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参考人(小野吉郎君) ただいま
NHK懇談会と申されましたが、これには懇話会と、さらに各地方で催します受信者との懇談会がございます。懇話会のほうは四十二年の十一月一日に発足したわけでございますが、当時かねがね
NHKの財政の
内容あるいは経理の
内容といったようなものが会計検査院の検査を受け、国会では慎重な御審議を仰ぎ、いろいろそういった審議を仰いでおるわけでございますけれ
ども、一般の国民にどうも十分に理解されておらないのではないかというような御批判がございまして、そういうことにこたえるため、たまたま同時に四十三
年度から第三次五カ年構想を発足するにあたりまして、
受信料制度についても白黒のものは値下げをし、カラー料金を別に設定するというような措置をとりました。そういう際にあたりまして、当委員会でもやはりそういった面について慎重な配慮が必要であろう、国民の理解のもとにすることが必要であろうというような御示唆もありまして、
会長からもそのような面を考えて、いろいろ国民の皆さんに納得していただけるような措置を講ずるつもりでありますという御答弁を申し上げております。その線に沿いまして、東京では中央の
NHK懇話会並びに各中央
放送局別に地方に懇話会を設けております。大体委員の数は東京で十七名、地方では十名ないし十五名でございますけれ
ども、東京では毎月一回開いております。各中央
放送局管内では、年に二回ないし三回開いておりまして、これにはできるだけ本部の幹部、特に役員が出向くようにいたしております。中央の懇話会におきましては、
会長以下
関係役員がすべて出まして、いろいろ御説明も申し上げ、御要望に対してもこれをお伺いして、また、非常に有益な御要望があればこれを取り入れるというような措置を講じておるわけでございますけれ
ども、そういった面から申しますと、この懇話会のねらいは、どちらかと申しますと、
NHKの
経営内容、経理
内容、そういったものが十分に理解されておらないと、こういう点に着目をいたしまして、主としてそういった
経営全般の問題についていろいろ御懇談を申し上げる。非常に有益な御意見があればこれを
業務に反映していく、こういう姿勢をとっております。この面におきましては、必ずしもそういう
経営だけではなしに、
番組の問題も出ますけれ
ども、
番組については、
放送法上きめられました
番組審議会という法定の機関がございます。そういうものがございますけれ
ども、こういう懇話会をつくりました機会でございますので、
番組面についてのいろんな意見もありますが、やはりそういった
経営全般の問題、そういった問題についていろいろ有益な御意見を承っておるわけでございます。それを
業務に反映していくということで、カラー料金の設定の場合につきましても、慎重にこの面については
経営の過去の歩み、並びに現状、将来の展望をあわせまして御説明を申し上げ、いろいろそういった面についての御批判も受けたのでありますけれ
ども、やはりあの時点においては、カラー料金の面については、
カラー放送の本格化に備えて料金一般の公正をはかる
意味からも、白黒とは別建ての料金にすべきであろうという御意見が大勢でございまして、それ以後毎月開いておりますけれ
ども、そのときどきの問題におきまして、いろいろ有益な意見を賜わっておるわけでございます。
一方、受信者懇談会の面につきましては、
昭和三十六
年度から始めておりますけれ
ども、これは全国各地で大体受信者の方々、各界各層の方々、性別を問わず、また年齢から申しましてもお年寄りの方から若い人、職業別にもあらゆる分野の人を大体二十名あたりを一回に集めまして、本部からも役員が出向く。また地方局には、地方局の人も参加をいたしまして、ざっくばらんな懇談をいたしております。現在まで開きました件数は、全体で三十六
年度から四十四
年度までの
実績で申し上げますと、約四千回に及んでおります。これに参加された人々の数は六万五千名にも及んでおるというような
状況でございまして、これもまた
経営問題あるいは
番組の問題、種別を問わず、ざっくばらんに御不満なり御要望なり、また十分御理解のいっていない点につきましては御
質問も受けまして、率直にお答えを申し上げておるというような
状況になっております。