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1970-04-28 第63回国会 参議院 地方行政委員会 第17号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十五年四月二十八日(火曜日) 午前十時四十分開会
—————————————
委員
の異動 四月二十三日
辞任
補欠選任
加瀬 完君
瀬谷
英行
君 四月二十七日
辞任
補欠選任
瀬谷
英行
君
鈴木
強君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
山内
一郎
君 理 事
熊谷太三郎
君 安田 隆明君
山木伊三郎
君 原田 立君 委 員
内藤誉三郎
君 初
村瀧一郎
君 船田 譲君 増田 盛君 山崎 竜男君 吉武 恵市君 若林 正武君 竹田 四郎君
千葉千代世
君
和田
静夫
君 阿部 憲一君 市川 房枝君 国務
大臣
自 治 大 臣 秋田 大助君
政府委員
総理府特別地域
連絡局長
山野 幸吉君
警察庁長官官房
長 富田 朝彦君
自治大臣官房長
鎌田 要人君
自治省行政局公
務員部長
山本 明君
自治省財政局長
長野
士郎
君
事務局側
常任委員会専門
員
鈴木
武君
説明員
労働省職業安定
局業務指導課長
保科 真一君
建設大臣官房人
事課長
粟屋 敏信君
自治大臣官房参
事官
首藤 堯君
自治省行政局公
務員部給与課長
潮田 康夫君
自治省財政局財
政課長
森岡 敞君
自治省財政局交
付税課長
横手 正君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
地方行政
の改革に関する調査 (
昭和
四十五
年度
地方財政計画
に関する件)
—————————————
山内一郎
1
○
委員長
(
山内一郎
君) ただいまから
地方行政委員会
を開会いたします。
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
及び
昭和
四十五
年度
地方財政計画
に関する件を一括して議題といたします。 前回、
提案理由
の
説明
を聴取いたしておりますので、これより
補足説明
を聴取いたします。
長野財政局長
。
長野士郎
2
○
政府委員
(
長野士郎
君) 最初に、
昭和
四十五
年度
の
地方財政計画
から御
説明
を申し上げます。 まず、お手元に御配付いたしております。「
昭和
四十五
年度
地方財政計画
の
説明
」という資料がございますが、これをお開き願いまして、この順序に従って御
説明
申し上げたいと思いますが、まず最初の
昭和
四十五
年度
地方財政計画
の「
策定方針
」のところにつきましては、前
委員会
におきまして、
大臣
から
提案理由
の
説明
として御
説明
を申し上げたとおりでございまして、この点は省略をさしていただきます。 そこで、次に三
ページ
をめくっていただきまして、三
ページ
は四十五
年度
の
地方財政計画
の
規模
でございますが、
大臣
の
説明
にもございましたように、またここに掲げておりますように、四十五
年度
の
財政計画
の
規模
は
総額
七兆八千九百七十九億円でございまして、前
年度
に比しまして一兆二千五百八十二億円の
増加
でございます。
増加率
は一八・九%ということに相なっております。第一表「
歳入
」でございますが、
歳入
の
関係
につきましては、いま申し上げましたように
規模
がふくらんでおりますが、その中では、「
地方税
」の
項目
におきまして、
税制改正
後で、前
年度
に対しまして五千七百五十億円の
増加
を見込んでおるのでございます。
増加率
は二〇・五%でございます。 第二番目には、来
年度
におきましての
税制改正
による減税及びこれに伴う減収の
関係
でございますが、
地方税法
の
改正
を御審議願いました際に御
説明
申し上げたとおりでございますが、第一番目には、
住民税
の
課税最低限
の
引き上げ
などによりまして六百六十二億円、二番目には、
事業税
について
事業主控除
の
引き上げ
によりまして約六十億円、第三番目には、その他
電気ガス税
の
免税点
の
引き上げ等
によりまして十六億円、なおこのほか土地にかかわる
固定資産税
の評価がえに伴いますところの
都市計画税
については、
負担
の調整を行なうことになりました結果、調整を行ないますので、二百三十五億円の減収と、こういうことに相なりますが、一方都市における
財政需要
の増高の実態を考慮いたしまして、
都市財源
の
充実
をはかることといたしまして、
法人課税
の増徴に伴う
法人税割り
の
増収分
をすべて
市町村
の財源として付与することにいたしました。このいま申し上げましたような
関係
につきましては、六
ページ
以下をごらんいただければ、そういうことの主要な
内訳
になっておるのでございます。 それからその次に、八
ページ
に参りまして、
地方譲与税
の
関係
でございますが、
地方譲与税
の
収入見込み額
は千九十七億円でございまして、
うち地方道路譲与税
は、ここに書いておりますように、八百九十八億円、
石油ガス譲与税
は百三十七億円、特別とん
譲与税
は六十二億円でありまして、前
年度
に対しまして、合計いたしまして百八十五億円、二〇・三%の
増加
となっております。この中で特に著しく
増加
しておりますのは
石油ガス税
でございますが、八五・一%の
増加
を示しております。これは、四十五年の一月一日以降におきましては、従来適用されておりましたところの
暫定軽減税率
の
特例措置
が適用されなくなりましたために、それだけの
伸び
を示すことに相なったのでございます。 次は、次の
ページ
を開いていただきまして、
地方交付税
でございますが、
地方交付税
の
総額
は一兆六千九百二十五億円でありまして、前
年度
に対しまして三千三十三億円、二一・八%の
増加
と相なっております。
交付税
の
算定基礎
は、第四表に示しておるとおりでございまして、国税三税の三二%、
交付税
が一兆六千六百二十八億円。その
内訳
は、三二%分が一兆六千九百六十九億円でございますが、四十五
年度
の
特例措置
あるいは
精算分等
を差し引きをいたしまして、それから、四十三
年度
以降、ここに書いておりますように、二百五十億円の借り入れの償還の
計画
がございまして、四十五
年度
分は八十五億円の返還ということに相なっております。それで、それをかれこれ合計をいたしますと一兆六千五百四十三億円に相なっておりますが、それにさらに四十四
年度
の
補正予算
によりますところの
繰り越し分
約三百八十二億円を加えまして、総計といたしまして一兆六千九百二十五億円、
増加額
三千三十三億円と、こういうことに相なっておるのでございます。 一〇
ページ
に参りまして、
国庫支出金
でございますが、
国庫支出金
の
総額
は二兆四十億円でありまして、前
年度
に対しまして、二千五百八十一億円、一四・八%の
増加
であります。
内訳
は第五表に示しておるとおりでございますが、この中で
伸び
の多いものをかいつまんで申し上げますと、
社会保障
の
関係
におきまして、
生活扶助
の
基準等
の
引き上げ
を
中心
といたしますところの
生活保護費
の
負担金
が
相当増加
をいたしておりまして、この
増加率
は一八・七%であります。その次の
児童保護費
あるいは
精神衛生費
、
老人保護費
などもいずれも
増加
を示しておりまして、これはそれぞれ、
基準
の
引き上げ
によりますところの
負担金
の
増加
でございます。
児童保護費
の
負担金
の
増加率
は二六・一%、
精神衛生費
の
関係
は二九・五%、
老人保護費
の
関係
は二六・六%でありまして、いずれも
国庫支出金総額
の
増加
の
割合
よりも非常にふえております。 第二番目には、
公共事業費
の
関係
でございますが、
道路
、
治山治水
などを
中心
にいたしますところの
社会資本
の
充実
の要請にこたえまして、
補助負担金
の
増加
がはかられておりまして、これらの
公共事業費
の
補助負担金
の
増額
の
割合
は、前
年度
に比較いたしまして一七・八%ということに相なっております。そういうことで、合計いたしまして二兆四十億、前
年度
に対しまして二千五百八十一億円の
増加
と相なっておるのでございます。 その次の
ページ
に参りますと、
地方債
の
関係
でございますが、「
地方債
」の中で「
一般会計分
の
地方債
」、
財政計画
に組み込まれますところの
地方債分
は、
発行予定額
は、ここに書いてございますが、三千六百三十二億円でございまして、前
年度
に対しまして七百三十五億円、二五・四%の
増加
でございます。これは
割合
から申し上げますと、
歳入
中で最も大きな
伸び
を示しておるということに相なりますが、
内容
といたしましては、
生活関連施設
の
整備
を
中心
といたしますところの公共的な
施設
の
充実
ということで、
増加
をはかられておるということになります。おもなものはこの第六表に掲げております。
公営住宅
の
建設事業
、二百五億円の
増加
をみております。それから四番目の
義務教育施設整備事業
、百十七億円の
増額
でございますが、この中には
義務教育関係
の小中学校の
敷地用地取得
の起債は、昨年五十億でありましたものが八十億円に
増額
されております。それから第六番目には辺地及び
過疎対策事業
、これは辺地及び
過疎対策事業
につきましては、新たに
項目
を立てまして、二百億円ということになっておりまして、四十四
年度
に対しまして百三十八億円の
増加
でございますが、これは
辺地債
が七十億円、
過疎債
が百三十億円という一応の
内訳
に相なっております。その次の
同和対策事業
につきましても、新しい
項目
を立てまして、
特別措置法
の実施に対応をいたしておるわけでございます。今
年度
七十億円ということに一応額を
計上
いたしております。なおこのほかに、五番目の
一般単独事業
の中に入っておりますが、
広域市町村圏関係
の
担当事業
として一応三十億円を予定をいたしております。 その次に、一三
ページ
に参りますが、二二
ページ
では、
歳入
の項の中では
使用料
、
手数料等
につきましても、これはいずれも最近における実績の
増加率
を勘案をいたしまして、七十一億円の
増加
を見込んでおるのでございます。それから、雑収入につきましては、まあ一応
例年経済成長率
を勘案いたしまして
計上
することにいたしておりますが、今
年度
におきましても二百二十七億円の
増加
を見込みまして、二千二百七十九億円といたしております。 次には、一五
ページ
、
歳出
のほうに入っていただきまして、
給与関係経費
でございますが、
給与関係経費
の
総額
は二兆五千二百二十五億円でございまして、前
年度
に対しまして三千二百四十七億円、一四・八%の
増加
でございます。本
年度
におきましても、
内容
といたしまして、国の
措置
に準じまして、
給与
の
改善措置
に必要な
経費
を
計上
いたしておりますが、前
年度
に引き続き定員の
合理化
という
国家公務員
についての方針に準じまして、
地方公務員
についても、
義務教育職員
とか、
警察官
、
消防職員
、あるいは
清掃職員等
を除きまして、それ以外の職員については、
地方財政計画
上の縮減の
措置
、
合理化
の
措置
をはかることにいたしておるのでございます。
給与費
につきましては、
給与費
の
総額
は二兆四千七百三十四億円でございまして、前
年度
に比しまして三千二百三億円、一四・九%の
増加
ということになっております。この中には、第一番目は、四十四
年度
の
給与改訂分
の平
年度化分
二千百二十三億円が入っております。第二番目には、昇給に要する
給与費
の
増額
といたしまして、五百三十七億円を見込んでおります。それから
給与改善
に要する
経費
といたしまして三百二十一億円を見込んでおりますが、これらは、国の
措置
に準じまして
給与改善
に必要な
経費
として、
年度
中におきますところの
給与改定等
の
措置
に対応いたしたいということで考えておるのでございます。それから四番目には、
警察官
とか
高校教員等
の
人員増
によるもの九十九億円等を
内訳
といたしておりますが、なおそのほかに
特別職
の
給与改定
の増、
定員合理化
に伴いますところの減、
共済組合負担金
の増を見込みまして、三千二百三億円という
内訳
に相なっておるのでございます。 次の
ページ
に参りまして、一六
ページ
でございますが、一六
ページ
は
一般行政費
でございます。
一般行政費
の
総額
は一兆五千四百二十六億円であります。前
年度
に比しまして二千三百六十八億円の
増加
となっております。国の
補助負担金
を伴いますものは、国の予算に
計上
されました
普通補助負担金
を
基礎
として
算定
されました
経費
は七千九百二十九億円であり、前
年度
に対しまして一千二百九億円の
増加
と相なっております。国の
補助負担金
を伴いませんもの、これは一九
ページ
をひとつお開き願いますが、国の
補助負担金
を伴わない
一般行政費
は七千四百九十七億円でありまして、前
年度
に対しまして千百五十九億円の
増加
と相なっております。 なお、国の
補助負担金
を伴わないものの
歳出
の
内訳
の中には、本
年度
におきましても前
年度
に引き続きまして
土地開発基金設置
に要する
経費
六百億円、
財政健全化
のための
留保資金
として百億円を
増額計上
いたしております。 なおこの
経費
の中には、
給与改定
とか現
年発生災害等
に対応いたしますところの
年度
途中における
追加財政需要
の発生に備えまして約七百億円を
計上
いたしておるのでございます。また旅費、
物件費等
につきましては、ここに書いてございますようにおおむね府県につきまして七%、
市町村
につきまして四%程度の
経費
の節減を行なうことといたしまして、百二億円の減額を見込んでおります。 その次は
公債費
でございまして、
一般会計分
の
既発行地方債
の
昭和
四十四
年度
末
現債高
一兆七千五百七十四億円及び
昭和
四十五
年度
の
新規発行額
三千六百三十二億円、これにかかりますところの四十五
年度
の
償還額
は三千九十一億円でありまして、前
年度
に対しまして五百三十七億円の
増加
と相なっております。 その次は、次の
ページ
、二〇
ページ
でございまして、
維持補修費
の
関係
でございますが、
維持補修費
の
関係
は、
各種施設
の
増加
および
補修単価
の
上昇等
の事情を考慮いたしまして、百三十七億円の
増加
を見込んでおります。 第五番目の
歳出
は
投資的経費
でございますが、
投資的経費
の
総額
は三兆四百三億円であり、前
年度
に対しまして五千八百七十三億円、二三・九%の
増加
であります。
投資的経費
の
内訳
につきましては、
直轄事業負担金
千百三十六億円、
公共事業費
一兆五千二百二十八億円、このうち
普通建設事業費
は一兆四千二百二十億円であります。前
年度
に対しまして二千四百二十二億円
増加
をいたしております。
公共事業費
の
内訳
は第十四表に出ているところでございます。
説明
は省略させていただきます。失対
事業費
も
内訳
は第十五表のとおりでございます。 それから次に二三
ページ
に行っていただきますと、
投資的経費
のうちで
一般事業費
および
特別事業費
、二三
ページ
に書いておりますところの
一般事業費
と
特別事業費
が、いわゆる
地方
の
単独事業
でございます。
一般事業費
の
総額
は五千九百六十五億円でございます。前
年度
に比しまして千百二億円、二二・七%の
増加
でございます。
内容
は
普通建設事業費——教育
、
産業経済
、住宅、
厚生等
の
関係施設
の
整備
をはかりますための
普通建設事業費
五千八百十億円でございまして、これは国の
補助負担
にかかわりますところの
公共事業費
の
増加状況等
を勘案をいたしまして千八十三億円の
増額計上
をいたしております。
増加率
は、前
年度
に比べまして二二・七%の
増加
でございます。 その次に、
特別事業費
でございまして、これは、国の
補助負担金
を伴わない
投資的経費
のうち、
地方
の
公共施設
の
整備充実
を
計画
的に推進いたしますための
特別事業費
の
総額
は七千三百八十九億円でありまして、前
年度
に比しまして二千四十億円、
増加率
は三八・一%であります。相当まあ思い切った
増額計上
をいたしております。これは、住みよい
生活
の場を
整備
するためのそういう
地方財政計画
の策定の
基本方針
にのっとりまして、相当多額の
計上
をいたしたのでございます。その中で
長期計画事業費——道路整備
、
治山治水等
の各種の
長期計画
にかかる
単独事業費
は五千三百五十億円でありまして、前
年度
に比しまして千三百七十一億円の
増加
でございます。この
増加率
は三四・五%ということに相なっております。 次は、
過密過疎対策事業
として、
人口急増対策
、
過疎対策
、
交通安全対策等
のための
事業費
は千八百三十一億円でございまして、前
年度
に比しまして四百六十一億円、パーセンテージにいたしまして三三・六%の
伸び
を示しております。 その次は、
広域市町村圏振興整備事業——広域市町村圏
の振興のための
事業費
二百八億円、主として
市町村道
の
整備
を
中心
といたしまして
計上
をいたしております。 その次は、
公営企業繰り出し金——公営企業繰り出し金
の
総額
は千三百四十八億円、前
年度
に比しまして二百億円の
増加
でございます。
公営企業
につきましては、
財政計画
ではさらに、
昭和
四十五
年度
におきましては、
地下鉄建設
に対する
助成措置
がとられたことに伴いまして、
地方団体
の
補助分
として三十七億円をこの中に
計上
をいたしております。 その次には、
超過負担
の解消でございますが、四十五
年度
も従来の
基本方針
にのっとりまして引き続いて
措置
をいたしております。約四百五十三億円の
解消措置
を講じておる、こういうことに相なっております。 以上、簡単でございますが
地方財政計画
の
補足説明
とさせていただきます。
—————————————
次に、
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
の
補足説明
をさせていただきます。これは、お手元にお配りいたしておりますところの
法律案関係資料
というのがございますが、その中に「
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案要綱
」というのがございますが、これに基づきまして簡単に御
説明
申し上げます。 第一番目は
普通交付税
の
算定方法
の
改正
でございますが、最近における
社会経済
の進展に対処いたしまして、それぞれの地域の特性に即応した
財源措置
を講じていくということ、その
措置
を強化するということが最近は特に必要になってまいりましたので、
基準財政需要額
の
算定方法
を
改正
をいたしまして
合理化
をはかりたい、こういうことでございます。 第一番目は、
市町村道
その他
各種公共施設
の
計画
的な
整備
をはかりますために、
単位費用
の
改定
及び
算定方法
の
改正
を行なっております。府県の
単位費用
を、
市町村
の
関係
の
投資的経費等
を
中心
にいたしますところの
単位費用
の
改定
を相当大幅に見込んでおるのでございます。 第二番目は、
土地開発基金制度
の活用をはかりますために、四十五
年度
におきましては
市町村分
の
土地開発基金費
を存続をすることにいたしまして六百億円、四十四
年度
三百七十七億円にさらに四十五
年度
六百億円これを拡充をいたすことにいたしております。府県につきましては、四十四
年度
の
補正予算
に伴いまして、前
年度
すでに
交付団体
に対しまして二百八十二億円、
総額
三百四十五億円の配分を終わっているわけでありますが、ことしは
市町村
に対しまして六百億円を配分をいたしたい。 第三番目は、
過疎地域
における
行政水準
の
維持向上
をはかりますための
態容補正
の
合理化
、
人口
の
減少率
を
基準
にいたしまして
割り増し
の
補正
を考えていく、そういうようなことをいたします。あるいは
市町村分
につきまして、
産業振興等
につきましては、
産業経済費
の
単位費用
の
引き上げ
をいたしましてその
財政需要額
の
充実
をはかる、こういうことにいたしまして、
市町村分
の
過疎対策
といたしまして六百四十四億円から八百四十六億円、二百二億円の
増額算入
をいたしたい、そういうことにいたしますとともに、
診療所
、あるいは
患者輸送車
、
簡易水道
の
維推運営等
に要する
経費
につきましての
需要額
の算入をはかっております。これらにつきましては、
診療所
の数でありますとか、
輸送車
の台数でありますとか、
簡易水道
の
給水人口等
を指標にいたしまして、
密度補正
を適用いたしたいということでございます。 第四番目は、
広域市町村圏
における
基幹生活関連道路
の
整備
、先ほど
財政計画
のところで御
説明
申し上げておりましたが、
生活関連道路
の
整備
を
中心
にいたしまして舞準
財政需要額
の
充実
をはかる、一
圏域当たり
おおむね三億円程度の
増額
をはかるようにいたしたい、こういうことでございます。 第五番目は、
都市施設
の
整備等
の
過密地域
における
財政需要額
の
増加
でございます。
人口
の
急増補正
による
算入額
の強化、
事業費補正
をいたしまして、小学校・
中学校費等
におきまして
生徒児童数
の
増加率
に応じて
割り増し
を強化をいたしてまいりたい。
市町村道
、
下水道
、
都市計画事業等
にかかります問題につきましても、それぞれ
充実
をはかってまいりたい。
人口比率
によりますところの
密度補正
、
下水道等
につきましては
排水人口比率
による
補正等
を強化をいたしてまいりたい、こういうことでございまして、
市町村分
の
過密対策費
といたしましては千三百十六億円から千五百七十四億円、約二百六十億円の
増額
をはかってまいりたい。 第六番目は、
公害対策
、
交通安全対策
、
防災救急対策
についての
経費
の
充実
を期したい。その他
給与改定
の平
年度化
とか、
各種制度
の
改正
がございます。これに伴いまして
増加
いたしますところの
経費
を
基準財政需要額
に算入いたしますために、
関係費目
の
単位費用
の
改定
なり、
算定方法
の
改正
を行なおうとするものでございます。 その次には、
基準財政収入額
の
算定方法
につきまして
簡素化
、
合理化
をはかるために幾つかのものを考えておりますが、たとえば
住民税
の
個人均等割り
につきましては、
国勢調査人口
を
基礎
にして
算定
をするということに相なっておりますけれども、
人口減少団体
につきましてそのとおりやりますというと、非常な
過大算定
になってくるというような弊害もございますので、前
年度
の
納税義務者数
を
基礎
とするようなところへ振りかえて
改正
をいたしてまいりたい、こういうことでございます。あるいは
法人税割り
と
法人事業税
の
算定
につきましても、
分割法人
と同様に前
年度
の
課税標準
を
基礎
として課税をいたしまして
算定
することにいたしたい。その他
鉱産税
の
関係
につきまして、あるいは
個人事業税
の
関係
につきまして、
人口
の流動に対応いたしまして
合理化
するような
措置
をはかってまいりたい。あるいは鉱山の
閉山等
に伴いまして、実態に即応した
算定
ができるようにいたしてまいりたい、こういうことでございます。 第二番目は、
地方交付税
の
総額
の特例でございます。 第一には、
地方財政
の状況にかんがみまして、
昭和
四十五
年度
分の
地方交付税
の
総額
につきましては三百億円を減額するという
特例措置
でございます。 第二番目には、四十五
年度
分までの
繰り延べ額
九百十億につきまして、
昭和
四十六
年度
分の
地方交付税
の
総額
に三百十億、四十七年、四十八
年度
の
総額
にそれぞれ三百億円を加算する。三百十、三百、三百というふうに返してもらうということにいたしておりますが、なお法律の上におきましては、
地方財政
の
状況等
に応じましてそれぞれの
年度
におけるところの
加算額
を変更することができるということにいたしております。 その次には、
昭和
四十五
年度
及び
昭和
四十六
年度
におきましては、
特別事業債
及び
市町村民税臨時減税補てん債
の償還に要する
経費
は
交付税
によって
措置
する、こういう
特例規定
を置こうとしておるものでございます。 以上簡単でございますが、
地方交付税等
の一部を
改正
する
法律案
の
補足説明
をこれで終わらしていただきます。
山内一郎
3
○
委員長
(
山内一郎
君) これより
質疑
に入ります。
質疑
のおありの方は順次御発言を願います。
和田静夫
4
○
和田静夫
君
総務長官
にお尋ねをします。二、三日前の新聞で、
沖繩
の
返還
に伴って
沖繩
と本土を
交付税
制度でつなぐ作業を自治省に命じたと、そういうふうに報道されていました。そのような作業にはいれるということは、前提になる
沖繩
の税制の整理
方針
ができた、そういうことなのですか。私は実は今国会の冒頭、自治
大臣
の所信表明に対して
沖繩
問題に関連をして幾つか尋ねたわけでありますが、そのときにも、自治省の答弁では、税制上の整理を一つの問題点とされていたのでございますが、いかがですか。
山野幸吉
5
○
政府委員
(山野幸吉君)
総務長官
が最近自治省のほうとそういう御相談をされたということがございまして、私直接
総務長官
からお聞きしたわけでございますが、
総務長官
のお考えは、いま御指摘のように、
沖繩
の税制が、国税、県税を合わした、しかも国税
中心
の税体系でございまして、したがって私どもは、二年後の
沖繩
復帰に備えまして、ただいま
沖繩
の国税、県税の行財政を通ずる分離の作業をいま進めようとしておるところでございます。したがいまして、いま御指摘のように、そういう税制をどうするかということがちゃんと
方針
がきまったという段階までにはまだ立ち至っていません。しかしながら、御承知のように、
沖繩
の財政の
実態
が非常に日米経済援助というものを中核にして運営されておりますものですから、この
沖繩
のいわゆる対応費を除いた一般
財源
が非常に不足しておりまして、琉球政府としましては、何かこういう援助方式ではなくて、琉球政府の一般
財源
として日本政府が援助してもらえないかという要請が従来から強かったわけでございます。これを俗称
交付税
方式と簡単に言っている向きもありますけれども、私どもが本土で考えますほんとうにこの
地方交付税法
による
交付税
というほど厳密なものではなくて、何かひもつきでない一般
財源
を包括的に援助してもらいたいというような趣旨で、従来から
交付税
方式で援助してもらいたいという要請もあったわけでございます。 そこで、
総務長官
とされましては、どうせ復帰準備で、行財政を通じて国税、県税の事務を分離し、そうしてやがて
沖繩
県をつくったときに日本の
交付税
法がどういうぐあいに適用されていくかということも準備としてもう研究していかなければならぬ段階でございますので、そういうこともあわせまして、ひとついわゆる従来の事業別のひもつきの援助ではなくて、一般
財源
を与えるような方式における援助方式、そういうものは考えられないかという意味で発言されたものと私は承知しておるわけでございます。
和田静夫
6
○
和田静夫
君 私も、いまの
説明
、後段の質問ではそういうことを実は求めたいと、こう思ったのですけれども、たとえば
沖繩
返還
に伴って、本土の
地方
制度とただつなぐと言ってみたところで、つなぐための整理をするというだけであったならば、四十七番目の県になってしまう。それだけのことです。したがって、当然特別の財政援助
措置
などというものが考えられなければならぬ、そういうふうに思いますが、その辺は、自治省と
総務長官
の発言との
関係
ですね、どの辺まで一体打ち合わせができておるのですか。
鎌田要人
7
○
政府委員
(鎌田要人君) ただいま御指摘になりました
沖繩
県並びに
沖繩
県下の
市町村
、これに対しまする財政援助ということにつきましては、ただいま特連局長のほうからも御
説明
ございましたように、現在琉球政府が行なっておりまする仕事、それから
市町村
が行なっておりまする仕事と、本土の国、
府県
、
市町村
、こういうものと比較いたしました場合に、行財政制度——税制を含めまして行財政制度について非常な懸隔があるわけであります。そういった、当面一九七二年に
沖繩
県に移行してまいる、そのための本土の行財政制度をどのようにつないで適用してまいるかということに加えまして、ただいま御指摘になりました、
沖繩
県というものをどのように開発してまいるかということの二つの課題、当面横へ制度的につないでいって、それにさらに開発を促進してまいる、この両方の面につきまして、私どもは特連局のほうとも連絡をとりながら、あるべき行財政制度について検討を現在行ないつつあるというところでございます。
和田静夫
8
○
和田静夫
君 そうすると、具体的にはまだ何もないということですか、いまの御発言ですと。とにかく一日も早く
沖繩
返還
に伴う
地方
制度の案だとかあるいは財政
措置
上の具体案を出すということが私は必要だと思うのです。また、国民もそのことを望んでおると思うのです。本土の国民が
沖繩
の復興を心から望んでおる。したがって、その迎え方についてやはり私たちが議論をする機会がなければならぬ、そういうふうに考えるのです。そういう意味において、政府の案というものを私は早く出してもらいたいと思います。私自身もその議論に参加したいと思うのです。 ところで、何かすでに総理府からは、
沖繩
現地に対してはマル秘の文書で、「国政、県政について」という文書で出ていると伝えられています。それは原口調査官なる人の手によって主として書かれた文書のようであります。その文書を
資料
としてお出し願えますか。
山野幸吉
9
○
政府委員
(山野幸吉君) 実は、昨年十二月に総理府に
沖繩
復帰対策各省連絡担当官会議というのをつくりまして、そこに行政部会、財政部会という部会、その他七部会ございますけれども、そういう部会が設けられまして、これにはもちろん自治省も参加してもらい、
関係
省庁参加しまして、そうして
沖繩
の復帰対策としてのいわゆる
沖繩
の国政、県政の分離、行財政を通じてどういうぐあいに分離していくべきかという作業を始めたのでございます。そうして、ことしの一月と記憶していますが、調査団を出しまして、琉球政府とあるいは
関係
諸団体等の意見を聞いて一応の参考
資料
を得ておるわけでございまして、特に個人の名前を使った極秘文書とか、あるいは秘文書とか、そういうものはございません。いま作業の過程にございまして、まだいますぐそれを
資料
としてお出しするまでには至らないわけでございまして、その報告を行政部会、財政部会等で検討いたしまして、さらにまた必要に応じては現地にさらに再度調査をいたしまして、琉球政府の意見等も考慮しながら作業を進めていきたい。ある時期においては
資料
としてお示しできるような階段になるものと考えておるわけでございます。
和田静夫
10
○
和田静夫
君 言ってみれば、その報告の文書を私たちも見せてもらって、そして共通の広場で討議に参加させてもらう。何も部会に参加さしてくれとは言いませんが、そういう機会というものが私はぜひ必要だと思うのです。したがって、報告の書類というものは対外的に見せてそんなにどうこうというものじゃないわけでしょう。私に
資料
としては提示をしていただけませんか。
山野幸吉
11
○
政府委員
(山野幸吉君) これはおことばを返すようで非常に申しわけないのですが、実は行政、財政に限りませんで、
沖繩
復帰をめぐる日本政府の態度というのは、
沖繩
にとって非常に大きい関心と、どうなるかという警戒心と申しますか、そういう非常に関心の的になっておるものでございますから、現在国政、県政をあわせて琉球政府という政府をつくって行政している、それをこういうものについては国政、こういうものについては県政、したがって、組織もどういうぐあいに分かれる、それに従事しておる
職員
も
国家公務員
と
地方公務員
に分かれていくというような身分問題もからんでくるわけでありまして、この琉球政府の意見も十二分に聞いた上で、部会で相当これならいけるというような段階になりませんと、途中で出しますと、非常に混乱を起こしましたり、あるいはとんだ疑惑を受けましたり、誤解を受けましたりしまして、非常に混乱させますものですから、別に秘密にやっていこうという意味ではございません。これはもう適当な時期にはもちろん国会にも御提出していろいろ御意見を承るべき問題だと私どもは十分認識しておりますが、ただいまのところはそういう時期にないわけでございます。
和田静夫
12
○
和田静夫
君 一定の、たとえば
地方
制度をこうします、あるいは個々の、立法院の諸君の身分制度はこうしますなどというような結論を出されてからいただいたって、私たちは論議に参加するということにならない。やっぱり今度の問題というのは調査をされ——私たちは調査機能を持っていないわけですから、あなた方は国費を使って調査をされる、その調査報告に基づいて私たちが意見を開陳をする、当然行なわれてしかるべきものであります。それは
地方行政
関係
であるとか沖特であるとかは別として、そうすればそのたたきになるものはやはり出してもらわなければ困る。あなたが言われるような形で、現状をこういうふうに認識をしましたという報告によって、
沖繩
の皆さんがそのことでもって混乱を起こすなどということは考えられないのじゃないですか。
山野幸吉
13
○
政府委員
(山野幸吉君) 大体私どもこういう問題を常時取り扱ってまいっておりますが、私どもがそう何でもない問題だと思う問題が、案外現地では非常に深刻にとられまして、琉球政府あるいは
関係
団体等に非常に大きく影響を及ぼした問題が非常にたくさんございます。それからそれと同時に、現在復帰準備を進めます進め方としまして、もちろん内政上の問題は近くできます対策庁あるいはその出先機関である
沖繩
事務局を通じまして琉球政府と相談して進めますけれども、一九七二年まではアメリカに施政権があるわけでございまして、したがいまして、そういう内政上の問題は現時点においては米国の施政下における内政の問題になるわけでございますが、それをどういうぐあいに持っていくかということは、現地における準備
委員会
というのが、この間法案を御審議をいただいて成立をして、近く正式に発足するわけですが、そこに日米の代表が参加をし、それから屋良主席が顧問として参加しまして、そこで大まかなガイドラインをきめまして、そうしてそれに基づいて現地の作業を進めるということにもなっております。そういう
関係
もございまして、いま先生の御指摘のような
資料
として出せるものはできるだけ私どもも出すようにしてまいりたいと思いますけれども、ただいまのところは、まだ調査に着手した段階でございますので、いまここで報告書を、あるいは一部の報告書を御提出するのは、適当ではないじゃないかと考えます。
和田静夫
14
○
和田静夫
君 そうしましたら、一歩譲って、これに時間ばかりとっておってもあれですから、調査に着手をされた段階である、したがってその調査
項目
は、これはお出し願えますね。その結果に基づいた報告は別として、いまの時点において調査
項目
は私に出していただきたい。よろしいですか。
山野幸吉
15
○
政府委員
(山野幸吉君) 承知しました。
和田静夫
16
○
和田静夫
君 それじゃ、総理府はそれでけっこうです。 四十五
年度
の
地方財政計画
並びに
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
について
質疑
をしていくわけでありますが、その
内容
についてはあとで詳しく尋ねますが、私は、いつもながらこの
地方財政計画
というのは一体何なのかということを考えざるを得ないのであります。毎
年度
の
地方財政計画
をたんねんに検討してみまして、
地方財政計画
というものの本質、意義というものを問わざるを得ない、そういう気持ちになります。毎年二月の下旬、あるいはことしは国の
予算
編成がおくれたこともあって三月でしたが、いずれにしてもこの時分になると、マスコミを通じて明
年度
の
地方財政計画
が閣議決定をされたと大きく報ぜられておる。しかし、新聞などを見た一般の人々がそれをどう理解をしておるのか。おそらく大部分の人は、
財政計画
が何であるか、まあ読み流してしまう、そういう
程度
のものではないだろうか。
地方財政計画
などというものにかなり長くつき合ってきたわれわれのような者でもわからないことが多いのですから、そのことはきわめて当然だと実は思うのです。で、自治省の方々が例年同じ作業をして同じような
説明
をされていますが、ほんとうに
地方財政計画
の何たるかを考えてみられたことがあるのだろうかということを実は疑わざるを得ない。私はさきの本会議で、
地方財政計画
の
計画
額と決算額の差が一兆円をこすような事態になっていることについて質問をしたときに、自治
大臣
の答弁は、その原因についての従来からの自治省の見解を繰り返されて、何とか技術的に改善してその乖離を縮めたいということでした。しかるに、私の質問の意図は、自治省の従来の乖離の理由としてあげてきた幾つかのこと、たとえば
超過負担
にしても、あるいは
公営企業
への繰り出し金にしても、むしろ最近の動向というのは、その乖離を縮める方向にある。言ってみれば、いままで自治省が理由としてきたことは、もう理由にならなくなってきておる。そのことを私は述べたのであります。それにもかかわらず、
計画
額と決算額とは開く一方である、こういうことにいまなっているわけです。それはなぜですか。
長野士郎
17
○
政府委員
(
長野士郎
君)
計画
と決算の乖離の問題は、いろいろな要素があるわけでございます。端的に申しまして、一つは、
地方財政計画
は単
年度
の
財政計画
であるということでございますから、前
年度
からの
関係
というものを立ち切っておるということでございます。それからまた、当初の
計画
であるということでございまして、その間における
年度
途中あるいは
年度
末までにおけるところの自然増収その他の要因というものは、もちろん全然見込んでいないということは申し上げられませんが、その
年度
中の税収とか、そういうものは一応見込んでおるわけでございますけれども、経済がこういうふうに経済見通し等をはるかに越えまして成長していくという階段におきましては、途中におけるところの自然増収等が非常に大きく出てくる、こういうことになるわけでございます。またそれと同時に、国の
補正予算
その他の
増額計上
に伴いますところの問題も出てくるというようなことがありまして、やはり決算と
計画
との間が大きく開いてくる。これが一つの
歳入
面におけるところの大きな、ほかにもいろいろございますけれども、大きな相違だろうと思います。それから
歳出
面におきましても同様なことが出てくるわけでございまして、それは各
経費
におきましても、あるいは委託
事業費
等はこの中に含まれておりませんし、もう一つは、またこれは
歳入
歳出
に関連もございまするが、いわゆるワク外債その他のものが相当大きくこの中に入ってまいります。あるいは委託
事業費
等が相当大きく入ってまいります。これは
歳入
歳出
ともに影響してまいります。いろいろなことが重なりまして、
財政計画
と決算とが相当大きく開いてきておるということは、これはもう御指摘のとおりでございます。
和田静夫
18
○
和田静夫
君 さすがに最近では新聞も、
地方財政計画
というのは実際の明
年度
の
地方財政
の実勢を示すものではないという注釈をつけて報道されるようになっているわけです。まあ翌
年度
の国の経済の動向が一体どういうふうになるのか、これは経済人ならずとも、国民がひとしく深い関心を持っているわけですが、
地方財政計画
に対して各方面から一定の関心が寄せられるゆえんというものを考えてみると、私は、
地方財政計画
ではなくて、現実の
地方財政
そのもの、
地方財政
が国の経済、特に財政支出における重要な部分を占めて、経済の動向を占う
基礎
材料となるからであろうと考えるのです。ところが、現在私たちが自治省から与えられる
地方財政
についての
基礎
資料
というものは、
地方財政
の
実態
を十分はかり得る
資料
たり得ているかどうか、たいへん疑問です。言うまでもなく、
地方交付税法
の第七条には、内閣は、翌
年度
の
地方団体
の
歳入
歳出
見込み額に関する書類を作成して、これを国会に提出しなければならぬと書いています。この規定に基づいて国会に提出をされる書類と相互に表裏する
資料
が
地方財政計画
というわけです。これと現実の
地方財政
の姿とはあまりにもかけ離れているために、これによって
地方財政
の実勢を知ることはできない。私は、経済の動向を見きわめる上で、その財政支出などを通じて、その動向に重要な影響を与える
地方財政
の
実態
をつかむということが非常に大切だと思うのです。われわれはその
実態
を知る権利がまたあると思うのです。この点、自治省は、明
年度
の
地方財政
の
実態
をどのように把握をされているのですか。
長野士郎
19
○
政府委員
(
長野士郎
君)
地方財政計画
と
地方財政
の実際といいますか、そういうものとの隔たりということが、御指摘の
中心
であるわけでございます。そこで、明
年度
におきましても、その点で、四十五
年度
の
地方財政計画
と明
年度
の実績というか、
実態
というものは相当大きくまた乖離が生ずるのではないかという御指摘が
中心
だろうと思いますが、私どもそれはまたそういう結果を来たすということは予測しております。ただ、この
財政計画
の中で考えておりますというか、見込んでおりますところの
歳入
歳出
の、ある一定の姿と申しますか、諸
関係
というのは、これはやはり同じような形で財政の上にあらわれていくのではないか。事柄としては相当大きく離れていくという部面もあるわけでございますけれども、全体の
地方財政
の
実態
が運営されました結果は、この
地方財政計画
に示されました大きな流れといいますか、形というものの中で、あるいはそれに即した推移を示していく。つまり、そういうことでは、
地方財政計画
というものは、その一つの指導的な役割りといいますか、標準的な姿というものを示している。その意味では、
地方財政
の運営の一つのその面での役割りを果たしていくものというふうに私どもは考えております。
和田静夫
20
○
和田静夫
君
地方財政計画
というのは、国が、
地方財政
のあるべき姿ということで、いわば意図的に、作為的につくるものでありましょう。したがって、
計画
と決算との間に開きができるのは、私は当然であろうと思います。その理由については、私は自治省
関係
者の方々の書いたものを幾つか読んで、ある一定の理解はしているつもりです。 いま私が問題にしているのは、そのことではありません。私の言いたいことは、
地方財政計画
が国の
予算
を越える
規模
であって、また国の財政支出の多くが
地方団体
を通じて支出をされる。
地方団体
の財貨サービスの購入が、国全体の景気の動向に重要な影響を与えてきている。現在国の考えているところの
基準
によって
計画
を
策定
する、そのこととはまた別個に、
地方財政
の
実態
というものが翌
年度
においてどういう形で発展をしていくのだろうかということを予測することがあってもよいはずじゃありませんか。私はそういう予測がなくてはならないんだと実は思うんですよ。なけりゃならぬのだと、こう思うのですよ。いわば国の財政は
予算
を
中心
に国自身がつくるものですから、大きくすることも、あるいは小さくすることも、国自身でできるでしょう。しかし、
地方
の財政は国の意思によって必ずしも自由自在ではありません。必ずしも、言ってみれば、自由自在には国の意思でできるような存在ではないはずです。国にとっては客観的な存在であると言って私はよいと思うのです。わが国において
国庫支出金
やあるいは
地方交付税
の
地方財政
に占める
割合
が非常に大きく、かなりの
程度
国が
地方財政
を動かせるとはいっても、
地方財政
が
地方
自治体の財政である限り、国にとっていわば外部的な、客観的な存在であるという側面は決してなくならないと私は思うのです。したがって、
地方財政計画
は国がつくるものですからどのようにでもできましょうが、客観的存在としての
地方財政
そのものは国の意思によっては規定できないものとして存在をしているのです。来
年度
の
地方財政
の予測図を提供するというサービスこそ、
地方財政計画
の
策定
とは別個に自治省が行なうべきものであると私は考えますが、自治
大臣
いかがですか。
秋田大助
21
○国務
大臣
(秋田大助君) たいへんむずかしい御議論のように思いますが、
地方財政計画
なるものは、
年度
当初における単
年度
ベースにおける一応の見通しでございまして、いわば最低の見通しとも言うべきものかと思います。これを
中心
にいたしまして、
地方
公共団体におきましても、自主的な見地から、それを参考にして自律的におのおのの
予算
を立てると、こういうことになっておりますので、おっしゃるとおり、
地方
の実際の
歳入
歳出
計画
は自律性と自主性を持っておりましょうけれども、やはりその
計画
と政府の大体見通しで予測を立てておりまする
地方財政計画
との間には関連性を持ってくる。しかし、理屈の上では、それは
地方
公共団体の自主性にまかされておる。しかし、
地方財政
運用上、各
地方団体
は完全にそれじゃ国の大体の
方針
を無視していいのかということは言えないわけでございまして、その間にやはり相関的にある種の
関係
は自然のうちにある、こういうふうに私は理解をいたしております。
和田静夫
22
○
和田静夫
君 三月一日の日本経済新聞は、四十五
年度
の都道
府県
予算
案をみずから調査をして、その調査結果に基づいていろいろ発表しています。時間の
関係
もありますから読みませんが、
地方
の当初の
予算
は、言ってみれば補助事業の決定がおくれることなどもあって、国とは若干趣が違いますけれども、それでも
年度
当初の各知事たちの姿勢をこれによって知ることができます。これを見た場合に、
地方財政計画
の立脚点に立って自治
大臣
はどのような感想をお持ちになりましたか。
秋田大助
23
○国務
大臣
(秋田大助君) ただいまも申し上げましたとおり、その間にやはり脈絡、
関係
がございまして、乖離が考えられますけれども、十分その間に相互に相配慮した
関係
があるもんである、こういうふうに見ております。
和田静夫
24
○
和田静夫
君 私はやっぱり、これ見ながら自治
大臣
もそのことを考えられたと思うのですが、この
地方団体
の当初
予算
の集計結果を総括的にどう考えるか、あるいは
地方税
収入の見通しについてはどうか、その上に立って政府としてはこう考え、こうあるべきだ、そういうふうに具体的対比があってこそ説得力があるのじゃないかと思うのですね。これはいかがですか。
長野士郎
25
○
政府委員
(
長野士郎
君) 個々の団体の
予算
編成につきましては、それぞれの団体がもちろん自主的に行なうわけでございますから、そういう意味で、税その他の捕捉につきましても、団体ごとの考え方というものは、
地域
社会の経済の伸展その他の面と関連をいたしまして、相当国が平均的に考えますものよりは差が出てくるということもあろうかと思います。ただ、
地方財政計画
が全般として考えておりますところの税収の見方、あるいは
交付税
の
算定
、あるいは
地方債
の
一般会計分
の額、
国庫支出金
の問題、こういうものは、これは税につきましては、もう申し上げるまでもなく、国税の収入見込みというようなものとが密接な関連があるわけでございます。こういうものを通じて相互に関連をしながら税収見込みをつける。
交付税
も、国税三税にリンクしております限り、そのとおりでございます。
国庫支出金
につきましてもそういうことでございます。そういう意味では、
地方財政計画
も、現時点における
地方財政計画
は当初
計画
でありますけれども、
地方団体
の財政運営については、一つの姿といいますか、指導的な役割りをするわけでございます。そういうものを
基礎
にしながら、それを根っこに置いて個々の
地方団体
が
財政計画
を立て、
予算
編成をしてまいる、こういうことになる。つまり、
地方財政計画
は、全体の姿を、最低限ではございますけれども、来
年度
の
財政計画
としては、
地方団体
の一種の
財源
保障と申しますか、
地方団体
がいかなる
歳入
をどれだけの
程度
で見込み得て、そうして
歳出
というものが最小限度この
程度
のことにはなり得る。もちろん、個々の費目につきましての一応の
算定
の
基礎
というものも、これは国家
予算
とも関連いたしておりますが、一応
内訳
として明らかにいたすわけでございます。そういう意味で、
地方団体
の財政運営をこれによって強制するというわけじゃもちろんございませんけれども、
地方団体
として個々の団体が置かれている位置において、事情はいろいろ違いましょうが、考えていきます
基礎
の最低のささえを
財政計画
はいたしておる、こういうふうに申してよかろうかと思います。租税、
交付税
、その他の問題につきましては、一つの大ワクとしての
規模
を示す、こういうことに相なっておると私は思っております。
和田静夫
26
○
和田静夫
君
昭和
四十五
年度
の
地方財政計画
は、閣議決定の「
昭和
四十五
年度
の経済見通しと経済運営の基本的態度」を前提に置いて、国の
予算
の
予算
編成
方針
に準じて
策定
されたものだと。四十三
年度
の決算を見てみますと、中央、
地方
を通じて政府の財貨サービスの購入額は九兆三千四百四十三億で、このうち中央政府は四兆六千三百十一億円、
地方
は四兆七千百三十二億円であります。この
地方
の四兆七千百三十二億のうちで、経常購入は二兆七千五百四十七億円、資本形成は一兆九千五百八十五億円であったと思うのです。そうすると、
昭和
四十五
年度
の政府の財貨サービス購入は前
年度
より一四・八%増の十二兆一千三百億
程度
ということでありますが、政府の中央、
地方
別、また資本形成、経常購入別
経費
をここでお示し願えますか。
森岡敞
27
○
説明員
(森岡敞君) ただいま御質問の政府の資本形成の
内容
につきましての詳細は、御案内のように、経済企画庁でやっております。私どもその
資料
をいま持ち合わしておりませんので、企画庁に問い合わせまして、その上でお答えを申し上げたいと思います。
和田静夫
28
○
和田静夫
君 つくってくれるわけですね。
森岡敞
29
○
説明員
(森岡敞君)
内容
の詳細につきまして、いままで企画庁の取り扱い等もあると思いますので、その点も含めまして企画庁と相談いたしたいと思います。
和田静夫
30
○
和田静夫
君 相談されるだけですか。
森岡敞
31
○
説明員
(森岡敞君) 御案内のように、いまの御指摘のような非常にこまかい
内訳
は、外に企画庁のほうはいままで出しておりません。そういうふうな経緯もございますので、その点も含めまして、企画庁の意見も聞きましてお答え申し上げたい、こういうふうに思います。
和田静夫
32
○
和田静夫
君 これはちょっと責任ある答弁をいただきたいのですが、いま課長が言われたような事情にある、それを私のほうは求めているのですが、お出し願えませんか。
森岡敞
33
○
説明員
(森岡敞君) ただいまも申し上げましたように、当面所管いたしておりますのが企画庁でございますので、企画庁と協議いたしましてお答え申し上げたい、こういうふうに思います。
和田静夫
34
○
和田静夫
君 答えるわけですね。相談した結果をお答えを願うわけですね。
森岡敞
35
○
説明員
(森岡敞君) 相談いたしまして、お答えし得る範囲内でお答え申し上げたい、こういうことでございます。
和田静夫
36
○
和田静夫
君 それじゃ、いつまで待てばいいわけですか。
森岡敞
37
○
説明員
(森岡敞君) 若干時間をいただきまして、できますれば午後にでも申し上げます。
和田静夫
38
○
和田静夫
君 それじゃ、その答えを聞いた上で、注文は注文としてまたいたします。 それで、政府の財貨サービス購入は、景気や物価の動向、そういうものに重要な影響があるといわれています。私は、先ほど来、現実の
地方財政
の見通しを正確に立てるべきだと言ってきましたけれども、それは政府が経済見通しを立てる場合に、
地方
の財貨サービスの購入というものを他の指標とともに
地方財政計画
に根拠を置いていることに、実は疑義があるわけでございます。現に、
昭和
四十三
年度
の決算で見ますと、
計画
は五兆六千五十一億円であったのに対して、決算の
歳出
規模
は六兆七千二百九十六億円で、実に二〇%もの開きがあるのであります。このような数字をもとにして、はたして翌
年度
の経済の正確な見通しが立てられるのだろうか。先般の
予算
委員会
でも、政府は財貨サービスの購入の
伸び
率が経済成長率の一五・八%より低いから物価の
増高
要因にならないと言っているが、
財政計画
と実勢の開きから考えて、財貨サービス購入の
伸び
率は経済成長率を越えているのではないかという論戦が御存じのとおり展開されております。どうも、そのときの政府の答弁を読んでみたのですが、たいへん要領を得ないのです。私は要領を得ないのはむべなるかなと思うのですが、しかしそんな非難ばかりしておってはどうにもなりませんから、物価なら物価の値上がりについても抑制をすることができない佐藤政府というものが、実はここのところが私は欠けているからだと思うわけです。私は、そういうような例から見ても、
財政計画
とは別に、もっと責任ある
地方財政
の見通しを立てる必要がある、そういうふうに思います。これは
大臣
に御答弁を求めようと思ったわけですが、時間があれですから、これは私の主張をいたしておきます。十分
勘案
をしていただきたいと思います。 そこで、
年度
内の貸し付け回収金の額、これは四十三
年度
決算では幾らになっておりますか。
森岡敞
39
○
説明員
(森岡敞君) ちょっといま
手元
に
資料
の準備がございませんので、これも早急に調べましてお答え申し上げます。
山内一郎
40
○
委員長
(
山内一郎
君) 暫時休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩
—————————————
午後一時十五分開会
山内一郎
41
○
委員長
(
山内一郎
君) ただいまから
地方行政委員会
を再開いたします。
地方交付税法
のの一部を
改正
する
法律案
及び
昭和
四十五
年度
地方財政計画
に関する件を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、
質疑
を行ないます。
質疑
のおありの方は順次御発言を願います。
森岡敞
42
○
説明員
(森岡敞君) 午前中お答えを留保いたしました件につきましてお答え申し上げます。
昭和
四十五
年度
の経済見通しにおきます政府財貨サービス購入の
内訳
につきましては、所管の経済企画庁から
和田
先生のもとに参りまして御
説明
を申し上げる、こういうふうにいたしておりますので、御了承願いたいと思います。 四十三
年度
地方財政
の決算の中での
年度
内貸し付け金の回収金の額でございますが、
府県
分で千三百四十億円、
市町村分
で六百五十五億円、合わせて約二千億円という数字でございます。
和田静夫
43
○
和田静夫
君 私の記憶では五、六年前、
計画
と決算の開きがかねてから問題になっていたので、たしか四十一
年度
計画
策定
の際に七十八億円を
歳入
歳出
額に
計上
して、四十二
年度
にはこれを二百億円としたはずであります。そして四十三
年度
は二百億円をそのまま
計上
しておりますが、四十四
年度
はこれを落としている。四十一
年度
に
計上
した理由、四十三
年度
に前
年度
額を据え置いた理由、そして四十四
年度
にこれを落としてしまった理由を
説明
をしてください。また、四十五
年度
はどうしたか。そしてその理由をお示しください。
森岡敞
44
○
説明員
(森岡敞君) 御指摘のような経緯をたどっておるわけでございますが、四十四
年度
に
年度
内貸し付け金の二百億円を落としました理由は、
歳入
歳出
同額が
計上
されるというふうなことでございますので、
地方財政
の収支上はこれを
計上
しなくてもいいという考え方に立ちまして、二百億円を
計上
いたさないことにしたわけであります。したがいまして、また四十五
年度
においても同じような考え方をとっておるということでございます。
和田静夫
45
○
和田静夫
君 四十一
年度
に
計上
した理由。
森岡敞
46
○
説明員
(森岡敞君) 四十一
年度
におきましては、四十四
年度
に
計上
しながら落としましたのとやや相反するわけでございますけれども、それまで
計上
いたしておりませんでした
年度
内貸し付け金の収入を雑収入の中に込めたほうがいいのではないか、こういうことで
計上
したものと思いますけれども、その後種々
財政計画
の
策定
にあたりまして検討いたしました結果、いま御
説明
申し上げましたように、やはりこの種のものは
歳入
歳出
同額が
計上
されるわけでございますが、収支上はむしろ落としたほうが的確なことではないかということで落とした、こういうふうに考えます。
和田静夫
47
○
和田静夫
君 この辺ちょっと大切ですから、「
地方財政
詳解」を読んでみますと、
昭和
四十一
年度
、
年度
内回収貸し付け金を
地方財政計画
上に
計上
した理由は、四十一
年度
版の「
地方財政
詳解」に載せてありますね。それは「
昭和
三十九
年度
決算における
年度
内回収貸付金の額が千四十一億円にも達し、
地方財政計画
と決算との差異の主因となっているうえに、今日では貸付金は商工
関係
、農林水産
関係
および民生労働
関係
の行政分野においては重要な意義を有するものであるので、これを全く
地方財政計画
から除いておくことに問題があり、決算との遊離を
解消
する意味からも、
昭和
三十九
年度
決算のうち、行政目的の明らかな貸付金七百八十二億円(商工
関係
六百三十四億円、農林水産
関係
九十六億円、民生労働
関係
五十二億円)の一割相当額を
歳入
の貸付回収金とともに
計上
したものである。」、これは
計上
の理由ですよ。そしていま言われたように四十二年、四十三年は二百億を
計上
した、そして四十四年はゼロにした。その四十四
年度
にゼロにした理由は、「
地方財政
詳解」の四十四
年度
版には、いま答弁があったように、「従来
計上
していた
年度
内回収貸付金二百億円については、
歳入
歳出
に同額が
計上
されるものであることから、
地方財政
の収支上においてとくに問題はなく、また、
地方
歳出
との関連でみても
計画
額と決算額との間に約千五百億円もの乖離があるので、これの取扱いは
地方財政計画
の
規模
の是正という面で今後別途検討することとし、本
年度
は
歳入
歳出
の両面から除外することとしている。」 そこで、この二つの論法によってもわかるように、あるときには
計画
と決算との開きを気にして一定額を
計上
する、あるときには財政
規模
が大型化したという印象をおそれて額を据え置く、そしてゼロにするというぐあいで、全く一貫性がないのであります。前次官の柴田さんは、「自治研究」に御存じのとおり
地方財政
物語を連載されております。ここに柴田論文があります。その中で貸し付け金、回収金のことに触れて、これは
計画
の中にも一部取り入れなければいけないというようなことを書き、事実、彼は在職中にこれを実行した。しかしまた、同じ在職中にこれを削るといったぐあいなんですね。八兆円にのぼる
計画
の中の二百億円ぐらいだとあるいは言われるかもしれませんけれども、そうはいかぬ。なぜそうはいかないかといったら、
市町村
民税の
減税
補てん債の補給分や
特別事業債
償還
交付金の別途
財源
を
地方交付税
でめんどうを見るようになった額が御存じのとおり二百億です。この二百億をめぐってすったもんだやったわけですから、二百億とは言わせないつもりなんです。自治省は
予算
編成期に、
地方交付税
の減額は
地方財政
の現状から見て許さるべきことではない。その本質論を交えて一大キャンペーンを展開したかと思うと、
計画
の
策定
にあたっては、いとも簡単に、まさに小手先で二百億を
計上
したり削ったり、こういったことが容易に行なわれるということについて、自治
大臣
はどのように考えられますか。この事実に照らして
地方財政計画
というものの役割りといいますか、意義をどのようにお考えになりますか。
秋田大助
48
○国務
大臣
(秋田大助君) 検討を要すべき問題だと考えます。
和田静夫
49
○
和田静夫
君 財政局長、いまの
大臣
に補足ありませんか。
長野士郎
50
○
政府委員
(
長野士郎
君) 確かに御指摘のように、加えた時期と、これをはずした時期とあるということになりますが、文字どおり、この取り扱いというのには両論が常にあるわけでございまして、結局、財政の
規模
をあらわしますものの中ではこれらのものが二重に計算をされてくるというところに、やはりどうしても実勢としてのものを純粋に見ていきますという考え方に立ちますと、これはやはりダブって計算していくということはよくないという考え方が出てまいりますし、しかしながら、それがやはり貸し付け金という形で相当大きな行政上の役割りを果たしておるという点に着目して考えるという見方をとります場合には、全部を
計上
するということはともかくとしても、その中で一定部分の行政的な理由のあるものについては、やはり
計上
をすべきではないかというような議論も出てくるわけでございます。当面のところは、そういう二つの考え方の間を行ったり来たりしておるような御印象を与えておるわけでございますが、これはやはり今後とも
財政計画
と実勢との間の開きというものの中でたくさんの
項目
が現実に直面しておるわけでございますから、そういうものを含めまして、どういうふうに検討していくかということの検討問題の一つの重要な問題だとして、私どもも今後取り扱っていかなければならないと思っておりますが、どう言いますか、雑収入とか——これは一応は雑収入という形に
歳入
としてはもう一ぺん入ってくるわけでございまして、そういう問題の扱い、
使用料
、手数料、雑収入等の扱いにつきましては、実は
財政計画
を立てる場合にいろいろ議論があるところでございます。そういうものはもう一。へん洗い直しまして、全体の
財政計画
の
実態
との乖離という問題の是正のときにさらに検討をしてまいりたい、こう考えております。
和田静夫
51
○
和田静夫
君 重要な検討問題として検討されるようにお願いいたします。
昭和
四十五
年度
の
地方財政計画
は七兆八千九百七十九億円、億単位にすればそうでありますが、実際は端数までちゃんと出されているわけです。それを見ますと、数字自体は作為を加えないで、何か客観的な
資料
を積み上げて出されてきたような感じがいたしますが、よく中身を検討してみますと、いま回収貸し付け金の例に見たような
実態
になっているわけです。そのときどきの
状況
で大きな数字が入ったり出たりするようでは、
計画
自体がきわめて主観的なものであるということになろうと思います。その辺は十分に検討にあたっては考えてもらわなければならぬところだろうと思います。 ところで、国民総生産に対する
歳出
規模
の
割合
、純計額における国、
地方
ごとの指数、これは三十一年から三十三年までの平均を一〇〇とした場合の指数でありますが、四十三
年度
までは決算、四十四年、四十五
年度
は
計画
額でよいのですけれども、いま示していただけます。
森岡敞
52
○
説明員
(森岡敞君) 四十五
年度
の
地方財政計画
規模
の国民総生産に対する比率は一〇・九%でございます。四十四
年度
は一〇・五%でございまして、四十四
年度
に比較しまして四十五
年度
は若干そのウエートが高まっております。 それから、過去の率でございますが、四十二
年度
が二二・一%、四十一
年度
が一三・五%。四十
年度
が二二・七%、三十九
年度
が二二・一%、三十八
年度
が一三・二%、三十七
年度
が一三・四%、三十六
年度
が一二・二%、三十五
年度
が一一・八%、三十四
年度
が一二・一%でございます。 なお、この総生産に占めるウエートは、いま申しました四十二
年度
以前の数字は全部決算額でございます。四十三、四十四、四十五は、
地方財政計画
の数字で比較をとっております。
和田静夫
53
○
和田静夫
君 四十三
年度
は、決算額でちょっと知らしてほしいのですがね。
森岡敞
54
○
説明員
(森岡敞君) 四十三
年度
、いま一一・六%でございまして、これは
地方財政計画
の比率でございます。
和田静夫
55
○
和田静夫
君 いや、それは決算でわかりませんか。
森岡敞
56
○
説明員
(森岡敞君) ちょっとただいま
資料
がございませんので、あとで申し上げます。
和田静夫
57
○
和田静夫
君 いま言われたような数字によっても明らかなのでありますが、この
計画
の段階では、
地方
の純計はいつも国の純計よりも小さく押えておる。決算となると
地方
のほうがはるかに大きくなる。これは私は決して偶然ではないと思うのです。
地方財政計画
には二つの面があると考えるからです。一つは、国が経済の見通し等を立てる際の公式的
基礎
資料
という面であります。すなわち、国の
予算
などと同時に、いろいろな経済
資料
の
基礎
資料
となっているという側面でありましょう。もう一つの側面は、中央政府が
地方
自治体に対して財政の指針として、その財政運営の方向性を規定する面であります。 前者の、経済指標の
基礎
となる
資料
の側面でありますが、
地方財政計画
がその
資料
的価値に乏しいことはすでに指摘をいたしました。とすれば、
地方財政計画
のほんとうの意味は何なのか、その意図するところは一体何であろうか。言ってみれば、後者の、中央政府による自治体の財政統制の側面だと思うのですね。すなわち、
地方
の財政支出を常に国の財政支出より低いレベルに置くことによって、それをあるべき姿だとして自治体の財政支出を牽制する、そういう
地方財政計画
の意義というものを何か皆さんは考えていらっしゃるのじゃないか。
大臣
、いかがですか。
秋田大助
58
○国務
大臣
(秋田大助君) そういう意図は私はないと思います。必ずしも国の財政
規模
より
地方財政
規模
が低くなければならないということは、
地方行政
の現在の水準からいって正しい——必ずしもそうでなければならぬというものじゃない。むしろ上がってもいいわけでございまして、したがって、決してそれよりも低くしておかなければならないという既定の概念なり、そういう原則を立てて、その
方針
のもとに押し込めておるということはないと思います。
和田静夫
59
○
和田静夫
君 しかし、まあ先ほど私が述べたように、数字は明確にそのことを物語っている、そういうふうに言わざるを得ません。その辺のことが、けさ来論議をしておるところの、大きなギャップとなって作用をしておるということに考えられるのでありまして、先ほど重要な検討を要する問題として答弁があった。その検討にあたっては、いま私が申し述べたようなことについても十分な配慮をしていただきたい、そのように考えます。 それで、具体的に四十五
年度
の
地方財政計画
の
内容
に入っていきます。 その前に、今度の税法の
改正
で、この
歳入
関係
としては
交付税
の貸し借り論をやるべきなのでありましょうが、四十四
年度
の
補正予算
に伴う
交付税
法の
改正
案の審議の際、私の考え方を明らかにいたしましたので、一点だけ
地方税法
審議の際に留保していた問題に触れたいと思いますが、
法人事業税
の分割
基準
の
改正
の問題であります。これはまあ、一点だけどうしてもよくわからないのであります。法人の
事業税
のいわゆる分割
基準
の
改正
問題でありますが、いろいろ調べてみましたが、どうもよくわからない。税制については言うまでもなく、しろうとがわかりやすく
説明
されなくてはならないという原則があるわけでありますから、わかりやすく
説明
していただきたいと思います。 それは、そもそも本社従業員数を二分の一としてあの分割
基準
を
算定
する制度というのは、
昭和
三十七年の
税制改正
で設けられたものでございますが、去る三月十二日の本
委員会
における私の質問に対する税務局長の御答弁は、いろいろあったんですが、どうも明確じゃない。それから察しますと、その当時の論拠というものが、今日資本金一億円以上の企業についても適用されるのではないかということであります。はたしてそうなのかということです。その検討を行なうためには、
事業税
の性格、
課税標準
を何に求めるべきかなどといった問題にさかのぼって検討してみる必要があるようであります。 そこで、この自治省の
説明
によれば、この「
地方税
」ですね、二九七
ページ
「
事業税
は事業に対して課する税である。この趣旨からすれば、
事業税
は事業の
規模
に応じて
課税
されるべきであり、したがって、
事業税
の
課税標準
としては、所得ではなく、売上金額、資本金額、従業員数、附加価値額等、事業の
規模
を表現するものを採用すべきである。」と、まあこうなっております。そこで、三十七年の
改正
ですが、
昭和
三十七年の「
改正
地方税
制詳解」にはこう
説明
されておるのですね。「一般に、企業の本社とそれ以外の部署の従業者数が一〇対九〇であるのに対して、減価償却費の
割合
は二対九八であり、従業者数と減価償却費をそれぞれ二分の一ずつとった場合の比率が六対九四である点に着目し、本社従業者のウエイトを、それ以外の従業者のウエイトの二分の一とすることによって、従来どおり従業者数を用いながら、なおかつ減価償却費の要素を含めた場合と略々同様の結果を得る見通しを得たのである。」。そこでお尋ねしたいのですがね、この減価償却費を考慮に入れたゆえんは一体何ですか。
首藤堯
60
○
説明員
(首藤堯君) 御承知のように、
事業税
、その中で各県にいろいろ支店を持っておりますいわゆる分割事業、
分割法人
につきましての税源の所属でございますが、ただいま御指摘のように、企業の
規模
または活動量、そういったようなものを的確に把握をするように
配分
をすべきである、こういう考え方に立っておるわけでございます。また、もう一方、そのようなものを正確に把握をしますとともに、これはやはり
課税
でございますので、なるたけ客観的に、わかりやすく、かつ簡単な方法、これを採用するのがベターである、こういうところから両面の要請があろうかと思っておるわけでございます。御案内のように、ただいまこの
分割法人
の分割
基準
につきましては、電気やガスのように、固定資産の価額を
配分
基準
にしておりますものと、それから鉄道事業のように、軌道の延長を
配分
にしておりますものと、それから銀行とかその他の事業のように、事業所数とかあるいは従来員数、これを
基準
にしておりますものがあるわけでございます。ところが最近御承知のように、企業のオートメ化、それから本社管理部門に対します管理の集中化といったような傾向が非常に進んでまいりまして、これも御承知のとおりでございますが、たとえば銀行等では、最近十年間で本社の従業員の
割合
が従前より五割もふえると、こういう
状況
になって、
地方
の工場におきます従業員数の比率が、どちらかと申しますと、漸減の方向にある、こんなふうな
状況
でございます。 そこで、ここ二、三年の間、各
府県
間の
法人事業税
の帰属の問題につきまして、いろいろ議論がございまして、もう少し企業の
実態
をあらわすように、もっと具体的に申しますと、支店、工場等のあります
地方
に税源が帰属をしますように、適正な分割
基準
の
改正
を考慮すべきではないかといった議論が絶えずあったわけでございます。いろいろ検討いたしました結果、
昭和
三十七年に、製造業だけにつきまして、従業員数を本社の管理部門について二分の一にする、こういう
改正
をいたしたのでございまして、そのときの理由は、ただいま御指摘になりましたようなものをかみ合わせて、総合的に考えてみました場合に大体そのくらいが適当だろうと、こういう考え方に立ったわけでございますが、今回は製造業だけでなしに、その他の分野についても同様な現象が結果をいたしておりますので、そのような方法をとる。つまり本店管理部門の従業者数が半分ですか、これがより的確な税源の帰属である、このような考え方で行なったわけでございます。
和田静夫
61
○
和田静夫
君 この付加価値額の一部に減価償却費は人っていますね。で、言ってみれば、すぐ疑問に思うのは、何で他の構成部門は選ばれなかったんですか。
首藤堯
62
○
説明員
(首藤堯君) ただいま申し上げましたように、その他の事業につきまして、固定資産の減価償却分そのものを取り入れたということではないのでございまして、本店や支店の店舗の数でございますとか、従業員数の比率でございますとか、あるいは一例として償却費のあり方とか、そういったものを突っくるめまして考えました際に、本店の従業員数を二分の一にする、そうすると、そんなものを総合して考えた
実態
とほぼ近くなるではないか、こういう考え方でございます。
和田静夫
63
○
和田静夫
君 先ほど読み上げました
説明
によると、従業者数と減価償却費をそれぞれ二分の一ずつとった場合の比率が六対九四になるというのでありますが、本社従業員のウエート二分の一の唯一の根拠のようなんです、これがね、そうじゃないですか。従業者数を減価償却費をそれぞれ二分の一ずつとったでしょう。その根拠は何ですか。
首藤堯
64
○
説明員
(首藤堯君) ただいま御指摘になりましたのは、
昭和
三十七
年度
にやりましたときの、
建設事業
の本社の従業員数を二分の一にいたしますときに引例をいたしました考え方でございます。したがって、その二分の一ずつとったということ自体そのものがすべてではございません。全体の事業のあり方、それをどう把握をするかという把握の一つのメルクマールでございます。たとえば、先ほども申し上げましたように、電気供給業とかガス供給業のようなものは、前々から固定資産の価額を二分の一、それから従業者の数の二分の一、このようにずばりとっておるものもあるわけでございますが、ただいま議題になっておりますその他の事業につきましては、製造業の本店従業者数を二分の一にしましたときに同様の思想をとった場合とほぼマッチすると、こういう考え方でかような
措置
がとられたものと私は了解をいたしております。
和田静夫
65
○
和田静夫
君 ずばり言って、六対九四の数字の意味はどんな意味です。
首藤堯
66
○
説明員
(首藤堯君) 当時の六対九四という数字は、私ちょっと
手元
に
資料
を持っておりませんが、たとえば今回の
措置
で、建設業、商業、金融、保険、不動産、運輸、サービス業、こういったものをみな取り上げまして調べました結果、本社とそれから支店の従業員の数はほぼ一五%と八五%と、このくらいの比率になっておるのでございます。ところが、先ほど銀行の例でも申し上げましたように、これはここ三十五年から最近までの間に、非常に本店管理部門のウエートが高くなってまいっております。そういう
状況
を示しておるわけでございまして、店舗の所在数、それから固定資産のあり方、こういったものの比率を
勘案
をいたしました場合に、従業者数を指数としてとると、こういうことにきめましたものについてはそのウエートを減らす、それによって全体の事業の
規模
のあり方がつかめる。このように
算定
をいたしたわけでございます。
和田静夫
67
○
和田静夫
君 これ納得できる
資料
というのはあったのですか。言ってみれば、対象会社を含んで調査をされた
内容
、それは明らかにされる用意がありますか。
首藤堯
68
○
説明員
(首藤堯君) 若干の会社につきましていろいろとサンプル調査はいたしておりますが、公表をいたしますかっこうとしては、現在準備したものはございません。
和田静夫
69
○
和田静夫
君 少なくとも私はわからぬわけですから、私を納得できるかできないかは別として、検討、研究をするに値する
資料
——そういう言い方いけませんな。検討、研究をさせてもらえるような
資料
はつくれませんか。
首藤堯
70
○
説明員
(首藤堯君) ただいまいろいろございます。
内容
につきましては、後ほど、先生のところでおよろしければ、御
説明
に参りたいと思います。
和田静夫
71
○
和田静夫
君 今回の
改正
で、製造業ほど減価償却部分が少ない他の業種にも適用するのは問題ではないだろうかという疑問が、なお先ほどの
説明
を受けながらもひとつ起こるのです。言ってみれば、全業種に適用をするのであったならば、全業種の平均付加価値額構成比を根拠として、案分
基準
を
算定
すべきであろうと思うのですが、どうですか。
首藤堯
72
○
説明員
(首藤堯君) ただいまの御指摘の点は、税制そのものの将来の問題について非常に大きな御示唆を含んでおると思いますが、税制が付加価値税制ということに切りかわってまいりますならば、その付加価値を行ないます段階で税を取ってまいりますので、問題は相当変わってこようかと思います。御承知のように、
法人事業税
は、本店所在のところに一応集中するかっこうで、支店のあります場所に
府県
間で分割をしていく、こういう体制をとっております以上、なるたけ的確に本店と支店の活動の
状況
を把握しますとともに、税制として簡単に明確にその
配分
ができる、こういう二つの要素をどうしてもかみ合わさざるを得ないわけでございます。ただいま申し上げましたように、銀行、保険、その他の事業のように従業員数を使うものについては、ただいま申し上げたような
措置
をとった、こういうことでございます。
和田静夫
73
○
和田静夫
君 実は
歳出
面を
中心
にお尋ねをする
計画
だったのですが、
委員会
の日程が狂ったものですから、ちょっと私たちが考えて緊急を要する問題を二、三先に質問をさせてもらいます。
昭和
四十四年の「
地方交付税
制度解説(
単位費用
篇)」、この
府県
の農業行政費のところでありますが、二三二
ページ
、この農業改良普及手当ですね、これは
給与費
の中で見られています。しかるに、二四九
ページ
と二五七
ページ
に関連職種としての農作物の病虫害防除員手当が
事業費
の中の賃金、それから獣医手当が
事業費
の中の報償費で見られているんですね。この理屈は一体どこからきているんですか。
横手正
74
○
説明員
(横手正君) 初めに二五七
ページ
の獣医手当でございますが、これは国の
予算
に基づきまして、それに伴います
地方
負掛を
算入
いたしますために
計上
いたしておるわけでございます。国の
予算
のほうで手当として組まれておりますので、報償費のほうへ入れております。 それから二四九
ページ
でございますが、これも同じく国の
予算
に関連する
経費
でございます。同じく手当でございますが、一応国の
予算
に準じまして賃金のほうに
計上
する、こういうことにいたしております。
和田静夫
75
○
和田静夫
君 この関連職種については、一律に農改普及手当と同等に扱うということにはならないのですか。
横手正
76
○
説明員
(横手正君) 農業改良普及員の普及手当につきましては、これは
法律
に基づきましてはっきり明確になっております。したがいまして、普及手当といたしまして、
交付税
上の
措置
もいたしておるわけでございます。ただいまの防除員、こうした手当は一応賃金扱い、こういうかっこうにしてあります。また、獣医の手当につきましては、これはたしか国の
予算
におきまして補助として
計上
されておったかと、かように思います。したがって、それに準じて
交付税
上の
措置
も講ずる、こういうことにいたしておるわけでございます。
和田静夫
77
○
和田静夫
君 二五七
ページ
ですが、何か無防備なところをつくようで悪いが、いいですか。家畜伝染病予防吏補助金ですね。これは二分の一補助されている獣医手当ですけれども、ことしの単価は幾らですか。
横手正
78
○
説明員
(横手正君) 国の
予算
のほうの単価の
資料
をちょっと持っておりませんので、後刻御報告いたしたいと思います。
和田静夫
79
○
和田静夫
君 これは後刻じゃちょっと困るのです。
山内一郎
80
○
委員長
(
山内一郎
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
山内一郎
81
○
委員長
(
山内一郎
君) 速記をつけて。
和田静夫
82
○
和田静夫
君 いまの
地方
自治体に、十万人をこえる臨時
職員
が雇用されているといわれている
実態
を伺いたいと思います。
山本明
83
○
政府委員
(山本明君) ちょっとおくれてまいりまして、御質問の趣旨は、
地方
に臨時
職員
が約十万くらいおるのではないだろうかということについての
実態
はどうだという御質問だというふうに承ったわけでございますが、私のところでこの
実態
は十分把握しておりませんが、
給与
の
実態
調査を昨年いたしました結果は、二万四千というのが臨時
職員
であるというふうにまいっております。しかし先般来、自治労の方々も十万人おられるということでおいでになっておりますから、
実態
調査を現在進めておるというのが実情でございまして、その
内容
がどのようになっておるか、つまびらかにしておりません。
給与
の
実態
調査の結果、大体四十三年に二万四千人くらいいるというのが出てきただけでございます。
和田静夫
84
○
和田静夫
君 これはおたくのお調べだと思うんですが、いま四十三年と言われましたね。
山本明
85
○
政府委員
(山本明君) 四十三年でございます。
和田静夫
86
○
和田静夫
君 四十三年四月一日現在で、六カ月から一年未満の者が六万九千二百人、一カ月から六カ月の者が二万二千二百人、一カ月未満の者が二万三千七百人、一年以上の勤務者が、これは四十二年四月現在ですが、三万四千三百二十七人、自治省調べ、これはありませんか。
山本明
87
○
政府委員
(山本明君) ちょっと数字が合わないのでございますが、私のほうで、先ほど述べましたように、
地方公務員
の
給与
実態
調査によりまして、すでにこういうのが印刷してあると思いますが、これによりますと、結局、四十三
年度
でございますが、都道
府県
で五千七百三十一、市で九千百三十八、特別区で千三百二十四、町村で六千八百二十五、一部事務組合三百八十二、合わせまして二万三千四百人、こういう数字が出ておるのでございまして、いまおっしゃいました
資料
、ちょっと後ほどまた見せていただきたいと思いますけれども、存じておりません。われわれは、一般的には大体二万人の臨時職がおるというふうに認識し、自治労のほうは約十万であるというかっこうで入っております。おそらく、一年未満の者は調査をしておりませんので、それがいまいった差になってくるのではないであろうかと、このように思っておりますが、私のほうには、いま申し上げました二万三千四百という数字しかつかんでおらないわけであります。
和田静夫
88
○
和田静夫
君 言われるとおり、やはり一年未満の者が非常に多いんだろうと思うんですね。そこで、いま調査をされている結果というのは、いつごろでき上がりますか。
山本明
89
○
政府委員
(山本明君) 大体ことしの秋ごろまでには出したいということで、事務当局で作業を進めている段階でございます。
和田静夫
90
○
和田静夫
君 秋、ちょっとそんなにかかりますか。
山本明
91
○
政府委員
(山本明君) まあできるだけひとつ早くやります。いま一応事務的にはそういうかっこうで進めておりますので、できるだけ早くやるようにいたします。
和田静夫
92
○
和田静夫
君 これはなるべく急いでもらいたいと思うんですね。
実態
は私が言っているほうが正しいと思うんですよ。そういう上に立って論議を進めますが、そこで、先ほど一年未満のものをお調べになっていないというのは、一年以上の臨時
職員
というのはあるのですか。
山本明
93
○
政府委員
(山本明君) これはまあ私が申し上げましたのは、ほんとうに十日とか、あるいは三十日とか、そういうかっこうで雇われる人ははずしていると、一年以上引き続いている者を
給与
の
実態
調査で調べたということでございます。
和田静夫
94
○
和田静夫
君 私の言っているのは、一年以上の臨時
職員
というのはあるのですかといっているんです。
山本明
95
○
政府委員
(山本明君) それは御承知のように、六カ月、六カ月で更新をしていっておる者だと思います。
和田静夫
96
○
和田静夫
君 そうすると、ちょうど一年ですね。それをこえる者は臨時
職員
じゃないんでしょう。
山本明
97
○
政府委員
(山本明君) われわれとしては、制度上から言いますと一回ですね。六カ月、六カ月で一年以上はおらないはずでありますけれども、実質的には、県によりまして、それらの者が恒常的な仕事に使われておって、こういう数字の中に入ってくる、こういうふうに考えてもいいんじゃないだろうかと思っております。
和田静夫
98
○
和田静夫
君 公
務員部長
、そういう者が存在をしている理由は、どういうふうにお考えになりますか。
山本明
99
○
政府委員
(山本明君) 理由はいろいろあると思いますけれども、まあ制度的にいいますならば、それは本来あり得ないのでありまして、一年一回更新の一年未満であるべきでありますけれども、
府県
市町村
におきましては、そういう方が、どういう手続になりますか承知しませんけれども、一年以上働いているという
実態
があるということだと思います。
和田静夫
100
○
和田静夫
君 これらの多くの臨時
職員
、これは臨時
職員
、一年以上の人を臨時
職員
という名称を使う場合に明らかにしておきますが、それは現行制度であるところのたとえば主事である、主事補である、臨時
職員
である、その職名として臨時
職員
ということである、そういう形で使わしてもらいます。一年未満の臨時
職員
は、これはまた別の意味で当然含みますが、それらの臨時
職員
の多くは恒久の職に従事しています。これは
法律
違反だ、こういう状態に対して、自治省はどのように行政指導をされるか。
山本明
101
○
政府委員
(山本明君) おっしゃいますように、臨時の
職員
というのは、臨時の職につく者をいうのでありまして、いまおっしゃいましたように、一年以上恒久的な職についているという者であるとしますならば、それは本来、臨時
職員
を使うべきではない、恒久的な職にはやはり定数の中に入っておる
職員
を使うべきである。したがって、その職を分析して、恒久的な仕事であるとするならば、それは恒久的ないわゆる定数内の
職員
をもって充てるべきであり、仕事が臨時の職であるならば、それはいま申しました臨時の
職員
を充てる、こういうふうにすべきである、こういうふうに指導いたしております。
和田静夫
102
○
和田静夫
君 いわゆる臨職の
法律
論争というのは、とっくに終わっているんですから、私は何も本
委員会
で何べんも繰り返す、そういうつもりはないんです。ただ言っておかなければならぬことは、
法律
解釈としては、
地方
公共団体が
地方公務員
法に違反しておると解釈すべきでしょうね。しかしながら、
地方
公共団体が
法律
違反をやっているんだということを断定するわけにはいかぬということになってくると、六カ月の再度の更新の後になお採用されている人たちは、選考による
職員
の採用という形で、先ほど申しましたように、臨時
職員
という職名の
職員
、こういうふうに私は選考によって採用されてしまった
職員
、それが主事補にならず、あるいは技師補にならず、あるいは技師にならず、主事にならず、職名が混乱をしているから臨時
職員
という職名である。ただ、それだけではないか、そう思いますが、どうですか。
山本明
103
○
政府委員
(山本明君) その場合に、
実態
というのは、おっしゃいましたように、
地方公務員
法上は問題があろうと思いますけれども、それはさておきまして、
実態
としては、おっしゃいましたように、選考によって
職員
にしておるという擬制は私はできないのではなかろうか、あくまで
地方公務員
というのは定数の中に入る
職員
として、選考なり、あるいは競争試験によって採用されるべきであって、それをやらずに定数の外で何か恒常的な仕事に使わせるということは本来的な意味ではないだろう。これはわれわれとしてはあくまで是正すべきである、こういう指導はいたしております。
和田静夫
104
○
和田静夫
君 そうしたらどうされますか。現実に十万人をこえる人がいらっしゃる。どうされますか。
山本明
105
○
政府委員
(山本明君) したがいまして、先ほど申しましたように、
地方
公共団体におきましては、事務を分析をいたしまして、それが恒常的な業務であるとするならば、これは定数内の
職員
を使うべきである。その職が臨時であるならば、先ほど申しました六カ月間の期間を切っての臨時の
職員
に採用する、こういう振り分けをすべきである、またそうしなさい、こういう指導をいたしております。
和田静夫
106
○
和田静夫
君 賢明な公
務員部長
だけれども、ちょっと無理じゃありませんか。すでに一年以上の方がいらっしゃるわけですね。その人はもう本来公的には地公法上、言ってみれば、本人には罪はないわけですよ。その人をたとえば排除してしまう、あるいは六カ月だけ使いなさいというような形にはならないでしょう、現実の問題としては。
山本明
107
○
政府委員
(山本明君) したがって、それは先ほど申しましたように、
地方団体
がいろんな仕事がふえてきて定数をふやさざるを得ないというような場合は私はあると思います。あるいは中でもやめていった人がおられまして、それだけ補充をしなくちゃならないという場合もございます。そういう場合には、いま申しましたような方法で、恒常の業務、いわゆる定数内の
職員
を使う。だから、その職の分析をして、その職が恒常的な仕事であるならば、いま現におられる方の中から能力がある方なり何なりを採用するという方法を考えるなりすべきでないだろうか。だから、現在おる人をそのまま云々ということになりますと、おっしゃいましたように、ますの中からはみ出るものがありますので、これをすることは困難であろうと思いますけれども、
府県
によりまして、
市町村
によりまして、定数増あるいはやめられた方の補充をするというような問題があるので、それらとの関連において、いま申しました人たちを考えてやるべきではないだろうか、このように考えております。
和田静夫
108
○
和田静夫
君 必然的に定数増を考えられる条件がある。したがって、定数増という中において
措置
を指導をしていく、こういうことですね。 そこで、もう一ぺんひるがえって考えますが、
昭和
三十一年八月二十日付の自治省の次長通知、「臨時
職員
の身分取り扱いについて」、それから
昭和
三十三年三月七日付の自治省事務次官の定数外
職員
の定数化についての(一)、(二)、(三)は三十六年七月十一日付の方向の指導を行なっている、こういうふうに理解をしておいてよろしいですか。
山本明
109
○
政府委員
(山本明君) そのとおりに指導をしていっておるはずでございます。
和田静夫
110
○
和田静夫
君
大臣
、お聞きのとおりの現勢であります。したがって、いま公
務員部長
が答弁をされたような形での解決の努力をしていただきたい、こういうことでありますので、
大臣
からもひとつ答弁をいただきたいと思います。
秋田大助
111
○国務
大臣
(秋田大助君) この問題は、
内容
あるいは形式、非常に相錯雑した問題があろうと存じます。したがいまして、いま公
務員部長
から答えました趣旨にのっとり、善処をなるべくいたしたいと考えております。
和田静夫
112
○
和田静夫
君 次に、臨時
職員
の賃金について若干お聞きしますが、臨時
職員
の賃金は一体どのようにしてきめられますか。
山本明
113
○
政府委員
(山本明君) これは一般の公務員ですか、それぞれの資格がございます。それとの関連性を考えながら、おそらく二十五日分、つまり月給の二十五分の一とかいうかっこうで、いわゆる日額をきめておるわけでございます。
和田静夫
114
○
和田静夫
君 いま私が入手した
資料
があるのですが、
市町村
に雇用されている学校給食調理員で、十年も勤務していて一万数千円、そういうのが普通であります。最低は九千円という状態がいま各地に起こっているわけです。それで、これはもうことしの春闘の賃上げ額にも及ばない、そういう状態なんです。しかも町村段階になりますと、規則など全くないつかみで賃金をまだ支払っているのです。こういうような問題に対して、自治省はどのように指導されますか。
山本明
115
○
政府委員
(山本明君) 勤務の
実態
がいろいろなふうでございますので、必ずしもいまおっしゃいました金額が妥当であるかどうか問題はあると思います。四十四年の調査によりましても、町村で一万八千円
程度
の臨職の給料が出ております。こういうことで、低いことは低いだろうと思っております。したがいまして、その
実態
に応じて一般
職員
との均衡を考慮しながら、その改善を順次はかっていくという方向を考えざるを得ないのではないだろうか。あくまでその勤務の
実態
を見なければわかりませんので、勤務の
実態
との関連におきまして、そうして一方には一段
職員
との均衡という問題も考えながら、これを是正をしていくという方向を考えていくべきではないか、このように考えております。
和田静夫
116
○
和田静夫
君 いま
実態
を見ながらと言われたその
実態
を見ながらは、先ほど言われた調査との
関係
ですか、時期的なこと。その
実態
を把握される時期的な
関係
は。
山本明
117
○
政府委員
(山本明君) 私のいま申しました
実態
というのは、先生のおっしゃいました九千円とか何がしという額のときに、これがたとえば一カ月間まるまる出ておるものであるのか、あるいは一定の時期しか出てこないものなのか、あるいはパートタイム的に出てくるものであるのか、その辺のところの
実態
をあわせて見なければいけないのじゃないだろうかということの勤務
実態
でございます。
和田静夫
118
○
和田静夫
君 給食調理員には、そういう勤務の態様のアンバランスというものは本来的には存在しないわけでしょう。そういう
実態
であるならば。
山本明
119
○
政府委員
(山本明君) 給食も、完全給食をしておりますところとか、あるいは一部だけやっておりますところもありますね。ですから、給食といいましても必ずしも全部一律であるというふうに考えられないのじゃないだろうか。それから、これは私の体験でございますけれども、漁村で遭難した場合に、その未亡人の方をお救いをするという場合に、学校給食でお使いをするという場合が、いま言った一般的な給食という同じかっこうで使わずに、一定の方法で使っているという例もあるわけであります。したがって、私の言いました全体の勤務の態様というものを見て、
実態
を見て考えるべきではないだろうか。一律に学校給食だから幾らと、こういう考え方はできないのではないだろうか、こう申し上げたのでございます。
和田静夫
120
○
和田静夫
君 それでは通常的な勤務の
実態
にあるところの給食調理員については、さっきあったように、きわめて低い賃金については一般並みに是正をさせる、こういう指導をされると理解してよろしゅうございますね。
山本明
121
○
政府委員
(山本明君) 先ほどおっしゃいましたように、一般的に学校給食の、これは朝、昼——昼ですか、昼が
中心
でございますね。もっとも朝から来ていろいろな調理をしますので、そういう
実態
が一般的なものであれば、やはりそこで低いものは是正するという方法を考えるべきである、このように考えております。
和田静夫
122
○
和田静夫
君 それでは
実態
の把握等を含んで、言ってみれば是正の方向についての具体的な処理について、
職員
代表との間で十分な話し合いを煮詰めていただきたい、そういうふうに思いますが、その用意は十分にありましょうか。
山本明
123
○
政府委員
(山本明君)
実態
把握というのは、先ほど言いましたように、私のほうでは二万四千人といい、それから自治労の方々は十万人といい、この間に違いがあるわけであります。で、基本的にはわれわれといたしましては、
昭和
三十六年でしたか、三カ年間にかかりまして約五万人の人を
財源
処理もして定数化をした。その後、一切そういうことのないようにという御指導を申し上げているわけであります。したがって、その後もし
発生
したとするならば、そういう恒常的な業務に臨時
職員
を使ったという使用者側の責任においてこれは処理をしてもらう。しかし、われわれとしてはどういうものがあるのか、あるいはどれだけの数があるのか、そういうものはひとつ
実態
把握をして、そうして組合の方々が十万人といっておられ、こちらが二万四千人といっている、その間にどういう違いがあるのか、どういう具体の
職員
の違いがあるのか、まずこういう調査をしてみよう。私はあくまでその
措置
というものは、これは
地方
公共団体がすべきであるという考えでいるわけであります。
和田静夫
124
○
和田静夫
君 答弁がちょっと食い違っているのです。そこのところは、さっき
大臣
に確認をもらって終わっているのであって、いま言った
実態
はあなたが言われた
実態
、いわゆる給食調理員の方が季節的に使われたか、あるいは短時間、全くパートタイムで使われたかというような
実態
を除いて、一般的に使われている状態の中で、あなたは低賃金の場合には是正をされると言われたのだから、その是正をされる場合には
職員
代表、たとえば自治労なら自治労とあなたのほうとの間で十分交渉をやられる、話し合いを持って解決していくと、そういう準備、用意がありますかと、そういうことなんです。
山本明
125
○
政府委員
(山本明君) 私のほうは個々にこの人は低いから云々という気持ちは持っておりません。ただ、一般的にいまおっしゃいましたそういうものが低い、あるいはこういうものが低いとか、そういうものは、こういうかっこうになっているということの
実態
をつかんで、それについては一般
職員
との均衡を見まして、低いとすれば是正の
措置
は講ずべきであろうということは、
地方
公共団体の任命権者のほうにはこれは御指導申し上げますけれども、個々人についてこれは上げろ、これはどうだからああしろという気持ちは実は持っておりません、率直に申しまして。
和田静夫
126
○
和田静夫
君 それだから、言ってみれば、
職員
代表の意見を聞きながらそれに対応するところの指導がある、こういうふうに理解していていいわけでしょう。
山本明
127
○
政府委員
(山本明君) ええ。
職員
代表の方々と私のほうも
実態
をつかみ、十分に話をしてこの問題の解決には努力をしたいと考えております。
和田静夫
128
○
和田静夫
君 次に、共済組合の加入の問題ですが、臨時
職員
の加入の状態をひとつ。
山本明
129
○
政府委員
(山本明君) 数字を見ますのでちょっとお待ちください。——まことに恐縮でございますが、一年以上勤務し、月五千六百円以上の人は一応入れておりますので、私のほうで特に臨時
職員
が何人おるという分類は実は持っておりません。この点はひとつ御了解いただきたいと思っております。
和田静夫
130
○
和田静夫
君 私たちの調査では、臨職中の共済組合加入率というのは一一・六%、厚生年金の加入率というのは八・一%、何も入っていない者が八〇・三%という現状であります。こういう状態を放置してきた責任はまあ自治体にありますけれども、同時に、私は政府の側にもあると思うのであります。したがって、この
実態
というのはやはり把握をしてもらわないと論議になりませんから、把握をした上で一ぺん論議をしたいと思います。しかし、秋までということじゃなくて、これもやっぱり早い機会に
実態
を把握していただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。
山本明
131
○
政府委員
(山本明君) 先ほどもお答え申し上げましたように、まことに残念ながら十分
実態
をつかんでおりません。その点はおわびを申し上げたいと思います。できますだけ早く
実態
をつかみまして、これはそれぞれ聞けばわかることでございますので、できるだけ早く
資料
をとるようにいたしたいと思います。
和田静夫
132
○
和田静夫
君 次に移りますが、いわゆる非常勤
職員
の身分
関係
で伺います。まず児童福祉
施設
、あるいは老人ホームなどの
施設
に働く
職員
の中には、
特別職
、非常勤嘱託ということで
地方公務員
法の第三条第三項第三号に基づいて雇用されているのでありますが、勤務の
実態
というのは恒常的業務であって、それぞれのいわゆる根拠法、児童福祉法なり、あるいは老人福祉法に基づいて置かれているものである。こういう雇用形態は一体適法と考えられるのかどうか。あるいは国民保険や国民年金、これも恒常的業務であることは御存じのとおりでありますが、この徴収業務に従事している人たちが東京を除く大
都市
等で非常勤
職員
であります。こういうような状態というのを一体どのようにお考えになりますか。
山本明
133
○
政府委員
(山本明君) まだ先生のおっしゃる具体的な事例を私実は存じませんので、その具体例がいいかどうかということはちょっとわかりかねますが、先ほど申しましたように、やっぱり恒常的な業務には、そういう臨時の
職員
じゃなしに定数の中の
職員
を使いまして恒常的な本来の
地方
公共団体の仕事と、それから国の委託を受けておる仕事、これは実施すべきである、このように考えております。
和田静夫
134
○
和田静夫
君 そうしますと、私が述べたようなことがあれば、こういうような雇用のしかたというのは適法ではないと、こう理解してよろしいのですね、いまの答弁では。
山本明
135
○
政府委員
(山本明君) 好ましいことではないのではないだろうかと私は考えます。
和田静夫
136
○
和田静夫
君 いまのやつ、たいへん重要ですから、
大臣
、公
務員部長
が答弁されたとおりでよろしいですね。
秋田大助
137
○国務
大臣
(秋田大助君) よろしいと思います。
和田静夫
138
○
和田静夫
君 それじゃありがとうございました。よろしいということですから、いわゆる適法じゃないわけですから、直していただきたいと思います。 それからもう一つ聞きたいのは、自治省の見解を仄聞していることですからあれですが、学校給食に従事する調理員についても、言ってみれば、
特別職
、非常勤、嘱託などというようなことでいいじゃないかという見解が一部あるように聞いておりますが、そんなことはありませんね。
山本明
139
○
政府委員
(山本明君) その話は存じませんが、あるいはパートで働くものについての考え方として、そういろ言い方をしたのではないだろうかと推測をするのですが、私のほうでそういうことを言ったというようなことは、私、記憶をいたしておりません。
和田静夫
140
○
和田静夫
君 なければいいです。言うまでもなく、労働科学研究所の調査などを見てみましても、学校給食労働というものは、日本における婦人労働の中でも、紡績労働や、あるいはバス車掌労働に次ぐ重労働である、こういう状態でありますから、勤務の
実態
というものはたいへんなものであることをやっぱり理解をしておいてもらわなければならぬと思うのですが、非常勤扱いが、いま言われたように、そんなことを考えていないということであれば、
交付税
単位費用
に積算をされている給食調理員の四十四
年度
の
給与
単価は二万五百十六円であったのですが、これはもう大幅に改善をすべきだということに、いまの答弁から必然的になりますが、四十五
年度
はどうなりましたか。
横手正
141
○
説明員
(横手正君) 給食従事員の
給与
単価につきましては、一般の他の
職員
と同様、統一単価をとると、そういうことに四十五
年度
からは
改定
をいたしております。
和田静夫
142
○
和田静夫
君 これは母子相談員、婦人相談員、あるいは身障家庭奉仕員、老人家庭奉仕員なども同様ですね。
横手正
143
○
説明員
(横手正君) ただいまのお話の相談員方などの単価でございますが、これは国の
予算
によりまして、それに伴います
地方
負担
額を
交付税
上
措置
してまいると、こういうことにいたしております。四十四
年度
は国の単価が一万九千二百円でございましたが、これが四十五
年度
は二万一千二百円に上がっておりますので、四十五
年度
におきましては二万一千二百円の単価で
計上
する、こういうことにいたしております。 なお、先ほど農林省
関係
の
職員
の手当て等ございましたが、あわせて御報告申し上げます。 まず、防除員の手当でございますが、これは四十四
年度
七百二十円、四十五
年度
は八百十円、これは賃金の統一単価でございますが、あわせてこれは国の用いております賃金の単価でございます。それから獣医手当でございますが、これは、実は四十四
年度
まで七百円という単価を用いてまいっております。ただ、この点につきましては、従来の賃金単価とも違うということもございまして、精査いたしておりましたところ、実は二千百円ほどの単価になっておるということが判明いたしましたので、四十五
年度
におきましては二千百円、こういう単価を用いております。それから開拓保健婦のお話があったと思いますが、四十四
年度
までは開拓保健婦、これは農林省のほうであったわけでございますが、四十五
年度
からは、これは厚生省のほうへ移しかえになっております。これに伴いまして
交付税
上の
措置
といたしましては、四十四
年度
は四人の開拓保健婦を
計上
いたしておりましたが、四十五
年度
におきましては、衛生婦のほうにおきまして
地域
保健婦、こういうふうに名前も変えまして、五人に必要な
経費
を
計上
いたしております。なお、農林省のほうから厚生省のほうへ移り変わりましたので、補助率も百分の三十四と、こういうような補助率にいたしております。
和田静夫
144
○
和田静夫
君 そうすると、前へ戻りますが、質問しないところまで答弁があったのですが、開拓保健婦の普及手当、獣医師手当、そこでこの獣医師手当だけ上げられました、その二千百円、これらとの
関係
において、たとえば防除員手当なんかに波及をさせていくというお考えはありませんか。
横手正
145
○
説明員
(横手正君) 防除員手当につきましては一応賃金支弁
職員
と、こういうようなことで賃金単価を用いるということにいたしておりますので、これが昨年七百二十円でございましたのを八百十円にいたしております。獣医師手当につきましては、これは実は借り上げ獣医師さんの手当でございますが、昨年年までの七百円という金額が実は間違いであったわけでございます。私ども、
交付税
上で国庫補助を伴います
経費
を
措置
いたします場合には、各省からの要求に基づきまして必要な額を
計上
いたすわけでございますが、実はこの点につきましては、従来から農林省のほうからの要求もなかったという点もございましたが、実は非常に低いままでまいっておったわけでございます。その点、今回気がつきましたので二千百円と、本来の単価に直したということでございまして、特に七百円から二千百円に極端に
引き上げ
たということではございませんで、むしろ間違いをこの機会に直したという点があるわけでございます。
和田静夫
146
○
和田静夫
君 この自治省行政局
給与
課の出している「
地方公務員
給与
制度解説」の二九七ぺ−ジに、「農林漁業改良普及手当は、都道
府県
に設置されている農林漁業の改良普及事業に従事する
職員
の職務の特殊性に対して支給される手当である。この農林漁業普及手当は、農林漁業の改良普及事業に従事する
職員
の職務が科学的な技術および知識と教育的な指導能力を必要とし、また、巡回指導を主とする不規則かつ強度の勤務を伴うとともに、その職務の複雑困難の度は最近の農林漁業の事情を反映してますます加重しつつある特殊性にかんがみ支給される。」、こうなっております。そうした点では建設技術者にも同様な
状況
が当てはまると思うのですが、いかがですか。
潮田康夫
147
○
説明員
(潮田康夫君) お答え申し上げます。
建設事業
関係
に従事しております
地方公務員
全般について農業改良普及員のような手当を与えるということは、現段階においては
国家公務員
との
関係
でいささかそこまでは熟しておらないのではないだろうか、こういう考え方に立っております。ただ、現業
職員
の中には、たとえばダムであるとか、あるいは港湾の
建設事業
であるとかというような、現場で困難、あるいは機械、そういうような仕事の作業に従事しておられる方がおられることは事実でありますが、これに対しては特殊現場作業手出という手当制度が
国家公務員
にもございますが、
地方公務員
においてもそれらが活用されておりますので、全般的にそういうものを手当制度として組み込むという段階には、
国家公務員
との
関係
でむずかしゅうございますが、いま申し上げました特殊現場作業手当の制度の活用によって、
地方
公共団体で実情に即して他の職種との均衡をはかってやっていただく、こういうことで指導しておりますし、現実もかように取り扱っておる実情になっております。
和田静夫
148
○
和田静夫
君 四十五
年度
は幾らくらいにしたらいいと思うのですか。
潮田康夫
149
○
説明員
(潮田康夫君) それは
国家公務員
との均衡をはかっておりますので、
手元
に
国家公務員
の金額、各現場ごとに持っておりませんですけれども、大体
国家公務員
の特殊現場作業手当は今
年度
改定
されておりませんので、現段階においてはその均衡上、
地方公務員
においても特に四十五
年度
引き上げ
るという必要性は一般的にはないのではないだろうか、かように考えております。
和田静夫
150
○
和田静夫
君 いま幾らですか。
潮田康夫
151
○
説明員
(潮田康夫君) ちょっと——調べまして報告させていただきます。
和田静夫
152
○
和田静夫
君 いまの問題は調べてください。私が前段に言ったことと答弁が食い違ってますからね。私が前段に申し上げたのは、農林漁業改良普及手当のいわゆる設置理由についていまおたくが出しておる
資料
、これは読みかえてみれば歴然としていると思うのです。建設の事業に従事する
職員
がというふうに読みかえてみると、その「
職員
の職務が科学的な技術および知識と教育的な指導能力を必要とし、また、巡回指導を主とする不規則かつ強度の勤務を伴う」、こうなるのです。全く同様の論拠に立てるものに対して、どうして手当てを出されないのですか。
潮田康夫
153
○
説明員
(潮田康夫君) 私どもの現在までの考え方は一応御承知だと思いますが、
地方公務員
の給料、その他の諸手当は、
国家公務員
のそれを
基準
として、それにいわば準じた
措置
をとるということでやっておるわけでございます。そこで、いま申されました
建設事業
に従事している
職員
全般をとらまえて、それに農業改良普及手当のような特別な手当を支給するということにおきましては、
国家公務員
におきましても、同じような
建設事業
に従事しておられる
職員
が非常に多うございまして、それらとの均衡を考えて、いま
地方公務員
だけにおいてそういう制度を一般化する、農業改良普及手当のように特別の手当として法定するというのは、均衡上においても問題があるのじゃないか。しかも、
建設事業
の中には、ダムであるとか、あるいは港湾
建設事業
とか、いろいろな事業もありますけれども、それ以外にも事業がございます。そこらは全般的にその事業の事務の
内容
によってもいろいろと特殊性もございますので、そういうようなものの
関係
におきますというと、
国家公務員
では特殊現場作業手当というものが制度的にあるわけですし、現実にはそれとの均衡、同じ仕事をやっております
建設事業
の
関係
もありますので、それらとの均衡で、そういう制度でいけるのではなかろうか、こういうように現在では考えておるわけでございます。
和田静夫
154
○
和田静夫
君 建設省、私の質問に対して、なるほどやはり現場手当じゃなくてというお考えになりませんか。
粟屋敏信
155
○
説明員
(粟屋敏信君) 先生のお話の前段につきましては、私きょう初めて伺いましたので、はっきり申し上げることはできませんが、先ほど自治省の
給与
課長からお話がございましたように、現在、
国家公務員
に対しましては特殊現場作業手当というものがございまして、これはダムとか、その他勤務環境の劣悪な作業場の作業に従事した
職員
に対しまして、平均をとりますと大体一日につき百六十円の手当が支給されております。なおかつその場所が遠隔の地におきます場合におきましては、五割
程度
の支給もできる制度になっておりますので、現在のところ、こういうところでいいのではないかと思います。ただ、額の多少につきましては、また人事院の御所掌でもありますので、現場
職員
の処遇の改善につきましては、われわれといたしましては機会あるごとに人事院とも御相談をしておる、こういうわけでございます。
和田静夫
156
○
和田静夫
君 そうすると、前段については、初めての話であるからということでありますから、なるほど納得のできる初めての話だと、こういうふうにお考えになったと思うので、私の主張に従った努力をしていただきたいと思います。後段の部分については、これは何といっても、ここに要求の側の
委員長
おすわりになっていらっしゃるわけですから、全日本建設技術者協会の会長ですから、
地方行政委員会
の
委員長
さん、したがって、これは共通の場に立って言えると思うのです。どうですか、現場手当ですね、この機会にやはりもっと上げるべきだと、私が言うよりも
委員長
から言ってもらったほうがもっと意味があるかもしれませんが、いかがですか。
粟屋敏信
157
○
説明員
(粟屋敏信君) われわれといたしましては、遠隔の地において、勤務環境が劣悪な場所において働く
職員
に対してなるべく優遇
措置
をとりたいということは共通の希望であるわけでありまして、先生の
最初
のお話をも含めまして、さらに検討いたしたいと思います。
和田静夫
158
○
和田静夫
君 自治省のほうはいかがですか。
潮田康夫
159
○
説明員
(潮田康夫君) 私のほうも、
地方公務員
独自でいろいろやるというわけには現在の法制のたてまえからそうはなっておりませんので、
国家公務員
の制度というものが改善されると、そういう面で改善をするということで、いろいろ検討されたその結果が出てまいりますれば、
地方公務員
の場合におきましてもそれに準じた
措置
をしてまいりたい、かように考えております。
和田静夫
160
○
和田静夫
君 これは
委員長
にもぜひお願いいたしますが、この問題、五月七日までの間にもう一。へん具体的な話を一緒にやりたいと思うのです。そういうことでありますので、ひとつ
地方行政
委員長
も了解をされておりますから、建設省、自治省ともに用意をしておいていただきたい。 そこで、さっきの問題にもう一ペん戻りますが、水道、ガスなどの
地方
公営企業
の集金検針業に雇用されておる臨時
職員
の場合も、外勤で時間的にはっきり把握できないことを理由にして、多くの自治体当局は嘱託として取り扱っておる。そして
特別職
と主張するのですね。とても最近乱れているのですね。これも明らかに法解釈を誤っていると思いますが、いかがですか。
山本明
161
○
政府委員
(山本明君) 一応
法律
的にはそういうパートの方は、いわゆる第三条の第三項第三号ですか、嘱託員及びこれに準ずる者というかっこうになってくるのじゃないだろうか、嘱託員、パートでやっておられる者、それは
地方公務員
法第三条の三項三号にいう非常勤の
職員
として扱われるのじゃないかと、こう思います。
和田静夫
162
○
和田静夫
君 何かパートでやっているなどと私は言っているのではなくて、この仕事の
実態
は恒久的な職業です。それに従事しているところのいわゆる
職員
、それを嘱託などということにはならぬと思うのです。そのほうが原則でしょう。いかがですか。
山本明
163
○
政府委員
(山本明君) おっしゃいましたように、料金の徴収とかそういう仕事は、固有の本来の
職員
といいますか、これで徴収をさせるというのが筋であろうと思います。ただ、具体的な料金の徴収の場合に、何といいますか、対象が散在をしておるというようなことで、いわゆるロス、投資効率という面から、あるいはそういうパートを使われるという場合も私は自治体によってはあるんじゃないかという気はするのです。それはそういう特殊な例としてやっぱり本来の公務員が徴収をするというのが筋ではないだろうか、このように思います。
和田静夫
164
○
和田静夫
君 それが原則ですよね。やっぱりそこをもう少し尊重をしてもらわないと、公務員制度全体が非常に乱れてきている感じがするのですよ。たとえば、それじゃ、いま言われましたが、前段のお答えのとおり集金員等のパートの現状というものはたくさんあるのだということ、まあ仮定です、それは調べてみなければあれでしょう。その場合に、その人たちの賃金というのはどういうふうにペイされていますか、おわかりになっていますか。
山本明
165
○
政府委員
(山本明君) おそらく賃金で支払いがなされておるんではないだろうかと、こういうふうに思います。
和田静夫
166
○
和田静夫
君 賃金で支払われているというが、
実態
はおわかりになっていますか、これ。
山本明
167
○
政府委員
(山本明君) あまり料金の徴収ということは、私、県におりましたので
市町村
のそういうことについては、率直に申しますと、具体的に問題を存じておりませんので、きわめて観念的な考え方しか持っておりません。
和田静夫
168
○
和田静夫
君 私はいわゆる
地方
自治法二百三条による報酬及び費用弁償に該当せざる形でもってペイされている。これは全く違法だ。現実、前段の公
務員部長
の答弁を認める立場に、たとえば立っても、私は認める立場に立ちませんが、その辺は一ぺん調べてもらいたいのです、この部分は。これは調べてもらってもう一ぺんその
実態
の上に立って論議をするということにしましょう。 最後に下請の問題、俗に最近言われている下請
職員
、そういうことばがあるかどうか知りません。下請の形をとりながら、実際は自治体が直接雇用している、そういう臨時
職員
の問題が起きています。
実態
をつかんでいらっしゃいますか。
山本明
169
○
政府委員
(山本明君) そういう
実態
はつかんでおりません。おそらく下請として仕事をするならば、それは下請としての体系の中で
職員
に対して給料が払われておるのであって、
府県
なり
市町村
から下請に支払われておるということは論理的には考えられないのであります。
和田静夫
170
○
和田静夫
君 実はこれらの
職員
は一応外部のものに雇用をされています。その業者から派遣をされた形で自治体の中に職場を持ちます。したがって、下請
職員
ということに一般的に言いならされています。しかし、実際はこれらの
職員
を指揮監督するのは業者ではなくて自治体
職員
です。そういう
職員
は雇用主とされている業者からは健康保険料やあるいは税金、業者の取り分などを差し引いた賃金を受け取っている。そうすると、業者はこれらの
職員
に対しては作業衣
程度
は支給をしているでしょうが、言いかえてみると、自治体の当局というのは業者から労働者の供給を受けて、そして業務を遂行することになる、こういう結果になっているわけであります。これは明らかに職業安定法第四十四条に禁止をしている労働者供給事業に当たるのではないか、そう思うのですが、まず労働省の見解を承わります。
保科真一
171
○
説明員
(保科真一君) 職業安定法におきまして労働者供給事業の禁止規定が四十四条にございます。労働組合が労働
大臣
の許可を受けた以外は労働者供給事業はできないことになっております。労働者供給事業の解釈規定といたしまして、安定法の施行規則に、請負契約でありましても四つの要件を満たしていなければいかぬということがございまして、その中には、作業に従事する労働者については指揮監督を行なうものであること、請負会社のほうで請負会社の
職員
を直接指揮監督するというようなことが必要な要件になっております。
和田静夫
172
○
和田静夫
君 なっているけれども、いま私が言ったことはどうなんですか。
保科真一
173
○
説明員
(保科真一君) その個々の
実態
につきましては、実際にどういうふうにやられているか、その請負契約の
内容
並びに作業の
実態
を見て判断すべきものであると思います。この労供事業の規定につきましては、県の職業安定課を通じまして
地方
の自治体あるいは雇用主に対しまして終始指導いたしまして、労供に違反しないように指導いたしておるのでございます。
和田静夫
174
○
和田静夫
君 指導されているということですが、こういう
実態
についてはよくおわかりになっているんですか。
保科真一
175
○
説明員
(保科真一君) 個々の
実態
につきましては私どものほうで全部承知しておるわけではございませんが、都道
府県
を通じまして、そういうような指導監督を行なっております。
和田静夫
176
○
和田静夫
君 もう一ぺん承りますが、先ほど私が述べたような形は違法ですね。
保科真一
177
○
説明員
(保科真一君) 自治体のほうで直接指揮監督するというのが常態であれば問題であろうと思います。ただ個々の
実態
、それから請負契約を見ませんと、個々につきましての判断でございますので、ここで直ちにどうこうということは申し上げかねます。
和田静夫
178
○
和田静夫
君 前段さえ承ればいいんです。そういう状態で、そのような臨時
職員
の雇用を認めるというのは、結局のところ、労働
基準
法の第六条が禁止をしておる中間搾取、そういうことを自治体当局が容認をしていることに通じないか。容認をしているばかりじゃなくて、奨励をしていることにさえ通じないかと思うんですが、いかがですか。
山本明
179
○
政府委員
(山本明君) 先生のおっしゃいましたようなことは私はあまりないんじゃないかと思います。といいますのは、エレベーターのあれですとか、最近庁舎の清掃というのを清掃会社にお願いをして委託をしてやっております。もちろんそれは実際には県庁の中の建物でございますから、あるいはそこの責任者にこちらをこうしてくれとか、ああしてくれ、こういうことはあるかもしれませんが、恒常的に指揮監督の中に入れてしまって、そうしておるということは私は
実態
としてはないんじゃないだろうか。また、ときどきは同じ建物の中でありますし、利便をよくするために、あるいは清掃をよりよくするためには、あるいはあるかもしれませんが、恒常的なものはないんじゃなかろうか、このように考えます。
和田静夫
180
○
和田静夫
君 これは
予算
委員会
でもあったとおり、コンピューターのレンタル企業
職員
が入ってきておる、これなんかも、あのときの答弁ではたいへん技術的なことで、
大臣
も言われたようにある一定の短期だろう、そうしていまいらっしゃらない官房長も、なるべくこういう状態はやめたい、したがって、人員要求をしたい、同じことを部長も確認をされた。しかし、これがもし私が指摘をしたとおり長期間していくとなれば、いま私が言ったことに当てはまることになりますよ。それはそうでしょう。
山本明
181
○
政府委員
(山本明君) それは特殊な技術であり、直ちに国だとか県の
職員
でそれだけの能力のある者がございませんから、当初は私はあるのではないだろうか。しかし、それはいつまでもそういうかっこうで民間の方にまかせっきりということになりますと、これは仕事自体が本来の公務員、
地方
公共団体の仕事であり、あるいは国の仕事であるものをこれにまかせるということは問題がございますので、漸次好転をしていくんじゃないだろうか。当初だけはこれはやむを得ませんので、そういうかっこうでお願いをする、あるいは協力をしてもらう、いわゆる協力というかっこうで進むんじゃないだろうか、これはコンピューターだけではなしに、事務改善を
昭和
二十七、八年ごろしましたときにもやはり同様な傾向がございました。私、当時、
振興
課長でございましたが、しかし二、三年しますれば、やはり個々の自治体でもそれだけの能力を持った者を雇い、養う、こういうかっこうに進んでいっておりますので、おそらくコンピューターの場合等におきましても、そういう姿で推移をするんじゃないだろうか、長期にわたるということになりますれば問題はございましょうけれども、そういう
実態
にはならないんじゃないだろうか、このように私は考えております。
和田静夫
182
○
和田静夫
君 そうしましたら、たとえば北九州で起こったところのあの給食の下請け、いまだってやはり続いているわけでしょう。あの状態は当時の園田厚生
大臣
が給食の下請けは問題だと、こういうふうに答弁されました。あの状態は一体どういうことです。
山本明
183
○
政府委員
(山本明君) 具体的な事実はまことに残念ながら存じておりませんけれども、やはりそういうものは恒久的なものとしてなっていくのではなくて、臨時のもの、あるいはやむを得ないもの、当初やむを得ないもの、こういう場合に限定されるべきではないだろうかと、このように考えております。
和田静夫
184
○
和田静夫
君 具体的にあげていけば幾つかあるわけですよ。したがって、これは
大臣
に求めますが、いま臨時
職員
問題を
中心
にして大体大きく三つに分けながら問題点を指摘をして、それぞれお約束をいただいたわけですが、これはたいへん公務員制度全体を乱すものにも通じますので、十分に早い機会に
実態
を把握をしていただいて、そして
職員
の代表その他との話し合いを通じながら解決の努力をひとつ取り急いでやってもらいたい、そう思いますが、いかがですか。
秋田大助
185
○国務
大臣
(秋田大助君) 御趣旨に従いまして合理的に善処いたしたいと思います。
山内一郎
186
○
委員長
(
山内一郎
君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二分散会
—————————————