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千葉千代世君 これでは全然論議になりませんけれ
ども、私いま
国会で取り上げたいと思いましたのは、たいへんこれは
地方自治が阻害されるという
観点からゆゆしい問題だと思ったわけです。それで
大臣は
所信表明の中にも、「国土全体の均衡のとれた発展と、豊かで住みよい
地域社会の建設を通じて快適な
国民生活を実現してまいるために、国、
地方公共団体をはじめ、
国民全体が」云云というあとで、「とりわけ、
住民生活に身近な
行政分野の大半を直接
地方公共団体が行なっている
現状に思いをいたしまするとき、今日ほど、
内政における
地方自治行政の使命が強調され」云々ということが出ているわけです。そうするとこの所信の
内容分析をしていきますというと、たとえ陳情そのものが一端であるといたしましても、重要な
関連を持っていると思うのです。
私間違うといけませんから、
国会図書館で各新聞社の、読売さん、朝日さん、毎日さん、
東京タイムス、
東京新聞ですか、全部その前後のを調べてもらいました。これは新聞社のお書きになったこと、私自身も調べましたのですが、一つの県のデータなので、全部調べてみましたのですが、これは決裁がとれなくてたいへん困っている実情、たくさん出てきました。きょうはこまかいことはやめますけれ
ども、一つの例で申し上げてみますというと、大体二万人前後が来ているということです。それで衆議院会館、二つの会館には大体毎日五千人ぐらい来ている。参議院会館だけでも三千人ぐらい、こういう人数になっている。内訳で見ますというと、たとえば一つの県の例をとって恐縮なんですが、この岩手県などですというと、岩手では一月の二十三日の朝、岩手の
東京事務所に大体五十人の陳情団が繰り込んできている。それを待ち受けて千田知事、副知事、土木、厚生、農務、農地林務各部長、
教育長、これがごっそり上京してきている。同じように、たとえば栃木県ではこれまたたくさん来ております。したがって、この上京するためには、急行の「なすの一号」というのは陳情列車という異明をとっているということも聞いております。
こんなように
考えてきますというと、栃木だけでも延べ二百人来ている。群馬ですと、大蔵
大臣のおひざ元ですから、たいへん鼻息が荒くて、逆に群馬の
東京事務所には、ほかの県から連絡をつけて、大蔵
大臣に会う手づるはないか、というような実際も伺っております。めちゃくちゃですね。新潟県にいきますというと、これは実力者のひざ元ですね。これは県議団が熱心なんです。熱心なあまり、県で陳情テキストというのをつくって、それを首っ引きで見ながら——テキストの
内容を私伺いましたら、やはり
大蔵省の何は何という人で、担当主計官は何であって、それから、出ている
議員は何であって、こういう、テキストというのは道案内みたいなものですけれ
ども、こういうテキストが出されているわけです。北海道では、これは道庁で幹部等全部が押しかけてきて、大体幹部ですけれ
ども、一日に大挙して
東京に来ているのです。こうして、これは新聞ですけれ
ども、一月三十一日の「毎日」を見ますと、病身を押して千歳から上京した市議会議長のお年寄りの方が、連日防衛庁に基地の問題で陳情して、疲れて心臓麻痺を起こして死んだ、こういう例がある。新聞にあって御
承知だと思います。幾らか心臓も悪かったということも書いておりますが、とにかくそういうように病を押して連日通わなければならないということになって、こういうふうに数えてきますというと、切りがなくて、特にこれはどういう省に一体陳情が集中するのかということも調べてみたわけです。
そういう点について
自治省では、
自分の管轄ではないから、ほかの省のことは
関係ないと思われるかもしれませんけれ
ども、やはり閣僚の一人として、国の行政をつかさどっていらっしゃれば、出てくるのは
自分の管轄の地方の公共団体の人が多いわけですから、ですから、おれは知らないでは通せないと思うのです。そういう
観点から、
大臣は、陳情したという陳情先ですね。
各省のどこが一番多くて、どういう順序になっているかということはおわかりでございますか。