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1970-07-10 第63回国会 参議院 逓信委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年七月十日(金曜日)    午前十時十分開会     —————————————    委員の異動  五月十四日     辞任         補欠選任      塩見 俊二君     白井  勇君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         近藤 信一君     理 事                 長田 裕二君                 新谷寅三郎君                 松平 勇雄君                 永岡 光治君     委 員                 植竹 春彦君                 古池 信三君                 白井  勇君                 野上  元君                 北條  浩君                 村尾 重雄君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  井出一太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    説明員        郵政政務次官   小渕 恵三君        郵政大臣官房長  野田誠二郎君        郵政省郵務局長  竹下 一記君        郵政省貯金局次        長        田中 恵造君        郵政省簡易保険        局長       上原 一郎君        郵政省経理局長  溝呂木 繁君        日本電信電話公        社総裁      米沢  滋君        日本電信電話公        社総務理事    井田 勝造君        日本電信電話公        社保全局長    橋本 真澄君        日本電信電話公        社経理局長    中山 公平君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (郵政事業運営に関する件)  (電波に関する件)  (放送に関する件)  (日本電信電話公社運営に関する件)     —————————————
  2. 近藤信一

    委員長近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  これより郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  本件に関し質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 野上元

    野上元君 郵政当局並びに電電公社にお伺いしたいんですが、ことしのつゆは御承知のように、非常に記録的な長いつゆで、しかも集中豪雨がしばしば訪れたわけです。そこで各地に相当大きな被害をもたらしておると思いますが、その概略について、郵政電電と順次ひとつ御報告願いたいと思います。
  4. 野田誠二郎

    説明員野田誠二郎君) お答えをいたします。  御指摘のように、相当ことしのつゆは長期間かつ多量の降雨を見たわけでございますが、現実に業務並びに職員関係につきまして被害が発生し、本省のほうにその報告が上がってき、かつ措置を要したものといたしましては、七月一日の千葉県において起こりました水害、これだけでございます。先般の台風第二号によります被害というようなものは、ほとんど非常に軽微でありまして、これに対しまして措置を要したというようなことを聞いていないわけであります。  したがいまして、郵政関係につきまして申し上げますと、まず七月一日の千葉県の水害関係でございますが、災害救助法発動地域が市原市、木更津市、大多喜町、上総町、平川町、君津町、富来田町、天羽町、夷隅町、小櫃村の、千葉県の二市七町一村につきまして災害救助法発動を見ておりますけれども郵政関係につきましては非常に被害が軽微でございまして、本省としまして特段の措置を要したというような被害の発生を見ておりません。郵便局舎関係につきましては、床上浸水千葉県が一局、床下浸水は五局でございます。ただ、簡易局につきましては、大多喜町が受託者になっております横山簡易局それから葛藤簡易局、この二局におきまして、横山局全壊葛藤局土砂浸入、こういう被害を受けております。現在再開をいたしておりません。窓口業務につきましては、上記の簡易局を除きまして支障なく取り扱いをいたしております。集配運送業務につきましては、鉄道運送便につきましては、これは七月一日に被害が発生したのでありますが、七月三日には房総線関係復旧をいたしております。したがいまして、主要な線路というようなものは確保いたしておるのでございます。未復旧線路、これは臨時自動車便運行によりまして運送を確保いたしております。したがいまして、運送関係は完全に復旧をいたしておる、こういうことが言えようかと思います。ただ、集配関係につきましては、千葉県下の一部で道路決壊等によりまして配達不能の地区を生じておりましたけれども、これまた現在は正常に復帰をいたしております。なお、これらのほかに郵便のおくれが最大三日間のおくれを生じた地域もあったのでございますが、先ほど申し上げましたとおり、七月の八日にはほとんど平常に復しておるような実情でございます。  なお、以上のような状況でございますが、これらにつきまして被災者救護措置、これは一般郵政サービスを受けられる国民の方々でございますが、五つの措置を講じております。これはおもな措置でございます。一つは、被災地あて救援小包料金免除、これを行ないました。これは七月二日に行なったのであります。二番目は郵便はがき郵便書簡無償交付、これを行なったのであります。三番目に貯金保険の非常取り扱い、四番目に災害救援金郵便振りかえによる送金の料金免除、これを行ないました。五番目に簡易保険診療所による救護班派遣、これは七月九日に加茂地区に対しまして救護班派遣いたしております。  以上が当該罹災地域におきます被災者救護措置のおもなるものでございます。  なお、職員、これは郵政職員被害とその救援対策でございますが、幸いにしまして、今回の災害につきましては人身の被害がございませんでした。家屋被害につきましては、全壊が一、半壊が二という程度でございます。四十六世帯五十人が被災をしております。これにつきましては、共済資金によります災害見舞い金支給、それから災害貸し付け、これらを行なったのであります。なお、これは東京郵政局管内でありますので、東京郵政局としましては人事部共済課長以下の職員現地派遣をいたしまして、先ほど申し上げました共済組合によります災害見舞い金支給というようなものを急速に行なう等々、各般援護措置を講じておるのであります。  以上が今回の千葉県下の郵政関係災害といいますか、被害並びに罹災者救護措置援護措置並びに罹災職員被害とその援護対策概略でございます。  なお、電電公社関係につきましては、われわれのほうも報告を受けておりまして、まとめておりますが、これは関係の方も見えておるようでありますので、電電公社のほうから報告をしてもらうことにします。
  5. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 保全局長からお答えいたさせます。
  6. 橋本真澄

    説明員橋本真澄君) お答え申し上げます。  七月一日の千葉県の集中豪雨におきましては、市内電話回線五千六十八回線、市外電話回線四十六回線、途絶局——完全にほかの対地と通話ができなくなりました局を途絶局と申しておりますが、三局、停電局が十四局の被害を受けました。回復状況は、七月四日午前九時ごろに千葉県以外の被害はほとんど回復いたしまして、七月六日に千葉県下もほとんど回復いたしました。なお、途絶局につきましては、翌日の二日午前八時四十五分にはすべてが回復しておりますし、停電局につきましては、その間、予備電池とか予備発電機によりましてサービスには支障を来たしておりません。電源が回復いたしましたのは三日の十時三十分でございます。  それから七月五日の台風二号に伴うものにつきましては、市内電話回線が二万二千五百回線、市外回線が百五十回線、途絶局が三局でございまして、回復状況は、七月の七日午前九時には八八%回復いたしまして、七日じゅうには一〇〇%回復いたしました。なお、途絶局は、六日の午前中にはすべて解消いたしております。  以上でございます。
  7. 野上元

    野上元君 職員関係がない。
  8. 井田勝造

    説明員井田勝造君) 職員罹災状況について報告をいたしますると、やはり七月一日の房総半島を中心としました集中豪雨に伴う罹災でございますが、床上浸水が三軒、これは職員のそれぞれの家庭の床上浸水でございます。床下浸水が七軒と、こういう比較的軽微な被害で済んでおります。床上浸水をいたしました職員に対しましては、公社から災害見舞い金共済組合からも災害見舞い金がそれぞれ出ております。なお、毛布その他たき出しの準備等もいたしたのでございますが、比較的軽微でございましたので、実際には使用いたしませんでした。
  9. 野上元

    野上元君 こまかい点は、きょうは時間がありませんから質問は省略したいと思いますが、郵政当局にお聞きしたいのですが、災害救助法発動された場合の個人の被害職員被害一般的な場合の被害との救助方法というのは違いがあるのですか。たとえば共済組合法適用等についてその取り扱いが違うということがあり得るのですか。
  10. 野田誠二郎

    説明員野田誠二郎君) もし間違っておりましたら後刻訂正をさしていただきたいと思いますが、職員被害につきましては、実際のその被害の実額と申しますか、これに基づきまして各般救護措置がとられる、かように考えております。したがいまして、いま先生のおっしゃいました災害救助法発動を見た地域に特にその実際の損害以上とか、あるいは他の災害救助法発動されない地域に比べて加重された多額の救援資金なり物資が送られる、こういうふうにはなっていないように記憶をいたしております。
  11. 野上元

    野上元君 具体的な例ですが、私も現地を見舞ったんですが、たとえば共済組合から金を借りてたまたま二カ月前に家を建てた、そうしていま共済組合に金を分割払いで払っておるわけですが、たまたまその建てた家が全壊してしまったというような場合に、また再び共済組合から借りて家を建てなきゃならぬわけですが、そうすると、二重に借りた金を払わなければならぬ、こういうこともあり得るわけですが、そういう場合について特別な措置というものはないのですか。
  12. 野田誠二郎

    説明員野田誠二郎君) 準備不足で申しわけございませんけれども、これは何といいますか、償還期限の延長というような措置がとられることになっておると思います。
  13. 野上元

    野上元君 一般的の場合ですね、災害救助法発動された場合には、たとえば田畑が泥濘の中に沈んでしまっておる、埋没してしまっておる、したがって、このどろを掃き出すことは不可能に近い、しかし、農家は生活しなきゃならぬという場合に、やはりいろいろな方法があると思いますが、いずれにせよ、法律に基づいて金を貸す、その貸した金については利子はもらう、しかし、その利子を県なり地方自治体が補助をするというような救援方法をとっておるようですが、郵政当局ではそういうやり方はとれないのですか、災害救助法発動された地域における職員罹災者について。
  14. 野田誠二郎

    説明員野田誠二郎君) まことに申しわけございませんけれども、当てずっぽうの返事をしておりますと——これはやっぱり法律なり規則に基づきましての取り扱い関係になると思いますので、即刻調べまして正確なところをお返事申し上げます。
  15. 野上元

    野上元君 それでは、具体的な問題については後ほどお知らせいただくとして、被害総額というのはどれくらいですか、郵政当局の。
  16. 野田誠二郎

    説明員野田誠二郎君) 実は、郵政関係につきまして、この千葉県下の郵政関係施設その他の関係被害は非常に軽少でございますし、東京郵政局からの報告が実はまだ参っていない状況でございますので、本省におきましてはまだ把握をいたしておりません。
  17. 野上元

    野上元君 そうしますと、被害は軽微だから郵政当局が持っておられる局舎建設とかその他の計画支障を来たすようなことはないと、こういうふうに判断してよろしいですか。
  18. 野田誠二郎

    説明員野田誠二郎君) 予算的に特別な措置を講ずるというふうなことは必要がなく、東京郵政局限りでほとんどの措置が可能かと、かように考えます。
  19. 野上元

    野上元君 郵政当局への質問はこれで終わります。  電電公社にも同じような質問をしたいのですが、まず、職員救済方法について、やはり災害救助法適用地域における罹災者救済方法というのは特別な措置が可能なのかどうか、一般的な郵政当局と同じような考え方でおられるのか、その点お聞きしておきたいのですが。
  20. 井田勝造

    説明員井田勝造君) その点研究不十分でございますので、よく調べましてお返事を申し上げます。
  21. 野上元

    野上元君 もう一つの問題は、電電公社被害総額なんですが、どれぐらいになっておりますか。私の聞くところでは一億円ぐらいの被害だというふうに聞いておりますが。
  22. 橋本真澄

    説明員橋本真澄君) 千葉県下の被害設備——われわれの取り扱います電気通信設備関係だけの被害が約三億円でございます。台風号関係につきましては一億円でございます。
  23. 野上元

    野上元君 いずれも、どうも電電公社予算から見て、幸いにしてそう大きな比率ではないというふうに思いますが、当初の計画が狂うというようなことはございませんか。
  24. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 当初の計画に狂いはございません。
  25. 野上元

    野上元君 それでは、具体的な問題については後ほどお聞きすることにして、私の質問を一応終わります。
  26. 長田裕二

    長田裕二君 ちょっといまの質問に関連しまして。  ただいま野上委員から、千葉県南部の水害に伴う郵政電電両方面におきます職員被害施設被害、これの復旧状況等についての御質問がありまして、お答えがあったわけですが、私自身もあの現地に参って方々見聞したのですが、山くずれで生き埋めになった郵便外務員をはじめとする郵便局活動、倒壊した簡易郵便局につきましても、事前に、状況に応じてだんだん重要な物件を外に搬出し、倒壊して間もなく業務を別の場所で再開するというような措置、同じくまた、電信電話関係などにおきましても、大原電報電話局木更津電報電話局、これはどこに行きましても非常に感謝と激賞の的になっているような不眠不休一の活動を示しておりました。たとえば罹災家屋などで、まだ家の中にどろが非常にたくさん積もって、そのどろを除去する作業をやっているときに電話局の人が出かけて行って、電話市内線の故障の修理をする。ちょっと待ってください、電話の置き場のところのどろをこれからのけるからというぐらいな、まあ非常に迅速な、ほんとうに不眠不休活動を続けておられる。そのような姿を各所で拝見して、私はこの席をかりまして、それぞれの関係方々に心から感謝気持ちを申し上げさせていただく次第でございます。
  27. 永岡光治

    永岡光治君 大臣がお見えになりませんですけれども、衆議院の逓信委員会との関係もございまして時間に制限があるようですから、質問をさせていただきます。  政務次官中心にいたしまして、それぞれ関係総裁なりあるいは局長のほうから御答弁をいただければいいと思いますが、すでにもう国会も終わりまして約二カ月の期間を経過いたしているわけでありまして、かたがた来年度予算要求概算要求が近くされる状況でもありますので、来年度にわたっての郵政電電における事業計画と申しますか、そういうものについて質問を申し上げたいと思うのでありますが、まず、新聞等では、郵便料金なり電電公社電話料金電報料金なりについていろいろ報道されておるような状況にあるようであります。先国会では、明確な構想答弁をいただいておりませんが、こういう段階にくれば、新聞報道にも出ているくらいでありますから、郵政なり電電公社当局におけるおおよその構想もまとまっているのじゃないかと思われるのでありまして、その意味昭和四十六年度における両事業新規事業と申しますか、新しい構想に基づく料金改定なりあるいは事業制度の改正なり、いろいろあろうと思いますが、その点について御答弁いただきたいと思います。時間もありませんから、私の考えをどうこう言うのじゃなしに、郵政なり電電公社における構想というものを御説明いただく、その内容についての質問にとどめたいと思いますので、そういう意味でひとつ御答弁をいただきたいと思います。  どうも私の質問がばく然としておるように受け取られているかもしれませんから、項目を限定しつつ質問いたしますが、まず郵政でございますが、郵便料金改定というものについて、どういうお考えを持っていられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
  28. 小渕恵三

    説明員小渕恵三君) お答えいたします。郵便料金の問題につきましては、御案内のとおりに、昭和四十五年度の予算におきましても約百二十三億の赤字予算を組みまして、その不足分を前年度からの持ち越し現金で充当することといたしておるわけでありますが、このような状況から考えまして、四十六年度以降は大幅な赤字が予想されております。その処置といたしましては、第一に、一般会計から繰り入れることにしたらどうか、第二には、借入金によったらどうか、あるいは第三には、料金値上げによる方法等がございますが、そのいずれの方法によりその予想される赤字解消したらどうかという問題につきましては現在検討中であります。しかし、かりに郵便料金値上げに依存せざるを得ないというような状況になりましても、郵便遅配解消の問題あるいは郵便業務の正常な運行を確保できるような方向で、料金改定のあり方を検討いたしてまいりたいと考えております。
  29. 永岡光治

    永岡光治君 いまも検討中のようでございますが、しかし新聞等によりますと、かなり第三種料金については整理しなければいかぬだとか、あるいは低料金をもう少し増額しなければいかぬだとか、記事によっては、具体的な数字として七円を十円にしなければいかぬとか、あるいは十五円を二十円にしたらどうかとかいうことも、これは新聞記事でありますけれども、そのような具体的な数字まであげられて報道されておるようでありますが、料金改定についての値上げということを中心考えておるのか、そのときにおける大体どういう程度のことを値上げの幅として考えておるのか、全然考えがいまのところないということではないのではないか、こう思われますが、いかがでございましょうか。
  30. 溝呂木繁

    説明員溝呂木繁君) お答えいたします。  いろいろ新聞等に載っておりますが、いま私どものほうの作業段階を申し上げれば、そのお答えになるかと思いまして私から答弁させていただきますが、実は、前国会まではいま政務次官から御答弁していただいたような形で進んでおります。そこで問題は、概算要求を八月の末に出すことになります。そうしますと四十六年度の収支というものの見込みが立ちます。その上で今後三年なり五年なりの収支見込みを立てまして、その上で財政上どれだけの赤字がふえるか、そういうものをまず見通すことが先決だということで作業をいたしております。したがいまして、その赤字をどのように解決するかという問題が次に出てくると思いますが、これはまだ省として、料金値上げによってこれを解決するとか、あるいは借り入れ金によって解決するとか、あるいは一般会計の手によって解決するというような、この三つのうちどれにするという結論は、その時点でもまだ出ないのじゃないかというふうに考えております。そこでただ、幾ら赤字が出る、たとえば四十六年度で何百億の赤字だ、それから五十年度は何千億くらいの赤字になるというめどがついた場合に、少なくとも料金値上げによるならば何割くらいの値上げをしないと、その財政赤字の好転はできないというめどがつくかと思いますが、これを料金値上げのみによって解決するとか、そういう方法論といいますか、そういうものの決定はちょっとまだ現段階ではむずかしいのじゃないかというふうに考えております。
  31. 永岡光治

    永岡光治君 非常に周囲を配慮しての御答弁気持ちはわかるのです。したがって、そういう意味があれば私どもはあえて深く追及する気持ちはございませんが、もはや、もう八月も目の前に控えておるわけでありますから、そしてまた、今日の赤字の傾向というものがどの程度出るかということは、経理当局がわからぬはずは私はないと思うのですね。それで、新規事業としてどういうものをやりたいということになれば、予算が要るということは当然わかっているはずと思うのであります。いまだに方針がきまらないということではないと私は思うのですけれども、いずれをとるかという決定をして発表する段階は先であるといたしましても、方針として、料金改定によるのかあるいは借り入れによるのかということになれば、大体、新聞紙上等を拝見いたしますと、料金改定方向中心にしての、そういう行き方じゃないかと思うのですが、その方向はどうなんでしょうか。
  32. 溝呂木繁

    説明員溝呂木繁君) 事務当局としましては、財政赤字解消する方法としては、一般論的にいえば独立採算制前提とし、受益者負担という前提に立ち、郵便事業においてはこの財政料金によってまかなうというのがもう原則論でございますので、ただいま永岡委員が御指摘になったように、やはりわれわれとしては、料金値上げ前提として事務当局としてはいろいろ検討せざるを得ないというふうに思っておりますが、御承知のとおり、事務的な原則も、やはり政府の方針決定する上においては、公共料金抑制といったような物価抑制という大きな政治的問題とからんでまいりますので、そういった意味で現段階においては料金値上げによってこれを解決するという明確な方針決定できないということであって、事務当局としてはそういう準備をせざるを得ないというふうに考えております。  それから、四十六年度の概算要求等も大まかにわかるのではないかというお話でございますが、実は、いま概算要求取りまとめ中でございまして、ここまで来ましたので、かなり正確な数字を出したほうがいいということで、まだ経理局として概算要求を出す前に幾らくらいの赤字ということは差し控えたいということで作業をしているわけでございます。
  33. 永岡光治

    永岡光治君 これは新聞記事中心に私は質問したいと思うのですけれども、第三種を大幅に整理するという方向が、けさの新聞にも——従来ともしばしば出ているのであります。それからまた遅配が一向に解消されないので、これについても検討しなきゃならぬのだが、これと関連して料金問題等考えておるのではないかというふうに考えられる節があるようであります。それから、たとえば準速達制度を設ける。今日の遅配の大きな要因の一つになっているのが、ダイレクトメールが非常に多くて、それが高等信の配達に支障を来たしておるようだということをいわれております。そうなりますと、高等信を確保するためには、速達を確保するためにも、速達制度、準速達制度考えなければならないのじゃないか。それが料金改定に見合った金額とうらはらになると思うんですが、そういうものも考えなきゃならぬのじゃないかという記事が出ておりますし、また、きょうの毎日新聞を見ましても、遅配解消一環としてあるいは要員対策一環として、郵便ママさん制度を拡充したいとか、あるいは第三種も大幅に整理したい、いうところの事業改革案というものをだんだん考えられておるようでありますが、そういたしますと、私の考えでは、料金改定事業改革案とが並行していくように思われるわけでありますが、それらの問題は、やはり郵政当局では真剣に考えられていると思うのでありますが、料金改定をする際には、そういうものとあわせて検討されるということになるのかどうなのか、これをひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  34. 竹下一記

    説明員竹下一記君) 郵便事業は、先ほどのお話のとおりでございまして、四十五年度において百三十三億の赤字でありますし、来年度以降さらに大幅の赤字が見込まれるわけでございます。その赤字解消策ということになりますると、これは先ほど経理局長が申しましたとおりでございまして、そのやり方につきましては、まだ省といたしましては決定を見ておりませんが、何らかの措置をとっていただかなければ郵便事業赤字解消ができないわけでございます。私どもは、事務的な立場から、何らかの措置がとられることを期待しておるわけでございます。  したがいまして、私どもといたしましては、これまた事務的な立場から、今日の郵便事業赤字は一体どういうことに起因しておるかという解明をひとついたしておるわけでありまして、それは第三種郵便が非常に低料金になっておるということが一つございます。それからまた、もう一つ、小包郵便料金が非常な原価割れになっておるということもあります。そういうことを申したんでありますが、本日の新聞を見ますと、その中で第三種の問題を取り上げて書かれてあるようでございます。  それからもう一つ、私どもとしましては、ただ単に事業赤字を消すということだけでは、郵便事業といたしましては、何と申しますか、十分なことではございません。世にいわれる遅配問題——郵便の正常化という問題を同時に解決しなければ、これは国民の皆さんに対しても相すまないわけでございますので、財政上の改善策を講ずると同時に、あるいは並行的に、業務の正常化、遅配解消策についていろいろ目下考究し、いろいろと検討を重ねておるわけでございます。いかにしてこの労働力を確保するか、これをいかに有効に使うかという問題もその一つでありまして、郵便ママさんの拡充というテーマが毎日に出ておるようでございますが、そういうことも、業務の正常化も、いろんな考えていかなければならない問題の一つとして取り上げられておるようでございます。
  35. 永岡光治

    永岡光治君 いずれにしても料金改定以外に方法はないという郵政当局考えと理解してよろしいかですね。これは政務次官のほうがかえっていいかもしらぬと思うのですけれども郵政の最高方針として、今日の赤字解消という面については料金改定以外に方法はなかろう、こういう方針で進んでいくというように理解していいのか、どうなのかですね。
  36. 小渕恵三

    説明員小渕恵三君) 先ほど御答弁申し上げましたように、三つの赤字解消策を総合的に検討をいたしてまいるわけでありますが、その中で、特に料金の問題につきましては、特段に検討をしなければならないのではなかろうかと考えております。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 その料金改定の際における、その改定をどこに置くかということですが、第三種の大幅整理、それから小包料金の引き上げ、それから封書、はがき、つまりそういう高等信料金改定、こういうようなところがおもな項目として考えられる、こう理解してよろしゅうございましょうか。
  38. 竹下一記

    説明員竹下一記君) かりに料金の改正といったようなことになるといたしますると、やはり郵便収入の大もとは一種、二種郵便でございますので、それが中心になろうかと思います。三種郵便、それから小包郵便、いずれも問題でございますけれども、収入の絶対額は、これはこの全収入の中におきましては、やはり小部分でございますので、それも大事でありますけれども、やはり基.本は一種、二種の基本料金になろう、かように存じます。
  39. 永岡光治

    永岡光治君 大体構想はわかりましたが、この三種の大幅整理について、これはかなり民間のそれぞれの企業の抵抗があるのではないかと思いますが、しかし、郵務局長は、これはたいした財源にならないと言いますけれども新聞報道でございますが、定期刊行物の低料金改定、それから三種の整理、かりに全部これを整理するとなれば三百五十億ぐらい浮いてくるのだといいましょうか、収入があるのだということですから、これは相当なことになろうかと思っております。それから小包の料金、これは法定料金ではないと私は思いますが、政令料金ですから、あれは郵政審議会ですか、委員会がありまして、それが諮問を受けることになっておるようでありますが、これらについても値上げをしようと思えばできないこともないと思うのですが、これも一連の料金改定の際に考えていく、こういうように理解されるわけでありますが、いまの三種及び小包については、小包は考えておるようで、三種考えられてないというように理解していいのか、それとも、三種にこの際手をつけなければならぬのじゃないか、こういうように考えておるのか、いずれでございましょうか。
  40. 竹下一記

    説明員竹下一記君) 三種郵便料金は百グラム六円というきわめて安いものですが、その中で、いわゆる日刊新聞、月に三回以上発行の新聞は百グラム一通三円でございまして、いわゆる顕微鏡的料金であるわけでございます。いろいろ調べてみたんですが、世界のどこの国にもこれほど安い料金はございません。それが年間約九億通出ておる。三種郵便全体といたしましては十二億通でございますが、そういうことで、郵便事業が出版物に対しましてやっておりますところの料金負担といいますか、これは一種の公共負担だと思いますけれども、非常に大きいものがございます。したがいまして、この三種料金は、今度郵便料金全体の問題になりますときには、これはもう間違いなく、同時にやはり問題にしていただかなければ均衡がとれないと思います。
  41. 永岡光治

    永岡光治君 かりにはがきを七円を十円にし、封書を十五円を二十円にした場合の見込みでありますが、どの程度赤字解消に役立つか、わかっていればひとつ御説明願いたいと思います。
  42. 竹下一記

    説明員竹下一記君) 一種、二種を数字を変えましたらばどういうふうになるか、収入が上がって赤字がどういうふうになってくるかというような計算につきましては目下作業中でございまして、遺憾ながら申し上げられません。
  43. 永岡光治

    永岡光治君 答えられなければ、それではかまいません。物数を掛けて、はじけば出てくるはずだと思うのです。それがいま言われた四十五年度の赤字が百三十三億で、それから来年度また何百億かのベースアップを考えて、この程度赤字が出るということですから、それを比較するとどの程度になるのか、国民も、料金値上げするとすれば、一体この赤字がどの程度になるんだろうか、こういうように関心を持つだろうと思うのですが、それができないんでしょうか。大体わかるんじゃないでしょうか。
  44. 溝呂木繁

    説明員溝呂木繁君) いつの物数に掛けるかというような問題もありますし、先ほど申し上げましたように、一応四十六年度の概算要求を起点として今後の長期見通しをしてみたい、その場合に、当然まず問題になるのは、四十六年度以降いわゆる郵便物数がどれだけずつふえていくかという問題がございます。しかも、その郵便物のふえ方の中で、一種の構成比、二種の構成比、それぞれの構成比はどう変わっていくかというのが基本になると思います。実はそれをいま作業中でございまして、それがきまりますれば、永岡委員のお尋ねのように、それぞれの種別物数に単金を掛ければ、それぞれ増収額が一円なら幾ら、二円なら幾ら、三円なら幾らというやつが出てくるわけでございますが、実はいまその総物数の上昇率並びに種類別の構成比というものを作業中でございます。ただ、それによって幾らふえるかというだけの計算でございまして、先ほど永岡委員指摘されましたように、問題は四十六年度以降支出がどのようにふえていくか、これはまた非常に大きな問題でございまして、その辺をいわゆる新経済社会発展計画の一二・一%でいくのか、あるいは四十五年度の仲裁裁定——われわれのほうで大体一五・四四%ぐらいになっているわけでございますが、定昇込みで。そういったようなものをどう見込むかによって非常に大きく収支関係がゆれてくるということでございますので、実はここでお答えできないということでございますので、御了解願いたいと思います。
  45. 永岡光治

    永岡光治君 こまかい数字でなくてラウンドナンバーでもよかったのですが、答弁ができなければそれでけっこうです。あとでまた、まとまり次第、あるいはまたその作業の経過でお尋ねしたいと思っております。  そこで、料金改定という問題になりますと、単に料金改定をするのではなくて、やはり遅配解消ということが国民の非常に期待するところだと思います。料金改定いかんにかかわらず、国民の期待はそこにあると思うのです。かりに料金改定する場合には、その国民の期待というものを解消される方向でこれが行なわれなければ無意味ではないかと、国民は見るだろうと思うのですが、その場合におそらく、郵政当局郵便料金の改正の中で、たとえば都市ではビジネス区域とかその他のところとか、あるいは制度の問題についても準速達、あるいはその他の普通速達といいますか、そういうものを考えていくというようなことも考えられておりますが、それらの構想は一体どういうふうになっているんでしょうか、この際それも答弁できれば、ひとつ答弁していただきたいと思います。
  46. 竹下一記

    説明員竹下一記君) 私どもといたしましては事業財政を確立するということをまずやりたい、同時に、先ほどお話がございましたように、遅配解消郵便運行の正常化ということを確立したい、かように考えておるわけでございます。準速達といったようなことばが新聞に出まして、いわゆる微速度郵便制度ということが話題になっておりますけれども、これは財政の問題もございますけれども、もう一つは、大事なことといたしまして、かりに料金改正をいたしましても、今日ただいま非常に年々激増しております多量の郵便物数を処理するということを考えました場合に出てくる問題でございまして、要するに非常に多量のものを均一的に、画一的に処理することの困難性でございます。いかように郵便物がふえましても、これをきれいにさばいてお届けすることができますれば、これは理想的でございますけれども、なかなかいまそれができないような事情になっておりますので、そうなると、これは利用者との相談でございますけれども、利用者のほうでそう急がない郵便ということで、そういう利用があってもよろしいという希望が出ました場合には、急がない郵便の扱いをして、そのかわり料金は割り引きして引き受ける、こういった構想も当然出てくるわけでございまして、微速度郵便につきましては、財政上の問題と同時に、このサービスの問題あるいは郵便物の多量処理の問題という技術的な問題とのからみにもなってくるわけでございます。  それともう一つ、このサービスの基本になる問題といたしまして配達回数の問題がございますが、これは一回配達するよりも二回配達することが当然いいわけでございまして、ただいまの二回配達を維持したい気持ちはやまやまでございます。これは財政状況その他の推移を見まして、どうしても二度配達ができかねるような財政状態に立ち至りましたならば、そのときにはやむを得ず一回配達にならざるを得ないことにもなろう、こういうことで問題を提起したわけでございます。
  47. 永岡光治

    永岡光治君 もちろん料金改定いかんにかかわらず、遅配解消というものは郵政当局の至上命令としてこれは検討されていかなければならぬ問題と思います。したがって、この遅配解消についての郵便事業制度の改正について検討はおそらく進んでおると思うのでありますが、構想はどのように具体的になっておりましょうか。まだ具体的なところまでいってないというのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
  48. 竹下一記

    説明員竹下一記君) 先ほどの微速度郵便といったようなサービスの基本に触れる問題につきましては、慎重に検討中でございまして、まだ最終的な結論を得ておりません。  そのほか、労働力の確保でありますとか、郵便外務員の処遇をよくしてあげて勤労意欲を高めるとか、そういったことは、これはいまからでもできる問題もございますし、来年度予算要求に盛り込むこともできるわけでございまして、これにつきましては着々計画を立てまして、たとえば大都市におきまする労働力の確保のやり方といたしまして所要内務要員の三〇%に相当する労働力は婦人労働力をもって充てるといったようなこと、それから団地配達に女子の労働力を充てる問題、これはもうすでに着手いたしておりますが、来年度以降におきましてはこれを大幅に拡張するというようなこと、あるいは私書箱制度について改善をする、そういった手近な、実行が可能な問題につきましては、いまからいろいろと具体策を立てまして着手に取りかかってまいる、こういう実情でございます。
  49. 永岡光治

    永岡光治君 その制度改正といいましょうか、そういう問題について料金改定を伴うことができるわけでありますが、いつごろからこれを実施されようとしていま検討を進めておられるのでしょうか。
  50. 竹下一記

    説明員竹下一記君) 一部はいまから、あるいはすでに着手しておるものもございます。それを継続すればよろしいということでございます。たとえば小包みの配達に民間委託方式を取り入れるということは、これはごく最近東京、大阪におきまして局を選定いたしまして着手する予定にいたしております。それから、それ以外のことは来年度予算要求に関連いたしまするし、問題によりましては法律改正を要するということで、着手はそれを待たなければならないというわけでございます。
  51. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、大体いまの構想からいけば、来年の四月一日を期してそういう方向に進みたいという構想検討を進めておる、こういうように理解してよろしゅうございましょうか。
  52. 竹下一記

    説明員竹下一記君) そういう方向で事務的にいろいろ計画を進めております。
  53. 永岡光治

    永岡光治君 次いで、貯金なり保険事業についての来年度構想というものがあると思いますが、どういうものを考えておいでになるのか、御答弁いただきたいと思います。
  54. 田中恵造

    説明員(田中恵造君) 郵便貯金につきましてのお尋ねでございますが、御案内のように、最近高度経済成長あるいは社会の急激な発展ということに伴いまして、国民生活全体が非常に大きな変化を遂げておる。同時に多様化、複雑化してまいっておるわけでございまして、これらに対応いたしまして関係の方面におきましては、たとえば中期性預金というようなものの研究を進められておる。あるいはごく最近ではプレミアムつき預金といったようなものの研究が進められようとしておるというふうに仄聞しておるところでございます。  ところで、郵便貯金は国民のきわめて多くの者が利用しております貯金でございますので、これも現状のまま今後やっていっていいかということになりますと、そのようなわけではございませんで、たとえば郵便貯金の預入最高制限額というものも今後このままでいいのかという点につきましては、われわれ十分関心を持って検討を進めていかなければならないと思います。さらにまた、経済全体の発展に伴いましての、真に国民の皆さま方から要望されます新しい制度というものも、この際十分検討いたしまして取り入れてまいりたいということで、目下事務段階におきまして制度全般についての検討を進めております。ただ、具体的に構想というほどのものはまとまってございませんけれども、そのような考え方で現在作業を進めておる次第でございます。
  55. 永岡光治

    永岡光治君 それはまとめていただきますが、貯金の最高限の制限の引き上げを考えておるかどうか。考えていないのですか、考えておるのですか。
  56. 田中恵造

    説明員(田中恵造君) 最高制限額は現在百万円でございまして、これはすでに五年前の昭和四十年に引き上げられて今日に至っておるわけでございます。私どもといたしましては——郵便貯金の現在高はすでに六兆六千億に達しております。その当時のほぼ二倍になっております。そういったようなこと、それから国民所得全体の大きな増大というようなことを考えますと、現在の百万円が今後長くこのまま据え置かれるということは相当問題であろうということで、われわれこれを引き上げるべきかどうかということについて、現在かなり真剣に取り組んでおるということを申し上げたいと存じます。
  57. 永岡光治

    永岡光治君 引き上げるべきかどうかじゃなくて、引き上げたいという希望でもって検討しておるのじゃないでしょうか。
  58. 田中恵造

    説明員(田中恵造君) 私ども事務的な者の希望といたしましては、おっしゃいましたように、引き上げることが望ましいのではないかというように考えております。
  59. 永岡光治

    永岡光治君 それでは保険制度について保険局長のほうから——次年度はどういうふうな方向で改正をしたいと考えておるのか、構想があれば承っておきたいと思います。
  60. 上原一郎

    説明員(上原一郎君) おかげさまで簡易保険事業はきわめて順調に推移しておりますが、御承知のとおり、保険事業の性質上、お客様の利用というものにマッチしなければなりませんので、新種保険といたしましては学資保険、それから特別養老ということで、満期の場合には百万円、それから死亡の場合には二百万円というようなのがございますが、その二倍型ではなしに、三倍型、四倍型というようなものをつくっていくべきであるというような需要がございますので、これに対応していく。そのためには簡易保険の最高制限額が現在二百万円でございますけれども、これを三百万円まで持っていきたいということで法律改正を強く主張しております。
  61. 永岡光治

    永岡光治君 大体郵政当局の問題になりそうな項目は承知をいたしました。  次いで、電電公社の方にお尋ねいたしますが、これも先般来の新聞記事等によれば、料金の引き上げということじゃなくて、何と申しますか、合理化というか、市内料金を引き上げて市外料金を安くして、とんとんにしていきたい。収益の上には影響のないような、いわゆる体系是正をやりたいというような記事が出ておりましたが、来年度における電電公社としての料金問題についての構想はどういうことになっておるのか、聞かしていただきたい。
  62. 米沢滋

    説明員米沢滋君) お答えいたします。料金問題に直接入る前に、来年度のいま考えておることを申し上げたほうがいいのじゃないかと思いますが、来年度はちょうど第四次五カ年計画の第四年目に当たっております。第四次五カ年計画は、代表的な工程といたしまして九百三十万の加入電話をつけることにしておりましたが、それを百万追加いたしまして、千三十万つけることになりました。来年度はその四年目に当たっておるわけであります。ところで最近、電話の積滞が非常に多いものでありますから、この際さらに、五十二年に至ります七カ年計画を実はいまつくることで作業を進めているところでありまして、公社といたしましては、八月の中旬以降において経営委員会を開いて、その上で昭和四十六年度の概算要求郵政大臣のところへ提出する時点におきまして七カ年計画の内容をきめたいと考えております。  その七カ年計画の基本的な考え方は、まず第一が、経済の効率化と国民生活の充実に資する。これは、電話の一そうの普及をはかり、昭和五十二年度末、第五次五カ年計画末には、加入電話の積滞を全国的規模において解消したい。それから第二は、これは国会のこの委員会でも、昨年の公衆電気通信法改正のときの附帯決議がございましたが、生活圏行政圏の広域化に対応して、市内通話区域の拡大やサービスの広域化をさらに推進することをやりたいと考えております。  それからその次に、情報化社会の発展に寄与するために——情報の伝達処理の効率化をはかるため、データ通信サービスあるいは画像通信サービスを拡充開発する。そのために技術的には電子交換機あるいはDIPSの導入を促進し、データ通信、テレビ電話のデータ通信をはじめとして、多様化し高度化する通信需要に効率的に対処する総合通信網の形成を推進する。  それから、その次が研究開発体制を拡充することでありまして、今後の技術関発等に対応して研究開発体制を確立したい。  それからその次に、事業の合理化、省力化を推進するために経営の改善につとめる。その中で特に電報事業につきましては、これは料金改定ということよりも、従来やりました第一次の合理化、たとえば電報の中継機械化等をやりましたが、さらにそれに対しまして電報制度全般に対する近代化をはかっていきたいということであります。  それから、ただいま御質問のございました料金問題については、いまいろいろ検討しておるところでございますが、これはいわゆる赤字だから値上げするということは、電話については考えていないが、現在の料金体系というものをこの際もっと近代化をはかっていく、あるいは情報化社会の発展に対してそれが対応できるような体系を考えていくことでありまして、全般的には市内を上げて、市外を下げるという方向でいまいろいろ検討を進めておるところでございます。
  63. 永岡光治

    永岡光治君 構想を承りました。ところで、その際は料金改定と体系の是正ということとうらはらになるようでございます。そういう観点からそういう問題について検討されておるというわけですが、これは来年度にこれを実施したいという構想のもとに検討をされておる。このように理解していいのか、それともその時期はまだ先のことだというのか、その辺の時期ですね、お聞かせいただきたいと思います。
  64. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 公社といたしましては、来年度から着手していきたいということでありますが、法律改正を要するような問題につきましては、政府にお願いしなければならんというふうに思っております。
  65. 永岡光治

    永岡光治君 そこで、この体系是正は、収支については影響のない観点から考えていきたいということのようですから、財政上の問題は一応そういうことで解決するだろうと思いますが、四十五年度の収支の見通しと申しましょうか、大体どの程度になるのか、傾向を……。おそらく始まって間もない時期ですから、ぴったり間違いない数字はもちろん出ないかと思いますが、四十四年度の傾向とからみ合わせまして、大体どういう方向になるのか。あまり財政上そう心配しなくてもいいような状況にあるのかどうか。これもひとつお聞かせいただきたいと思います。
  66. 中山公平

    説明員(中山公平君) 四十五年度予算におきましては、収入予算が一兆四百四十四億円、これに対しまして支出予算は一兆三百五十七億円ということで、収支の差額八十七億円の利益を予定いたしております。  収入予算につきまして、五月までの収入を概数で把握しているのでございますが、これは大体金額にして三十億円程度予算の月割額のその累計に対しましては約一・七%の増収と相なっております。これは四十四年度——四十四年度は御承知のようにかなり増収があがった年でございまして、四百三十数億円の増収があがった年でございますが、これの同期間の増収率一・九%に比較いたしますと、増収額がやや鈍化してまいっております。また月別の一加入当たりの単金を見ましても、若干同期に比べて低くなっております。なお、景気の先行きに対しましてもやや不安な面がいろいろと論議されておりますので、私どもといたしましては楽観を許さない状況であろうかと思っております。  また、支出予算でございますが、御承知のように三公社五現業の支出予算につきましては、その年度のベースアップが計上されておりません。先般の仲裁裁定によりまして、四十五年度もベースアップが実施されることになりました。当初予算には計上されていない支出の増加が出てまいるわけでございまして、これが建設勘定を含めまして四百三十七億円、損益勘定にかかわる分でも約四百億円というものが見込まれます。こういった多額の支出を吸収いたしまして、所期のサービスの拡充を円滑に進めてまいるため、公社としては目下、より一そうの増収と経費の節減に努力を続けてまいっているところでございます。
  67. 永岡光治

    永岡光治君 大体収支状況が、増収は鈍化の傾向だけれども、まあ何とか来年度も持ちこたえるのじゃないかというように理解されるような御答弁でありますから、それはそれとしておいて、郵政大臣もお見えになりましたが、いままで郵便貯金保険電信電話の問題について、来年度を控えましてどういう構想でおるのか聞いたわけであります。そのほかにCATVなり、あるいはまたデータ通信の例の公社法の改正等もあるわけでありますが、これらの法案の取り扱いはどのようにされるのか。あるいは電波法、放送法等の改正には手をつけないということになるのか、これもひとつあわせて御報告いただきたいと思うのです。  ついでに結論としては、いまでいえば郵便法の改正による料金改定なり、あるいはまた郵便制度改正というものもあるだろうし、あるいは貯金なり保険なりの問題もあるだろうし、それからまた、いま公社のほうのお話によれば、体系是正という形での料金改定という、法律の改正の問題も出てくるだろう。おそらく、いままで懸案になっておりましたデータ通信なりあるいはまたCATVというものは、当然次の国会では決着を見なければならん段階にきているんじゃなかろうかと予想されます。そうしますと、郵政省所管の法律改正として非常に大きなものがたくさん出るわけであります。けれども来年は、参議院の改選期を控えて、会期の大幅延長ということはまず望み得ない段階だと思うわけであります。そうなりますと、郵政当局の来国会の対策というものも自然重点的にしぼらなきゃならぬということになりはしないかと、これは私、国会の立場で見るわけでありますが、どういう項目を大体重点に来年度は実施していこうとしておるのか、これもひとつ最終的な結論として御答弁をいただきたいと思います。
  68. 井出一太郎

    ○国務大臣井出一太郎君) ただいま永岡さんの御指摘のように、たいへん問題をたくさんかかえておるわけでございます。そこで、前国会からのいきさつもございますからCATVなりデータ通信なり、これはどうしても次の国会では仕上げなければならない、かように考えております。そのほか放送法、電波法、これは本年二十周年を迎えまして、その間、現事態に十分に適応するかどうか、こういう問題はただいま検討をしておるさなかでありまして、たとえば放送大学というふうなものなどが早期に実現をするというような場合は、そういう方面からもこの二法は影響を受けるんではないかと、かように考えております。さらに郵便近代化ということを鋭意検討をいたしておりますが、これも情勢いかんによりましては手をつけなければなるまいかと思うんであります。その他貯金なり保険なりにお触れになりましたが、これまた同様でございまして、さりとてこれをことごとくというのはたいへん欲ばった話になりますが、いまおっしゃるように次の通常国会の会期等をも勘案いたしますならば、そのうちのどれに焦点を合わすかという問題は重点的にしぼって考えていかなければならない、こう思うんでございますが、こういう点はもう少し時間をお与えいただきまして、少なくとも予算概算要求というふうな時期までには腹がまえをしなければなるまいと、かように心得ております。
  69. 永岡光治

    永岡光治君 これは予算概算要求を待たずとも、大体情勢はわかっているんですから、重点をどこに置くかということはおのずから腹がまえができていると思いますが、きょう発表できなければその段階でもけっこうと思いますが、そう大きな問題をたくさんすべて解決するというようなところまでは無理なんではないかという感じがいたします。御検討いただきたいと思いますが、大臣がお見えになっておりますので、最後の質問として私これで終わりたいと思うんですが、先刻から郵便料金問題の改定中心にいたしまして質問をしておりました。郵務局長その他の方からいろいろ答弁がございまして、やはり料金改定をせざるを得ないのではないかというふうにとれるような答弁でございましたが、それはまあ概算要求のときの問題として譲ることといたしますが、料金改定とうらはらになるいろんな法律改正もありますが、この遅配解消については、法律改正なり料金改定を行なうまでもなく、その間解決をし、また努力をする分野がたくさんあると私は思います。その中の構想として、これも新聞では発表されておりますが、外務職員の給与を大幅に改善したいとか、あるいはまた外務職員——職員全体でありますけれども、勤労意欲を燃やす意味において外務職員の登用と申しますか——これには登用と書いてありますが、たとえば郵便外務職員から課長あるいは局長、こういうものをどんどん登用していきたい、これも大臣の意向のようであります。非常にけっこうな構想だと私は思いますが、こういうことはぜひひとつ、法律によるまでもないことでありますから、そのことによって勤労意欲の高揚と事業の改善ができるとなれば、これはもう一刻も早く実施すべきだと思うのです。そこで、こういう構想の基本に流れているものは、やはり何といっても企業官庁であり現業職員を非常にたくさんかかえておるという郵政当局の特質のあらわれであると私は思います。ついてはそういう構想のもとに外務職といわず内務職といわず、そういう現業職員に希望を持たせるように人事面で解決をはかっていくという方針ですね、これが大臣の底に流れている方針だと思うのです。とりわけ長い間苦労してきているわけでありますし、職員の数も非常に多いわけであります。その現業職員がどう勤労意欲を燃やすかということが、この事業遅配なりその他の問題を解消する大きな要因になろうかと思います。人事異動もそう遠くない将来にまたあろうかと思います、例年の例によれば。そういう際に、これは郵政職員全体としてそういう方針を確立していく、こういう目で人事異動をやりたいというふうにすべきだと思いますが、それは大臣はどのように考えておいでになるのか、この際ひとつ最後にただしておきたいと思います。
  70. 井出一太郎

    ○国務大臣井出一太郎君) まあ先般の特別国会においても再々お答えを申し上げてまいったつもりでございますが、何としても膨大な人事機構をかかえておる郵政事業でありますから、人の問題、これが一番基本になるという考え方に立っておることは御承知のとおりでございます。かりに料金体系等に手をつけるにいたしましても、まずいまの遅配の状態は何じゃと、こういうふうに国民の皆さんから問われまする場合には、いささかうしろめたいものもあるわけでありますけれども、まずそういう面の改善が先行しなければならない。かように考えまして、その上に立っていま御指摘のようなもろもろの問題等と取り組んでおるのでございます。そして第一線の職員の諸君がほんとうに職場に熱意を燃やすことのできるような条件、環境、こういうものをつくりつつ、その中から大いに意欲をふり起こしてもらいたい。かように考えるわけでございまして、大筋においては永岡委員指摘の点と同感でございまして、人事その他につきましてもさような行き届いた留意をしながらやってまいりたいと考えております。
  71. 近藤信一

    委員長近藤信一君) 他に御発言がなければ、本件に関する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十八分散会