきましても、従業員団体の意見を徴することも一つの方法だろうと思うのでありますが、大臣、こういう問題についてはどう考えておられましょうか。
  63. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) おそらく、正式の場としましては郵政審議会という正式機関もございます。そういう機関の御意見を伺うことはもちろんでありますが、その前にも、いまおっしゃるような各界各層の御意見というものをくみ上げてまいりたい。その中には、いまおっしゃるような労働組合の第一線でやっていらっしゃる各位の考え方も受けとめてまいるつもりであります。
  64. 森勝治

    森勝治君 特に、私はしばしば発言をしておりますけれども、最終的には働く労働者の手が必要であります。どうしてもこの手をもって各戸を訪問することでありますから、いわばそこに従業員諸君の考え方——事業改善の中には、彼らは長い間の尊い経験を持っているんですから、こういう尊い現場の声というものに十分耳を傾ける必要こそあるだろうと思うのであります。したがって、そういう問題につきまして今後とも十分、何といったって労働力を無視することはできませんから、いかにロボット時代といわれながら、アポロ時代といわれながら、郵便事業はいかに郵便の区分をやろうとしても、これは一〇〇%はできませんし、配達しようと思うと最後は人手を借りる。ですからやはり働く立場の諸君の考え方も徴し、その意見も十分に取り入れてこそ期待される郵政事業として脱皮することができると私は思うのであります。したがって、全般的に国民的な立場から意見を徴すると言われましたが、部内における職員団体との、そういう問題の検討というものについては、十分心を用いてしかるべきだと思うのであります。したがって、重ねてこの点について大臣の所見を伺っておきます。
  65. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 私、就任いたしました当初に対話ということを強調した記憶があるのでございます。そういう意味で、いまおっしゃるような現場の第一線に働く諸君の考え方、こういうものをも十分くみ上げてまいるつもりでございます。
  66. 森勝治

    森勝治君 そこで、担当局長にお伺いいたしますが、新聞発表されたいわゆる中間的段階構想とはそもいかなるものか、公式に聞いておりませんので、この場でお伺いをしたい。
  67. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) かなり項目といたしましても多いのでございますけれども、ごくかいつまんで申し上げますと、配達回数の問題がございます。ごく大ざっぱに申しまして、市内は二回配達、市外は一回配達ということを何十年となくやってきておりますが、市内地におきましては、特に大都会において二回配達をやるということはなかなかむずかしくなってきておる昨今でございますので、思い切って市内地は一回配達にしてはどうか、そのかわり、市内地でありましてもビジネス地区におきましては必要に応じて二度三度やる、そういうアイデアが一つございます。  もう一つは、先ほど来話が出ました、急ぐ郵便と、そうでない郵便との、つまり速度の違う二種類の郵便を設けてはどうかということでございますが、そういうアイデアがございます。  それから、外務員制度に思い切った改革をする方向で検討したい。外務員の昇進のあり方を従来より広げてあげる方策を講ずべきである。それから能率給的なものを考えて、これを実施に移すべきであるということで、通区手当のようなことを考えおります。  それから、当今の雇用難対策といたしまして、女子労働力を大幅に活用していきたいということ。団地配達等は一部やっておりますが、この方式をさらに拡大したいということ。  さらに、現在私書箱制度がございますが、この制度を国民に訴えまして、もっと広く利用してもらうように働きかけをし、私書箱の利用料金はこの際無料とするということを考えてはどうか。  その次、モニター制を大幅に採用し、これを活用するということ。  次に、第三種郵便物の再検討でございますが、これは総物数の一四%にも達するほど第三種郵便物の数量が伸びてきております。年間約十億をこす——十二、三億になっておるようでございますが、その中で特に九億通程度のものはいわゆる低料三種、一部わずか三円ということで運ばれております低料の三種でございます。これが事業財政に非常な圧迫を加えておるので、三種郵便物につきまして制度上メスを入れることを考えるべきではなかろうか。  それから、小包郵便が、手っ取り早く申し上げまして、これはいつも国鉄の小荷物運送と対比されるわけでございますが、これに比べまして料金面、扱い面におきまして相当開きが出ておりまして、これが郵便事業全体の運営にいま問題点となってきております。これにつきまして抜本的な経営のやり方、たとえば配達業務の相当部分を民間委託という方式に切りかえることの可否、こういったことでございます。  大ざっぱに申し上げまして以上でございます。
  68. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      —————・—————    午後一時二十二分開会
  69. 近藤信一

    委員長近藤信一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法律案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
  70. 森勝治

    森勝治君 先ほどの御説明の中に、中間案なるものの構想一つとして配達の具体的方法についての改革案というものの説明がなされました。ビジネス地区、住宅地区というふうにわけてということでありますが、一体、従来の市内区の中で住宅地区とビジネス地区とを分ける。この区域をどうやって分けようとされるのか、この問題と、局内に設置されている私書函との関係、それについてひとつ御説明をいただきたい。
  71. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) この住宅地区とビジネス地区の分け方はたいへん微妙でありまして、技術的にたいへんむずかしいかと思います。完全に住宅だけの地域というものもございませんし、完全に商社、商店だけの地域と割り切るわけにまいらないのが実態でございまして、それがみなミックスしているわけでありまして、いわば程度の差かと思います。しかし、どこかにラインを引かなければならないかと思うわけでして、どこでその線を引くかにつきましては今後の検討事項と、こういうことに相なっておるわけでございます。  それから私書箱との関係でございますけれども、これは私書箱につきましては住宅地域とビジネス地域の区別なく同じような扱いをしたらどうかと考えおります。
  72. 森勝治

    森勝治君 そうなりますと、事務優先、事業優先、企業優先——通信というものはそういうふうに制度が変革をするということですか。たとえば住宅は一日一回でしょう。ビジネス地区でしたら、これは事務用ですね、いわば俗に言う業務用でしょう。そういうものは一日一回のところを三回出すと、こういうことですから、そうすると郵便国民に寄与するという立場から若干変わってきて、住民サービスはそのままだが、事業の面について、企業に対する協力の面が非常に強まってきたということになりますね。
  73. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) そういうふうに見られてもやむを得ない一面があろうかと思います。これは、通信の内容が最近とみに業務用通信、いわゆる産業通信というものが量的にも著しくふえてきております今日でございますので、その面につきまして少しく配達回数等を多い目にする等のことで、厚みをつけたサービスをするということは、実態から見ましてむしろ適当なやり方ではなかろうかと存じます。
  74. 森勝治

    森勝治君 そうなりますと、国民サービスの点においては従来どおり郵政郵政事業近代化というものは、事業推進の一役をかうものであって、国民に対するよりよいサービスの還元というものは従来どおりだと、こういうことになりますね。
  75. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) あまりこの問題をむずかしく考えていないわけでございます、目下のところは。と申しますことは、従来におきましても、日本橋、神田、東京中郵、こういった地域におきましては三回配達をやっておる実績がございます。そういうこともございますので、御指摘の点につきましてはなお検討の余地があろうかと思いますけれども、これは今後の問題でございます。
  76. 森勝治

    森勝治君 そうすると、この配達区域の再編成ですか、あるいはまた配達の区分のしかたが変わってくるだろうと思うのですが、そういうのは従来もやっておるとすれば、別にことあげしてわれわれががあがあ騒ぐほどのしろものじゃないのですね。従来の慣行をただ成文化しただけにすぎない、むずかしく考えない、そういうことですね。違いは別にない、こういうことですね、これについては。
  77. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 考え方としては従来からもあったわけでございます。ただしこの構想にございますように、市内の住宅地を一回配達ということで全国的に実施するということになりますと、これは量的にたいへん従来のやり方を非常に大規模に変えるということでございますので、その違いは出てくるかと思います。
  78. 森勝治

    森勝治君 ですから大都市と言ったでしょう。大都市というと、俗に六大都市とか従来そういう表現を使っていましたね。そういうことに大都市というのは当てはまるわけでしょう。この点ちょっとこの大都市の範囲をお聞きしたいのです。
  79. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) ここで申しております大都市というものの範囲をどこで区切るかということにつきましては、まだ結論を得ていないわけでありまして、普通大都市と申しますと六大都市及びそれに準ずるところでございますけれども、そこで切っていいもあか、もう少し範囲を広げまして人口五十万以上の都市にするか、あるいはもう少し下げましてやってみるかというのは今後の検討事項であります。
  80. 森勝治

    森勝治君 従来、大都市と目される東京等においては一日三回程度の配達ということでありますから、大都市というものに人口五十万以上を入れるかどうかによって適用範囲が違ってきますが、従来の社会通念上の大都市という世間の常識を当てはめますならば、これはもう限られた地域でありますね。そうすれば、これが当面する郵便の近代化の対策だといって、郵政がさきに発表している——まあ中間報告だといって訂正はされましたが、大都市三回の問題、そして最も期待される速報性の問題等については、大都市を離れたところの地域は救済の余地は全くない。大都市だけを考えておる。大都市の中でも、国民生活関係のある住宅のことは別で、企業追随の面だけ——もちろんこの企業は郵便を盛んにやりとりするでしょうから、そういう面にあわせて、この郵便配達区域の改変というものは、郵政の企業性を追求する、企業性を高める、こういう点にのみ力を特に注いだ、遅配解消などという問題と若干違う、私はこういうふうな強い印象を受けますが、その点はどうですか。
  81. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) この問題は、事業の経済性といったようなことからこの発想が出てきたわけではございませんで、むしろいまおっしゃいました後段の問題、業務運行をどうして確保していくかという、その問題からスタートしているわけでございます。御承知のように、特に大都会におきましては、住宅地帯は二度の配達ということになっておりますけれども、現実を見ますると、その実行に非常な困難をいたしております。正直に申しますると、二回配達になっておりますけれども、実際は一回にとどまっておるという地域も相当ございます。まあ、どうしてそういうことになるかということにつきましては、理由がいろいろございますけれども、結論といたしましては、できないことを、やりますやりますといって通すよりも、むしろできることをはっきりお約束していったほうが、郵便の送達の安定という点から見まして、利用者の皆さんに理解と納得を得ることになるのではなかろうか。二回配達をやるにつきましては、今日非常な無理があるわけでございます。そういう無理をあえて強行いたしますと、郵便の事業全部にひずみが出まして、全体の運営ができなくなる、そういう苦しい面がございますので、この際は、考え方といたしまして、一思いに一回配達ということに割り切りまして、そうして浮いてきました労働力を有効適切に活用することによって一回配達を確実にやる、そういうことにしたほうがかえってサービスということになるのではなかろうか、こういうことを考えているわけでございます。
  82. 森勝治

    森勝治君 いま質疑応答の続けられているのは、配達局に郵便物が到着した場合——終着局に到着した場合の郵便物の処理の区分の問題についてでありますが、最近の郵便遅配と俗に言っているものは、終着局に到達以降の問題として、ともすればその局で配達をなまけているのだ、こう印象された傾きも比較的多いのでありますが、私は、そういうことはあまりなくて、むしろ局間の逓送問題のしからしめるところが今日の郵便の延着、いわゆる遅配という形であらわれてきたのではないか、こう思うのです。したがって、先ほどの改善案のお話の中の具体的な項目の中に逓送問題が一つも取り上げられてない、こういう点に私はどうもつけ焼き刃的な気がしてならぬわけであります。特に大都市は、御承知のように交通がふくそうしてどうにもならぬ。郵便車といえどもサイレンを鳴らして走るわけにまいりません。他の一般の貨物輸送あるいは人間輸送の乗用車と同じ扱いを受けますから、どんなに先を急ごうとしても、先さまが待ってくれなければ赤車は先に進まないでしょう、郵便車は。こういうことを一体どう考えておられるか。局から局の間の郵便物の逓送問題にこそ、一日も早く信書を相手に届けるという国民の期待にこたえる大きな問題が私はそこにひそんでいるような気がするんです。ポストを開函して局に持ってきて、区分をして、さて行のうに入れて、それからの問題が一体どうなっているだろうか、これをつまびらかにせぬといかぬと思うんです。一つの例として、私の選挙区の埼玉県でも、埼玉県内に配達するしろものを一ぺん東京中郵あたりまで持ってきて、また逆に埼玉にいく。ただでさえ交通がふくそうしているのに、そういうことをおやりになる。私は、むしろ、郵便物の大都市集中化でなくて、都会の郵便物まで地方に分散をはかるべきだと思う。そういう点について、たとえば晴海の集中局の問題、新橋もそうでありますが、東京都の最も交通の繁雑なところに持ってきて——小包を集中する計画はいいでしょう、機能的な形はいいでしょう。ただでさえ交通難のところに盛んに郵政が今度交通難に拍車をかけるようなことをやる。もちろん、これは遠隔の人の逓送の関係もありますから、駅の近くがいいと思うことはわかります。しかし今日のように、何も大都会の最も——特に晴海の集中局なんというのは勝鬨橋を渡っていかなければならぬ、にっちもさっちもいかないというような形に持っていくようなこと、これは私指摘したと思うんですが、もちろんそういう集中局等は郊外に出して——いま政府は、巨大な貨物逓送というのはなるべく都内に入れないようにして、郊外に倉庫等を置いて、そこから小出しに遠隔輸送をさせようという指導をしているのと違いますか。片や、そういう指導を私はしていると思うのに、郵政のこの逓送に限っては逆方針をとっているということ、こういう点が私はどうしても合点がいかないんです。
  83. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 郵便物の運送も郵便業務運行上きわめて重要な部分、あるいは一環でございまして、ゆるがせにできないことは御指摘のとおりでございます。いまお話のございました集中処理場等につきましては、これは従来は東京中郵局という最大の繁華街の中心でやっておったのを実は分散をしたという意味を持っておるわけでございますが、それにいたしましても交通難という事情がなおありますので、これから先のやり方といたしましては、あのような集中局は、もう少し都心を離れて、交通の便利な、閑散なところに持っていったほうがいいじゃないかという教訓を得ておるわけでございます。これは御指摘のとおりでございます。  さらに、埼玉県の郵便の遠回し運送のお話が出ましたが、そういうことはかつてございました。埼玉県内のごく近所のものが一ぺん東京都心へ入りまして、それからまた埼玉県へ運送便でもって遠回しに行くということもございましたので、これは大宮中継路線を設けることによって今日では解消ができておると考えおります。専用線を新しくつくりまして、それでいまは大体直っておるように考えおります。  ともかく運送も確かにこれは大事なポイントでございますけれども、したがいまして、今後も郵便業務の正常運行という点で、郵便運送のことにつきましても十分配慮していかなければならないと思いますけれども、いわゆる井出構想に盛られたような新しい考え方というものはこの際要らないではないか、従来の方針を精力的に続けることで一応間に合うじゃなかろうかという判断がございましたので、この当面の課題というものの中には入れなかったわけでございます。
  84. 森勝治

    森勝治君 国民から遅配、遅配というそしりを受けている大かたの原因は、いわゆる差し出し人から受け取り人までの滞貨時間のようですね、郵便物の。この時間というものは、配達局、差し立て局にはあまりないでしょう。それは逓送の過程において数日を経過しておるでしょう。そうでしょう、そうじゃないですか。
  85. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 運送にちょっと手間取っておるという面もございます。しかし、私どもの見るところによりますると、運送と申しますよりも差し立ての段階、これは引き受け局の問題であります。差し立て局の仕事のやり方、それから運送を経て到着局、つまり配達局における配達作業のやり方、こちらのほうが問題が大きい、こういうふうに考えおります。
  86. 森勝治

    森勝治君 そうしますと、差し立ての場合に、その郵便物がその局に差し立ての前後で滞貨の時間が多い、配達区分で所要時間が多くとられる、これがおもなる滞貨の原因だと、遅配の原因だとおっしゃるのですか。
  87. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) そういうことになると思います。つまり結束時刻がきまっておりまして、その結束時刻に間に合うように差し立てて、作業を完了して、きめられた運送便に乗っけるということが一番大事な仕事のポイントでありますけれども、いろんな事情が重なりまして、その当然かけるべき運送便に郵便物がかからないというのが遅配の一つの大きい原因になってくるというわけでございます。
  88. 森勝治

    森勝治君 私は、むしろその差し立ての処理後に問題があって——差し立ての行のうに入れてからですよ、入れてから配達する終着局に到達するまでの時間が相当かかる、それは具体的に私は見ております。だから、あえてこういう発言をするわけですが、あなたの話を聞くと、差し立て時間に間に合えばさっささっさといってしまうと。しかし、それはその逓送車が、赤い郵便車が直接終着局に、いわゆる郵便物の目的地たる終着局にその赤い車が直接行くんじゃないでしょう。要所要所のライン、ラインによってみんな動いていくわけでしょう。そこでまた次の差し立てをやるんでしょう。そうでしょう。ですから、いまの話を聞くと、ポストへ入れた、所轄の郵便局で開函をして、そこで時間がかかるとおっしゃるけれども、私は、きょうの八時なら八時開函までに局に持ってきたものは——開函したものはその日に差し立てるという原則は、ほとんどの局はそうされているでしょう。きょうの夕方まで少なくとも到着した郵便物は、明日の差し立てのルートに乗っかって、午前もしくは午後に配達されるでしょう。それは夏季とか暮れ、新年等の郵便物が特にふくそうするときはいざ知らず、通常の場合にはそういうことでしょう。そんなに局の中で滞貨があるとは考えられない。おびただしい行のうの数字から見ても、逓送ルートによって何回も積みおろしされるでしょう。これがまたよその車で持って帰るでしょう。何回もやっているでしょう。ストレートでいくはずないんです。こういうことを研究してやってごらんなさい。でなければ、この配達時間の所要時間というものは短縮されない。いま全国のどこの郵便局でも三日も四日も滞貨してとめておくところがありますか、通常の場合、問題なくすらすらいっているでしょう。差し立て局において、配達局において、そう問題はない。しかし、遅配は依然として解消されない。その原因は何か、それはやはり局から局間の問題になってくるのではないか、私はこう思うのですが、その点あなたといささか見解を異にする。あなたは専門家だからそうおっしゃいますが、私はどうしてもそういう気がしてならない。書留でない限り——書留なら何時何分に差し立てたという記録がありますが、書留でないものは記録がないから、行のう幾らでしょう。そういう行のうの差し立てで、相手の局に着くまでの所要時間を絶えず調査をいたしておりますか、郵便物の調査はいたしますけれども、行のうの、そういう通常郵便物のピックアップした調査はあまりおやりになってないのではないですか、そういうものを一度お調べになったらどうでしょうか。私どもの見る限りでは、どうも、ここでこちらの車が積んできておろす——中継局の話ですよ、またこちらから持ってきて、これを積んでいく、山ほど。だからなかなか積めない、こういう現状です。私は、この遅配という問題の中には、逓送の配置の問題、もっと人間をふやさなければならぬ問題もあるでしょう。自動車をふやさなければならぬ問題もあるでしょう。郵便列車の問題もいろいろあるでしょう。私は、そういう輸送の問題——収集とか配達の場合よりも、輸送に長時間を費やす。こういうところから国民が遅配だ遅配だと言うわけです。それがあたかも受け持ちの郵便配達の皆さんがなまけて仕事をしない、そういう印象を受けがちです。局間の行のうの滞貨がふくそうした状況というのは、国民の皆さんは御存じない。自動車だから近代的文明でさっさと行かれる、速達は飛行機でやる。しかし逓送問題——局と局間の郵便物のもたつき輸送関係について特に力を用いてくれませんか。これば従来どおりこれでいいということはないんです。こんなに交通がふくそうして、従来どおりの計画だったら、郵便物は、交通のため遮断されているときにすでにおくれている。相手局に行ったら、相手局の車は時間がきて間に合いませんから出ていっちゃうので滞貨になるでしょう。次々と因果関係がめぐるでしょう。そういうことをお考えになったことがありますか。これは専門家だからおありでしょうが、そういったところに心を用いてくれませんか、そうして一日も早く、滞貨の原因は一つばかりではありません、もろもろの要素が重なってそういうことになるのでしょうが、そういう問題に力を入れてもらいたいのです。せっかく基本問題協議会ですか、つくるなら。それじゃいつまでも部下がかわいそうですよ、あたかも職員がなまけておるから遅配したという印象がぬぐえないのですね。その点はどうですか。
  89. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) この東京都内を見てもわかりますように、ものすごい交通難でございまして、自動車がなかなか思うように走らないわけでございまして、結束表どおりに局から局へ自動車が行かないということも事実でございます。何とかやりくりをしてやっておるわけでございますが、非常にむずかしい場合には自動車の発着時刻を修正するというようなことも、これはやっておるわけでございます。私どもの見まするところを率直に申し上げますならば、郵便の運送という面に全然問題がないということは申し上げません。それは確かにときどき問題を起こします。到着すべきものが到着しなかった、ですからリレーすべき自動車が待ち切れないで出てしまった。そこで郵便物のリレーができないわけですから、確かに郵便物の足踏みということが起きますから、運送によって遅配が起きるという現象がそういう場合には起きますのですが、これはもう非常に希有の例でございまして、大体においては自動車あるいは鉄道、そういった運送線路は大体予定しました時刻に予定したリレーをしつつ運行されておるように、私は日常を見ておりまして、まずまず運送についてはよかろうじゃないかという印象を持っておりますので、そのことを率直に申し上げておる次第でございます。
  90. 森勝治

    森勝治君 それは、自動車が予定どおり動いていることは動いているでしょう、時間で走っているのだから。しかし、そこに積まれた郵便物が予定どおり動いているという確認はされてないでしょう、特に通常郵便物は。だから、そういう調査を、たとえば私なら私が出した郵便物を——ちょうど郵便局で探聞をやっていると同じように、差し出されたものが一体どこで何時間かかったか、中継所とかで——一体その晩、寝泊りしたのはどこで寝泊りしたのだということをやっていけば、自然と出てくるのではないか。だから、現象面ではその満載した車が常時定時に走っているように見えるけれども、収容した内容の郵便物がすらすら走っているとは限らないでしょう。もしあなたの言うように逓送の問題がないとなれば、私どもとすれば、投函した初発の局における人的郵便物処理の発送等の要員、区分面の要員、そういう数が少ない。それから終着局において数日間滞貨するというならば、配達要員その他区分処理要員——もっとも配達の場合は全部外務員の諸君が区分をいたしますが、内部の人ももちろん区分をやりますけれども、そういう要員が少ないということばに尽きるのですね。特に特別な局を除いては人間をふやせということに期するのじゃないですか、もしあなたの言をそのとおり借りるならば。しかし、どうも私は、この局間の滞貨の理由の中には局間の郵便物がすらすらいってない、そんな気がしてならないのです。率直な私の印象——私が局へ行って見て、どうもそういう印象をぬぐえないのです。ただ、私たち専門家でございませんから、きょう差し立てをして、どこそこの局は何時何分にどこへやったかということはわかりません。しかしあなた方は専門家ですから、おやりになればできるはずです。そうでないと、職員に全部ぬれぎぬがいってしまうから、それではあまりかわいそうでないかというんです。滞貨しないと言ったって、その行のうの中の内容はわからないでしょう。その内容がどこで滞貨するかということをお調べになったらどうですか。そうすればわかってくると思うのです。そんな不まじめな人はあまりいないと思いますから、全部優秀なまじめな職員ですから、汗水たらしてやっているのですから、そういう人を日常見まして、遅配は職員の勤労意欲の問題だなんというそしりを受けるのは気の毒でならない。だからわれわれは一体遅配の原因がどこにあるかということをお互いに議論をしているわけでありますが、そういう問題の中で逓送に時間がかかるということ、赤い自動車が定期に走っているからというてそれで事足りることではないでしょう。内容がすみやかに早く相手に届くというのが逓送の目的でしょうから、行のうが動いておっても、中身は滞貨の山だというのでは話にならぬわけです。だからそういうところを特にひとつ御検討をわずらわしたいと思います。
  91. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 御指摘のことにつきましては、十分検討いたしたいと思います。  ただちょっと申し上げたいことは、運送便はそれだけをながめておるのでは意味がないのでありまして、運送便の背後には局内作業というものが関連してあるわけでございまして、ただ赤い自動車だけを走らしているというような意味で運送という仕事をとられますと、それはもう全く意味がないわけでございます。したがいまして、おっしゃっておりますところは私の申し上げておるのと、ちょうど同じことを言っているのじゃなかろうかと思うわけでございまして、運送便を設定するにつきましては、その局その局の局内作業とあわせて運送便を設定しなければいけないわけでありまして、局内でまだ差し立ての仕事を終わらないうちに自動車が出発するということであるならば、それは運送便の設定が悪い、まずいというので、それを修正しなければならないわけであります。私どもといたしましては、郵便物の数量を見まして、もう一つは関連局の郵便運行を考えまして、運送便の出発時刻をきめるわけでございます。その出発時刻に合わせて、つまりそれに間に合うようにその局の差し立て事務の仕事をする、それに間に合うように人員の配置をする、そういう計画を立ててやっておるわけでございますが、私が申し上げましたのは、その計画が実際においてくずれることがある、どういう事情か知りませんがくずれることがある、それが遅配の原因になりますので、メスを入れるとするならば、むしろ局内の作業のやり方あるいは仕事の手順をきめる、あるいは要員配置をする、そういったような計画の立て方あるいは実際の仕事ぶり、そういったことになってくるのではないかということを申し上げたわけでございます。
  92. 森勝治

    森勝治君 この具体案の中で準速達制度、こういうのを設けるということを出されていますが、この準速達制度というのは一体どういうことですか。
  93. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 準速達といったようなことばが適当であるかどうかにつきましては自信はございません。新聞等ではかなり大きくうたってございましたけれども、正直申しまして自信はないわけでございます。考えますところのポイントは、いまの郵便の流れを見ておりますると、いわゆる速達郵便物というものにつきましては、大体利用者の満足を得られるサービスをやっておるのではなかろうか。まま例外はございますが、それは希有でございますから、大体において速達郵便物はまず合格であると見ていいのではなかろうか。問題は一般の郵便物にあるわけでございます。これが早かったりおそかったりといったような、あるいは慢性的に遅配するとかいうようなことが日常起きておるわけでありますが、その原因はいろいろございますけれども、最大の原因は、異常なる郵便物の数量の増加ということになろうかと思います。それと東京都におきまする都市化現象、労働力の確保難、交通難、いろいろな事情が重なりまして、郵便のおくれを来たしておるわけでございますけれども、この数多くの郵便の中に、もしかりにわりかた早く行く郵便と、そう急がない、ゆっくり行く郵便と、二つのグループに分けるということができますならば、取り扱いはいまよりうんと楽になる——楽になると申しますことは、仕事を計画的にやる余裕が出てくる、こういうことを私ども感ずるわけでございます。しかし、これは一方的にやるということにつきましては問題がございますので、利用者の皆さんに御選択いただいて、早い郵便利用したい人は早い郵便で出していただく、そう急がない人はおそい郵便というグループで御利用願う、こういう俗に二速度郵便というのですが、速度を二つ違えて扱う、そういう二速度郵便という構想を取り入れることは、今日の郵便の運行の実態からみまして、大かたの皆さんに理解を得られることになるのではなかろうかということを考えておるわけでございます。
  94. 森勝治

    森勝治君 二速度郵便という話をされましたが、これは料金はどうなるんですか。
  95. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 料金に差をつけなければいけないかと思います。
  96. 森勝治

    森勝治君 料金の差は、従来速達制度がありますが、その速達制度と準速達と普通郵便との差はどうなるんですか。
  97. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) その点が一番大事なところでありまして、今度掘り下げて検討したいというところでございます。もちろん、いま申し上げる準備といいますか、それだけの材料を持ち合わせておりません。ただ、これは一昨年秋からイギリスではやっておる制度でございますが、この国では急ぐほうを五ペンス、急がないほうを四ペンスというので、日本円にいたしまして、片や十八円、片や十四円、こういう料金差をつけてやっておるということを聞いておりますが、これは一つの参考になろうかと思います。
  98. 森勝治

    森勝治君 郵便というものは、相手方に出すということ、それは心を伝えるということですね。心を伝えることがおそかれと願う差し出し人はいないと思うんです。すみやかにおのが心を相手に伝えて、ときには協力を求める、ものによっては決裂する、議論する、こうであろうと思う。したがって、郵便を出すということは、おのれの意思を可及的すみやかに相手に伝える。確実には自分が行けばいいでしょうが、出かけて行く時間がないから文字にこれを託して、郵便という制度に委託して自分の心を伝える。だから比較的急がないということを言われましたが、ほとんどの皆さんが、たとえ広告であろうとも早く相手方に自分の商品をPRしたい、これは切なる願いでしょうね、これは原則でしょう。したがって私に言わせれば、そういう人の、早く相手に伝えたいという意思をとらまえて、料金をよけいに出せば早く送ってやる、出さないものはおくれる。あなた方の話を聞くと、何でもかんでも速達にしなければならない。かつて電報が、普通の電報ではおくれますというので、みんな緊急、緊急といって緊急電報を盛んにならされた時代がありましたが、そういうふうになってしまったら普通で出すという問題はどうなるのか。これは、ただでさえ遅配しておるところにはなはだしく差別がつけられる。だから私は、先ほど言ったように、最近のあなた方の考えというのは利潤の追求、企業的な色彩が濃厚になってきたのではないか、こういうことを申し上げておるわけです。一体、料金値上げ考えないというが、それは現に料金値上げの尤たるものじゃないですか。選択を差し出し人にまかせる。普通郵便はいつ着くかわからぬから、人の心は自分の思う心を伝達させたいという気持ちがありますから、普通列車より急行列車、急行列車に間に合わなければ飛行機に乗ろう、これが人の心じゃないですか。郵便もまたしかりでしょう。そうでしょう。そして金を出すものは早く着く、企業性の追求ということにのみ心をはやらしたら国民のための郵便という、この考え方というものからやや遠ざかってしまうようなおそれを持つのです。みんながそんな気持ちでおやりになっていないことは重々私は承知しておりますけれども料金値上げで金を出したものはさっさとやるということになりますと、電電公社もしかり、非常にそういう傾向が強くなって、企業性の追求、郵便郵政公社に移るという話もありますけれども、そういうときに企業の独立採算制という問題が出てきて企業性の追求が全面的に押し出される。国民の福祉という問題に非常に遠ざかってくるような気がしてならぬわけであります。したがって、その二速度制度、汽車でいうと急行列車と準急でしょうね、急行と準急ということでおやりだと思いますが、そう区別をつけずに、七円か十五円出して大切な人間の心と心をつなぐ非常に大切な役割りを果たしておる郵便事業が、せめて国民のささやかな願い、希望、こういうものはいつまでもつないでやらなければならぬと思うのです。だから売らんかな主義、もうけんかな主義、こういう制度は私はあまりいただけない、そういうことは。金を出せば早く届けると、そういうことをせずに、通常郵便といえども速達と同じように——昔はそうでしょう。たとえば国会から速達が毎朝来る。速達でなければだめです。昔は速達でなくても次の日に来たでしょう。昔は非常に親切でほめられた。もちろん膨大な量の郵便物が山のようにまいりますから、職員が幾ら真剣になってやっても、これはさばききれないことは時代の趨勢でやむを得ないと思う。特別料金を徴収しなくても郵便物がすみやかに相手方に到達できるような逓信創設以来の初心に返ってもらわなければならぬと思うのですね、国家事業でありますから。この眼目だけはぜひとも忘れてもらっては困るのです。大臣、そうじゃないでしょうか。
  99. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 郵便事業がたいへん困難な状態にあることはお察しのとおりでございますが、困難であればあるだけ、いまおっしゃるようなわれわれの先人のたどった苦心といいますか、あるいは郵便事業を一貫しておる精神といいますか、こういうものも十分かえりみて事に当たるつもりであります。
  100. 森勝治

    森勝治君 準速達制度、いわゆる二速度郵便制度のみならず、第二種郵便等も値上げする、こういうような計画らしいのでありますが、現在の郵便の各種類別の原価と収入、これは経理局長ですか、これを概略でいいですからひとつ御説明願いたい。
  101. 溝呂木繁

    政府委員(溝呂木繁君) 四十三年度の決算に基づきまして、原価計算をいたしました数字を申し上げますと、第一種の定形、これが原価十一円五十一銭でございます。それに対しまして、一通当たりの収入、これは郵務局のほうで調査したものでございますが、それによりますと、十五円八銭ということで、一応一種定形につきましては三円五十七銭の益があるという形になっております。二種は原価が八円九十銭、同じように調べた収入が六円九十九銭、これは一般に七円という数字が出るはずでございますが、いわゆる割り引き制度というものが影響してこういうことになったと思いますが、一応一通当たりの収入が六円九十九銭で、これは一円九十一銭の赤というふうになっております。それから第三種でございますが、いわゆる定量扱いの分が原価が十四円五十銭かかっておるにもかかわらず、収入は定量扱いのほうは三円十三銭で十一円三十七銭の赤字というふうになっております。四種につきましては、ほとんど政策料金で軒並み相当の赤字になっております。それから小包でいきますと、普通の小包、書留速達でないいわゆる一般普通の小包で百九十一円六銭の原価に対しまして、収入が百三十七円一銭でございまして、五十四円五銭の赤字といったようなものが、大きな大体の傾向であります。
  102. 森勝治

    森勝治君 今度の計画の中で、すべての問題について、料金値上げというものをこの協議会で御検討なされるのか、そちらでは二速度制度といま言われておりますけれどもはがきをはじめとする料金についての検討はどの程度進んでいるのですか。
  103. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) いま経理局長が申しました原価計算の数字等につきましては、私どもみなこの数字中心にしていろいろと話をしているわけでございますが、それ以上進みまして値上げ等のことにつきましては、いまのところ何ら話が進んでおりません。
  104. 森勝治

    森勝治君 小包等の問題について、何か若干、先ほど外部委託というようなことばが——後段にそういう説明がありましたが、外部委託というのはどういうわけですか。逓送会社でもつくるということですか、小包専門の。
  105. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) この小包の配達をどうするかという問題でございますが、これまた非常に大問題でございます。ただ現実問題といたしまして、小包の配達には日常苦しんでおる。特に繁忙期であります盆の時期、年末年始におきましては小包のために、何と言いますか、打ちのめされるといいますか、圧倒されるといいますか、そういう苦しみをなめておるわけでございまして、何らかの方策を講じないといけないということを感じておるわけでございます。したがいまして、非常に遠い将来におきましては、いまお話がちょっと出ましたように、一元的にこの配達を行なう大きい運営体というもの、そういうものが出るかもしれません。そういうこともこれからの検討事項の一つになろうかと思います。また、そういうことは、なかなか一挙にはできません。したがいまして、これは四十五年度の主要計画等にも計画しておるわけでございますけれども、一局単位の小包配達、これもそう局全域というわけではございません。ある部分につきまして、民営方式というものを部分的に取り入れていくという、これは一つのテストケースになるかと思いますが、そういうことも、これは現実に四十五年度の計画の一こまでございますけれども、そういうことも、ひとつ今後のあり方として、そういうやり方を拡大していくかどうかにつきましても、協議会における検討事項になろうかと思います。
  106. 森勝治

    森勝治君 別個の団体に逓信事業の一部を請け負わせるというようなことを、かりそめにも発言されることはゆゆしき重大事ではないかと私は思うのであります。したがいまして、これはどうも私が考えまするに、かねてから言われております郵政公社化案なるものと、何か総体的な関連性があって、そういうことを言われておるような気がしてならぬわけであります。片や郵政公社化の検討をいたしておるわけでありますが、当面は郵便の基本政策問題をやっているわけですから、その辺が、両々相まって、そして後の後には大きな運営体をもってこれに当たらせるという問題が出てくるかもしれません——しれませんというのですから、仮定ですから、それをあまりことばじりをつかまえませんが、しかし、それはなかなかたいへんなことだと思うのです。郵政がみずからの力で行なうことを放棄して、他の力をもってやろうというのですから……、私はそう思うのですよ、直営をしないということですから。そうなりますと、これは国営でやっている郵政方針というものがずっと変わってくるわけです。公社化に移行するまでに手足となるものはみんな切ってしまうべく、もうかる本体だけ持っていこう、こういうふうにおやりになっているんですか、公社化の具体的な話も省議でいろいろきめられるでしょう、意見も述べるし、意見を求める場合もあるでしょう、しかも、この協議会というのは各省の次官以下局長、部長クラスですから、名称を何と変えようとも、やはり同じ委員が違った名前の会議に参加する、こちらの会議、そちらの会議と、会議の名称は違うが出る人は同じということになれば、前の前の大臣が出された郵政公社化案なるものと、いま言われた企業の一部を他に委託するという問題は、どうしても、何か結びついているような気がしてならぬわけであります。これは私の単なる杞憂でしょうか、うがち過ぎた推理でしょうか、この点をお答え願いたい。
  107. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  108. 近藤信一

    委員長近藤信一君) では速記をつけて。
  109. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 小包の配達のやり方、これはきわめて大問題でございまして、早急に結論を出すべき性質のものでないと思います。今後十分検討していきたいと思いますが、ただ、小包の物量は非常にふえてきておるという現実、片一方の大事な信書のほう、このほうの増加もたいへんでございまして、要するに今日郵政事業は間口が広過ぎて非常に困っておるという、そういう言い方もできるかと思うわけでございまして、小包の配達制度に基本的なメスを加えようという考え方の背景には、小包の処理というものをできたらば簡略化して、信書の仕事——配送、これに専念をしたいということを考えているわけでございます。小包はいわば物品の輸送でございまして、国鉄であるとか、民間の運送業者、そういった類似の運送手段もあることでございますし、片一方の郵便ということになりますと、いわゆる一種、二種以下の通常郵便というものは、これは国の独占でありまして、ほかにやるところもないし、このほうに全力を傾注するということを——何でもやれればけっこうでありますけれども、苦しい中でやるとすれば、そういう方法もあろうかということが根っこにあるわけでございます。
  110. 森勝治

    森勝治君 だいぶ時間がたったようでありますから、角度を変えて、はしょって質問をしたいと思うのであります。  今度の御提案の手数料の改定時期は四十六年の一月一日、こういうことになっておりますが、なぜ来年の一月一日に実施しなければならないか。提案の理由はただ一月一日にしたいということでありますが、いままでですと既往にさかのぼってということをよくおやりになった気がするのです。その辺のところを、四十六年の一月一日とした理由をちょっとお聞かせを願いたいのです。
  111. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 全く財政上の理由でございます。本来であれば、これは年度初頭からやるべきことかもしれませんが、財政不如意のおりからごかんべんをいただいたということであります。
  112. 森勝治

    森勝治君 これは年間実施すれば四億円、それから一月一日にすれば一月、二月、三月ですから九千万円程度で済む、こういうことですね。それはそうなりますと、予算上はどういうことになるのです。
  113. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 四十六年一月から三カ月分の所要額を予算に見込んであるわけであります。
  114. 森勝治

    森勝治君 第五条にありますところの「売さばき所以外の場所」、この「以外の場所」という場所は、いずれをさすのですか。
  115. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これは駅の構内でありますとか——これが一番わかりやすい例だと思いますが、そういうケースがままあるわけでございます。
  116. 森勝治

    森勝治君 それは全国にどの程度あるのですか。
  117. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) そう多くはございません。先ほど申しました駅構内、それから列車内でいろんな売り子が切手を販売している例がございますが、そういう場合。そのほか若干あるかと思いますけれども、そう数としては多くございません。
  118. 森勝治

    森勝治君 若干理屈をこねるようでありますが、売りさばき所というのですから、売りさばくところというのでしょうね。売りさばくところでなく、売らない場所で売らせるということはどういうことなんですか。
  119. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これもなかなか理論的にはむずかしいと思いますが、売りさばき所が動いているわけです。これは通例にはそういうことはございませんので、そういうことをおもんぱかりまして法律でそういう道を開いてあるということだと思います。
  120. 森勝治

    森勝治君 それは、汽車等の場合をさすんでありましょうが、たとえ汽車といえども売りさばくところ、切手を扱う場所は一定の個所にきまっているわけでしょう。サービスガールが車内を売り歩くというのですか、そうじゃないでしょう。売店なら売店に行けば買えるということでしょう。
  121. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 列車内の売りさばきでございますが、これは売り子ではありませんで、列車の中の売店が正確でございます。したがいまして、本来、売りさばき所の認可を受けて、売りさばきの場所といたしましてはある一定のところがあるわけでございますが、そこではもちろん常時売りさばいているわけでございますけれども、必要に応じましてプラットホームの売店でありますとか、そういうところでもって売りさばくこともできる、そうなると、売りさばき所のまあ子供みたいなものが構内の一部にできると、こういう形になろうかと思います。
  122. 森勝治

    森勝治君 カメの背中に何かを乗っけたといううたがありますけれども、そういうのがお好きですね。郵政は。売りさばく場所でないと——その場所で売らなきゃ売らせないと言っておきながら、切手を売りさばくところじゃない場所で売らしているじゃないですか。そんならそこへ許可を与えたらどうですか、売りさばき所という看板をそこへ掲げたらどうですか。汽車の中ならば汽車は移動しても売りさばく場所というのは売店なら売店というのは厳たる事実ですね、売り子で売るのじゃないですから。それならそこへ「売りさばき所」と、こういう看板を掲げさしたらどうですか。駅の売店なら売店に「切手収入印紙売りさばき所」というのを、そういう許可をしたらどうですか。ややこしいじゃないですか、切手を売るという郵政省が、切手を売りさばくところと認めないところで売ってはならぬと言っておりながら、認められないところで売ってもよろしいというので、この辺ちょっとどうですか、明治以来のことですから、これは整理されたらどうですか、駅の売店なら売店とちゃんと認めてあげて売らしたらどうですか。
  123. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 一見ややこしそうに見えます制度でございますが、これはやはりサービスということを考えてつくられたものだと私ども考えおります。したがいまして、いまのこのやり方でいきますと、ある人に包括的に一度に認可をいたしますと、それで済むわけでございますが、もし別々にやるということになりますと、一件一件別個の案件として処理しなければならないというようなこともございまして、事務処理上もむしろいまのやり方のほうが簡潔ではなかろうかと考える次第でございます。
  124. 森勝治

    森勝治君 ですから私は言っているんですよ。売りさばき所というところで切手は売らせろと言っているんですよ。これが認可した場所でしょう。そのほかで売ってはならぬと言っておりながら、その場所以外のところで売らせているということ、カメの背中に子カメをのっけたということ、こういうやり方はやめなさいと言っているんです、私は。ね、そうでしょう。ちゃんと許可をしたらどうですか。別に煩雑でも何でもないでしょう。堂々と売らせたらどうです。
  125. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) そういうやり方もあろうかと思いますけれども、私が先ほど申し上げましたほうが事務処理上は簡単であろうと思うんです。それからもう一つ、この売りさばきに当たる認可を受けました売りさばき人でございますけれども、いま申しましたように、駅構内等に、つまり子供の売りさばき所をつくる場合ですが、これはやはり同一人と申しますか、同一法人といいますか、そういうことであったほうがこの切手の補充の関係、人間の使役の関係等々から見まして、その扱いが実際に合っている、むしろ売りさばく人の側に立ちましても、そのほうが好都合であろうという便利論もあろうと思います。
  126. 森勝治

    森勝治君 それならば、それらしく直したらどうです。たとえば売りさばき所の、いわゆるあなたの言った支店だとか何とかは——たとえば、私なら私が売りさばき所の許可をもらうと、そうしたら森売りさばき所については、こことこことの売店にやらせると明記したらどうです。そういうふうにきめたらどうです。売りさばき所でない場所なんて言わないで——所だって場所だって同じじゃないですか。所という上に場をつけただけの話で——ややっこしいです。昔は、よくこういう用語を用いたものですよ。近代的に脱皮しようとする郵政ですからね、この辺ですっきりさせたらどうです、その辺は。整理されたらどうです、この辺で。それは、長年の慣習でもうなれてしまったから、そのほうが楽でしょうよ。どう考えたって、こういう文章というのはこの辺で整理してしかるべきですよ。
  127. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) この法律の条文あるいは考え方もそうであると、おっしゃるかもしれませんが、これにつきましてはいまの実情にもし合わないような点がございますとするならば、ひとつこれは十分勉強さしていただきまして、用語の問題等につきましては、今後検討事項とさしていただきたいと思いますが、そういうふうにお願いします。
  128. 森勝治

    森勝治君 第五十八回国会で、売りさばき所における切手の保管問題について、当時の小林大臣に私は質問をいたしました。それは、郵便局からこの切手売りさばき人が買い受けて、これを国民に売るときの保管等に関して、直営の郵便局で売る郵便切手印紙のそれのごとく優良なものをぜひとも売りさばき人の手から国民の手に売りさばいてもらいたいという考え方から、いわゆる保管箱というものを備えつけたらどうだ。これは規格というか、郵政できめて、これを貸すか、貸与するかどうかは別にして、そういうことをして、よりりっぱな、よごれていない完全なものを国民のために売るようにしたらどうかと言ったら、時の大臣がこう答えられているんです。「いままでそういうことに十分な配慮をしておらなかったと思います。お話は、私は検討の値打ちがある。したがって、まず郵政省でこれからいまの適当な保管箱等のことも、ひとつ考えたいと思います。お話はごもっともだと思います。」、こういうお話で、自来二年間経過をいたしました。先ほど、検討ということばは実施をもって目的として云々というお話がありましたから、だからこの問題もさぞもう実施の段階に入ったと私は思うのであります。したがって、こういう前々大臣とのお約束がございますから、もういま申し上げたように実施の段階だろうと思いますので、どのような取り運びになりましたか、この席上で御返事を承りたい。
  129. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 前回、法改正がございましたときに、当時の郵政大臣との間にいまおっしゃったようなお話がございましたことは承知いたしております。郵政大臣検討事項でございますので、私どもといたしましては検討いたしましたが、お説のように保管箱を省が制作いたしましてこれを配給する、有料あるいは無料で配給する、あるいは貸し与える、こういったようなやり方につきましては、検討いたしましたが実施は適当でなかろうということで思いとどまった次第でございます。
  130. 森勝治

    森勝治君 そうなりますと、先ほどの御答弁はまた御修正いただきたいですな。検討というのは実現をもってというお話ですからね、実現の目的をもってやる。私は、小林さん——前々大臣のことをここに引き合いに出して恐縮なんですが、なかなかあの人はうんと言わない人でしたね、皆さん御承知のとおり。私は、あの小林大臣の言われた答弁を率直に読み上げたんですが、検討したんですか。試作品をつくったんですか。あなた方は何にもやらぬじゃないですか。検討した検討した、検討ということばはなかなかいいでしょう。何も検討しないで見当違いのことを言われては困るんだよ、全くね。検討一つもしてないじゃないですか。ほんとうに実施するというなら、試作品をいろいろつくってみて、あれがいい、これがいいとやるのがほんとでしょう。やってないんじゃないですか。従来私どもは若干質問しっぱなしの傾向がありました。あなたのほうも、この場さえ過ぎてしまえばいいという気持ちがあったとさえ私は想像いたします。これもごたぶんに漏れないことだったでしょう。大臣検討すると言うのは、試作品で具体的に——あなたの言う検討というのは、具体性を持たせるということでしょう、実現の目的だったですから。ここに試作品でもってモデルケースはどうだと——皆さんが省に金がないと言うなら、これから免許を取る者には、こういうもので、こういうかっこうでおやりなさいというのがほんとうでしょう。箱は縦が何寸で横が何寸ですと、こうおやりになるでしょう。われわれがこうやって質問するのは——それは買い受け人が買ってしまって商行為は済んじゃって、それで切手はがきを売ろうが売るまいがかってです、これが法律的な答弁ですなんてよく皆さんはおやりになる、しかし買わされた国民はあれでしょう、いいつらの皮でしょう。たとえば農村のあばら家の農家で、わら屋根の家、そこでいろりでわらを燃すでしょう、その煙が完全な保管箱がなければ煙が入ってくる。自然その色が黄色くなって使用にたえない。大都会の直轄郵便局ではりっぱな新しい切手を売っているけれども、そういう村々に行ってみると、どっかにそういうのがあるでしょう。そういう点は困るというところから、割り引きして売るわけでも何でもないんですから、当然そういう、国、国家の事業に協力させるならば、当然郵政省保管箱等をつくって貸し与えるくらいの度量がなくてどうなんですか。商行為が済んだからかまわないと、こうおっしゃるんでしょうか。ちょっと待ってください、あなたには答弁は求めませんから。あなたは検討するといって見当違いの答弁をするんだから。大臣、お聞きのとおりなかなかうんと言わなかった小林大臣が、このことだけは珍しくすらすらとお答えになったでしょう。やることと腹が違うなら別ですよ。しかし、かりそめにも担当の所管大臣がこうやってはっきり言っているんですから。あなたのお話はいただきます、ということなんですからね。先ほど、あなた、いただきますという意味のことをおっしゃったけれども、こう言っておられるのだから、試作品をつくって検討して、それで一箱何千円かかるから、全部で三億とか五億だから、これじゃ予算措置上困るというなら別だが、一つも具体化ということをはからないでおいて——じゃ、検討とは何だと言ったら、実現に向かってばく進することだと言っておきながら、ばく進していないじゃないですか。こんなことじゃ、これでは人を小ばかにしていると思うのです。もっとも、ぼくも背が低いから小ばかにされてもしかたがないけれども、これははっきり大臣、答弁してくださいよ、前々大臣約束していることだから。
  131. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 私も従来のいきさつはいま伺ったばかりでございます。郵務局長の話では、現在大体においては保管箱というものは、皆さんが持っておられるというようなこともあり、かつはいま話が出ましたように、全国にこれを設置するといたしますと、二億とか三億とかという新たな経費が要る。こういった財政上の理由もあって、どうもいまのところ御期待に沿えないでおるということのようでございます。
  132. 森勝治

    森勝治君 期待とか何かじゃないのですよ。これは郵政省が売りさばき人と約束する最低の条件じゃないですか。保管箱というのはそうでしょう。千差万別なんでしょう。この前の質問の中で出したですね。ある者は小銭入れから出す。ある者はこういう引き出しの中から出してくる。千差万別です。たまたまそれは郵便局やなんかがないからやむを得ないと言ってしまえばそれまでで、それは郵政協力を願うのですから、最低の保管箱をつくって——それぐらいも出せないで、国民に対してはこれがモデルケースの郵便箱ですと、あなた方は売りつけているじゃないですか。もちろんそれはいいですよ。配達がたいへんですから郵便の受け箱のない者には売りつけて備えつけさせれば、買う人はそれをつけてやるでしょう。そういうことをおやりなんだから、片や当然やる必要が義務としてあるでしょうと言っている。売ってしまえば、あとは野となれ山となれじゃないでしょう。郵便切手が古くなっては見るにたえないでしょう。使用する人だってみんな感じがいやでしょう。
  133. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) その後、売りさばきの実態をながめてみますとさまざまでありますけれども、売りさばき人は保管箱を持っております。これは法律の第五条にも規定してございますように、法律上義務づけてございますので、保管箱をみな持っておる。売りさばきの実態に応じまして、その形状はさまざまでございますけれども、とにかく持っておりまして、切手類が汚損したり変色したり、のりが流れたりするようなことにはならぬようになっておるのが実態でございます。  それからまた、その分に対しましては手数料の中にコスト計算をいたしまして、何がしかのものを見込んでございますので、それでやってもらうのがたてまえかと思います。また今後、保管箱等について特に省のほうで注文をつけたり、もっとりっぱなものをこしらえるという線が出ますならば、あるいはやり方としては手数料の中にその分のコストを見込んで差しあげる、こういうやり方でいったほうが、いろいろな面でぐあいがいいのではなかろうか、かように存じております。
  134. 森勝治

    森勝治君 これはもう二年前も当委員会でやりとりいたしましたから、いまあなたが言われたようなことは、私はこの場で触れたくない。しかし、法律保管箱を義務づけているわけだ、法律保管箱がなければだめだと言っているんだ。だが、その保管箱はみな千差万別でいいものもあるし、悪いものもある。保管の内容だって、みな千差万別でしょう。一々保管箱をあらためましたか、郵便局の人が。窓口だけで、保管箱なんて見ていないでしょう。法律ではどの保管箱でもいいとなっているけれども——保管箱らしきものは見に行ってないでしょう。われわれが調べに行ってみるというと、いや、そこまで手が届かぬと、もう切手は売りさばき人に売ってしまったのだからかまいませんというじゃありませんか。だから、法律によって売りさばき人は保管箱を備えるのだという規制を義務づけておるのですから、そのぐらいは郵政でつくってやってもいいじゃないかと私は言っておる。金のこともさることながら、全国で約十万人ですか、おありだそうですから、なるほどこれはたくさんな数でありましょう。しかし国営事業に、国家事業に参画をさせる、協力を求めるならば、法律で義務づけした保管箱等は今日の郵政でできないはずはないでしょう、そうでしょう。やると言っておるのですから。やると言っておりながら、あなた方やらないじゃないですか。やると言っておるのですから、見てくださいよ、この速記録を——やると言っておるのですから。特に、先ほど検討ということばを担当局長にお伺いしたのですが、検討とは実現を目的としておると、あなたに前段でそういうお答えをいただいたでしょう。実現を目的としてないじゃないですか。だから私は、あとでそういう質問をすると言っておる。大臣約束しておることも、大臣が変わってしまうと、みんなこうなってしまうのですか。かつてわが党の田中委員が質問した問題もそうでしょう。検討約束しておりながら、あれは検討したけれどもいただけないからだめですといって、五十八国会で答弁しているじゃありませんか。そのことについて私も関連で質問している。みんなあなた方そうでしょう。その話はいい話です、いただきますと言っておりながら、国会が変わってしまうと、その場限りの答弁で、あとは野となれ山となれじゃないですか。こんな無責任な答弁でいいと思いますか。当時はあなたでない、前任者であった、違ったけれども——しかし、かりそめにも所管大臣が当委員会約束をしておることですから、そのことについては具体的にやはりあなた方が作業をして、しかる後だというなら別ですよ。法律ではどの保管箱でもいいとなっておる。だが切手の保管はこういう箱がモデルケースの箱です、この程度のことぐらい最小限度できないで、何でもいいなんといって、それで今度われわれがさらにそれを詰問すると、いや切手現金取引で売ってしまうからかまわない、買い取り主義ですからかまわない、そういう答弁になってくる。それじゃあなた方、あまりにも無責任じゃありませんか。
  135. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 小林大臣のおことばもありましたので十分検討したわけでございます。その検討は、もちろん前向きで、その方向で検討したわけでございますけれども、最終的には実施に踏み切らないほうが適当であるという結論に達したわけでございまして、保管箱の実態につきましては十分見ましたし、売りさばき人には組合もございますし、また全国的に組合を統合しました協会もございますし、その方面とも話しましたが、強い要望もございません。たって全国的に規格品を調製して配給するということになりますと、先ほど申しましたように、いまの郵政財政から見ましてかなりの、二億なり三億という巨額のものを要します、等々、あれこれ勘案いたしまして、いま申し上げましたような結論に達したわけでございます。
  136. 森勝治

    森勝治君 これは重ねて質問いたしますが、保管箱を備えると法で義務づけいたしておるわけですから、モデル的な保管箱とはそもそもいかなるものか、この目で見たいものです。ひとつ見せてください、モデル保管箱を。
  137. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) このモデルはきめていないわけです。規格品はございません。これはたばこ屋でもそうですが、専売公社のことはよくは存じませんけれども、たばこ屋でも売りさばきます販売の量といいますか、そういうものを勘案して売りさばき人が適宜つくっておるのが事実だろうと思います。同様に、切手類の売りさばきにつきましても、特に容積がこうである、材質はこうであるといったような規格をきめておりませんで、全く売りさばき人の自主的な判断にまかしておる。それで今日まできまして、別に支障はございませんので、それでよろしかろうと思います。
  138. 森勝治

    森勝治君 今日まで支障ないって、それは長い間なれれば惰性ということもあるんですよ。私は、大臣が私の質問に対してこういうふうに明言されたのですから、やはり切手を保管するのは、こういう保管のしかたがいいですというモデル箱くらいは郵政でつくっておいてしかるべきではないですか。切手を売りさえすればどこでもいいんだ、石油を入れた箱でもいいんです、菓子箱でもいいんですとは言わぬでしょう。前向きというなら、せめてそれくらいモデル箱をつくったって、全国でかりに十万で三千円なら全部で三億になりますから、一つ千円か二千円のものをつくってみて、こういうのが一番理想的な保管箱である、こう言われるのが一番正しいのじゃないですか。それならば、それは確かに検討された結果、総額が全国で三億円かかるからだめだ、これなら私だって、なるほどと引き下がりますよ。何もしないでおって……。モデルというのはすべて必要でしょう、一応の規制があるのですから、国営企業に参画させるのですから。ですから、知らないでいい、どこでもいいというわけにはいかぬでしょう。お針箱の中に入れてもいいというわけにはいかぬでしょう。これが一番やりやすい、収入印紙はこれがいい、切手はこれ、はがきはこれと、これを当然備えられる。当然備えておって、売りさばき人を出願したときに、どういうのが適当だと言われる、それが一番正しいと思うのです。そう言われるのが一番よい指導ではないですか。私はこう思うのですけれども、あなた方どうしても財政的にできないと言うなら、それは私は固執しませんよ。しかし、一つもモデル箱もつくらぬでおって、この委員会の答弁さえ済んでしまえばいいという、そういうことでは困りますと私は言っているのですよ。もっと責任ある御答弁をいただかなくては困ると言うのです、検討約束なんですから。たとえば、こういう箱でやろうと思ってこれだけ箱をつくってみた、これでは総額幾らの金がかかって困るとかなんとかいう具体的なものがあるなら、私だって固執しませんよ。何も検討しておらないで、そんなことを言われても迷惑ですよ。無責任ですよ。だから前段でぼくは、検討とは何だということを申し上げているのです。そうでしょう。そんな場当たり主義じゃ困りますよ、大臣、ひとつ御答弁いただきたい。前々大臣の答弁なんですから。つまり、これは保管のモデル箱くらい置くのはあたりまえじゃないか、国営事業なんだから。
  139. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) いま郵務局長からお聞きのとおり、部内としては前々大臣の御答弁に即してその間の検討をしたもののようでございますが、さらにいまモデルの試作くらいしたらどうだというお話でありますから、私のほうでも鋭意そういった問題の研究をするつもりであります。
  140. 森勝治

    森勝治君 たとえば直轄局でも何でも、郵便の窓口にあるでしょう、ああいう箱、切手入れ、はがき入れの。私も昔、使いましたよ、あれで出し入れいたしましたよ。全国みんな規格品がああいうふうにそろっているでしょう、りっぱなものがあるじゃないですか。そういうのをつくる必要がないのか。現に普通局で使っているじゃないですか。みんなあれは規格統一でしょう、そうでしょう。やろうと思えば何でもできるじゃないですか。売りさばき人はかまわない、そういり根性について特に私は申し上げているのですよ。しかし大臣が、これからつくるというお話ですから……、できないはずはないですよ。しかしその問題はこの程度にいたしまして、私は次の問題に移りたいと思うのであります。  収入印紙の問題ですが、これも五十八国会で私が言及いたしましたとおり大蔵省との見返り、契約の三%の問題、このことについての見返りの増額について努力するという答弁をやはり小林大臣からいただいていますが、努力の結果どうなったか、交渉の結果どうなったか、御説明を願いたい。
  141. 溝呂木繁

    政府委員(溝呂木繁君) この前の切手類売りさばき関係の法案の審議のときに、そういう質疑応答のあったことは承知しております。そこで、どのくらい——四十三年度で大蔵省からもらっている三%の収入額に対して、郵政省のほうでかかっている額との比較をしてみなければ、非常にそれが赤であるならば大蔵に要求しなければならぬだろうということで、一応四十三年度の決算をもとにいたしまして、収支比較というものをいたしてみました。その結果、これはあとで申し上げますが、ある事情があったためとは思いますが、収支計算の結果は、そのときの収入が四十億八百万円でございまして、一方、支出の収入印紙売りさばき原価と思われる額は三十三億五千万で、一応六億五千八百万円の黒字という数字が出てまいりました。これは、たまたま、この前の国会で議論されているときは四十三年の四月だったと思いますが、この四十二年度のまだ決算が出ておりませんでした。そこで、私のほうでいろいろ調べてみますと、先ほど長田委員の御質問にもちょっとありましたが、四十二年に大きないろいろ税法の改正がございまして、私のほうでありますと、印紙税法の改正がございまして、非常に一件当たりが上がったようでございます。したがって四十二年度の時分から売りさばき額が大幅にアップしている、約三一%アップしている。したがって、取り扱い枚数は増減がないのに取り扱い金額が三〇%も上がったということで、料率が、三%という、この売りさばき金額に対する料率なものですから、非常に収入額がふえたという形のために、四十三年度はこういう結果になったものと思われます。なお、四十五年度はどのようになるだろうか。と申しますと、四十三年度以降、相当のベースアップ等もありますし、はたして四十三年度で収支まかなったものが四十五年度ではどうなるかということを推算いたしましたが、これは今度別の方法で、御承知のように、手数料が四十五年度予算では五十五億一千二百万円、これは値上げを全部平年度化してみたものでございますが、それを印紙切手総売りさばき枚数で割りますと一枚当たり一円三十七銭という数字が出てまいります。一方、四十五年度の予算で大蔵省のほうからもらう額は五十二億三千四百万円という予定をしておりますが、これを同じように、その収入印紙の総売りさばき枚数で除しまして一枚当たりを見てみますと、三円二十二銭ということになります。そこで、先ほど申し上げました手数料だけで一円三十七銭かかりますが、これは当然売りさばき手数料だけでございまして、郵便局の庶務会計でこれを整理して、売りさばくまでのいろいろ手数がかかったり、あるいは管理費、あるいは共通費の分担がありますので、それを計算いたしますと、ほとんどとんとんという数字が出ております。正確に言いますと三円十五銭くらいの原価ではなかろうかということで、三円二十二銭と三円十五銭とほとんど収支差額はございませんが、大体現在のところは大蔵省の三%でおおむねまかなっているのじゃないか。ただ問題は、先ほど長田委員から質問がありましたように、この四十六年の一月一日から収入印紙の高額の部分、すなわち一万円以上のものが収入印紙を買わないで、現金でできるという問題がありますので、それが出てまいりますと、先ほど言いましたように、一軒当たりの売りさばき金額は落ちてきて、売りさばき額に対する料率でもらっておりますと、ちょっと問題が出てこようかということで、これについては今後の推移を見ながら大蔵省と折衝していきたいと、こういうふうに考えおります。
  142. 森勝治

    森勝治君 この切手売りさばき所というところで、これらの契約者、売りさばき人がいわゆる売りさばき所長と自称することは差しつかえないんですか。あなた首をかしげているけれども、簡易郵便局のときもやはり局長でもよろしいとあなたはおっしゃっておられるから、これだっていいんじゃないでしょうか。私は、そういう意味で、簡易郵便局との関連で質問しているわけです。
  143. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これは省といたしましては、もちろんのことでございますが、何ら取りきめをいたしておりませんが、いま申されたような売りさばき所長といったようなことばが、自然発生的に、ごく自然に出てまいるということであれば、そういう通称が世の中にあっても決しておかしくはないと存じますが、百年ばかり今日までやってきましたが、まだそういうことばが出ないところを見ますると、自然発生的にはあるいは出ないのかなという気もするわけでございます。
  144. 森勝治

    森勝治君 自然発生的なということばで逃げていますけれども、それじゃいかぬと思うんですよ。やっぱりおのずから規律があるわけですからね。切手売りさばき所ということだけれども、これには所長という名を冠してはいけないと、こういうことでしょう。それと同じように、簡易郵便局では使ってもいいし、使わなくてもいいというようなあいまいな態度をされたが、それは簡易郵便局局長を置くということは郵政の諸規定を見てもどこにもないでしょう。そういうところは、片やあいまい、片やないということではいかぬと思うので、私があえてそういうことを申しましたのは、そういうところはぜひとも、これは規定か何かのところの整理の問題だろうと思うから、省内でぜひともそういう点意思を統一してもらいたい。将来必ずこの問題が出てまいるんですよ。おれは局長だ、だから局長の手当て云々という問題が必ず出てまいるんです。そういう心配があるから、そういう点を明らかにしたい。簡易郵便局長を自称してよろしい、局長という名前で呼ばれれば名誉だ、皆さんはにこにこするでしょうというようなことをあなたは御答弁になったけれども、そういう感じでものを言うべきじゃない。自然発生的なものじゃなくて、かりそめにも国営事業でありますから、法律があって、法律に準拠して諸規定が生まれるのでありますから、そういう関連法規に照らして、明確にその点はしてもらいたいんです。したがって、簡易郵便局のことについては、私は、この切手売りさばき所の問題に関連をして簡易郵便局局長問題をいまここで若干出してみたわけですから、その問題については直ちにここで御答弁をいただきませんが、ひとつ今後そういう問題のことを整理してもらいたい。
  145. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 御指摘のことにつきましては、私どもといたしまして、今日までそういう問題につきましては全然考えたことがなかったわけでございますが、このことが、今後の売りさばきの実態、あるいは売りさばき責任者としての責任体制をとってまいること、そういったつまり売りさばきを円滑に行なう上にきわめて大事な項目になるようでございますならば、この件につきましては今後の検討事項とさしていただきたいと思います。
  146. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それでは、さっき切手の売りさばき所が列車の中にもあるというお話でございますが、これは大体全国の列車の中で現在どういう列車で売りさばきしているのか。
  147. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 日本食堂が列車内の食堂をやっておるようでございますが、それがあります場合にその食堂で売っております。
  148. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 そうすると、列車内でも日本食堂でない、都ホテルとか、そういうところで食堂を経営している場合があると思うのです。そういうところではなくて、日本食堂のやる食堂は、急行でも、特急でも、新幹線でも全部発売しているというのですか。実は、私はまだ列車の中で切手を売っているということを全然知らなかったものですから、もしそういうことをやっているとすれば、知らない私も悪いけれども、もっとPRをすれば非常にいいがなと思って、それでお聞きしたわけです。
  149. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 日本食堂がやっておるということを承知いたしておりますが、それ以外のことにつきましては、申しわけございませんが、私自身存じませんので、調べてみたいと思います。
  150. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それで、切手の売りさばき所にしても、またポストにいたしましても、私たち国民大衆の側から見れば、できるだけたくさんあったほうが非常に便利だと思うのですね。そういう点で、売りさばき所をきめる場合にはどういうシステムできめておるのか。あるいはポストの場合は大体どういうシステムで、たとえば何百世帯以上、また何百メートル以上離れておれば設置していいのか、そういう何らかの基準があるのじゃないかと思うのですが、その点はどうなっておりますか。
  151. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 売りさばき所の設置基準でございますが、これはポストがありますところから五十メートル以内に設ける。特例をもちまして、デパートの中でありますとか、特に需要の強いところにおきましては、必ずしもポストにこだわりませんが、原則といたしましては、ポストから五十メートル以内に設ける。こういうようになっております。  それではポストはいかなる基準によって設けるかという問題が一つ残るわけでございますが、これも一つの設置基準がございまして、ちょっと御説明をいたしますと、郵便区の市内地におきましては、享便戸数が二百戸以上で隣りのポストとの距離が二百五十メートル以上ということです。市外地におきましては、享便戸数が二百戸以上で、隣接ポストとの距離が四百メートル以上。この距離が延びるに従いまして享便戸数が少なくなっておりまして、最低限度といたしましては、三十戸でポスト間の距離が千五百メートル以上、こういう基準がございます。
  152. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 いまの市内と市外の区別というのは、どういう意味の市内と市外ですか。
  153. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これは郵便局だけが知っているようなことばかもしれませんが、郵便区市内と申しますと、大体家並みが連たんをしておりまして、先ほどお話が出ましたように、配達を二回やっておるところは市内地と申しております。それからそれ以外のところを市外地と言うわけでございます。
  154. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それはあれですか、たとえば東京都内にも市外地というものはあるわけですね。そういう行政区域できまるのではなくて、家がずっと並んでおるか、並んでおらないかで、非常にきめ方がばく然としていると思うのですが、郵務局としてはここは市外地というふうに地図の上でははっきりと色分けはできているわけですね。
  155. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 計画上そういう地図を持っております。都内につきましては二十三区はみな市内地でありまして、都下三多摩のほうに一部市外地があろうかと思います。
  156. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 実は鳥取県のほうでポストをぜひ設置してもらいたいと、そういうわけで郵便局長さんにかけ合ったけれどもなかなかつくってくれないというのですね。ここは実は百四十五世帯のアパート・団地なんですよ。三百メートル離れているというのですけれども——それで私が郵政局に聞きましたところが、ポストを設置するのは地元の郵便局長の判断だと、やはり郵便局でそういう集配の、ポストを回って集めてくる、そういう人員の関係があるわけですから、あまりふえてしまうと予定時間に帰ってこれない。確かにそれはそのとおりだと思うのですけれども、そうなりますと、やはり住民の要望が——もちろん基準があるのはやむを得ないと思います、無制限にふやすわけにいかないから。基準に合っても、地元の郵便局においてそういう人員がいないから、あるいは労組が反対するからと、そういうような理由のもとに設置がされない。そういうことがあると大衆サービスという点からいっても逆行するのじゃないかと思うのですけれども、そういう点で私お聞きしたいのは、基準に合うところであるならば必ず全部郵政省としてポストを設置してくれるのかどうか、あるいは地元の局が反対ならばできないのか、その点はどうなんですかね。
  157. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) ポストの設置基準は、ことばをかえればサービス基準でありますから、きめた以上はそれは守るべきだと思います。したがいまして、いまお話がございましたところは、ポストの設置基準には合致しておるわけでございますね。
  158. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 ちょっと世帯が足りない。
  159. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) そうしますと基準に合わないということでございますね。
  160. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 だから、基準に合うところは全部やってくれるのかということを聞いているわけです。
  161. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) ですから、基準に合うところはやるという大方針がございます。ただ、その受け持ちの局長が申しましたようなことが間々ございまして、と申しますことは、取り集めの要員問題がからむわけでございまして、しばらくお待ちを願いたいということを申し上げる局長がおるかと思いますが、これは置かないということじゃございませんで、準備が整うまでしばらくお待ちを願いたいと、こういう意味合いで言っているものだと思います。
  162. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 駅にポストがあるところとホームにポストがないところとあるのですが、あれはどういう基準になっていますか。
  163. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 駅前には、これは必ずあると思います。プラットホームにつきましては、利用状況によりまして、あるいはないところは、いなかのほうの駅にはないかもしれません。
  164. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 東京の新幹線のホームでございますが、あすこは日本で一番人口の移動も激しいところじゃないかと思うのですけれども、東京の新幹線の駅にはポストがございますか。
  165. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 新幹線のプラットホームにはございません。東京駅には玄関口と、プラットホームといたしましては九番線に一個ございます。その利用状況等につきましてはこれからちょっと調べさしていただきたいと思いますが、同時に新幹線のプラットホームのことにつきましても実情を少し調べてみたいと思います。
  166. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 新幹線に乗る人は非常に忙しい人ですね。しかも日帰りで東京から大阪に通う。そういうような人こそ列車の中で手紙を書いたり、そういう点で非常に手紙を出す点からいけば私はもう調べるまでもなしに、当然東京の新幹線のホームなんかにはポストを置くのはこれは当然じゃないか、そういう点で私は郵政省ポスト設置に対する考え方において、まあ確かに新幹線の駅というのは、そこに平常住んでいる人はいないわけですから、そういう申し出はないかもしれませんけれども、やはりそういう点は、ただ住民の申し出があってやかましいところからつけるというのじゃなくて、もっと大局的に考えてやはりそういうところには積極的に私はつけるべきだと思う。前向きにひとつこの点、検討していただきたいと思うのですが、大臣どうでしょうか。
  167. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 私も賛成です。
  168. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 列車の中には切手は売っているけれどもポストはないのです、列車の中には。
  169. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 列車の中にはございません。列車によりましては郵便車を連結して走っているのがございますが、そのわき腹にはポストがございますので、停車時にプラットホームにおりられて、そこで投函するという方法はございます。
  170. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これも、列車なんかにもポストなんかつけたほうが非常に国民の皆さんが便利じゃないかと思うのですね。われわれないために、手紙なんか出す場合には停車時間にさっと行って、そのホームにあるときはいい。ないときは非常に困る。そういうわけで列車なんかにこれはつけたほうがいい。多いほうがいいわけです。それは列車の中につけるといえば、これはもちろん列車は国鉄の管轄ですから、郵政省だけの一存でいかない点はもちろんあると思うのですけれども、そういう際に郵政省としては何か特別な困難な問題があるのか、そういう点はあるいは検討する用意があるのか、その点はどうですか。
  171. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 今日まで正直のところ検討いたしておりませんでした。今後の検討事項にしたいと思います。
  172. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 検討が非常に多いわけですが、まあひとつ前向きに検討していただいて、もちろんコストの問題もあるわけですから、試験的に新幹線の駅ぐらいにつけてみるとか、国鉄との話し合いもあるわけですから、そういう点はひとつ前向きに検討していただきたいと思います。  それから記念切手の問題ですが、記念切手の種類の決定あるいは枚数、発売方法、これはどういうぐあいになっておりますか。
  173. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 記念切手につきましては、この関係の行政官庁に照会を出しまして希望を求めるわけでございます。新しい年度の発行希望を募集すると、こういう作業がまずございまして、希望が集まりましたところで、この一応の整理はいたしますが、最終的には郵政審議会にはかりまして、郵政審議会の議を経て最終的に郵政大臣が決定するということになっております。件数、種類、発行枚数等につきましては特段の定めはございませんで、この何年か続けてきております慣例がございますので、その慣例を参考とし、かつ切手の需要状況等も勘案いたしまして、発行の件数、種類ごとに発行枚数をきめておるというのが実情でございます。
  174. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 発売はどういうぐあいにやっておりますか。
  175. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) これは郵政の窓口において発売をするということでございますが、その中には売りさばき所というものは含まない。それから簡易局というものは原則として含まない。売りさばき所は原則として入れないということでございます。実際の扱いにおきましては相当売りさばき所においても発売をいたしております。
  176. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 実は先般、ちょっと新聞の投書にもあったのでありますけれども、記念切手を買うために東京の郵便局に相当大勢の人が並んで待たなければ買えない。私は、何もそういう需要の多いものであればどんどん印刷して売れば、それだけ郵政省はもうかるわけでありますので、何もそういうものを枚数を制限して、忙しい国民大衆の皆さんを長時間並ばせるということは、これは現在労働力不足のおりからも私は非常に国の損失じゃないかと思いますが、そういう点、先般ある新聞に、そういう意味の投書も載っておったわけでございますが、そういう記念切手の発売方法、枚数等においても私は検討すべきじゃないか。少なくともやはりほしい人には全部手にわたるように、それだけの枚数を印刷すべきだ、かように思いますが、その点が一つ。  それと、売り切れになった場合——買いに来て売り切れになった場合、そういう人がないからといって帰る場合、そういう人は名前と住所を控えていって、そのときはお金を預かっておいて、あとから送るくらいのサービスをすべきじゃないかと思いますが、その点大臣どうですか。検討する用意があるかどうか、伺いたい。
  177. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) まず事務的に申し上げましてから……。
  178. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) まず事務的に申し上げます。この特殊切手の発行の回数でございますが、やはりいろいろな事情考えまして、一年に二十件相当のものを発行する必要があるわけでございます。また一件につきましては、二種類三種類のものを出しますから、種類として申し上げますと三十種類をこす切手の発行になるわけでございますが、これはあげて大蔵省印刷局の印刷によるということになっておりますので、印刷局といたしましては、みずからの印刷能力を考えまして、また年間二十件、三十数種類の切手を出さなければいけませんので、一つの種類のものにつきまして印刷にさく時間というものはおのずから限度がある。一つのものに長く印刷にかかっておりますと、次の発行ができないというような押せ押せの実情もございますので、おのずから発行枚数は制限があるわけでございます。しかし、最近切手需要が非常に多い実情にございますので、極力発行枚数を多くするということにいたしまして、ここ四、五年来だんだんふやしてきておりまして、最高で三千五百万枚は出しております。全部がそうだというわけではございませんけれども、そういうふうにしまして、極力切手のほしい人には手にわたるようなことを考えているわけでございます。また、郵便局でどうしても手に入らないという場合には、東京中央郵便局切手普及部というものがございまして、そこで通信販売をするという道も残されております。それで完全かと申しますと、実はそうでございませんで、そこに申し込んでもすでに品物がなくなっているという場合もございますので、普及部がオールマイティーではございませんけれども、極力入手ができるようなことを考えるという方向ではいるわけでございます。
  179. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) 記念切手の発行というのは、これは一部はコレクターによって趣味的に退蔵される面がございましょう。そのほうがむしろ多いかもしれません。それから、一般的にこれを常用して使うという方もあるのでございまして、その枚数等はデザインその他による人気みたいなものもあると思うのです。したがって、その辺の検討は郵務当局が専門家でございますから、およそのエスチメートをしまして、そうして発行枚数を決定しておるようでございます。したがって、できるだけ需要に応ずるということをたてまえにいたしまして、あまねくこれが行き渡る努力をしておることは、いま局長から申し上げたとおりでございます。さっき御指摘の、住所を書きとめた封筒までお預りしてというところまでは現在ちょっといきかねるかもしれませんが、通信販売のような仕組みもございまして、そういう機構をあげて、できるだけ国民の御期待にこたえるという方向で処理をしてまいりたいと思います。
  180. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 国民の皆さんが並んでも買えないということでは非常に残念だと思いますが、たくさん売ることが郵政省の赤字解消にも役立っていくわけですから、そういう点ひとつ前向きに検討していただきたいと思います。  それから次に、請負配達の問題でございますが、全国郵便速達、電報等の請負配達の実情ですね、特に手数料関係が大体どういう基準になっているのか、そういう点簡単でいいですが……。
  181. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 請負集配人という制度がございまして、これは全国で千五百四十九名おります。それから似たようなことで電報配達請負人というものもございます。これが全国で五千百二十六名いるわけでございます。これらの人の請負料は、作業時間によって違いますが、最低月に八千円、最高が四万二千円というのが実態でございます。
  182. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 電報のそういう請負配達に達しては、いわゆるボーナスなど出されているのかどうか、また、服、作業靴、自転車、バイク、そういう点のいわゆる使用料、ガソリン代等はどうなっておりますか。
  183. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 年末と盆の時期、それと年度末には請負料を増額いたしまして、いわばボーナスというような形での増額をいたしまして支払っております。請負集配につきましては、年末に一・二カ月分、夏におきましては〇・三カ月分、年度末におきましては〇・二カ月分というのが四十四年度の実態でございましたが、大体毎年こういうかっこうでやっております。この請負者の服装につきましては、大体本務者に準ずるということで、服、作業靴、自転車等につきましては貸与をいたしております。
  184. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 実は私のところに、これは電報の請負人からのそういう手紙もまいっておるわけでございますが、その手紙によりますと、いまの局長の御説明とだいぶ違う点があるわけでございます。その人が三十八年に請負人になって以来、今日まで手数料以外の手当のようなものはいまだかつてもらったことがない。まあ本人は、もらってもそういう特別手当ということを知らないでもらったのかもしれませんが、それと被服は三年に一回、外套は五年に一回、そして本務の人は返さぬでいいけれども、電報のほうは返さなくちゃならぬ。くつは自分で買わなきゃいかぬ。雨ぐつも自分で買う。バイクも自分で求め、ガソリン代も月に三千円必要だけれども、これは全部自分で払っている。しかも、そういう人たちは電報あるいは速達の配達に終日かかってしまって、ほかの仕事をする時間がない。そういうようなことでございまして、これは本務の人たちに対して、そういう請負の人たちは労働組合もございませんし、待遇の面において非常に日陰になっているんじゃないか、私はそういう点を非常に心配しているわけです。その点どうですか。
  185. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 電報請負人につきましても、先ほど申し述べました集配請負人と率は違いますけれども、年末と夏季につきましてはボーナスが出る仕組みになっておりまして、これは全国一律に行ないますので、いまおっしゃいましたように、全然そういうものが支給されていないということにつきましては、その理由が私はわからないわけでございまして、後ほど実態をもう少し調べてみたいと思います。  それから、バイクは自分のものを提供して、油の費用も自分で持っておるということでございますが、電報の請負人につきましてはバイクは官用のものを使ってもらう、こういう大方針がございますのに、いまおっしゃいましたようなことは私実情がわかりかねますので、もう少し調べさしてもらいたいと思います。
  186. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 その点は、ではもう少し具体的にあとで。何かの手違いかもしれませんが、いずれにしても要望として、そういう労働組合もない、しかも非常に辺ぴなところで苦労している人たち、そうした人たちはストをやったり、そういうことがないわけでありますが、だからといって、いいかげんにならないように、そういう人たちにこそ報いることのできるような、そういう点を郵政省のほうでひとつ気を配ってやっていただきたい、このことをひとつ郵政大臣に要望いたします。  それから次に、郵便番号の問題でございますが、先般、これも新聞の投書でございますが、この人は豊中の人ですが、鹿児島に出張して、そうして豊中の自分の家に速達で出した。ところが、その場所は豊中であるけれども、局は吹田千里局である。そういうわけで、郵便番号のそばの住所のところにわざわざ吹田千里局ということも書いて出した。ところが家に帰ってみたら、まだはがきは着いてない。それで、非常におくれておったのはなぜかというと、わざわざ郵便番号も書き、吹田千里局という名前まで書いているのに、それが豊中市の局に行っている、そのためにまた吹田千里局へ転送されてきた。そういうわけで非常におくれちゃったわけですね。はなはだしい郵便番号無視だ、そういうような本人の投書でございました。これはまあ、おたくにいろいろお伺いをしたわけでございますが、こういう問題については単なる局員の誤りなのか、そういう点はどうなんですか。
  187. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 本件につきましては実情を調査いたしました。郵便物には郵便番号が正確に記載されてありましたし、配達局である吹田千里局の局名も書いてありましたし、それから居住地である行政区名豊中市という文字もありました。それにつきまして、おそらくこれは大阪中郵において区分されたと思うのですが、担当者がうっかりいたしまして、いま書いてありますものの中で豊中という字句だけを拾い上げまして豊中へ送付したというのが実情のようでございまして、これはもう言いわけが立たない、当務者の全くのミスでございます。その場所につきましては当然番号区分をやるべきところでございまして、今後十分注意をしたいと思います。
  188. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それで、私がお聞きをしたいのは、いま郵政省は、国民の皆さんに対して番号を書け書けと、そのように言っているわけですね。ところが私のある人から聞いた話では、現在郵政省としては、この番号区分機のあるところは別としても、そういうもののないところでは番号による区分をやってないんだ、それを六月一日からやるとか、そういうような話を私聞いたわけなんですけれど、これが単なる個人的な誤りであるならば、これは別に——人間ですから、それはミステークもあるでしょう。しかし、国民の皆さんには番号を書け書けと言いながら、郵政局としてはその番号による区分をやってない。いままでと同じような、そういう市とか郡とか、そういう町名によるやり方をやっているとするなら、私は非常に国民に対する一つのデマ宣伝といいますか、誠意がないと思うんですね。そういう点で、現在いわゆる区分機のないところでも、この郵便番号によって区分をちゃんとやっておるのかどうか。郵政局としては日本全体が、この番号というものを利用しているのかどうか、その点どうなんですか。これは単なる、ミステークなんですか。
  189. 竹下一記

    政府委員竹下一記君) 郵便番号による区分はいたしております。比較的物数の多い六大都市相互間、それから自府県内——自分の府県ですね、相互間におきましては、番号区分をやるというたてまえで、各局においてはそれを励行しているわけです。それに該当する、番号区分をする物数は、郵便番号を書いていただいた物数のおおよそ三分の二に相当するわけでありまして、だとするならば、三分の一はせっかく書いていただいているにかかわらず、区分の上で利用しないではないかという不安が残りますが、これはまことに心苦しいわけでございますが、その言い分といたしましては、番号の記載率が必ずしもいままで高くなかったということがございました。ところが最近、記載率がだんだん上がってまいりまして、全体の平均で七五%にはなったように思われまするししますので、先ほどお話がございましたように、六月一日からいよいよ番号区分の全面実施といいますか、本格実施ということに踏み切ることにいたしまして、目下準備を進めております。そうしますと、これからは書いていただきました番号は全部利用さしてもらう、むだなく番号区分をやるという体制ができ上がるわけでございます。今日までは若干、申しわけないことながら、そういうミスが出た面がないわけではなかったわけでございまして、そういう事態は早く改めたいということで、目下切りかえる方向で勉強している次第でございます。
  190. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 六月一日からは郵便番号というものを全面的に活用する、そのような方向にいくと、そういうお話で、いままでのことは済んだことであれですけれども、われわれ当然いままでも本格的に郵便番号というのは全部使われていると思っていたわけです。だから一生懸命、われわれも逓信委員ですから、逓信委員が番号を書かなかったらまずいと思いまして、いつもわれわれ書いておったわけですけれども、そういう点六月一日から本格実施なら、それまでは不本格実施ですから、ちょっとばかり裏切られたような、そういう気持ちでちょっと伺ったわけですが、まあ済んだことで、六月一日から実施ということですから、その点了解いたしました。  それともう一つ、もう時間もございませんので、これは簡易保険の勧誘の問題で、これもやっぱり新聞の投書ですけれども、保険の勧誘員が学校に行って、それで新入生に全部勧誘さした。そのときに、一カ月の掛け金は二千五百余円ですか、これが最低なんだ、そして勧誘さして、そういう集金を全部学校でやって、それでまとめてやれば郵政局のほうから手数料が出る、それを学校の設備に使う、そういうので勧誘にきた。これはそういう趣旨そのものはいいと思うのですけれども、ただやはり父兄としては、学校と郵政局と組んで、そしてしかも一番安いのは五百円、最低五百円の掛け金があるにもかかわらず、二千五百円が最低だと、こういう勧誘のしかたは、無知な主婦をだます行為としか考えられない。ある人には最低は千余円だと、ほかの入学生の父兄に対してはそう言っているというのです。人によってそういう最低額が違うというのはどういうことか。そういう点で簡易郵便局のそういう勧誘のあり方というものは、非常に学校と結びついて、やはり生徒の父兄というのは学校当局に弱いわけですね、そういうのを利用して、半ば強制的に行なわれているような、そういう感じを受けるのですが、私はそういうのはちょっと簡易保険としては行き過ぎじゃないか、そのように思うのですけれども、その点はどうなんですか。
  191. 上原一郎

    政府委員(上原一郎君) 御説明申し上げます。  まず第一点は、いささか強制募集的な要素があるのではないかという点でございますが、その点はございません。勧誘員の説明不足がございまして、大体保険契約者が十五人以上集まりますと簡易保険料が割り引きになるわけです、七%。そういたしますと、保険料は安くなる、そのうち二%は事務費だということでPTAが使えるわけでございます。したがって、そういった意味で勧誘しているということで、いささか強制にわたるのではないかという点については、そういうことはございませんということは申し上げることができるかと思います。しかし、人によって最低額が違うという点につきましては、これは全くどうにも釈明のしようがございません。実はこの点が説明不足でございまして、この場合は十五年満期の養老でございますけれども、保険の最低額は十万円でございますから、月額五百円というのがございます。そこで、説明が不足だというのは、この投書された方のうちはお医者さんのようでございますけれども、まあ、おたくの場合は十万円ではなしに——十五年たったら十万円じゃ少のうございますから、五十万円くらいは、あるいは百万円くらいはという一句が欠けたのだろうと思います。そういった説明不足がございまして、どうもやはり加入者に十分なる御納得を得てやるというのがわれわれの保険の募集と申しますか、勧誘のあり方でございますから、その点は重々指導してまいりたいと存じます。したがって、御指摘の点については、強制募集という点はないけれども、そのうそをついたという点については、全くここでおわびをしたい、こういうふうに申し上げたいと思います。
  192. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 新聞の一通の投書ではございますが、新聞に載る投書というのは、たくさんの投書の中から出るわけです。しかも、そういう気持ちを持っていても投書しない人もおるのです。新聞に一通出るということは、同じ考えの人が一万人おるということが言われておるのです。そういう点も、私たちは国民の皆さんの気持ちを知る上において、こういう一通の投書といえども、これは心していかなければならぬ。そういう点でこれはひとつ慎重にやっていただきたいと思うのです。  この前、新宿郵便局の事件がございまして、きょうは時間がございませんので深くは御質問できませんけれども、いろいろ聞いてみますと、ああいうときのあの犯罪をした人たちの、その一つの手口には、関係ない個人の人に融資をさして、その利子を保険のほうに掛け金にするとか、あるいはその保険によって郵政省から金を借りてそれを融資したり、そういうように非常に簡易保険と巧妙にからんでやっているわけなんです。私は、簡易保険もただ役所の仕事ではなくて、そういうほかの企業と同じように企業意識を持ってやっていくことは、ある面からは大事だと思うのです。それがあまり行き過ぎて、保険契約をあげる——ああいう犯罪を犯した人は、全部契約においては優秀な人なんです。そのノルマをあげるために結局そういうようなやり方にいくと、そういうことも私は考えられると思うのです。しかも、簡易保険の勧誘については、一件当たりどれだけの手当を出すと、ほかの外務員に比べるとかなり給料もいいわけです。そういうような姿勢というものは——私はやはり簡易保険というのは、一般の郵便とは違って、ただ金額の額だけではなくして、何かおたくの書類を見ると、ことしの二月二十一日に目標を全部達成した、来年度は何ぼだと、金額ばかり目標に置いている気がするのです。私はむしろ、簡易保険の方向としては、もちろん金額も多いに越したことはありませんけれども、それよりやはり、よりたくさんの国民大衆の皆さんに身近に利用していただける、そういう方向に向けるべきではないかと思うのです。ちょっといま簡易保険が、あまりにもほかの民間金融機関と競争して、金額ばかりどんどん、特別手当を出すからやれと、そういうようなやり方で、あっちこっちに弊害を起こしたんでは、また簡易保険に対する国民の皆さんの信頼もなくなってくるのではないかと、そういう点を私は憂慮して、こういう質問をしたのです。その点に対する局長及び大臣のお考えを聞きまして、終わりたいと思います。
  193. 上原一郎

    政府委員(上原一郎君) いま御指摘の点につきましては、まさにおっしゃるとおりでございまして、簡易保険はただ保険金額あるいは保険料額のみの増加を目的といたしておりません。普及率の向上という点が国民保険としての使命でございますので、その点の向上をはかる。したがって、ことしも実は前年よりも五%ばかりよけい取ろうといったような目標も与えておりますし、それから昨年度成立いたしました傷害特約というようなことから保険も大型化しております。したがって、まさに御趣旨のとおりのことを実行して国民保険の実効をあげてまいりたい、こういうふうに考えおります。
  194. 井出一太郎

    国務大臣井出一太郎君) ただいま簡易保険局長から御答弁を申し上げたとおりでございます。なおまた、新宿局の不祥事件にお触れになりましたが、こういうことは今後根絶すべく鋭意注意を払う所存であります。
  195. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 終わります。
  196. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  197. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  198. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一〇五号)(衆議院送付)を問題に供します。  本案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  200. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  201. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  別に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十一分散会      —————・—————