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1970-04-16 第63回国会 参議院 逓信委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年四月十六日(木曜日)    午後一時十一分開会     —————————————    委員異動  四月十五日     辞任         補欠選任      大谷藤之助君     菅野 儀作君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         近藤 信一君     理 事                 長田 裕二君                 新谷寅三郎君                 松平 勇雄君                 永岡 光治君     委 員                 植竹 春彦君                 白井  勇君                 菅野 儀作君                 寺尾  豊君                 久保  等君                 森  勝治君                 青島 幸男君    政府委員        郵政政務次官   小渕 恵三君        郵政大臣官房電        気通信監理官   柏木 輝彦君        郵政大臣官房電        気通信監理官   牧野 康夫君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    参考人        国際電信電話株        式会社取締役社        長        靱   勉君        国際電信電話株        式会社取締役副        社長       八藤 東禧君        国際電信電話株        式会社常務取締        役        板野  學君        国際電信電話株        式会社常務取締        役        竹内彦太郎君        国際電信電話株        式会社常務取締        役        甘利 省吾君        国際電信電話株        式会社常務取締        役        黒田 義晴君        国際電信電話株        式会社常務取締        役        増田 元一君        国際電信電話株        式会社取締役   増森  孝君        国際電信電話株        式会社取締役   有竹 秀一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (国際電気通信事業に関する件)     —————————————
  2. 近藤信一

    委員長近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十五日、大谷藤之助君が委員を辞任され、その補欠として菅野儀作君が選任されました。     —————————————
  3. 近藤信一

    委員長近藤信一君) これより、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  まず、国際電信電話株式会社取締役社長から、国際電信電話株式会社事業概況について、説明を聴取いたします。靱参考人
  4. 靱勉

    参考人靱勉君) 本日、逓信委員会参考人として出席を求められました国際電信電話株式会社社長の靱勉でございます。どうぞよろしく。  本日はまことに貴重な時間をいただきまして会社事業の概要につき御説明申し上げる機会を得ましたことをありがたく存じますとともに、平素格別の御指導を賜わっておりますことに対し厚く御礼申し上げます。  当国際電信電話株式会社昭和二十八年創立以来十八年目を迎えたわけでありますが、この間、当社短波通信から広帯域通信へと歴史的な転換を遂げつつ、社業の充実発展をはかってまいりました。  すなわち、新型海底同軸ケーブル開発衛星通信技術の進歩により、国際通信回線広帯域化世界的趨勢となるや、当社はいち早くこの時代の流れをくみとり、昭和三十九年には太平洋横断ケーブルを敷設し、初の広帯域幹線を実現いたしました。また、インテルサット国際商業通信衛星組織)発足と同時にこれに加盟して茨城山口地球局建設いたし、太平洋インド洋地域衛星通信網完成する一方、日本海ケーブルによる日欧間通信幹線開設するなど、わが国国際通信史上画期的な建設事業に取り組んでまいったのであります。  当社は今後この安定かつ良質な通信幹線を活用いたし、先進国は申すに及ばず発展途上各国とも回線を設定して、世界をおおう通信網の形成に努めますとともに、国際化情報化時代にありまして一そう会社の使命を自覚いたし、たゆまざる研究と真剣な企業努力を重ね、国民の皆様に御満足いただけるようなサービスを提供いたしたいと存じております。何とぞ今後ともよろしく御指導をお願いいたす次第でございます。  つきましては、ここにまず最近一年間の事業概況について御報告申し上げます。  昭和四十四年度における設備拡張改良計画のうちおもなものといたしましては、衛星通信関係をはじめ日本海ケーブル完成による日欧間通信幹線開設国際加入電信交換の全自動化等がございます。  まず第一に衛星通信関係でございますが、昨年度の特記すべき事項といたしましては、かねてより山口市郊外に建設を進めてまいりました地球局が六月に完成いたし、同年八月からインド洋上のインテルサット号衛星を経由しまして、欧州、中近東及びアジアとの衛星通信を開始したことがあげられます。山口衛星通信所では、現在、英国西独、インドネシア、クウェート及びマレーシアとの間に衛星回線を運用いたしており、これらの地域との通信事情は一段と改善をみておりますが、さらに本年度は、インド、シンガポールをはじめイタリーフランス等欧州主要国との回線開設計画いたしております。  一方、茨城衛星通信所におきましては、タイ、香港及び台湾との回線を追加し、太平洋地域衛星通信網を一そう充実いたしました。  以上申し上げましたとおり、茨城山口地球局により東西二つ衛星幹線完成をみましたことは、ひとりわが国通信サービスが拡張されたことにとどまらず、通信路多様化によりまして、わが国世界を結ぶ通信センターとしての役割を一そう高めたのでございまして、現に昨年七月、アポロ11号打ち上げの直前、大西洋上通信衛星が故障となりました際に、欧米各国からの緊急要請に基づき、会社機動性を遺憾なく発揮して、太平洋インド洋にまたがるテレビ伝送回線を成功裏に設定し、人類初月面着陸の模様を中継して世界各国の人々から感謝されたのであります。  第二は、日本海ケーブル完成でございます。このケーブル計画につきましては、すでに御承知のことと存じますので、詳しいことは省略させていただきますが、わが国の直江津とソ連のナホトカとの間約九〇〇キロメートルを結ぶ海底ケーブルは、KDD丸によりまして無事敷設をおえ、予期以上のすぐれた性能をもって昨年七月正式に開通をみました。本ケーブルは、シベリア大陸を横断してモスコーへ、さらにスイスをはじめ欧州主要国へと接続され、衛星回線とともに日欧間の一大通信幹線を形成することとなりました。現在、このケーブル回線によりまして、スイス英国西独イタリー、オーストリア及びソ連との間に直通線が設定されており、これらの回線欧州のほとんどすべての国々によって利用されておりますが、今後さらに直通回線対地を拡張してまいる予定であります。  第三は、国際加入電信、いわゆるテレックスの全自動交換の開始でございます。テレックス通信量は、おかげをもちまして毎年著しい伸びを示しておりますが、この交換作業機械によって自動化いたし、交換接続即時化をはかるため、当社は数年前から準備を進めてまいりました結果、昨年八月四日、米国及びカナダとの間に全自動運用を開始いたしました。その後さらに香港、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、西独及び英国を加え、全通信量の七割強を自動化いたしまして、ここに「いつでも」「すぐに」通信できるテレックスの理想の姿が実現したのでございます。なお、全自動化に伴いまして、一分一分制料金を採用いたし、利用の一そうの便宜をはかっております。  続いて昭和四十四年度営業概況について申し上げます。まず取り扱い業務量の実績でございますが、これは回線の新増設によるサービス向上貿易伸長等による需要増の結果、主要な各乗務ともおおむね順調な伸びを示しております。まだ年間の数字が確定しておりませんので、概数でございますが、主要業務別に見ますと、国際電報五百九十九万通、国際加入電信二百七十三万度、国際電話は百五十九万度となり、それぞれ前年度に比較して四%、四一%、二八%増加いたしております。  次に、経理の概況を申し上げますと、まず昭和四十四年度上期の収支状況は、営業収益百三十八億円、営業費用は百億円となり、これらに営業外収益営業外費用及び特別損益を加減したこの期の利益は二十三億円となっております。四十四年度の下期につきましては、ただいま数字を取りまとめ中でありますので、確定的なことは申し上げかねますが、おおむね順調な決算ができるものと考えております。資産状況につきましても、三月末の数字を申し上げる段階にございませんので、四十四年九月末について申し上げるわけでございますが、資産総額は四百四十九億円でありまして、そのうち流動資産は百三十九億円、固定資産は三百十億円となっております。一方、負債総額は百九十二億円で、そのうち流動負債は九十七億円、固定負債は五十二億円、引き当て金は四十三億円となっております。したがいまして差し引き純資産額は二百五十七億円となっております。  以上で昭和四十四年度概況報告を終り、続いて昭和四十五年度事業計画関係について御説明申し上げます。  本年度は、先ほど申し上げましたように、完成をみました一連の広帯域通信幹線網利用充実をはかり、これをもとにしてサービスの一そうの向上を目ざして諸般の施策を進めてまいる所存でございます。  すなわち、当社の今年度設備計画といたしましては、茨城第三地球局建設をはじめ広帯域幹線関係施設整備に引き続き努力いたすことのほか、通信回線の新増設通信設備近代化、新総合社屋建設非常障害対策、新技術研究開発等を推進することとし、これらに要する経費といたしまして百四億円を予定しております。このうち対外通信回線の新増設につきましては、広帯域幹線完成により、高品質の回線を多数設定することが可能となりましたので、加入電信七十六回線国際電話七十四回線をはじめとして、専用回線電報回線等、総計二百九回線を新増設する計画であります。これが実現いたしますと、当社対外回線は全体で千三百回線に迫り、国際通信サービスの一そうの改善向上をみることとなります。  また、現在使用中のインテルサット号係衛星は、数年を経ずしして需要に応じきれなくなることが予想されますので、インテルサットでは新しく電話五千回線以上の容量を有する4号系衛星の打ち上げを計画いたしておりまして、太平洋地域にはこれが昭和四十六年度後半に打ち上げられる予定でございます。当社はこれに対応しまして、茨城衛星通信所に第三地球局建設いたすこととし、明年八月の完成目途として工事を進める予定であります。  次に、通信設備近代化計画としましては、現在人手によって行なわれている電報中継作業及びこれに関する処理作業を、大型電子計算機システムにより機械化しようとする電報中継機械化計画を明年二月末から実施に移してまいる予定であります。  次に、新国際通信センター建設でございます。国際通信質量両面における爆発的発展増大に対処いたし、時代要請に応じた十分なサービスの提供をはかるため、当社が昨年、長期的な見通しのもとに新宿副都心地区に約一万平方メートルの土地を購入いたしましたことは、昨年のこの席上で御説明申し上げましたところでございますが、本年度昭和四十九年完成目途としてここに建設いたします新しい国際通信センターの具体的な設計を進めるとともに、地質調査にも着手いたすこととしております。  なお、以上の設備計画のほか、お客様の利便をはかるため新たに新東京国際空港ビル局開設いたし、あるいはまた大阪南局開設準備を進める等、営業所施設拡充整備をはかるとともに、ここ数年来対策を講じてまいりました非常災害時の通信確保につきましても、考えられる種々の事態を想定してさらに対策を強化充実してまいる所存でございます。また、従来多くの成果をあげてまいりました新技術研究開発につきましては、本年も広帯域通信方式通信機器自動化電子化のための研究を重点として、これを充実いたすこととし、あわせて新技術に対応する訓練施設整備してまいる方針でございます。  最後に、本年度収支につきましては、主要業務需要量国際電報六百二十一万通、国際加入電信三百八十二万度、国際電話二百八万度と見込みまして、この予測のもとに収入については約三百三十七億円、支出については一そう経費効率的使用につとめることとし、約二百九十五億円を予定いたしました。  以上、簡単でございますが、事業概況の御報告といたします。何とぞ今後とも一そう御指導、御鞭撻のほどをお願いいたします。  なお、歯の治療中でございまして、お聞き苦しい点のございましたことを深くおわび申し上げます。  以上でございます。
  5. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 本件に関し質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 白井勇

    白井勇君 資料要求できないでしょうか。いいですか。——これ、たいへんけっこうな現況のをいただいたのですが、読むよりも一目でわかるような何かあったら、非常に、国際電電はこういう姿で、日本通信網というものは世界的に発展しているということがよくわかりそうだと思うので、何かそういうものがあったらいいと思うのです。そういうものがございましたら、ひとつ準備してください。
  7. 靱勉

    参考人靱勉君) 図表を用意しましてごらんにいれます。
  8. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 簡単に二、三の点で御質問しますが、一番初めに、これは質問というよりも私の希望なんですけれども、衆議院でもそうでしょうが、参議院でも関係委員会で、一度、国際電電首脳部を呼んで状況説明を聞こうじゃないか、こういう話が出て、いつも毎年そうなんです。委員会出席を求めて、皆さんから状況報告を聞くのが例になっておるのですが、昨年もたぶんそういうことを申し上げたと思うのですけれども国際電電は、申すまでもありませんが、法律によって日本国際電気通信をほとんど独占的にやっている会社です。非常に特殊な地位を持っている会社であり、国からも保護を与えられておる。でありますから、NHKその他の法律にあるように、国会に毎年こういう業務報告をしろとか、計画を出せとかいう規定はありません。あるいは、これはまあいまの事態で立法すればもっと違った立法になったかもしれませんが、とにかく現行法ではないのです。ないからといって、要求があるまで国会には業務報告もしないということでは、これは国会におけるこういう国際電気通信というような非常に重要な問題の取り扱いに差しつかえる点が起こってきやしないか。言うまでもありませんが、国際電気通信というものは外交関係にも非常に関係があるし、あるいは貿易とか、文化の交流とか、各国親善関係を増す意味で非常にこれは大事なものですから、これに対してはおそらく単に逓信委員会だけではなしに、ほかの関係委員会でもどうしたらいいのか、どうなっておるのかということについては非常に関心を持っておると思うのです。でありますから、私はこれは法律に書いてないから、ぜひお出しなさいということは申しませんが、そういう非常に重要な仕事を担当しておられるのだから、少なくとも一年一ぺんぐらいは自発的に業務報告提出されて、それについてもし質問があって各委員から何か尋ねたいということがあれば、そのときには皆さんにおいでを願って質疑応答の時間をつくって十分論議をしてもらう、そういうふうな慣習をつけておいたほうが、これからのあなた方の会社仕事発展の上にも非常に私はプラスになる面が多いのじゃないかと思うのですがね。これは私の要求となると非常に困りますから、単なる希望ですけれども、これについてどういうふうにお考えになっておりますか、これは社長からでもお答え願いたいと思います。
  9. 靱勉

    参考人靱勉君) ただいま事業概況報告を申し上げましたが、申すまでもなく、一九七〇年代の国際通信はますますいろいろな問題に当面することと存じております。ただいま新谷委員からお話しの趣旨は、私どもはやはり国民利益のために奉仕する機関でございます。独占的に国際通信公衆通信業務を担当いたしておりますので、在来、もちろん政府監督機関に対しましては緊密なる御連絡を申し、いろいろと御指導をいただいております。また、国会へも必ず年に一回以上はお呼び出しをいただきまして、御説明機会を与えられておったのでございますが、ただいまの御趣旨につきましては、私どもはできるだけ国民皆さん会社の実態、いろいろな問題について御理解を願い、また御協力をいただきますのは当然だと思います。御趣旨に沿うようにいたしたいと思っております。
  10. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これは私はいま靱社長に聞きましたが、法律規定によると、これは郵政大臣には毎年そういう報告が出ているわけです。あるいはこれは会社責任よりも郵政省がそういうことをやらなきゃならぬ立場にあるかもしれませんね。どちらからでもけっこうですから、大臣と相談をされて、かたい意味で、ひとつ業務報告みたいなものをもとにしていろいろ審議をするということよりも、状況はいつも関係委員会にはよく了解してもらって、将来の計画を進める上に協力をしてもらうというような考え方で、郵政省も進んでそういったことに対しては措置をされる必要があるのじゃないかと思いますが、郵政大臣によくお伝えください。
  11. 永岡光治

    永岡光治君 関連。いま新谷委員の御質問があったのですが、おそらくその御趣旨には皆さん御賛成だろうと思うのですが、国会に対する報告と申しますか、その提出のあり方だと思うのですけれども、直接国会から会社にということよりは、やはりそういう方法をとりますと、ひとり国際電電に限らず、他の民間の会社国会あるいは政府とのつながりが強いところの報告国会のほうで直接ということはやっぱり何か問題があるのじゃないかと思うような気もしますが、やはり所管大臣のほうから積極的に御報告いただいて、そして審議すべきものは審議するし、質疑するものは質疑する、こういう形式のほうが望ましいのではないかと思いますが、郵政省考えは、これは各委員意見も聞いてみなければならぬと思うのですが、どのようなお考えでありますか、それをお聞きしたいと思います。
  12. 小渕恵三

    政府委員小渕恵三君) 永岡先生御指摘のとおり、郵政省は当然に国際電電から業務報告提出を求め、それに対する審査をいたしておるのでございますので、その責任郵政省かと思いますので、郵政省側から国会提出することがよろしいかと存じます。
  13. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これと同じような問題ですけれども、話が向こうへ行ってしまったものですから、ついでに質問しますけれども日本国際通信については、これは相手の国もありますから、われわれが日本計画したようには一〇〇%いかないことはよくわかりますが、しかし、各地域別に、あるいは対各国別にそれぞれのいろいろの関係があるわけですから、それに応じてほんとうに神経系統になるような通信線というものですね、こうあるべきだ、こうしたいという、いわば将来に対する計画ですね、そういったものがなければならぬと思うのです。われわれも及ばずながら、個人的にはそういう計画を持っておりまして、郵政省も持っているでしょう、国際電電も持っていると思うのですが、そういったものは、私、記憶だとあまり委員会にも示されたことはないですね、それで、私は、はやりの年次計画等をここでお書きなさいというのじゃないのですが、しかし、相当にいま世界の情勢が流動しつつあることで、対欧州、対アメリカ、対東南アジアというふうにいろいろ考えてみても、この地域にはこうあってほしいとか、この国にはこうあってほしいというので、具体的にあなた方が交渉しているのが、あるいは各国機関を通じて交渉しているのが、それはいろいろの方法があるでしょうが、とにかく通信状態をよくするためのお互いの努力というものがなされていると思うのですね、そういう計画というものがもし郵政なり国際電電にあれば、やはりこれは通信政策ですから郵政大臣責任を持つべきだと思うのですよ、会社意見を聞いて郵政大臣責任を持ってきめるべきだと思いますが、そういったのがいまあるのかないのか、あるとすれば、そういったことについての何か資料を出して、国会でもこれを審議をしていろいろの意見を述べるような機会をつくられるかどうか、私はつくったほうがいいと思います。海外経済協力貿易、その他あらゆる面についてみんなが関心を持っている問題ですから、そういう計画を、あれば出されたほうがいいし、なければつくって出されたほうがいいと思いますけれども、これはどうですか、これは主として郵政大臣のほうでしょうが。
  14. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) 御承知のように、現在の国際電信電話株式会社法の十二条に、会社は毎営業年度——一年が営業年度になっておりますが、その事業計画を定めまして郵政大臣認可を受けるということになっておりますので、毎年度事業計画といたしましては会社が正式にそれを作成いたしまして郵政省提出しておるわけでございます。本日もこの席に事業計画として資料をお配りしてあると存じますが、もちろんこれだけではいまお話のようなところまで十分でない点があると思いますので、必要に応じまして、添付資料といたしましてそういうものが事業計画審査段階におきましては、郵政省においていろいろ会社から資料をとっているわけでございますので、それらを適当な形にまとめまして御要望に添えるようなものとして御提出できることを検討させていただきたいと思います。
  15. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 最後におっしゃったので、大臣とよく相談していただければいいと思いますがね。毎年毎年の事業計画という、これはたいした問題じゃないですね。私が申し上げているのは、たとえば東南アジア各国環境を見ましても、それぞれに非常に複雑な環境でありますけれども、私はこの通信線というものはもっと改善していかなければいけないと思っているのです。あとでその問題を主にしてもう少しお尋ねしたいと思う。それには毎年毎年、計画大臣のところに出されて認可を受けるからいいじゃないか。それで出すというのでは問題にならない。一つの通信回線をつくろうと思っても、そんなに半年や一年でできるはずないのですよ。何年もかかってつくるものが相当あるでしょうね。ことにケーブルなんかになりますと、何年かかりますかね。だから、そういったことを考えますと、相当前もって計画をきめて、そしてその計画が途中で変更したっていいですよ。いいが、とにかく関係各国と協調して進めていくという措置をとらなければならないし、それに対して国も関係機関もあらゆる協力をしていかないと、国際電電だけにまかせていたのではできませんよ。そういうことを申し上げているのです。ですから、計画を立てるにしても、立てたらひとつ差しつかえない範囲において委員会にも出されて、それで委員の了解を得て、また、一面協力も得て実現に邁進する、こういう形が望ましいのじゃないかということを言っているのですよ。もうおわかりなら返事は要らぬけれども大臣にそれをよくお伝えになっていただきたい。いままでそんな計画を出したことないのですよ、あなた方。だから、これからはひとつそういうふうにして、いま大事な時期だから、ひとつ前進をいたしますということでけっこうなんです。よろしゅうございますね。——私がきょう主として聞きたいと思ったのは東南アジア関係の問題なんです。世界中の国との間、それは言うまでもありませんけれども、通信というものが、貿易の上からいっても、文化の交流という点からいっても、交通という問題に付随しまして、これはどうしてもなきゃならない。特にある国との友好関係を増進しようと思うと、どうしたって通信というものが私はこれは一番の基礎になるものじゃないかとも思うくらいです。私はかつてこの委員会でも申し上げたことがあるのですが、東南アジアの国々、これはわが国とはどの国とも特に非常に関係の深い国々ばかりだと思います。社会的にも経済的にもお互いに依存し合っている度合いが一般の国、ほかの地域と比べてずっと多いと思います。そういう意味では、私は個人的な主張だといえばそれきりですが、少なくともこの人と人との間くらいは、いつ何どきでも電信電話が疎通できるようなたてまえにしておいてもらいたい、そういうふうな通信施設整備してもらいたいということを前にも申し上げたのです。これは貿易のために必要だとか、文化のために必要だということだけじゃなしに、もっと大きく政治的に言いますと、世界の平和というものにもつながってくる問題だと私は信じておるので、そういう意味で人と人との間はいつでも電話をかけようと思ったらかかる、いつ電信を打とうと思っても通ずるというような状態に置いておくことが、極東の平和の問題、極東の国々がお互いに友好関係を増進する上に必要欠くべからざるものだ、私はそういうふうに思っているのです。そういう見方で実は資料をもらったのですね。国際電電から資料をもらいました。数年前に調べたときと比べますと非常に改善されている事実は私も認めます。お互いに努力をしておられると思いますけれども、いま申し上げたような趣旨から言いますと、東南アジアの国々との通信関係というものは、今日まだ十分でないどころでなく、非常に足りない面が多いということを痛感するのです。たとえばある国との間では電報は何時から何時まで、電話は何時から何時までしか通じない、そのほかは一切だめだというような国も残っておりますし、それからこのごろ非常に利用されておるテレックスなんというものがまだ実行されていない国もあるようです。もちろんこれは日本だけの考え方でできるものじゃなしに、相手国との協議によってでき上がるのですから、相手国の意向もそれはもちろん尊重しなければなりませんけれども、いろいろな利害関係は別として、とにかくさっき申し上げたような意味においては、どこの国もそういう方向で協力をしてくれるだろうと私は思っておるのです。で、なおまだ不十分な国々がたくさんありますが、こういう状態に置かれておるということは、これは国際電電なり郵政省が非常に努力したにかかわらず、こういう状態にまでしか進み得ないと、こういうのか。あるいは国際電電郵政省努力したのだけれども、相手の国がどうしてもある理由でもってそれに同意しないのだというような状態なのか。少しそういったことにつきまして、ごく簡単でけっこうですから事情の説明をしてもらいたいと思う。
  16. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) 御説明申し上げます。  政策論につきましては、ただいま先生のおっしゃったことはまことにごもっともな御指導でありまして、それこそ私どもが日夜念願して努力いたしていかなければいけないところだと思っております。したがいまして、私は経過につきましてでございますが、過去十カ年間そういう方面を担当しておるものといたしまして申し上げます。何せ相手国におきまして、まずその国が外国とどれだけ通信するか、それによってその国はどの国と結ぼうかということを御判断になるようでございます。したがって、その御判断によってまずどの国とは何回線持つ、どの国とは何年後に持つとお考えになる、業務の点においても、先生がおっしゃったように、テレックスもいまだに、過去七、八回お願いしてみたところで、それはまだ将来のことであると御返答をいただいたところもある。あるいはやりたいけれども金がない、建設資本等について一体日本は出すのか出さないのか、いろいろな問題がございまして、御指摘のとおり、これはその国がその国の必要に応じて対外と結びつこうとしておるのでございますが、しかし、大勢は先生のおっしゃるとおり、少なくとも域内通信は自由であるし、重点通信は即時に行なわれるようにすべしという方向に、はなはだ先生にとっては歯がゆいことと存じますけれども、逐一歩、それに進めつつございまするし、あらゆる機会をとらえて、私どもはことに日本との間についてそれを促進するように努力してまいりましたし、今後も努力する次第であります。以上であります。
  17. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いまのお答えを聞いておりますと、こういうふうに了解していいですか。十分にいっておらない原因は相手国の事情によるので、日本側の事情によるのじゃないというふうに聞こえますが、そういうことですか。
  18. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。  日本側の事情と申しましてもいろいろあると思いますけれども、要するに、相手国側がそういう計画をお持ちになるように私たちは進めて、できるだけ協力していこうとしております。そういうことでございます。
  19. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私はまあこれ以上あまり深くお尋ねしてもどうかと思いますけれども、結局まあKDDとしては相当会社の経営状態もいいほうだし、またあとで資本のことを少し聞こうと思っておりますがね、そういったものに対する設備の投資をするくらいの経済的な余力は持ってるわけだから、相手がよろしいといえば、こちらはいつでもこれをフルに活用するだけの設備はいたしたいと、こういうふうな考えを持っておられると思うんですがね。違ったら違ったとあとで言ってください。そうじゃありませんとおっしゃるならあとで言ってください。で、相手の国の問題になりますとね、おそらくこれはKDDの問題ではないと思うのですね。郵政省の問題でもないだろうと思います。まあ、これが十分じゃないにしても、日本でいま盛んにふやそうとしておる、また世界の、国連なんかでももっと対外援助は強化しなきゃいかぬと言われておりますが、そういう対外経済援助というようなものを活用してでも、たとえば地上局をつくってやるとか、あるいはケーブルならケーブルのある部分を持ってやるとかいうようなことでまかなわなきゃならぬ部分が相当多いんでしょう。しかし原則的には、初めに申し上げたように、われわれが考えているように、ほかの国と、これが非常に政治に悪い影響を及ぼして、両方の国がいつでも結ばれておる、通信線によって結ばれておるということが政治的に悪い影響を及ぼすんだということは、今日はもうあるまいと思うのですが、どんなに政治体制の違った国においても、そういうことはあり得ないだろう。そうなると、相手の国との間のいろいろの具体的な交渉の結果、場合によっては対外援助というようなものを活用してでも、早く十二分な通信ができるような措置をとっていかなきゃならぬということになるだろうと思いますがね。KDD側の責任じゃないと思いますから。そういうことであれば、そういったことをKDDのほうから、あるいは郵政省のほうから、これはもっと具体的に国会においても、関係機関に対しても御説明になれば、私はもっとそういったいい結果が早く生まれてくるんじゃないかと思っておるんですがね。どうもことばが過ぎるかもしらぬが、どうも国際通信のほうはKDDにまかしておけ、郵政省ですよ。KDDのほうは、どうもそれは相手の言うことを聞かなきゃならないんで思うようにいきませんと、今日にずるずるときておるのがこの結果じゃないかと、私はそう思う。そういうふうに悪く考えればそう思う。もっとこれに対して積極的な姿勢で取り組まれたらどうですかということも言いたいんです。日本の経済力等の、日本の、まあ何といいますか、国際的な重要性というものもだんだん増加してくるという状態の中で、極東諸国との関係を見ると、こういう通信網の状態ではまだ十分でない。これは一日も早くもっと完全な状態にまで引き上げるように、早く改善策を講じてもらいたいと思うものですから、これはKDDや郵政省だけじゃない。もっと広くみんなに呼びかけて、政府機関関係機関協力をしていけるように、これは郵政省やKDDが積極的な姿勢をとるのも少しおくれているんじゃないか、足りないんじゃないかということを考えるものですから申し上げているんですがね。いかがですか、その点は。
  20. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) まことにありがたい御鞭撻でございます。私ども努力いたしますが、どうぞいろいろ御指導のほどをお願いをいたします。
  21. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) ただいまの国際的な協力、援助という問題に触れる点かと存じますが、私たちといたしましても、それぞれできるだけの努力を今後も続けてまいりたいと存じます。ただいまKDDのほうからのお話では、相手側の認識と申しますか、必要性の認識という点について、かなりまだ日本側との食い違いがあるという点がお話がございましたのですが、確かに相手側の通信当局のほうは十分認識しておりましても、国全体としての計画の中から、通信に対する理解が少ないというふうなために、せっかく日本側が技術援助、経済援助をするという態勢で話を進めながらもその話ができない。あるいは通信回線を、直通回線を持つということについても、実現がおくれるという例が間々あったわけであります。この点につきましては、近年、アジア極東経済委員会というような中での活動で、各国の経済活動の中で、お互いに通信の役割りを認識し合うというようなところから始めまして、国内の通信に対する重要性を高めるというようなことから手をつけていく、あるいは日本が中心になりまして、アジア関係各国の高級幹部を毎年呼びまして、そこでゼミナールをやるとか、あるいは技術研修員を年内百人程度のものをKDDにおいても研修をするというようなことを現にやっておりまして、漸次そういう態勢をつくってきているということを、この際に申し述べさせていただきます。
  22. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 時間があんまりありませんので、最後に二つ三つありますけれども、それをひとつまとめて申し上げます。  この表を見ると、通信回線として短波一回線とか二回線、あるいは衛星を使って何回線というような回線の取り方をしておりますが、第一にインテルサットを使っての通信というものは、あまり世間にはあらわれないけれども、ときどき何といいますか、障害が起こって使えなくなっているということも聞くんですけれども、その点からいうと、やはり万全を期する意味では、予備回線というものを持っていなければならぬと思うのです、どんな方法か知りませんが。それには近いところと遠いところ、いろいろあるでしょう。予備回線というものについてはどういうふうに措置をしておられるのか、これは衛星通信のほうで従来の経験からいって、どの程度の安定性があるのかということ、もっと続けて、時間がないからいいますと、日本の国としては、いまインテルサット協定に当たって、アメリカに対してむしろヨーロッパと共同して地域衛星の主張をしているわけです。地域衛星の主張は理論としては当然だと思いますけれども、ただ、かりに地域衛星の主張がインテルサット協定で通ったとしても、いまのこのような状態の通信では、一体、地域衛星を打ち上げて、どの程度活用できるかということについて、これは考えなければならぬと思いますね。私は希望を言えば、東南アジアの国に、これはもっと広く考えていいですよ。東南アジアというものをもっと広く考えてもいいですが、その国と日本との間というのは、あるいはその国相互間の関係というものは非常に緊密なものですから、これからだんだん経済が発展し、回復していくに伴って、通信量はもっともっとふえていく、その通信量をふやすためには、さっき申し上げたけれども、何よりも努力が必要だと思うんです。これは単にどうこうするだけでなく、ふえること自身が非常に国の発展というものに結びついてくると思うんですけれども、そういう意味において地域衛星というものはこれは将来とも活用できると思っているんですよ。その前提としては、なおさら、さっき申し上げたような、何といいますか、通信の分量、これが非常に問題になってくると思うんです。ですから、これは何年か先のことになると思いますけれども、実現するにしても、いまここでたとえば短波の問題あるいはケーブルの問題、OHの問題、その他いろいろ交渉される場合に、そういう将来における地域衛星を打ち上げて、東南アジアとの間、極東の諸国との間の通信をもっともっと自由にする、もっともっとよくする、改善するというような、そういう目標を持っているということを十分頭に置かれてそういう交渉に臨んでもらいたい。  具体的に言いたいけれども、それは差しつかえがあるからやめますけれども、私はそういったことをひとつのビジョンとして、東南アジア、極東の国々ともっと通信とか交信とかいうものについては一体になって、非常に緊密な関係を堅持していけるような、そういう信義をつくるようにお互いに努力すべきだと思うんで、いま現在やっておられる短波の問題とかケーブルの問題とか、そういったのはそれの礎石になる、土台になるんだと、そういう意味でぜひこれは努力をしてもらわなければならぬと思うんですが、いまの三つほど申し上げましたが、それについてお答えを願えれば、私の質問をこれで終わりますから。
  23. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) 政策のほうはお上のほうからお願いすることといたしまして、実務に当たっている立場から申し上げますが、御指摘のとおり、一つの回線の故障あるいは一つの関門局の故障その他ということが決して起こらないことではございません。現にたくさん起こっているわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、そういう代替線、緊急線あるいは平行線ということについても絶えず検討している次第でございます。かつての一国なり、または一連邦間における国際ケーブルの独占時代から、ケーブルネットワークという思想が国際的に支配しておりまして、現在ある国とある国とのケーブルだけでなくて、ほかのものと結び合わせて網を張って、それが破れたときにお互いに助け合おうという支配的な考えになっております。通信衛星ができた後も、はたして衛星だけにたよるべきか、あるいはそのほかのもので補完し合っていくべきかというような問題も、つとに衛星の現状から論議されておりますし、かりに私どもといたしましても、たとえば日本海ケーブルのごときも、ヨーロッパの通信については五〇、五〇の考え方でいきたい。先生のおっしゃったリライアビリティの問題につながっております問題でございますし、また新しい問題としていま御指摘になった地域衛星、これがいつ実現するのか、実現したとしてどういう性能を持つのか、それはもちろん今後の問題でございますけれども、何せ爆発的に増高する通信量でありますし、通信それ自体が質的に非常に高いものになっております。それは一つのものにたよるということにとどまるものではないと思いますので、そういう問題とあわせまして、今後十分勉強し、御指導を仰ぎたい、こういうふうに考えております。
  24. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) ただいまたいへん基本的な重要な国際通信の問題につきまして御指摘をいただいたわけでございまして、今後の世界通信網と申しますのは、非常に高級な通信になりまして、一瞬中断することもできないようなサービスというものを要求されているわけでございますので、ケーブルあるいは宇宙通信あるいは地上マイクロのできるだけ新しい技術を活用いたしまして、また商業ベースと申しますか、経済性というものを十分考慮いたしまして、アジアの今後の通信需要にマッチしたものを目標にして、国際電電のほうといろいろ相談いたしまして、十分御趣旨に沿えるように今後とも検討し、対処してまいりたいと存じております。
  25. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それで最後に、いま申し上げたような、あなたの御答弁になったようなことをもとにしまして、なるべく早く将来に対する計画をひとつ立てて、それでみんなで協力をして、少なくともわれわれの近所の、極東諸国全体のために通信網をもっと改善しようという努力をしたいと思いますので、ひとつ計画をできるだけ早く立てるよう希望いたしまして、質問を終わります。
  26. 久保等

    ○久保等君 きょう予算委員会関係郵政大臣がお見えになっておりませんが、これからKDDの関係について質問を申し上げる中で、特に今後の重要な通信政策等の問題については、いずれまたあとで郵政大臣に私もお尋ねしたいと思いますが、先ほど靱社長のほうから、四十四年度事業の概要について御報告がありましたのと同時に、本年度計画についての御説明を承りました。最初に、昨年ここでやはり御説明をお伺いした計画から見ますと、四十四年度の実績というものが予定よりは若干予測を下回ったような結果になっているように見受けます。たとえば国際加入電信は二百七十八万度数を予定しておったのが、若干ですが、二百七十三万度数に実績としてはなるだろうという御報告、あるいはまた国際電話についても百六十三万度数を一応考えておったのが、見込みとしては百三十九万ですか、といったような程度、あるいはまた、その他電報回線にいたしましても、六百十万通を予定しておったのが五百九十九万、いずれも若干は予定よりは下回る結果になったのでありますが、確定的な数字はまだ年度経過間もないときでありますから、はっきりしたことはわからないというお話でございましたが、ごもっともだと思います。したがって、昨年ここで御説明のあった、たとえば通信回線の新増設の問題について予定せられた数字を承っておりますと、たとえば加入電信の場合には百十四回線国際電話の場合には七十三回線、その他それぞれ予定しておったのですが、この新増設回線の実施の結果は予定どおりいったのかどうなのか、この実施状況についてお尋ねしたいと思います。同時に、いま最初にお伺いいたしました度数等が予測よりはいずれも下回ったということは、何か具体的な原因でもあったのか、どういうことですか、この点をまずお伺いしたいと思います。
  27. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) 担当の役員から実績等について申し上げる前に、見込みの問題について申し上げますが、最初に、私たちが非常に困る問題がありまして、なかなか需要の予測というのはいまのコンピューターでも正確にはできないのでございますね。実際私どもといたしまして、来年のことすら決してぴたりと当たるというふうな予測ができない。それが予測というものだろうと思います。しかしながら、特に昨年度を通じて考えて見当たりますのは、電話については確かにいろいろと予測の違いの中でこれかななんと思い当たるものも二、三あるんでございますが、たとえば相手のほうで電話の半自動化をするとか、しないとかいうようなことになった場合、それが予定どおりいくかいかないか、あるいは工事が予定どおりできるかできないか、これは衛星通信でもそういうことは世界的にございまして、星を打ち上げたところが失敗した。そのために需要予測が全く狂ってしまった。そういうような施設的な原因でございます。それから、テレックスにつきましても、最近非常に伸びておりますので、年度決算のあと締めてみないとわからない。しかし、専用線というのが非常に日本でも普及されるようになった。そうすると、需要の転換と申しますか、電報をお打ちになった方が、テレックスが便利だ、あるいは海外の商社に打つのに、テレックス一本ないところは信用できないというようなことからテレックスをお打ちになる。ともかくテレックスのほうが便宜性もありますし、ふえている。いままで電報打ちました方がテレックスに移っていく。もちろんそういう需要転換は予測しますが、その需要転換がどのくらいあるかということが、これも見きわめがむずかしい。テレックスが専用線に転換していく、欧米先進諸国が専用線を使うようになる、テレックス需要というものは、専用線を通じてどんどん向こうへ流れていく。これこそまたテレックス需要というものは見込みがつかない。専用線に対しどれくらいに移るかという予測もあるんでございますが、いろいろ業務上の変動というものもございます。  そのほかに、突発的なことが起これば非常にふえてみたり、あるいは電波がいくと思ったところが、何かの支障のためにいかなかったとか、あるいは貿易関係において、割合に大きな国ではそれほどでもございませんが、小さな国では年度年度によって貿易の動きが相当激しいことがございます。あれやこれや思い当たることはこれかということで、毎年実績については私ども反省しておりますが、翌年のことはなかなかつかみにくいという実態でございます。お恥ずかしい次第でございますが、全力は尽くしておる次第でございます。
  28. 板野學

    参考人(板野學君) それでは私から数字につきまして御説明を申し上げたいと思います。  先ほど通数につきまして、どうも計画どおりいっていないじゃないか、こういうようなお話でございましたが、社長が御説明申し上げました数字は、四十四年の実績が大体このくらい、それから四十四年度の実績と四十五年度の実績がこれでございまして、実際の四十四年度のこの見込みの数字で申し上げますと、電報につきましては、計画の大体九八%程度に達するものである。それからテレックスにつきましては、計画率につきまして一〇四%、大体これは計画より以上上回る予想でございます。それから電話につきましては九七%程度いく、こういうような予想をいたしておるわけでございます。いずれ数字は確定をいたしましたら、御報告を申し上げたいと思います。  それから回線の移動でございますが、四十四年度につきましては、電報回線につきましては五十七回線というふうに考えておりましたところ、これは五十六回線というぐあいになっております。それから国際加入電信回線につきましては三百八十回線、これを予定いたしましたところ、三百五十八回線、こういうことになっております。それから電話回線につきましては二百三十六回線、こういうことになっておりましたが、二百三十回線ということになっておりますが、それぞれこれらは計画どおりの回線の設定がいきません理由の一つは、相手方の設備がなかなかできないということと、なお回線増設の見込みにつきましても、若干物数との関係がございますので、その間の調整がございました。こういうことでございます。
  29. 久保等

    ○久保等君 数字的なことは、これはもう特に四十四年度の場合については、はっきり決算が出てみなければ確定的なことはわからないわけですから、ある程度のまた変化もあろうと思うんですが、いまの板野常務の御説明だと、テレックスについては予定よりも通数が多かった、度数が多かったという御説明ですが、度数にすると幾らになりますか。これは私がお伺いしているのは、あまり一つ一つについて具体的にどうこうというよりも、全般的に私の数字、ちょっと昨年度承ったところと、きょうの大体の見通しの数字の計数とを比較しますと、いずれも若干ずつ下回っているということに、何か特殊な事情でもあったんだろうか。副社長からいろいろお話がありましたが、私はそういう問題よくわかります。これは外国という相手のあることですから、いろいろな事情でなかなかむずかしい点がありますから、予測にたがったからどうこういう意味で追及的な質問しているのじゃないので、全般的に下がっているのは、何か特殊な事情でもあったのじゃないかという意味でお尋ねをしたのです。ところが、テレックスの場合には一〇四%とかということで、若干予測よりも上回ったというお話なんですが、私の承知しているところだと、当初の予定では二百七十八万度数、それが実績としては二百七十三万ぐらいになるのではないかというような御報告だったと思うものですから、そうすると若干予定よりも下回るのじゃないかというふうに考えます。  そういったあまりそうむずかしくお尋ねしているわけじゃありませんからなんですが、加入電信あるいはその他の新増設計画も、非常に大量にといいますか、回線の新増設が非常に多いわけなんですが、これも従来承った説明では、回線数にしても、テレックスは百十四回線ぐらいの話だったと思うのですが、いまのお話は三百回線以上新増設されたようなお話なんですが、これはどういうことでしょうか。
  30. 板野學

    参考人(板野學君) 私の説明がちょっと不十分でありまして、これは総体の回線が三百八十予定しておりましたところ、三百五十八に大体終わりそうだ、そういうことでございました。どうも私の説明が……。
  31. 久保等

    ○久保等君 そういう御説明がちょっとわかりかねるのですよ。要するに、ことしは百回線なら百回線ふやすつもりでいたけれども、結果としては八十回線しかふやせなかった。従来トータル幾ら、こういう説明じゃ全然答弁になっていないのですよ。ですから私がお伺いしているのは、テレックスの場合に百十四回線昭和四十四年度では増設する結果は百十四回線増設できるのか、思ったよりもよけいついたのか、あるいは少なく終わったのか、そこをお尋ねしているのですから、現在の回線数だけ御説明願っても私の質問とは全然違うのです。なんだったらあとで数字は整理して御答弁願ってもけっこうです。
  32. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) おそれいりました。数字は後ほど申し上げるとして、先生の御心配になっているのは、何か需要が落ちてきたのじゃないか、業績がうまくいかないのか、こういう御心配だと思います。大体におきまして、昨年度申し上げた数字は対前年度、いわばおととしに対しこれくらいふえるだろうという見込んだ数字、この伸び方によって、あるものは思っていたよりも伸び足がうんと上がり、あるものは伸び足がなかったというふうに御理解願って、現在において電報は御存じのとおり世界的傾向として伸び足は早くございません。横ばい、またはやや鈍い速度で伸びている。テレックスのような新しいものはどんどん伸びていく、電話開設後は非常に急速な伸び方をしておるというふうな態勢でございまして、私どもの業務も、先ほど社長が申し上げましたように、おおむね順調にいっておりまして、ただ伸び足につきましてはあまり伸びていない、回線数その他については後ほどまた……。
  33. 久保等

    ○久保等君 その回線の新増設関係の実績については、また後ほど御答弁願うとして、大まかな話ですが、四十四年度収支の見通し、これも実際問題として四十五年度に入っておりますが、まだ事務的な関係で結論が出ておらないと思いますが、見通しとしては、一応二百七十五億程度の収入を見込んでおられるようですが、それに対して支出が二百三十四億程度になるだろうというようなお見込みのようですが、これはいま言ったような回線の新増設の実績等の動きなり、あるいはまた、いま副社長からお話があった通話の度数あるいは通信の度数の多い少ないによって、当然収支の見込みにも影響があるわけですが、当初の見込みから見ると、この実績は、どういうことになっておりますか。収入支出のトータルだけについてけっこうですから。
  34. 板野學

    参考人(板野學君) ただいま御質問の四十四年度の見込みと実績の差でございますが、正確な数字をいま持っておりません。ただ大まかに言いまして、昨年よりは下がってないということが言えるかと思います。
  35. 久保等

    ○久保等君 昨年というよりも、要するに四十四年度の、ことしの見込みに対して結果が大体どういうことになるであろうかということなんです。
  36. 増森孝

    参考人(増森孝君) たいへん失礼いたしました。見込みと実績の——見込みの数字をいま持っておりませんので、ちょっと比較しかねております。ただ勘としまして——いま経理部長さがしております。昨年の見込みの数字がいま手元にございません。ただ大まかに言って、昨年の見込みと大きくは違っておらないという感じを持っております。
  37. 久保等

    ○久保等君 お手元に見込みがなければ、いま私が言ったように、総額は収入が二百七十五億、支出が二百三十四億というようなことの見込みだったようですから、それが、だから現在四十四年度についての一応の——まあこれも正確に言えば多少見込みということになるかもしれませんが、ほぼ実績になっておるだろうと思いますが、それと比べるとどういうことになるだろうかということを聞いているのですが、わからなければけっこうです。  それじゃ次に移ってお尋ねをいたしたいと思いますが、実はデータ通信の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。これは非常に重要な問題で、ぜひ、先ほど勢頭に申し上げましたように、郵政大臣あたりのところでお考えを願わなければならぬ問題なんですが、しかし、特に直接仕事を担当しておられる国際電電会社といたしましては、まあもちろん非常に大事な問題だと思います。国内におけるデータ通信の問題も非常に大きな一つの曲がりかどといいますか、重要な時期を迎えておると思うのですが、法制的にも、できれば今国会あたりに公衆電気通信法の手直し等も行なわれる予定だったのですが、これは先般来当委員会でもいろいろ問題になっておりますけれども、いろいろ諸般の事情で国会に改正まで出せなかったという事情があるわけですが、もちろん、国際電電の場合についても例外ではないわけです。ところで、データ通信の現状について、国際電電ではどういう問題が現に起きておるのか、あるいは起きつつあるのか、今後一体そういった問題についてはどう対処していこうとしておるのか、きわめて概括でけっこうですし、簡潔でけっこうですから、また私具体的になおお尋ねをしたいと思っておりますが、まず最初にお答えを願いたいと存じます。
  38. 板野學

    参考人(板野學君) お答え申し上げます。  国際間におきます情報処理業者によりまする、まあオンライン・リアルタイムによる情報処理サービスでございまするけれども、国際間でこのリアルタイムでオンラインであるというようなサービスは、まだ行なわれておりません。ただ情報処理業者あるいは商社、その他の会社の間で専用回線を借りまして、本社、支店の間にそういう情報を処理いたしまして、それを電送する、こういう業務は行なわれておるわけでございまして、先ほど申し上げましたようなカストマ——が直接に回線につながって、そうして情報を得るというところまでいっておらない次第でございます。また、通信業者によるそのようなサービスもいまだ実施されておりません。ただ目下のところ、アメリカのRCA、ITTがやっておりますようなエアコン式のサービスでございますが、これが実行に移されておりまして、このエアコンは専用回線利用者に対しましてRCAの電算機にこの回線使用いたしまして、この専用通信の自動交換サービスをする。あるいはこれに直接、普通するような電文の処理をいたすサービスを提供いたしておるわけでございます。これらはニューヨークにおきまする専用の利用の顧客が、各自分の事務所でこの交換をするというような、手動でやっているような処理をRCAのエアコンに依存をして行なうことによりまして人手を省く、あるいは能率をあげる、あるいは経費を節約する、こういうような効果をあげているわけでございます。このようなエアコンの設備が、自動交換サービスが、さらにこの日本の、たとえば日本航空あるいは一部の商社との間で専用線によって結ばれておる、こういうような状況でございまして、いまだこれによりまして情報の処理をして、それを送るというような段階には至っておらないわけでございます。もちろんこれらのエアコンにつきましても、航空機の座席の予約とか、あるいは積み荷情報、こういうようなものを電算機で扱うことができるような仕組みにはなっている次第でございますので、将来あるいはこういうサービスが国際間で行なわれるということも予想いたしておるわけでございます。  これらの点につきまして、KDDといたしましても、エアコン式のサービス昭和四十六年度からこれを採用、そのサービスを始めたいというように考えている次第でございます。日本におきまする専用回線とコンピューターの接続というような問題につきましては、現在KDDが提供いたしておりまする国際専用線にコンピューターを接続されておるというような例は少しございます。しかし、これらはいずれも、それによって情報の処理を行なっているというような状況ではございません。ただ、メッセージの中継をするとか、交換作業をこのコンピューターにさせるというのが実態でございますけれども、さらに将来はそういうようなサービス日本と諸外国の間に行なわれるというような、そういうような見通しも持っておりまするので、私どもといたしましては、これらに対する準備をいろいろ目下開始いたしておるわけでございます。これにつきましても、いろいろこれは問題はあると思います。たとえばコンピューターにあります端末の機械をどうするか、こういうような問題につきましても、法制的にも、あるいは技術的にも今後検討していかなければならないというふうに考えているわけでございまするが、いずれにいたしましても、私どもといたしまして、このようなサービスにつきましては、郵政省の御方針に従いまして、この端末の機械なり、あるいはこの回線を提供するかどうかというようなことにつきましても、ひとつ御方針に従って処理をしていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  39. 久保等

    ○久保等君 このエアコンの問題ですが、郵政省ではいつこれを認可したのか、また、どういったところに現在置かれているのか、端末装置が。したがって、会社であれば会社の名前なり、それから許可年月日、場所等、御説明願いたいと思います。
  40. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) ただいま郵政省へエアコンの設置個所、日にち等の認可の内容をお尋ねでございますが、実は現在の公衆電気通信法によります国際電電の業務関係につきましては、このようなシステムに使う国際電電が提供する専用線につきまして、これを当初、相手側であります外国の通信業者と協定をしてその料金をきめるという際に、郵政大臣認可を受けることになっております。そういうことで、これに使う回線を設定する際の認可はあったわけでございますが、この回線を現実に利用して、これにユーザーが端末設備を設置し、現実にある目的のために使うということにつきましては、国際電電のほうで技術基準に合うような業務上の条件を審査してこれを承認するということで、そのこと自体につきましては郵政省認可をするということはいたしておらないわけでございます。
  41. 久保等

    ○久保等君 結論として、エアコンの問題については、郵政省はタッチしていないというふうに理解してよろしゅうございますか。
  42. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) 最近の国際回線を使いましていろいろ新しい需要ができてくる。その中で、コンピューターに接続させる、あるいはコンピューターに接続させませんでも、その一歩手前のような利用形態というのが最近ふえておりますので、その増加につきましては、郵政省といたしまして特に注目をしているわけでございます。認可ということではございませんが、そのつど緊密に報告を受けまして、その実態を把握し、また、今後の対策資料にしておるということでございます。
  43. 久保等

    ○久保等君 郵政省のほうでわからなければ、国際電電のほうで、いま私がお尋ねした、どういった会社、端末がどういったところにあるか、いつごろから——いつごろからというよりも、あまり数がどの程度あるかわかりませんけれども、一つ一つについて、数があまり多ければ、二つ三つお話しを願って、あとは資料でお出し願いたいと思うのです。いつどこにそういったものがつけられて、専用線とはいいながら、エアコンを使った専用回線としてそれが稼働しておるのか、その状況を具体的にひとつお聞かせ願いたいと思います。
  44. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) 詳細はまた係の者が申し上げますけれども、エアコンの問題でございますけれども、これは専用線をある商社が借りる、アメリカとの間に本店と支店とを設定する、ところが、そのアメリカの地域において支店が二つなら二つある、あるいは南米にその支店のもう一つ商社がある、それが南米とアメリカとの間に専用線がある。そういう場合にお互いに交換し合う、同一人相互間における交換ですから、仕事は非常に簡単なものを私ども考えております。したがって、それはアメリカの国内において——日本でも少し大きな商社は自分の商社の中で交換所をお持ちになっているところもあると承っておりますが、そういう運営形態は相当できているわけでございまして、それがエアコンという名前でRCAで、各商社の支店さんがそれぞれお持ちになるよりも、自分が作動交換のできるような設備をつくって、同一人間の交換をいたしましょう、これだけの問題でございますので、したがって私どものほかから見れば、日本とアメリカの間の専用線を販売する、こういう姿でございます。こういう姿はエアコンばかりでなく、最近フィリピンにも、これは某所——通信の秘密になりますので名前は申し上げませんが、某商社がそういうふうなコンピューターを、フィリピンの国内法に従って可能であるというところから置かれて、それに参加されたということも聞きますが、その際も私どもとしては、フィリピンと日本との間の専用線をお売り申し上げる、こういう形でございます。  先生もよく御承知おきのとおりでございますが、データ通信データ通信と非常に世の中わき返っているようでございます。これは当然そういう需要はあるぞあるぞでいくわけでございます。現に国内にそういう仕事が出ておるわけでございますが、しかし私ども専門業者として考えてみますると、これは現実にどれだけの需要があって、どういうふうに動くかということを絶えず忘れないわけでございます。私どもに対しましては、かつて数年前にSITA——これはフランス語の略で、私はフランス語詳しくありませんが、国際航空電気通信協会とでもいいますか、私的団体で、各国の民間飛行機会社が集まって、お互いの飛行機の通信をやり合う、それを一つの飛行機会社が持つのはいやだから、ひとつエージェントみたいなものをつくって、それが機械を置いたりしてやるという機構があるわけでございますが、これがわが国に対して数年前からたびたび執拗に上陸させろということがあったわけでございますが、私ども現行法規上、専用線の使用の法規に反する、したがって各飛行機会社が連名で出てくる場合は共同利用の場合になるから、日本のほうへSITAというものが出てくることは現行の日本法律では許されない。こういうたてまえでもって、もう数度にわたる執拗な交渉に対してわれわれは法規上不可能だということで断わっておりますが、これもいわば一つの、今度は同一人じゃなくして、共同専用的なものが、あるまとまった一つの機械を中心としてやっていこうと、こういうことがございます。これは過去においてございました。  こういうふうに、いろいろと今後データ通信というのは、どうなっていくのだろうか、国内でもすでにお上におかれては公衆電気通信法の改正その他、世論その他によってたいへんな問題になっていることは私どもも承っているわけでございますが、そのもの自体も非常に急速に進展しておりますが、さてその予想される何か——現状においてか何かということがしばしば混同されます。たとえば用語一つにしましても、加入データ通信という用語がいいかどうか、数年来専門家の間ではそうなっているからいいよと、しかし、どうも新らしいやり方が出てくると、そのことばが変えられるという、非常に揺籃期でございます。急速に成長している揺籃期の作業でございます。国内ではむしろ揺籃期というよりも幼年期に入っているわけでございましょうが、そういうわけでございます。したがって、いまのエアコンも非常に隔絶して、およそコンピューターと結びつく専用線のあらゆる作用がそれで行なわれているというように誤報されている向きもありますが、さようなものではございませんで、アメリカと日本との間においては、その専用線相互間の交換業務を米国の会社がやっている、そういうものは日本でも相当出てくるだろう。航空会社からの引き合いもございますから、日本に出てくるだろう。ではKDDでもやろうじゃないかということで、板野常務がいま申し上げましたように、四十六年度から私どもサービスしようか、こういうことでございます。しかし、当初はおそらく商売にならないと思います。利益にならなくても、やるべきサービスはやるべきだと私どもは思っております。  こういう状況でございます。
  45. 久保等

    ○久保等君 ひとつ御答弁は簡潔に願ってけっこうなんですが、実は揺籃期にあればこそ、ぼくはやはり今後の日本の国内といわず国際といわず、一体コンピューター、データ通信の関係をどうするか、これはわれわれも実は国会の立場から、法律あるいは制度をどうするか、また、どうすべきかということを非常に、与党はもちろん、われわれはわれわれとして野党なりに苦労をし、勉強も実はしているのです。したがって、ただ、いま需要があるからその需要にこたえていかなければならぬ、これは会社経営の立場から言えば、私はそれが最も切実な解決しなければならぬ問題だと思う。しかし、国際電電の持つ非常に重要な、国策的な重要な公共事業を扱っておる国際電電の立場からすると、やはり長期の日本通信政策という立場をしっかりと踏まえながらやっていかなければならぬことは、これはもちろんだと思うのです。公衆電気通信法にしても、有線電気通信法にしても、御承知のように、これはずっと昔制定せられて、まさかコンピューターというものがこういう形で今日発展してくるだろう。あるいはこれから今後十年後どうなるだろうかという、そういったことはもちろん予想できない段階で、要するに電気通信といえば電信と電話と、有線であるか無線であるかは別として、そこらあたりが私は法律ができた当時の実情だったと思うのです。したがって、これからというよりも、今日すでに非常に激動期に入っていると思うのです。このデータ通信の定義ですけれども、これはまた機械技術的な面からもなかなかむずかしいだろうが、同時にこの機械が働く分野というか、範囲の問題なんかということについても、これは非常になかなか一言にして言い尽くせないと思うのです。非常にむずかしいと思うのです。少なくとも従来の電話あるいはテレックス、そういったものと一体どうなんだろうかという問題から、私はもう少し何というか、本質的な問題を、非常に簡単なものなんです、いまのところデータ処理やっておりませんから、だいじょうぶなんですということで済まされない。現にエアコンそのものが、処理をやろうと思えばやれないことはない。そういう機械的な技術的な能力は持っているのです。ただ運用は、現在同じ同一の企業の中で本店、支店の中だけでやるのですから、共同して二人以上がやるのじゃない、一人がやるのだというけれども、国際の場合は、国の内外にわたって、国際通信であるというところに、国内通信以上に私はまた非常に考えなきゃならぬ問題が一つあると思うんです。これは、有線電気通信法なんかを見ても、公衆電気通信法にしても、きわめて不備な現行法では、やっぱりそこのところは、国の内外にわたる施設については、電電公社、それから国際電電以外は施設できないというたてまえになっておるんです。だから、そのたてまえからいって、一体同一人であろうとも、アメリカのニューヨークならニューヨーク、それから日本の東京なら東京、その間にはたしてそういうものが、それは従来の専用線と変わりないんだという概念でとらえてやっていけるかどうかの問題について、私も非常に疑問を持っておるんです。ただ単に業者から非常に強い要望があってやらなきゃならぬからやっているんですということでは済まされない非常に問題があると思うんです。特に私は端的に具体的にお答え願いたいと思うんです。あまり抽象論をここで戦わそうとは思っていない。したがって、先ほどお尋ねした、具体的にエアコンが現実に一体どこにあるのか、それからそれは一体いつ始めたのかということを、会社では特に現在おやりになっているんですから一番明るいほうなんですが、郵政省のほうではわからぬという話ですから、そういうことをひとつお聞かせ願って、そういったことを素材にして、一体それじゃあ今後どうすればいいのか、今後の問題として、別に私ども何も追及するとかなんとかという考え方じゃありませんから、実情を端的にお答えを願いたいし、ひとつお知らせを願いたいと思うんですが、関係の重役さん方それぞれ御答弁願ってけっこうですから。
  46. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。簡単に申し上げます。決してお客に迫られるからやらなければならぬというのじゃなくて、私どもはしなくちゃならぬ。そしてそれには段階的に二つある。専用線の交換業務をやろうと、それからそのほかには高速度の専用線の販売もやろうと、それから、ついてはひとついわゆる不特定多数によるところのコンピューター間の通信もやっていこうと、しまいには、板野君も言いましたけれども、あるいは状況によってはほんとうの意味の処理業務、こまかい業務までもしなければならぬということでやっております。先ほど最後に申し上げましたように、決してもうかるからやるんじゃなしに、一人とか二人とかお客があればそういうものはやっていくべきだということで着手しておりますから、今後できるだけ努力いたしますから、御指導願いたい。  それから、マニラはことしの初めでございます。
  47. 久保等

    ○久保等君 それはあとで質問しようと思って……。
  48. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) エアコン的なものはマニラ、それからRCAは二、三年前だったと思います。それからRCAのほかにITTというのがもう一つアメリカにキャリアーがあるように、これもアメリカの国内でやっているように聞いております。ヨーロッパについては、いまちょっと私存じておりません、係の者はおそらく知っておると思いますが。
  49. 久保等

    ○久保等君 要するに、エアコンの端末装置どこにありますか、日本の国内ですよ。
  50. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) ちょっと待ってください。それはおそれ入りますが、人の名前を言うことはちょっと通信の秘密に属しますので申し上げられません。どこのだれかということは。
  51. 久保等

    ○久保等君 じゃあ、その秘密にしなければならないということが実際わかりませんが、これはひとつ私はぜひ調査したいと思います。少なくとも国会の場で発表できない施設というものは、防衛関係施設でも少なくともたてまえとしてはないのですから、特に営業関係でいろいろ問題があるかもしれないが、しかし、営業関係といっても、国際関係の問題を、たとえばアメリカと日本との関係における問題を発表できないというのも、実はよく意味がわからないのです。だから、その点はいずれ明らかにしてもらわなきゃならぬですが、ここで発表になれないのなら、少なくとも個数が、具体的な何とか会社、何とか会社という名前はけっこうですから、何カ所ぐらいあっていつごろから始められたのか。
  52. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) 三カ所でございます。
  53. 久保等

    ○久保等君 いつごろからですか。
  54. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) 先ほど申しましたように、一カ所につきましては、ことしの一月の初めごろからです。片一方のほうは数年前——二年になるか三年になるかちょっとわかりませんので、あとで調べて正確にお答え申し上げます。
  55. 久保等

    ○久保等君 結局、何ですか、三カ所というと、ことしの一月が一カ所。
  56. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) それは二カ所です。
  57. 久保等

    ○久保等君 それから二、三年前は一つ。二、三年前というのは、いつですか。
  58. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) エアコンサービスが始まったときです。専用線として私どもが売ったときでございますね。
  59. 久保等

    ○久保等君 いずれにしても、その点はまたお伺いしたいと思いますが、ここでいろいろ御都合があるようですから、お尋ねすることはやめますが、次にアメックスの問題ですね。これは先ほどちょっと副社長の言われたマニラとの関係じゃないかと思いますが、アメックスの問題は四月から始めたように私は新聞その他で伺っているんですが、これは新聞その他にも載っており、通産省が認可したとかしないとかということも新聞記事になったりしておりますから、オープンになっていると思いますね、これをひとつ説明願いたいと思います。
  60. 板野學

    参考人(板野學君) お答え申し上げます。  アメックス社は、日本交通公社及び日本航空とタイアップいたしまして、日本からアメリカ等への海外旅行者のために、米国を中心とする各地のホテルの予約サービスというようなものが目的で、まず本年の四月から日本交通公社の本社内に営業所を設置いたしまして、専用線の設置の、専用線サービス要求がございましたので、一月八日に提供をいたしておりまするけれども、まだ実際の業務は開始はしておらないと、こういう状況でございます。これらはいずれもマニラとの間につながっておりますけれども、両方が同一人格でございまするので、専用線契約を認めます条件に合致いたしておりまするので、それが認められると、こういうことになっている次第でございます。
  61. 久保等

    ○久保等君 このアメックスのほうは、日本の国内のは一カ所ですか、二カ所ぐらいですか、どういうことになるんですか。
  62. 板野學

    参考人(板野學君) 一カ所でございます。
  63. 久保等

    ○久保等君 ところで、電気通信監理官のほうでは、この問題についてはどの程度タッチしておるんですか。
  64. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) この問題につきましても、先刻御答弁申し上げましたように、この具体的な設置契約につきましては、郵政省のほうの認可事項ではございませんから、そのつど私のほうでも実情は把握するようにつとめているわけでございます。
  65. 久保等

    ○久保等君 この有線電気通信法の第八条「(本邦外にわたる有線電気通信設備)」という条文、「本邦内の場所と本邦外の場所との間の有線電気通信設備は、公社又は会社でなければ、設置してはならない。但し、特別の事由がある場合に」は、郵政大臣の許可を得てやれるというふうになっておるんですが、先ほどのエアコンの問題にしろ、いまのアメックスの問題にしろ、この条文から見るとどういうことに理解できますか。
  66. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) この条文は、たとえば太平洋ケーブルでございますとか、日本海ケーブルという有線の線条を設置いたしまして、これを公衆電気通信設備として運用できる状態に置くということでございます。したがいまして、この設備国際電電が持ちまして、中の一つの回線を賃貸回線として国際電電はこれをユーザーに提供するわけでございます。で、提供を受けましたユーザーが自分の利用目的に応じます端末設備を設置し、たとえばテレックス用に使うとか、あるいはプリンターに使うとかというような、いろいろな利用をするようにしておるわけでございますが、この際のユーザーは、設置者じゃなくて、国際電電専用回線利用者、契約者であるというふうに理解しておるわけでございます。
  67. 久保等

    ○久保等君 だから、端末の設備を、この場合についても、KDDで施設をちゃんとして、それで専用線として貸し付けるということなら、これは問題ないと思うんですね。ところが、少なくとも線路——線路はなるほど国際電電が設置をし、国際電電の線路かもしれません。しかし、端末の機械はユーザーのものですね。それがしかも、いま言ったように、国の内外にわたって、回線そのものは少なくとも国際線ですわね。その国際の線路は、これはもう問題ないと思いますが、日本の国内における端末の機械、電気通信設備というのは、これはKDDが設置をしたわけじゃ少なくともないわけですね。そういうことになると、私は、そう簡単に、郵政省も全然ノータッチで、KDDが回線をつくって貸している、賃貸しているから問題ないという解釈には、少し無理があると思いますが、どうですか。
  68. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) ただいまの例示においては、国際電信電話会社が提供します有線、あるいは無線の場合もあるかと思いますが、専用線の端末の利用者による設置ということでございます。利用者による端末設備の設置ということでございます。これは、現在の公衆電気通信法の専用の章の中で、専用設備の端末の利用利用者が設置できるというふうになっているわけでございます。
  69. 久保等

    ○久保等君 それで、従来の概念からいえば、さっき私が申し上げたように、電信だとか、電話だとか、そういうような問題については、これはいろいろ従来の経過があるし、何ですが、少なくとも、何がついていこうと、いまのような解釈でいくんなら、何をつけてもいいんだ、それはかってにおやりなさいということにつながりますが、そういうふうなことにも解釈できますね。
  70. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) 現在の公衆電気通信法では、そのように規定してございます。
  71. 久保等

    ○久保等君 それならば、データ通信をやるには現行法では何も問題がないと、要するに端末にコンピューターをつけようが何をつけようがいいんだ、したがって、それはやはり回線——専用線というよりも線路ですね、線路を貸すのであって、あとは端末に何をつけてお使いになってもけっこうですということになりますか、いまの法律制度では。
  72. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) もちろん、その線路に必要な技術基準というものがございまして、それによりましての、それが一つの承諾の条件になりますが、種類別に、それがコンピューターであろうと、その他の端末であろうと、現在の公衆電気通信法では、その取り扱いは別にしておりません。
  73. 久保等

    ○久保等君 だから、そういう答弁をすると、これはぼくは非常に、法律がないのだから、何かに無理やりに当てはめなければならぬのだという解釈をすれば、それは現実に当てはめようとすれば、通信設備というのは何もかも含まれるといえばそうかもしれぬ。しかし、少なくとも法制定の上からいえば、立法の精神からいえば、考え方というのはきちっとしなければいけない。その考え方で、現状に合わぬとなれば、現状に合うように法律を改正しなければいかぬ。ところが、何でもかんでも現行の法でもって解釈できるのだ、その解釈というのは、いま言ったように何でもつけられる、そういうことなら、一体公衆電気通信法の先般来のああいう議論だって出てこない、法改正の問題も出てこない。それは非常に乱暴な議論だと思いますよ。だから、少なくともコンピューター関係の問題について、データ通信の関係については、データ通信というのは予想していないのですから、そうじゃないですか。それをとにかく、要するに電気通信設備という中で、あらゆるものが当然この中へ——当然そういう概念は入りますよ、入るけれども、一体従来の電信電話という時代と、今度はコンピューターを使う情報化社会といわれるときの通信事業のあり方というものについては、これは法律そのものを根本的に検討しなければならぬということは当面の問題だと思います。電気通信監理官がそういう考え方をとるとすれば、一面から言えば、また法律改正しなくても現行でたくさんなんだと、そういう理解になるのだと、これは非常にぼくはたいへんな発言だと思いますよ、電気通信のあれからいえば。
  74. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) ただいま法律の解釈についてだけ申し上げましたので、いろいろまたその先の政策も、あるいは今後のデータ通信についての郵政省としての対策はどうかという問題になるかと思いますが、その点につきましては、いろいろデータ通信という新しい、この公衆電気通信法では当初予想しなかった新しい通信形態につきましても、いろいろ対策を講ずべきであろうというふうに考えております。また、そのために、公衆電気通信法の改正ということにつきましても、先ほど御指摘になりましたように、具体的な案をつくりまして残念ながらこの国会提出審議するまでにできなかった次第でございます。
  75. 久保等

    ○久保等君 だから、解釈から当然できるという考え方では、ぼくは問題があると思うんですよ。いわゆる現行の法律の解釈上そういったものは理解できるんだ、そういうようなことには——ぼくは、だから、少なくとも法を解釈するという立場から言うならば、従来とにかくあの法律が制定せられた当時は今日の情勢は予想していませんでした、したがって今日の情勢に適応した法律制度というものを考えていかなければならぬ、そういう立場に現在ありますという答弁ぐらいは、少なくとも電気通信政策のあらゆる責任の立場にある人が、電気通信設備の解釈の問題について、そういうことを、何らの抵抗も感じないような形で、法律上ばそうなりますということでは、非常に重大な発言だと思います。これは電気通信監理官の発言そのものの及ぼす影響はぼくは大きいと思うんです。そういう考え方でいくと、いま言った国際電電がおやりになることについて、郵政省としては、従来の電話テレックスと同じような考え方で理解されるなら、あるいはタッチしなくてもいいのかもしれませんが、われわれから考えると、いまの法律制度は不備だという考え方であるし、それから、どういうコンピューターをつけてもいいんだと、しかもそれは郵政省認可も要らない、国際電電の場合は国際電電独自でコンピューターをつけて、しかも国際電電がつけるならいいけれども、要するにユーザーがコンピューターをつけてかってにやる、郵政省は知りませんというようなことでは、これは非常に問題だと思いますよ。しかもこれは、単に営業としてどっかホテルの予約をとるためにやるとかなんとかいう程度の段階なら、私は問題ないと思う。しかし、そういうやり方でいくと、日本の中におけるあらゆるデータというものは、とにかくストレートでもってどっからも自由自在に入ってくる。入ってくるほうはいいかもしれぬが、出ていったりするのは、そういう機械がいつ入ったのか知りませんというようなことは、郵政省はそんなのんきなことは私は許されないと思います。少なくとも、国内における問題は第二の問題として、国際間においてそういうのんびりした考え方で通信行政をやられては私はたいへんだと思うんです。だから、そこらの問題について、少なくとも立法上の問題としてもいま考えつつある問題でしょう。特に電気通信監理官の立場から言えば、単に現行法を何とか無理してでも解釈してやっていけばいいという立場では、電気通信監理官の立場はないんですからね。そういう立場も踏まえながら、御答弁を願いたいと思うんですがね。
  76. 小渕恵三

    政府委員小渕恵三君) 国際事業者が電算機と通信回線を一体としてデータ通信サービスを提供するという例は、現在のところ、諸外国にその例を見ませんが、国際電信電話会社が国際データ通信サービスを提供することについては、今後の需要の動向、諸外国の情勢等を考慮しながら、国際的に立ちおくれのないよう、慎重に検討してまいりたいと考えております。
  77. 久保等

    ○久保等君 その答弁は差しさわりのない答弁で、別に何ということはないんですよ。私のお尋ねしているのは、国際電電がコンピューターを使って、それをユーザーに利用させるということをやることは、これは私はできると思うんです。また、やるべきだと思うんですよ。そういったことは資金的な問題その他があるかもしれませんが、これは法律上やれると思います。  ただ、問題は、国際電電は言いかえれば線路だけ貸してやっているんだというような形で、端末にユーザーがかってにコンピューターをくっつけて通信をやる、しかも国際的な通信をやるというようなことは、いまの現行法の制度のもちろん不備はあります、不備はありまするけれども、それらを容認して、何の抵抗も感ぜずに、やれるという解釈だけは、私はとるべきではないし、またそういう政策はとるべきじゃないということを申し上げているんです。だから、いまの政務次官の答弁せられる、できるだけひとつKDDが専用線を使って提供したいと思います——けっこうです。それは、先ほど私が申し上げた第八条にしても、要するに国の外にまたがる電気通信設備については、国際電電あるいは電電公社がやれるんだと、その他は郵政大臣の特別の認可がなければやれませんよというたてまえになるわけですから、電電公社なりあるいはKDDはいま言った通信専用線をつくってお貸しできるのですから、それはやれるわけですから、その通信設備の中には、もちろんKDD——国際電電公社の場合は、コンピューターを含めての有線電気通信線というものを設置して貸すことはやり得るようになっている、現行の制度は。それをいま言ったユーザーがかってにコンピューターをくっつけてやるということが、しかも電気通信監理官のところへは、全然そんなものは情勢は把握はしていますという程度で済まされるかどうかという問題になると思います。私は済まされる問題ではないと思う。したがって、何というか、エアコンの問題にしろ、あるいはこのアメックスの問題にしろ、いま現在は情報処理というようなことはやってない。それはただ事務上やってないという話であって、やろうと思えば技術的にできるわけです。きのうまでやっていなかったけれども、きょうからやった場合に、それをけしからぬ、やったら困りますと言えるかというと、これは言えないと思うのです。やり得る能力を持った機械が現実に設置されている。やろうと思ったらやれるわけです。一体そういうものをやれるのか、やれないのか。そこまでいくとちょっと話が違うと言ってみても、それこそ情報の中身についてとやかく言える性格のものではないと思う。ですから、それは有線電気設備を設置するときにチェックしていくというか、ある程度の規制をしていくというか、一つの基準というものをきちっと確立しておかないと、あとの使用の中身についてとやかく言える性格のものではないと思うのです。通信の中身についてとやかく言える性格のものでもないし、こういうデータをつくってもいいけれども、ああいうデータをつくってはいかぬとか、そんなことは、一たん専用線として提供したからにはそんなことをユーザーに対して言える筋合いのものではないと思う。だからこそ、有線電気通信設備という立場で、これを少なくとも設置するときにはチェックしていかなきゃならぬじゃないかということを申し上げているわけですがね。だから、その点については、一番責任があるのは、何といっても電気通信監理官であり、郵政大臣なんです。そこの通信の制度というものはきちっとしてもらわなきゃ困ると思う。また、国際電電の場合は現実にそういう一つの具体的な事実が進行しつつあるわけですから、そのことについては私が申し上げたような展望の上に立ってこの問題に取り組んでもらわぬと、いや次はあのエアコン使ってデータ通信をやるんだと言って、それもその後やっています。それが何か、何らの手続も措置もとれないままに、ただデータ通信やっちゃう。あとでどうこう言ってみたところで私はどうにもならないと思うのですが、われわれ自体の立法的な措置ももたもたしている点も確かにあるんです。これはKDDに限らず、電電公社の問題もあるわけですから、これらの問題も含めて、国の内外を問わず、通信事業という問題について、われわれが、公衆電気通信法にしろ、改正をしなきゃならぬ、早急にやらなきゃならぬ。今国会提出する予定になっておったが、これがなかなか出てこなかったという結果になっているんですが、そういう情勢を踏まえてひとつ取り組んでいただかないと、私は非常に重大な禍根を今後に残すんじゃないかという気がします。それから、外国でもこういったことをやっていないとかなんとか言ってますが、コンピューターの関係は、これは何といってもアメリカが一番進んでいると思うんです。その次あたりが、日本がアメリカとの関係欧州以上非常に強いと思うんです。また、アメリカにしても業界がいい市場だと私は思っているんだと思うんですが、そういう非常な激動の時期の中に立っておるだけに、ぜひひとつ将来を誤らないよう運用の面でも考えてもらわなければならぬし、片や政府は当然私は立法措置というものは考えてもらわなければ困る。それが発展できるとかできないとかとの問題ではなくて、これは非常に重大な問題を含んでいると思うのです。私は何も、要するに日本側だけの片道通行で、日本側だけ有利にすればいいじゃないか、そんな偏屈なことを言っているわけじゃないので、通信はあくまでも平等でなければならぬでしょうし、国際間においては当然対等でなければならぬと思うのです。そういう立場に立って、もしそれこそ国際通信連合あたりに持ち出して、そこで解決をする問題ならば、そこで持ち出して解決すべきだと思うのです。だから、何も偏屈な、鎖国的なことを私申し上げているのじゃなくて、対等に、お互いのどっちが有利だった、不利だったということじゃない。平等の国際関係、平等の通信関係を確立をしていくべきじゃないかという立場に立って申し上げているわけですから、その点はひとつ誤解のないように願いたいと思うのですがね。だけど、何といっても、コンピューターに関する限り、まあその他もそうかもしれませんが、アメリカとの関係になると、ただ単にもうかるから、あるいはただ単に需要があるからということだけでこの通信事業の問題を考えられると、私は非常にたいへんな問題だと思うのですね。だから、一つ一つの問題については、別に疑うとかなんとかいう意味じゃなくて、将来の一体あり方がどうあるべきかということを考えながら慎重に取り組んでもらいたいし、同時に時機を失せずこの流れに対して適応できるような法律もつくらなきゃならぬと思うし、従来特に国内のデータ通信の問題が、昨年来日本の国内で非常にやかましく言われているのですけれども、国際関係のほうだけは何かうしろのほうに隠れて全然実は問題になっていないのですよ。問題になっていないということは、別にいい意味で言っているのじゃなくて、やっぱり私は国内、国際の問題合わせた問題としてコンピューター関係の問題考えなきゃならぬし、国内問題以上に国際関係の場合には非常にむずかしい問題だし、非常に重要な問題だと思いますし、まあおそらく議論せられたのはきょう初めてだと思うのですけれども、したがってエアコンの問題なんかについても、もう少しやっぱりそういうものとの関連を考えながらひとつ対処してもらいたいと思います。  それから、アメックスの問題についても、そういう立場で私は考えてもらわなければならぬと思っているのです。それで、このアメックスの問題なんかにしても、日経新聞あたりでは、何か通産省が認めたとか認めないとか言っているのだけれども、こういう問題は、通産省が認めるのじゃなくて、オンラインのデータ通信の問題について、少なくとも郵政省がどうするかの問題だということから、きちっとした立場で取り組むべきだ。ところが、通産省に、単なる装置を輸入していいか悪いかどうかというようなことでの立場から、何か認可したとかしないとかいうことが新聞の記事になっているのだけれども、まことにどうもおかしな話だと私は思います。したがって、その現在の状況についてはある程度わかりました。ある程度わかりましたが、なおここでも明らかにしなければならない面もあるわけですけれども、そういう伏せる私は問題じゃないと思うのです。特に通信設備なんですから、それこそ通信線を使ってどういう商売やっているか、中身はということになると、それこそこれは営業の秘密になるから、われわれまたお聞きしようと思いません。しかし、それに使っている通信線というものは、単に国際電電という一民間会社ならば別として、少なくとも重要な国の公共事業施設を使ってやっているのならば、その施設がどこにあってどうなっているのだぐらいの話は、当然ここで御説明願わなければほんとうはおかしいのです。だから、私は、そういう意味では、決して納得はしません。納得はしませんが、どうしてもここですぐちょっと発表することは困るということならば、それ以上申し上げませんけれども、そういったことが明らかにできないところにも問題があると思うのですよ。もう少しなぜオープンに堂々とこういった問題を私は議論しないのか。国際通信連合の中で堂々と議論をして、国際的な取りきめとして、こうしようじゃないかというルールがないと思うのですが、ルールがないとすれば、そういったものをつくり得るように、これは郵政省なり、外務省なり、通産省なり、そういったものに関係するならば、そういった方面とも連絡をとりながら、国と国との間においても外交問題としても処理をしていくべきだと思うのです。それを単に通信をあずかっておる国際電電という会社だけの立場で、お客さんがあればそれはお客さんの言うことを聞いてやるのはあたりまえじゃないかという程度に考えられては、これは非常に困る問題だと思うのです。まあここであまり明快な御答弁も得られないようですが、何か御所見があれば伺いたい。
  78. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 速記ちょっとやめて。   〔速記中止〕
  79. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 速記をつけて。
  80. 久保等

    ○久保等君 だから、先ほど来の質問の点については、これは郵政省でぜひひとつ早急に、国内のデータ通信の問題等も非常に重大な関係があり——関係があるというよりも、むしろ一体の問題だと思うのですが、ぜひ法律改正の面でも考慮を願いたいと思います。それから現状の実態については、なお私また別途いろいろひとつ実情をKDDのほうからもお知らせを願いたいと思います。いま申し上げたことについて、ひとつ電気通信監理官、ぜひ大臣にもお伝えを願いたいし、政務次官もおいでになりますから、ぜひひとつ郵政大臣とも御相談を願って、懸案になっております公衆電気通信法あるいは有線電気通信法も含めて、法律なり制度改正の問題として、ぜひ早急に何らかの結論を出し、措置をお考え願いたいと思います。そのことについて、ひとつ簡単に、政務次官のほう、KDDのほうからお答えを願って、次に移りたいと思います。
  81. 小渕恵三

    政府委員小渕恵三君) 今国会におきましても、郵政省としては、公衆電気通信法の一部改正を提案をいたすにあたっての検討事項の中に、先生御指摘の点もいささか触れた経緯もございますが、いまの質疑を通じて御指摘を受けた点を十二分に、法律改正とあわせて検討するように、大臣とも相談いたしたいと存じます。
  82. 靱勉

    参考人靱勉君) ただいま久保委員の御指摘の点は、今後も非常にいろいろな問題を含んでおると思います。私どもとしましては、政府とよく連絡いたしまして、通信の、何と申しますか、利用効率を高めるということは必要で、また通信センターがほかに移っても困ります。先ほど来、委員からも相互平等の原則というようなおことばもあったわけでございます。私どももデータ通信につきましては、社内に小委員会をつくりまして、もっぱらいま検討をいたしております。非常にいろんな問題があることを十分自覚いたしておりますので、郵政御当局その他関係機関にもよく御指導いただきまして、誤りないようにやっていきたいというふうに考えます。   〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕
  83. 久保等

    ○久保等君 次に、先ほどもちょっと御説明がありましたが、昭和四十五年度事業計画、これはまあ法律の定めるところによって郵政大臣認可をすることになっております。したがって、この四十五年度事業計画についても認可を与えたんだろうと思うのですが、そのことについて、郵政大臣おいでになりませんから、電気通信監理官のほうから御説明願いたいと思うのですが、四十五年度事業計画について承認をいつされたか。それと、この中身について、郵政省としてどう考えておられるのか、お尋ねしたいと思うのです。
  84. 柏木輝彦

    政府委員柏木輝彦君) 国際電信電話会社から、昭和四十五年度事業計画につきましては、三月末に審査を終えまして、これの郵政大臣の承認をいたしております。この際、特に郵政省といたしまして慎重に検討いたしました事項といたしましては、最近広帯域関係世界の通信のネットワークが、特にインテルサット等を中心にいたしまして急速に進歩しておる。その中において、国際電電が十分これに対処し得るように、地上局の建設等の促進という問題でございますとか、あるいはまた、ただいまお話しのございましたコンピューターを使う今後のいろいろの業務につきまして、いろいろ施策を考えるとか、あるいはまた電報テレックスの、コンピューターによります自動中継機械化を一部実施、また今後にわたってこれを実現しつつあるわけでございますが、特にこれにつきましては、新しく新宿の総合局舎の計画がことしから具体的に出てきておるわけでございます。まあ、これは非常に長期的な見通しを要し、また資金的にも相当の対策をもって臨まなければならないことでございますので、今後の世界的な通信を、需要の増加を十分考え国際電電といたしましての今後の局舎収容効率的な計画というようなものを十分勘案いたしまして、この長期的な視野に立った設置計画を推進すること、その他災害対策の問題でございますとか、昨年から引き続きまして今年についても十分なこれが推進ができるように、維持するように、計画内容を審査いたしまして、これが承認をしたわけでございます。
  85. 久保等

    ○久保等君 そこで、国際電電のほうに御質問をしたいと思うんですが、まあ新宿の総合局舎の問題ですが、これについてはどういう計画で今後進められる予定でしょうか。概括的なひとつ御説明関係の担当の常務のほうからお答え願えれば幸いです。
  86. 靱勉

    参考人靱勉君) 総括的に、先ほど四十五年度計画を御説明しましたが、ただいま監理官からも御説明があったように、一応完成しました広帯域回線利用しまして、さらにサービス改善をはかっていくということでございますが、一九七〇年代の前半期におきまして、今後新たなサービスが発生してまいると考えております。先ほど来問題のデータの通信もその一つでございますが、あるいはラジオ通信、その他いろいろな問題が起こってまいります。したがいまして、これらに十分対応できるような基礎的な局舎施設考えていかなければならぬということで、昨年来、すでに御説明いたしましたように、新宿の副都心に、所要の土地を買いまして、これに新たないわゆる国際通信センターと申しますか、超高層の社屋を建設する計画を持っております。これにつきましては、あるいは国内の電電公社の設備、あるいは外国における設備等も十分検討いたしまして、これの計画につきまして、できるだけりっぱな計画にいたしたいということで、特別の委員会を設けましてやってまいりましたが、昨年におきまして、基本構想もできまして、すでに現在基本設計にかかっております。これは本年の六月ごろ大体基本的な設計ができまして、さらにこれの具体的な設計に入り、四十九年度には完成させなければならぬということで、かなりまだ非常にラフなものでありますが、具体的な構想もできつつあるわけでございます。これにつきましては所管の竹内常務から御説明申し上げます。
  87. 竹内彦太郎

    参考人竹内彦太郎君) ただいま社長から御説明がありました新宿局舎の大体の構造を申し上げますと、局舎は地下四階、地上二十三階、地上約百十メートル、各階層別の各階の床面積は大体三千四百平方メートルくらいでございまして、通信設備を入れる床の天井高は、はり下三・八メートル、事務室の天井高は約二・七メートルという構造でやっております。これらのことをきめますのには、私のほうの会社といたしましては、昨年来、ただいま社長から御説明があったとおり、委員会をつくりまして、十分将来の設備の増強を見込み、かつ、各国の情勢をも加味いたしまして、大体これだけの容積があれば、昭和六十五年くらいまでの通信の需要がまかなえるものといたしまして計画したものでございます。したがいまして、これの完成はただいま社長が申し上げましたとおり、四十九年六月を目途として行なっております。これができるまで現在の大手町局舎で現在の通信をまかなっていく予定でございます。
  88. 久保等

    ○久保等君 いつから着工せられる予定ですか。それから、いろいろ数年にわたって工事をやっていくとなると、それこそ経費もどの程度かかるかはっきりしたことはなかなかわからないと思うんですけれども、しかし、おおよそどの程度のことを考えているのか。また、昨年土地を確保したんですが、これの支払い状況、どういう予定で進めつつあるのか、完全に払い終わったのかどうなのか、そこらもひとつ承りたいと思います。
  89. 有竹秀一

    参考人(有竹秀一君) 竣工を一応四十九年の半ばごろと考え予定しておりますので、着工は四十七年の初めになると考えます。それから土地の支払いでございますが、これは五カ年で五回に分けて分割払いとなっておりますので、昨年度年度末それからその前の第一回の支払いを合わせまして、すでに二回支払ってございます。したがって、まだ五分の三は未払いになっておる。以上でございます。
  90. 久保等

    ○久保等君 それから、新局舎の大体おおよその……。
  91. 有竹秀一

    参考人(有竹秀一君) 新局舎の建設費につきましては、まだ概算の段階でありますけれども、大体二百億ぐらいかかるんではないか。
  92. 久保等

    ○久保等君 それにしても、それだけのりっぱな、規模としても相当なものですが、先ほどちょっとお話の中に、昭和六十五年ぐらいまでというんで、これから二十年、でき上がったところから計算するとまた二十年が切れるということになって、非常に今後の膨張が予想せられるようです。ところで、あの新宿の局舎にいたしましても、これもいろいろな経過があって、長期的な構想の中から生まれてきたものでもないような経過もあるわけですが、先ほど新谷委員からお話があったように、私は国際電電として長期的な計画を、局舎の問題もそうだし、ましてや、通信設備それから今後の電報、そういったようなものについてはよほど先のほうを見通しながら長期計画をお立てになっていく必要があるんじゃないかというように思います。特に局舎関係の問題をここ一両年見ておっても、非常にぎくしゃくしたような経過をたどっておるような感じがするんです。この新宿局舎にしても、これから約四年ぐらいは十分かかるわけですから、その間のつなぎと言ってはなにですが、当面何とか局舎を有効に使っていくのには、これについても相当御苦労されておるんじゃないかと思いますが、現在の大手町局舎ですね、これそのものもよほどまたさらに詰まりに詰まっておるけれども、なおかつその上に、これを何とかくふうして押し込んでいく——俗っぽいことばで言えば、押し込んでいくというような状況にあるんじゃないかと思いますが、現在の局舎の現状について御説明願いたいと思うんですがね。
  93. 竹内彦太郎

    参考人竹内彦太郎君) 私ども、ただいま申し上げました新宿局舎の非常に膨大なものを建てることになりましたが、その間、どうしてもいまの大手町局舎を何とかして使っていかなければならぬ。あらかじめそれを計画する前には将来の需要予測をいたしまして、一応現在の大手町局舎でまかなえるんだという考え、その際には本社も入っておりましたから、外へ出て、なおその程度で一応五十年度までには、つまり新宿局舎が稼働する年度まではもつという予測でやっておりました。ところが最近、この二、三年トラフィックが異常に増加いたしまして、というのは、新しい機器の発展によりまして急激に伸びてまいりました。これも技術革新に伴うものでございまして、また新しい業務もふえまして、業務面でも意外に大手町局舎ではふえるようになってきたわけでございます。そこで現在大手町局舎の不用のものをさらに生かす必要がある。不用と申しましても、たとえば訓練、実際の事業に直接そこでやらなくても済むようなもの、あるいは事務室の一部というものを外へ出すように考えております。それで本年度は外部に約三千平米の貸し室を求める。それからもう一つは、京橋局舎が非常に老朽化しておりますが、これを改築する時期にちょうどぶつかっているので、これを新築して、それによってまかなうと、予定どおり五十年度までは大体今後の需要増がまかなえる。しかも、この一、二年は、先ほど社長の御説明にあったとおり、電報中継の機械化の設備が、昨年来いろいろと局舎内をやり直してたいへんごたつきました。これも幸い機械設備のこの全部が終わりましたので、いま運用訓練中でございますが、一応設備のほうのごたごた込み合っているのも片づいてまいりました。これから旧施設を撤去いたしますと、新しい施設も五十年度まではまかなえるという見込みになって、一時非常に混雑いたしまして不自由な思いをいたしましたけれども、そういう事情でございます。   〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕
  94. 久保等

    ○久保等君 新宿が完成した際には、現在の大手町が完全に設備その他が新宿のほうに移転をしていく。一挙にもちろん移れるわけじゃございませんから、逐次移っていくのだろうと思いますが、その移転後の大手町局舎というのが生まれてきて、したがって、考え方としては、たとえば大手町の局舎、敷地は売却してもいいということになっていく可能性があるのか、それともまたあの大手町は大手町として、さらにまた増加していくであろう通信設備を大手町のほうでもつくらざるを得ないというような方向に進む可能性があるのか。これはよほど先、数年先のことになりますから、私もそう的確なお話を承るわけにはいかないのですが、どういう構想なんでしょうか。たとえばNHKの場合には代々木のセンターのほうに移ったら、あと内幸町のほうは売り渡し、その売却代金によって、具体的には新しいセンターのいろいろな経費の部分をまかなっていくということもありますが、KDDの場合には一体どうなっていくのか、ある程度の見通しでけっこうですが、伺いたいと思います。
  95. 竹内彦太郎

    参考人竹内彦太郎君) 大手町局舎は逐次通信設備が陳腐化したもの、あるいは老朽化したものからあちらに移転いたすように考えております。しかし、御承知のように、大手町局舎にある新しい施設と申しますと、先ほど申し上げましたテレックスの全自動化の装置がございます。それから来年の初めから稼働いたします電報中継のコンピューターの非常に膨大な装置がございます。それが十分稼働し得る期間というのは約十年くらいと私は見込んでおります。したがいまして、新宿局舎に施設ができるのは、その電話テレックスの増加分に対して逐次やっていくことを考えております。なお、そのほかに新宿局舎は電話自動化設備等の将来非常に膨大なコンピューター等を入れなければならないと考えおります。そこで大手町局舎が、新宿局舎ができましてから、さらにすべてがとたんに移るわけではございませんで、大体、少なくともいま申し上げた十年と申しますと、五十五年あるいはその前後にまでは、そういう通信機械が十分稼働し得るということになります。そのあと逐次老朽化したものから向こうへ、新宿局舎へ移すのでありますが、大手町局舎は、御承知のように、二階、四階等の床は通信施設として今後も使えるのでございます。そこで当社といたしましては、その利用というものを一応考えておりますが、その他の事務階といたしましては、お客に対するサービス、あるいは営業のセンター、あるいは訓練センター、将来は料金センターというようなものをそこに考えております。できるだけ活用したいというふうに考えております。
  96. 久保等

    ○久保等君 いずれにしてもたいへんなこれから事業量も膨張してまいるでありましょうし、なかなか長い、長期的な展望も持ちながらやってまいらないことには、その情勢に対応できないと思います。ところで、一両年前から私どもやかましく当委員会でもお願いを申し上げたり、まあ要望いたしておる問題は通信センターの問題ですが、かねがねKDDでは一元化の方向でたいへん自信満々という形で進められてきたように承るのですが、しかし、どうも予想以上に設備増あるいはまた通信の技術そのものも、これは非常なテンポで変わってまいっておる。だから、そういう情勢をあれこれ考え、さらに昨年もお伺いしたことですが、災害対策という問題等を考えていくと、通信というものはこれはたいへんな、これから量的にも質的にも、従来では考えられないような高度なまた非常に複雑になってまいると思うのです。そういうような情勢も考えたり、あるいはまた、片や日本の総合的な発展計画というものとの関連性等を考えたときに、やはり日本のように北南に細長いというか、こういうところでは、できればやはり国際関門局といったようなものを二カ所にやはり置いていく必要があるのではないか。しかも、新しいところに、全くセンターが、関門局がないところにこれからどうするかという話ならばとにかく、一元的な形でやっていったほうが経済的でもあるし、非常に能率的でもあるということも言えると思うのですけれども、すでに歴史的にも大阪の関門局があって相当な人員も現在配置されておるわけですし、また、西の方面も最近特にインド洋に衛星が打ち上げられ、したがって、これに対応する意味山口に地上局が設けられるというようになったことで、先ほど東南アジアの話も出ましたが、場所にもよるかもしれませんが、とにかく西のほうの関門局というものの拡充なり強化をしていかなければならぬという課題も従来とは違った意味で出てきておるのではないかと思うのです。加えて、いまお話を承れば、新宿の総合庁舎にしても、私はまあ十年、二十年じゃなくて、少なくとももう少し長い間は十分に使えるのじゃないか。しばらくの間は少しもてあますのじゃないかと思っておったのですが、お話を聞いてみると、なかなかそうでもないような情勢だとすると、なおさら、ある程度東京のそういう集中化をカバーする意味でも西のほうの関門局を強化をしていく。強化をしていくというより、両々相まってバックアップ体制にもなるでありましょうし、災害対策のことにもなるでありましょうし、また、近畿圏その他西の方面に対する総合的な経済発展の一翼にもなるのじゃないかということを考えて、私は長い目でひとつ見る立場からすると、やはり二大センターという考え方を、従来の考え方と違った角度から考えてやっていいのじゃないかというような考え方が特に最近の情勢から感ぜられるのですが、いかがなものでしょうか。従来の方針はもうすでに承っておりますからけっこうです。ただ、従来の方針をなお断々固として進めていくのだということには、最近の情勢等から見ると、だいぶ情勢は違ってきているのじゃないだろうかというふうに考えます。そこらのところをひとつ基本的な方針をお伺いしたいと思います。
  97. 靱勉

    参考人靱勉君) この問題につきましては、ただいま久保委員からおっしゃるように、前々からの問題でございまして、くどくど要らぬ、まだ断固として一センターで行くつもりかという端的な御質問かと存じます。ただいまのところとしましては、いま申し上げましたように、新宿の新国際通信センター建設というものを最大眼目といたしておりますが、大阪のほうも、もちろんこれが五十年になりますとやはり一ぱいになってくるというような問題もございます。一方におきまして、現在の通信量におきましては、先ほど来からも御質問がありましたように、まだ必ずしもそうわが国通信量というものは膨大でない。しかし、今後五年なり十年、あるいは私どもかなり長期の検討もいたしておりますが、これはまた相当ばく大な量に、ことにアジア地域における近隣諸国との通信量というものは今後ますますふえてくるのじゃないかというふうに考えてきますと、私ども絶対にワン・センターということだけで固執しているわけでもないのであります。まあ、わが国世界間の関係考えてみますと、できればあるいは電話自動化自動交換というようなことを考えて、できるだけセンターは単一のほうがサービスの面におきましては有利——有利というか、便利でございます。センターと申しましても、たとえば近畿圏の経済センターこれと東京との関係におきましても、交換センターが一カ所であっても絶対にサービス面においては劣らない。むしろ国際間の通信においては一つのほうがいいということは現在の一応の常識でございますが、ただいま御指摘のように、あるいは災害対策の問題とか、あるいはまたわが国の経済の発展国際通信量のぼう大な増加というようなことを考えてみますれば、私どもとしましては、今後なおこの点につきましては、各方面から慎重な検討をいたしまして、施策に誤りないように考えたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。  なお、こまかい点につきまして、ただいま大阪の状況等の御質問があれば、別途またお答え申し上げます。
  98. 久保等

    ○久保等君 私は近畿の方面にしてもことしは万博が開催せられているような事情もあるので、非常にまた情勢が変わってくるのじゃないかと、たとえば東京あたりに比べれば比較的土地を確保することが、まあ非常に窮屈であっても、東京ほどではないといったようなことがあるかもしれませんが、しかし、そういったことも急激に、土地取得の問題をとらえてみても、むずかしくなっていく可能性がこれは多分にあると思うのです。だから、そういった点も考えますと、これまた新局舎の敷地の確保の問題にしても、必要になったからにわかにどこかまとめてというわけにはまいらないだろうと思うのですね。しかも、また直ちに大局舎をつくってやりなさいというようなことを、現状、事態を度外視しておやりなさいということを申し上げておるわけでもないのですが、ものの考え方として、従来から言われているような東京一元化というような考え方に対しては、もう少し柔軟といいますか、弾力的にものを考えると同時に、ひとつ方針としてはできれば二大センター、社長の言われるように、確かにまあ一元化されておったほうが、比較的経済面から見ても効率的に言ってもいいんじゃないか、単純に考えれば、私もその考え方も納得できないわけでもありません。しかし、先ほど来いろいろ申しましたいろいろな総合開発計画、あるいはまた西の方面、近畿圏方面における人口の今後の増加趨勢等を考えてみまして、いまの現状が今後全く予想もできないような膨張をしていくことが十分考えられると思うんです。できれば東京にあまり集中させないということで、御承知のように、東京の大学その他の研究機関もこぞって筑波のほうへ移転させようじゃないかということで、これは困難な問題ですが、政府のほうでもそういったことで、強力にそういった施策を進めておるわけですから、そういうことを考えると、私は東京へ東京へという集中方式は、そういった他の面から考えても再検討する必要があるんじゃないかというふうに考えますし、社長の御答弁は、十分に今後の情勢も考えながら、断固として固執するんじゃなくして、十分にひとつそういった二元的な、ことばはちょっと足りないかもしれないが、二元的な方向でひとついくことについても検討してみたいというふうに理解してよろしゅうございますか、結論として。
  99. 靱勉

    参考人靱勉君) 端的に答えますと、常に私どものほうは今後の動向というものを中心にしまして、やはり会社としましては、かなりフレキシビリティを持った考え方でやっていきたい。それから、先ほど来新宿の局舎の問題につきましても、二十年、あるいは二十年じゃ短かいというような意見もあるのかもしれませんが、このごろの技術革新というのは非常に激しいのでございますので、丸の内にあるいろんな建物につきましても、まだ寿命のあるうちに役に立たなくなる。現在霞が関ビルが何年使えるのかということについてもずいぶん検討されたそうです。二十年説、十五年説もあるのでありまして、したがいまして、新宿局舎につきましても、二十年では足りないと言いますが、今後の技術の革新、また国際通信の非常な発展、そういうものを考えていきますと、非常な、ある一つに固執して考えていくのは危険である。われわれは常にあらゆる条件を考え、今後の趨勢というものについて敏感に考えまして対処していきたい、こういうふうに考えます。
  100. 久保等

    ○久保等君 その点については、要望にもなりますが、ぜひいま私が申し上げるような方向でも検討願いたいと思います。  それから、時間もだんだん、私の持ち時間が迫っておるようですから、できるだけ簡潔にお尋ねをしていきたいと思うんですが、いまの問題にも若干関連するかと思うんですが、国際電電も発足をして十八年目に入ってまいっておるわけですが、それだけに非常にKDD発足当初に比べれば、業務量においても、これは隔世の感があるほど実は増加してまいっておると思うんです。これをひとつ数字の面で、発足当初、あるいはその当時のことがおわかりにくければ、その後おわかりになる、できるだけ発足後古い時期の業務量、それから当時の人員が同じ年度でどの程度だったのか、今日では人員の面ではどういうふうにふえてきているのか、そこらのところを業務量と人員の面のひとつ比較をして御説明を願いたいと思うんですがね。
  101. 板野學

    参考人(板野學君) お答えいたします。業務量でございますが、電報につきましては、発足当初昭和二十八年度が三百四十二万通、指数を一〇〇といたしますと、四十四年度には約六百万、先ほど申し上げましたように六〇八万、一七七%、テレックスにつきましては、昭和三十二年度に始まりましたが、当初は七万七千度ということでございまして、それを一〇〇にいたしますと、四十四年度で二百七十五万コールとなりましたので、三五七〇%、こういう増加率です。一〇〇といたしますと、三五七一ですね。  それから電話につきましては、二十八年度におきましては十八万九千、それを一〇〇にいたしますと、四十四年度は百五十八万度でございますので、八三六、こういう見当になっております。  これを人員のほうから、要員のほうから申しますと、昭和二十八年度には三千二百六十一名ございます。四十四年度にはこれが四千三百七十五名、約四〇%ぐらいになりますか、四〇%の増、こういう数になっておる次第でございます。
  102. 久保等

    ○久保等君 こういう点見ますと、比較的数字で歴然としていると思うのですが、もちろん技術革新なり、いろいろ合理化なり、いろいろと従業員の皆さん方の労働密度そのものは高くなってきていると思いまするし、非常な御苦労を願っていることが数字的にも非常によくわかると思うのです。  ところで、ことしも春の時期になってベースアップの問題が各方面でいろいろと解決を迫られていると思うのですが、目下の労使の団交状況といいますか、ベースアップの問題について、どういうところに立ち至っておりますか。これも長々とした経過はけっこうですから、簡単にひとつお答えを願いたいと思うのです。
  103. 黒田義晴

    参考人(黒田義晴君) お答えをいたします。  本年の春闘につきましては、まあ組合といたしましても実は明年の二月末から発足いたします電報中継機械があり、これとの関連において交渉をただいま持っておりますので、簡単に申しますと、組合の今回の春闘の賃金要求は、本給ないし諸手当の本給繰り入れその他を入れまして、大体一万六千五百円程度の要求が出てまいっております。非常に膨大な額でございまして、かつ諸手当の繰り入れ等の問題で複雑な問題を含んでおりますので、私ども目下鋭意社内において慎重な検討をいたしております。近々そういった結論を出しまして組合と話し合いに入りたい、こう考えておる次第でございます。
  104. 久保等

    ○久保等君 昨年は予定よりだいぶん賃金の解決も長引いたようですし、私もできるだけ早く収拾されるようにということでおったりして、だいぶん要請を申し上げたのですが、非常に長引き、したがってわれわれ客観的な立場から見ていると、無用のそれこそお互いにエネルギーを消耗しておったと思うのですが、最終的には三月の半ばごろになってほかの方面が解決をして相当たって、とにかく中労委の会長のあっせんで片づいたようですが、あれをながめておって、私はぜひひとつことしはああいうことにならぬようにひとつぜひ最大限の努力をやっていただきたいと思うわけです。先ほど来いろいろお尋ねいたしておりますように、何といっても株式会社ではあっても重要な公共事業ですから、そういう点ではこれはやはりお互いにざっくばらんな話し合い、それからまたトップでも十分にお話し合いも願いながら、てきぱきとひとつ解決をしていただきたいと思うのです。金をどちらかというと持っておられぬどころじゃなくて、金はあるのだが、どうも何をもたもたしているのだという感じが外からするわけですし、それから、いまも承れば人数の面にいたしましても、約二十年近くなっておりますが、そんなに他の産業、他の企業に比べればふやしておらない。しかし業務量は約十倍近く二十年近い中でふえている面もあるわけですし、そういう業績も一面において上がっておるわけですから、ぜひそういう点については手際よく片づけていただきたいということを、これは国民にかわり私は特にKDDの幹部の皆さま方に御要望申し上げたいと思うのですが、いかがですか。
  105. 靱勉

    参考人靱勉君) 御指摘のように、独占的な非常に公共性の強い事業を私ども担当いたしておりますので、労使間の関係につきましても、無用のあつれきを生じて、そのために通信に悪影響を与えるということはこれは重大なる問題でございますので、われわれといたしましてもできるだけ早くこれを円満に解決したいという期待を持っていることは労使とも同じだと思います。昨年、かなり中労委までいきました点もありますし、今年度もお互いにひとつ、どうせ落ちつくところに落ちつかなければならないわけでございますから、最善の努力をいたして、できるだけ御迷惑かけないようにいたしたい、こういう考えでおります。
  106. 久保等

    ○久保等君 それはひとつぜひそういうことで最大限の御尽力を願いたいと思います。  こまかい問題ですが、いまちょっと電報中継機械化の問題、これも来年早々あたりに実施をするようなお話ですが、これに伴って配転がだいぶ起こるんじゃないかと思うのですが、これに関係する配転の計画をひとつ御説明願いたいと思います。
  107. 黒田義晴

    参考人(黒田義晴君) 配転の計画といたしましては、いまここに詳しく資料は持っておりませんが、大阪方面から、あれは八十名でございます。実は百二十名くらいの予定だったのでございますが、八十名大阪方面から東京方面に回ってくる、こういうことでございます。そしてそのうち一部は技術のほうへ回っていただく、こういうことでございます。
  108. 久保等

    ○久保等君 それから、さらにこまかい問題ですが、KDDの局舎清掃の関係で、整々社あるいは大整社といったような会社で清掃関係を請け負ってやらしておるようですが、この状況について御説明を願いたいと思います。
  109. 有竹秀一

    参考人(有竹秀一君) お答えいたします。  整々社、大整社はいずれも、前者は昭和三十年東京局舎が完成したとき、それから大整社は翌三十一年大阪局舎ができましたときに、局舎の清掃、エレベーターの運転などを請け負わせるためにそれぞれ設立されたものでございます。その後各地方にございます事業所の局舎清掃、あるいは職員寮等の清掃、まかない等を請け負ってやっております。現在の契約は、当社との契約期間を一年といたしまして、毎年物価上昇等を勘案して契約金額をきめております。  契約の内客は、いま申しましたような清掃雑務、エレベーターの運転、それから冷暖房設備の運転、保守、さらに一部はまかない等に行っております。請負金額は、四十四年度の実績を申しますと、整々社については約一億四千万円、大整社につきましては五千五百万円となっております。本年度すなわち四十五年度につきましては、細部まだ調整を要するところがございまして未契約でございますが、整々社は一億六千万円、それから大整社は六千六百万円くらいになる見込みでございます。なおこの両社ともに、そういった当社との契約に基づく業務以外に、売店の経営とか、あるいは保険業務等、これは付帯事業としてやっておりまして、そういった方面からの収入も入れて経営をしておる次第でございます。  以上でございます。
  110. 久保等

    ○久保等君 従業員の数はどういった数字になりますか。
  111. 有竹秀一

    参考人(有竹秀一君) 従業員の数は、これは作業の関係でパートタイマーもかなり使っておりますので、そういう人たちを入れますと、整々社が二百二十名、大整社が八十三名でございます。
  112. 久保等

    ○久保等君 役員の数。
  113. 有竹秀一

    参考人(有竹秀一君) 役員は整々社、大整社ともに、いずれも三名ずつでございます。
  114. 久保等

    ○久保等君 ありがとうございました。それでけっこうです。  それじゃ時間が参りましたので、私も一言ちょっと要望かたがた、少し話がダブリますが、先ほど来襲頭からお願いをしておりましたが、やはり長期計画をお立てになってやられることが、ぜひ必要じゃないかと思います。もちろん法律の定めるところ、年次的なものは当然それぞれ毎年度郵政大臣認可をもらうというようなことでつくられる、これは当然のことですが、問題は、大綱的な方針でもいいから三カ年計画あるいは五カ年計画あるいは七カ年計画、いずれが適当かはこれは別といたしまして、長期的な一つの方針を立てる、そこでその長期的な方針については、私はそういった方針はある程度発表していいのじゃないかと思うのです。もちろん不確定要素があるわけですから、きちっとしたものは年次計画の中で出ていくわけですから、事前にそういった長期計画をお立てになれば、当然またいろいろ批判というか、いろいろないい意見が外から聞けると思うのですね。それから当然前に、これは私は労働組合との間にも長期計画等の問題は大いに議論していいと思うのです。したがって、そういう中でいい意見があれば取り入れていくということでディスカッションして、長期計画を立てて、そして一年度、一年度を着実に予算を立て計画を実施していくということでいいのですが、先ほど来新谷委員からもお話がありましたけれども、何か長期計画というものはもちろん会社ではお持ちになっておるだろうと思うのですが、それがどうも表には出てこない。もちろん表に正式のものとして出すかどうかは私は別問題として、しかしある程度これをオープンにして——承知のように電電公社の場合には五カ年計画というようなものを立ててずっと長年の間やってまいっております。したがって国内で長期計画を立てている、国際関係について長期的な計画がある、それとの関連性も考えながら、私はまたわれわれの立場でもいろいろ考えてまいる余地が出てくると思うのですが、結局、年々一年度だけの計画がぽつんぽつんと出てまいるということでは、われわれの立場から言っても、一体どういう計画をお持ちなんだろうかということについてのやはり判断もできかねるわけですし、それからまた、ある程度何カ年計画という形で公にしてもらえれば、それに対していろいろな意見がこれから出てくると思うのです。その意見もまた加味しながら現実的な年次予算に組み立てていくということにすることは、国際電電事業を私は進める上に、他の方面、他の方面といいますか、国際電電仕事に携わっておられる皆さま方以外の英知というか理解というか、そういったようなものも間接的には反映されていくということになろうと思うのですね。したがって、もちろんそういうことをお立てになる前には、十分にひとつ私は部内でも議論をしていただく、部内でも十分にひとつ検討していただく、労働組合とも十分にそういったことについて話し合っていくというようなことをやりながら、みんなで要するに国際通信という重要な事業を盛り育てていくという方向をとるべきじゃないか、したがって何か一枚ベールをかぶせたような運営をやっておるんじゃないかという、まあこれは誤解にしろ、批判を受けるようなことのないように私はやっていただく必要があるんじゃないか。まあ長期計画の問題に関連して、くどいようで、繰り返すようですが、いま申し上げたように、ぜひひとつ部内、労働組合ともよくそういった問題について議論をしてもらって、経営権が云々だとかなんとかというしかつめらしい議論がまた出てくるのかもしれませんけれども、それはそれとして、経営権が経営者にあることは疑う余地のない問題ですから、そういう問題は抜きにして、私はかた苦しい意味でなくて、要するに部内は部内で衆知を集めて長期計画的なものを立て、さらには実行に移す場合には、一体それがいまの時点で実行するとすればどういうふうにすればいいんだというようなことで計画を実行に移していただくというような、二つの、二本立てといいますか、そういうことをぜひKDDの場合についてもおやりを願いたいと思うんですが、そういう長期計画の問題になりますと、いつも法律に定められた年次的な実施という以外にあまりはっきりした、長期計画的な御説明なりまた方針なりを、資料等でもまあ私どもちょうだいできないんですが、部内ではお持ちになってるんでしょうけれども、もう少しそういったものをオープンにして、衆知を集めて計画をひとつやっていくということにせられる必要があるんじゃないかと思うんですが、繰り返して私の申し上げたいのは、まず内部で十分に相談をし合って議論をしていただいて、そういったものをだんだんだんだんと積み上げていくというふうに願いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  115. 靱勉

    参考人靱勉君) 先刻来長期計画の必要につきましていろいろ御意見がありまして、私どもごもっともだと思っておりますし、いま久保委員もおっしゃるとおり、会社として全然年次計画だけでほかの計画を持ってないことはないだろうと、そのとおりでありまして、私どもはあるいは国の経済計画その他等十分考えまして、また各国の動向等を考えまして、比較的短期な期間ではございますけれども、ある計画を持っております。しかしながら、先ほど副社長から御説明申し上げましたように、なかなかこれは国際間の関係がございまして、計画として、まあ率直に申して、いま久保委員のおっしゃる、組合等に協議というようなところまでいくことになると、これはもう計画としてはなかなか困難であると思うんでございます。それ以外にまた、国際通信におきましては、わが国において独占でございますが、国際間の競争というものは、これはやはりあるんでございます。なかなか油断のできない点もあるわけでございますので、私どもはしいてベールで隠してかってなことをやっているということではもちろんないのでございます。いまおっしゃるような各方面の知識も入れまして、計画の設定をできるだけ正確、的確にしていくという努力につきましては、最善の努力をいたしておる次第でございますが、長期計画自体を御相談するということは非常に困難でございますが、長期構想と申しますか、私どももやはり長期のビジョンというものを持って、やはり国際電電会社の職員の人もやはりビジョンを持ってやっていかなきゃほんとうの能率ある仕事はできないと思います。そういうような点につきましては、観念的にお話しすることはもちろん私ども消極的には考えておりません。ただ年次計画につきましては、すでに実施いたしておりますように、労働条件等の関係もございますし、また全般的な理解、協力を得るために計画自体私ども責任を持って設定いたしますが、事業計画については協議をいたしておると、こういうことで、先ほど来ほかの委員の方々からもおっしゃるような点につきましては、十分今後もさらに長期の見通しというものを正確に出しまして、これは皆さま方のいろいろなまたお知恵も拝借し、各方面の的確な資料もとにやっていくわけでございます。そういうことで、計画自体として組合等との協議ということは困難でございますが、たとえば部分的な話し合いというものは、これはもうわれわれはやっていきたいと、こういうように考えております。
  116. 久保等

    ○久保等君 では最後にしますが、いま言われることもわかります。特に国際的な問題でいろいろ諸外国との折衝があるだけに、なかなか国内的とは違ったむずかしさがあることはよくわかります。したがってそういった問題は問題として、しかしできれば、私のまあ表現のしかたが正確でなかったかもしれませんが、構想でもけっこうです。だからその構想でもけっこうですから、少なくともやはり団体交渉の議題にするとかしないとかということは別にして、実質的に要するに話し合いを十分にしていくということは、これはおやりになる必要があると思いますし、そのことは決して私は無理な注文を申し上げているとは思わないのです。それからまた、構想について何も私ども正式にKDDからひとつ相談にあずかりたい、あるいはまた国会にわざわざそういったことについても相談をしてもらいたいということを言っておるのではないが、KDDが一つの構想なら構想をおつくりになれば、それに対していいとか悪いとかという批判は出てくる。それはむしろ受け入れるべき批判であって、建設的な批判であれば十分に、私はそれこそ批判に耐え得るものでなければならぬと思うし、またそれをさらによりよくしていくことの一つの一里塚にもなるわけですから、そういう意味でひとつ、計画ということばが少しきつければ構想ということでもけっこうなんですが、ぜひひとつそういう構想もお立てになりながら、しかも年次計画はこれはまた年次計画という形で、法律の定めるところに従ってきちんきちんとした計画をおつくり願わなければならぬと思うし、そこらのところもあまりかたくなにお考えにならぬで、ひとつお考えを願いたい、かように考えます。  まあ時間がきましたからやめますが、きょうの委員会では、私もデータ通信等の問題でそういうお尋ねをいたしましたが、非常に重要な今後の問題でありますし、また機会をあらためて郵政大臣にも所信をお伺いし、また今後の問題についてどうしてまいるか、われわれも大いに研究していきたいと思うのですが、片やKDDにおかれましても、こういった問題についてもぜひひとつ具体的な制度、法律の改正問題についても、私は御意見は十分にひとつわれわれなりあるいは政府当局のほうに反映を願いたいと思うのです。何といってもやはり直接仕事をやっておられる方々が一番明るいと思うのですね。だからそういう状況の上に立って、現行制度ではこういった点が不便ではないだろうか。これもあまり新聞記者団を集めて発表するような形で発表すると、私は問題になるだろうと思うのですが、しかし郵政大臣あるいは電気通信監理官、それぞれの筋には、現在の制度では非常に不備だというようなことを堂々と言われてこれはしかるべきだと思うのですね。それはとにかく政府並びに国会がお考えになることで、まあわれわれのほうは日々の業務を忠実にやっておればいいんだということではなくして、非常に高度な責任をKDDの場合はお持ちだと私は思うのです。だからそういう点では、ただいまあるいは先ほど来私がお尋ねした経過の中でも、ある程度私自体の真意も御理解いただけたと思うのですが、ぜひひとつ、変転きわまりないと言ってもいいような通信事業ですから、それに即応できるようなひとつ制度なり法律ということを私ども考えなければならぬと思って苦慮しておるところですから、ぜひひとつ積極的な御意見も今後お聞かせを願いたいと思います。したがってまた機会をあらためてKDDのほうにも国会に御出席をいただきたい。単に年中行事として一回だけということでなくて、御足労ですがぜひまたひとつ機会を見て国会にもお出ましを願うように、またこれからしたいと思いますし、新谷委員のほうからもお話がありましたように、逓信委員会に正式に報告書を出してくれということではなくて、ぜひ実質的に実情等についてはお話をお聞かせを願うような配慮をいただきたいと思います。きょうはたいへんどうもありがとうございました。
  117. 靱勉

    参考人靱勉君) 御趣意、よく了承いたしました。各委員からいろいろな御指示をいただきましてありがとうございました。
  118. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 参考人の方に一言お礼申し上げます。  本日は、御多忙のところ長時間本委員会調査に御協力くださいましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。どうも御苦労さまでございました。  他に御発言がなければ、本件に関する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会