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1970-09-03 第63回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年九月三日(木曜日)    午前十時七分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         山内 一郎君     理 事                 熊谷太三郎君                 山本伊三郎君                 原田  立君     委 員                 初村瀧一郎君                 船田  譲君                 増田  盛君                 山崎 竜男君                 竹田 四郎君                 千葉千代世君                 阿部 憲一君                 市川 房枝君    国務大臣        自 治 大 臣  秋田 大助君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君    説明員        人事院事務総局        給与局次長    渡辺 哲利君        大蔵省主計局給        与課長      谷口  昇君        自治大臣官房参        事官      佐々木喜久治君        自治省行政局公        務員部長     山本  明君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方行政の改革に関する調査  (地方公務員給与問題等に関する件)     —————————————
  2. 山内一郎

    委員長山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  地方公務員給与問題等に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃ、時間の制限がありますので、きわめて簡単に質問いたしますから、答弁もひとつ要領よく簡単にお願いします。  人事院勧告がすでに一二・六七%と出たんですが、財源措置は、当初地方交付税の審議の際に、五%だけ上げておる、こういう御説明があったと思うんですが、その残りの七%以上というのは、とてもいまの市町村財政からいけないという声が強いんですが、この措置について自治大臣はどうお考えになっておられるか。
  4. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 御承知と存じますが、約千億円不足をいたしまして、そのうち不交付団体を除きまして七百七十三億円不足という数字が出ております。これにつきましては、法人税関係自然増あるいは経費の節約等で補正をいたしておるのでございます。なお、多額の赤字不足が生ずることは当然予見されることでございます。これらにつきましては、地方団体におきましても御努力を願うと同時に、なお足らざるところにつきましては、適切な処置を講じてまいりたいと考えております。
  5. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 いま、法人税増収と言われますが、地方団体によってこれはできないところが相当あると思います。特に町村過疎地帯町村財政はきわめて逼迫しております。県でも、そういう形でいける、増収によってまかなえるところがありますけれども現実にはそういかないところが地方団体では相当あると思うんです。それについて、やはり地方交付税で見なけりゃいけないところが私たちは当然出てくると考えておるんですが、その点どうですか。
  6. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 確かにそういう関係はあろうと存じます。そういうものを一応含めまして適切な措置を講じたいと考えております。
  7. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 もう少し、ちょっと大臣でなくても関係者でもいいんですが、どうせ毎年度べースアップの法律改正のときに、財源措置として地方交付税法改正が出てくるのですが、そうならざるを得ないと私は見通しておるのですが、率直にその点ひとつ聞きたいと思うのですが、どうですか。
  8. 佐々木喜久治

    説明員佐々木喜久治君) 給与改定に伴う財源措置の算定をいたします場合には、当然に交付税法の一部改正によりまして、所要の給与改定財源必要額を見積もる必要があります。
  9. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃ次に、一般のいわゆる職員についてはいいんですが、地方公営企業関係が、特に交通関係が非常に赤字累積で、とても一二・六七%のベースアップに見合うだけの財源捻出は、独立採算制という立場からできないと思うのですが、これに対する措置をどうお考えになっておりますか。
  10. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 地方公営企業職員につきましては、地方公務員と、ただいま御指摘もございましたとおり独立採算制のたてまえがございまして、やや趣を異にすると存じます。その公営企業独立採算制のたてまえから、その年度年度収支関係から昇給原資をひとつ捻出をしていただきたい。それがために特別の借金政策について考慮するというわけにはまいらないと存じますけれども、健全な企業運営上の合理的な施策に対しまして、再建政策につきましては十分考慮してまいりたい、こう考えております。
  11. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 その趣旨はわかるのですが、現実の問題として、諸費節約とか合理化と申しますか、そういうことはすでに再建団体として年々締めつけてやっておるのですがね。それでなおこれ以上といったってとてもできないと私は思う。現実の問題として、何らかの措置でやらなければ、おそらくその地方公営企業に従事する職員方々については、一応地方公務員の範疇で措置されておるのに、これらの人だけがベースアップがないということについては相当これは問題があると思うのですが、一般会計の繰り入れがことし相当大幅に広げられたのですが、そういう措置の中から弾力的に運用するという方法はとれないかどうか、この点ちょっと伺いたいと思います。
  12. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 山本委員の御趣旨は、お気持ちはよくわかるのですが、また公営企業といたしまして、ある限界に、独立採算制のたてまえを貫く意味においてきておるのではなかろうかという面もあるという御趣旨もよくわかります。しかしながら、さればといって、一般会計のほうから制度として補っていくというような考慮をこの際するということにつきましてはいろいろ問題があろうかと存じます。相当問題もございますけれども、さらにひとつ独立採算制立場に立ちまして、企業再建策につき、一そうのひとつ御努力を願い、われわれもひとつ大きな見地からこの点についてのいろいろ検討をいたしてまいりたいと存じます。要は、いま直ちに一般会計からその赤字を補うというような制度意味において考慮するということはいかがかと思います。その点は十分さらに検討をしてまいりたいと思っております。
  13. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 これはなかなか財政運営の問題はむずかしい問題を含んでおりますから、これは短時間で深めることができませんので、ぜひひとつ自治大臣よく検討してもらう、納得のできるような点で。また機会もありますけれども、きょうはその点特にお願いしておきたいと思います。  それから第二の問題ですが、実はこれは自治省ということでないのですが、政府のほうでは、この大幅な勧告を実施するに際してはいろいろ問題があるので、再び定員削減をまた続けたいという、これは新聞紙上の報道で聞いたのですから、直接私は政府方々に聞いておりませんが、それについて自治大臣地方公務員についてどういうお考えを持っておられるかということと、あわせて、実は定員削減してもいま地方団体が、府県市町村を通じて、特に府県に多いのでありますが、臨時職員が非常にふえているのですね。定数削減しても実際の人件費は、臨時職員が多くふえているということで、これは結局、何と申しますか、定員削減しても人件費が伸びていくという状態臨時職員の方に出ておる。この臨時職員の方に対する措置をどう考えておるか。しかもそれは自治省でそういう調査をされたかどうか、相当大きく臨時職員が出ておりますが、この点はどうですか。
  14. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 定員削減の問題につきましては、国家公務員につきましてその方針を大体申し合わせたわけでございますが、地方公務員につきましても、それに準じて格段のくふうによる適切な措置を要望されておるわけでありまして、私もいろいろ過去の実情調査してみましたところ、管理職員につきましては、むしろわずかではございますが、その定員数において、実在数において減じておるという実情を統計上発見したわけであります。ただ、地方公共団体においては住民福祉に直接つながるいろいろ仕事をされておられますので、その部門におきまして、やむを得ず多少の増員を見ておるという実情でございます。この点にかんがみまして、管理職員の部面につきましては、さらにいろいろごくふうを願い、もちろんその他直接住民福祉関連をする部門につきましても、いろいろとごくふうを願いまして、なるべく定員増なり、実在員の増にならざるよう御配慮願いたいと存じておりますが、万やむを得ないものは——住民の実際の福祉向上のために能率的な運営実質的になされつつも、多少の人員増ということがやむを得ない場合はあろうかと存じておるわけでございます。  なお、臨時職員のことにつきましては、前国会におきましてもるる御論議がございました。いろいろ調査もし、整理もいたしておりますが、なおそこに問題をはらんでいるようでございます。この点につきましては、事務当局から答弁いたさせます。
  15. 山本明

    説明員山本明君) お答えします。  大臣から定数の問題につきましてはお話がございましたが、私のほうでも四十三年、四十四年の実態を調べてみますと、管理部門におきましては、大体前年度に対しまして三%ないし五%減らしておるというかっこうでございます。しかし内容を見てまいりますと、たとえば民生関係——住民に直結するほうはふえておるという実態でございます。それから施設関係等につきましては、そこにものができれば当然人が要るということで、ふえてまいっておりまして、全体としてはふえたかっこうになっておりますけれども、内容的に見ますと、住民に直接直結する仕事についてはふえていっておって、いわゆる管理部門職員についてはできるだけ自治体では減らすという方向努力しておるという実態がございますので、さらにこの点につきましても詰めまして、自治省指導方針につきましても検討したいと考えております。  それから定数につきましては、先般の国会でもお答えいたしましたが、四十三年が大体二万三千人、四十四年が二万六千人というかっこうで、ふえております。四十三年は、前年に比べまして、これがやっぱり一万人くらい減っておるということで、かなり臨時職員の数が定数との相関関係といいますか、若干動いておるような実態もございます。ただ、三十六年から三カ年間にわたりまして、約五万人の臨時職員定数化をするということで財源措置をいたしました。それにつきましては、現在ございます臨時職員についてこれを定数化するかどうかということは、私としては現在のところは考えておりません。三十六年から三カ年の間に本来定数化すべきものをしておらなかった。で、残っておる臨時職員もございましょう。またその後ふえてきたものもございましょう。少し実態を、この間から言っておりますように摘出をして、抽出をして調査をしておりまして、もう少しお待ちいただきまして、ある程度基準——定数に繰り入れるべきものであるとか、あるいはこれは従来のとおり臨時職員でよろしいというような基準もつくってみたいというので、現在調査をしておるのが実情でございます。
  16. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 部長ね、ぼくはずっと市町村歩きまして見ましたんですが、管理部門が減っておると言いますが、町役場でも課長補佐を置くようになったんですね。その理由を聞くと、これは職員組合からはずれるということである。ある町へ行くと、管理職とそれから一般職と半々というようなところもあるんですね。そういうことで、皆さんの調査はぼくはずさんでないかと思うんです。しかしそういうことを論議しておると時間がたちますからね。いま大臣の言われたことをもう一ぺん反復しますと、国家公務員の場合は一応定員削減について継続してやっていくという申し合わせをしたけれども地方公務員の場合は、住民に直結する事務が多いのでそうはいかない、こういう御趣旨であるということに理解していいですか。
  17. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) そういう面がありますが、全体としてそれはなるべく少数精鋭能率主義のものにしたいと思いますが、実情のなかなかむずかしい点は十分考慮したい、こういう趣旨でございます。
  18. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それは、自治大臣地方公共団体実情を認識されてそういう御発言をされたと思うんですが、たとえば今度の国会が始まりましたら、公害問題で相当論議されると思います。しかも政府はおのおのを相当予算をとっておられます。そうすると、それらはすべて地方団体、県・市町村にくるわけなんですね。したがって、これからますます事務は量が多くなる。少数精鋭と言われますけれども市町村仕事は窓口ですからね、そう少数精鋭で頭がいい人が一人おったらできるというわけじゃないんですよ。ことばの上では大臣そう言われますけれども実質ではそういかない。それが市町村長悩みなんですね。だからそういう点から考えて、いまの大臣の含みはよくわかりました。これ以上私は追及いたしませんが、その点は十分考えてもらいたい。  そこで、いま申しました臨時職員措置については、これは早急にひとつ調査をして解決してもらいたい。で、この市町村の、市役所、役場にもパートタイマー相当利用されておる、採用されておるんです。税務の仕事とか公務員でなければいけない仕事——もちろんパートタイマーかっこう公務員ということになっておるんです。法律上は公務員ですけれども実質はもう本人は公務員というような意識もなく仕事をしておるんですね。そういうものをひとつ整理してもらいたいと思うんです。労働力不足だからやむを得ないということもわかりますけれども、これは私は役所の仕事が混乱する、無責任になる一つの糸口になると思うんですね。したがって、かりにパートタイマーとしてやるならやるような一つ措置とそれから任務と資格を明記をしてもらいたい、この点どうですか。
  19. 山本明

    説明員山本明君) おっしゃいましたように、労働力不足とかいうようなことからパートタイマーを採用しておるのがあるように聞いております。特にその点では、看護婦さんというようなことでかなり採用になっておるようでございますけれども、先生のおっしゃいましたように、われわれも公権力行使部門については問題があると思います。サービス部門とかあるいは事務部門ならこれはまだいいですけれども公権力行使ということについてはまだひとつ問題があるような気がいたしております。しかし先ほどの定数問題で、あれは私の申しましたのは、地方団体一本でございますから、県・市・町村と、これは私は実態によりましていろいろな態様があるだろうと思います。定数問題につきましてもそういう態様がありますように、臨時職員につきましても、県・市・町村、いろいろな態様があるだろうと思います。そういう点につきましては十分な検討をいたしまして、おっしゃいましたような方向は十分検討さしていただきたいと考えます。
  20. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 いま病院の問題を言われましたね。病院は全く看護婦不足医師不足で、病院があるというだけで、実際住民への奉仕は、医療事務は行なわれない、サービスが行なわれないというような状態なんですね。で、ニッパチの問題が一応承認されたのですが、看護婦養成についてどういう措置考えておられますか。特に公立病院について、自治大臣どうですか。
  21. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 公立病院における看護婦さん、お医者さんの不足はもちろん深刻なものがございまして、各府県におきましてそれぞれいろいろな対策を講ぜられておると聞いております。たとえば医学生修学資金を出すとか、教育機関医師確保のための交渉を持たれるとか、医師確保対策委員会のようなものを設ける等、種々な方策を講じるというようなことも聞いております。看護婦さんにつきましては、地方団体で二万二千人程度看護婦養成を行なってその確保につとめておられるが、これは非常に深刻な状態でございまして、県・市町村ともに東奔西走されておるところでございまして、自治省といたしましても、まあ医学高専構想を提案しておるところでございます。看護婦さんのことにつきましては、閣議等でもいつも問題になっておるところでございますが、ひとつ各府県の具体的な対策にそれぞれ対応いたしまして、今後適切な措置を講じてまい  りたいと考えております。
  22. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そういう答弁厚生大臣がいつもするのですがね。いまのようなままでかりに看護婦さんを養成しても定着しないと思うのです。今日、昔の看護婦さんのような考え方で押し進めるわけにいきません。いわゆるナイチンゲールというような精神と申しますか、そういうことではとてもこれは押しつけるわけにはいきません。したがって、これは結婚すればとてもつとまらない。こういうことですから、私は病院一つ建てれば、そこにそれに対する保育所なり宿舎なりそういう付属的なものをあわせてやらなければ、養成してもすぐもうかわってしまう。こういう点が認識されておるかどうか。現在も看護婦資格を持っている人がたくさんいるのです。それが病院に収容する環境がない。それを私は整備する必要があると思う。そうすれば私はある程度、いまの看護婦不足といいますけれども不足でなくして看護婦さんが定着できないような環境にしておるというこの病院経営に対しては、私はちょっと異議があるのですが、その点どう考えるか。
  23. 佐々木喜久治

    説明員佐々木喜久治君) ただいま大臣からお答え申し上げましたとおり、現在公立看護婦養成をやっております年間の数字が二万二千人ございます。これが結局公立病院に必ずしも出てこない、こういうところが非常に地方団体としても悩みでございます。したがいまして、現在大きい病院におきましては、既婚者看護婦として従事できますような保育所等設置を試みながら、看護婦定着を心がけておりますが、小さい病院の場合はなかなかそういう方式がとれないというのがひとつの悩みでございます。しかしながら未婚者だけの看護婦に依存するということはとうてい困難でございます。既婚者看護婦として従事できますような、また、定着できますような措置をそれぞれの病院実態に応じて現在とっておるところでございますが、そうした面につきましての施設財源措置等につきまして十分私ども検討してまいりたい、かように考えております。
  24. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 佐々木さん、あなた実態に応じてそういうふうにやっておるというのはどこの病院をとっておりますか、そういう保育所も併設した病院というのは。寄宿舎はありますよ、しかし、既婚者のそういう保育所なり、また住宅を併設しておる病院は私はあまりないと思う。あっても特定の、一、二だと思いますが、また、小さい病院では無理だと言われましたが、小さい病院のほうがやりやすい。小さい病院のほうが看護婦定着しない、大きいところにかわってしまうんです。それは答弁としてはそれで一応理論的には答弁になっておりますが、実態を把握したものについては、全くわれわれは納得できないような答弁だと思うんです。財源がないからなかなかいかないが、財源をつくって、そうして徐々にやっていくということだけはわかりますが、しかし、そういう計画があるのか、はたして実際にどういう計画があるか、それを示せといっても示せないでしょう、いろいろ財政的な格差がありますから。来年度予算でどうするということについて考えられておりますか。
  25. 佐々木喜久治

    説明員佐々木喜久治君) 私の非常に狭い経験でございますけれども、私が勤務しておりました県の中央病院におきましては、保育所設置いたしまして、そうした看護婦定着対策というものを講じましてやっておったわけでございます。ただ、小さい地域の病院になってまいりますというと、保育所的なものをつくりましても、どちらかといいますと、保育所の対象になる乳幼児が非常に少ない。そのために保母をそこに入れるということが非常に経済的にもむずかしいというような問題が出てまいります。そういう点で、やや小さい病院の場合には、保育所設置というものが非常に事実問題としてむずかしいような感じがいたします。ただ、看護婦対策は先ほど御指摘のございましたようにニッパチの問題ともからみまして、そうした看護婦定着対策あるいはまた増員対策ということにつきまして十分病院等に対する財源措置考え方をまとめていかなければならない時点になっておる。そういうことで、私ども年度以降の問題として十分検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  26. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 きょうはその程度にしておきましょう。それでは参事官の言われましたのを一ぺん、おそらくあなたの言われたのは県立の中央病院のことを言われたと思いますが、四十六の県の中央病院で、そういうものを併設しておるのはどこか、それをひとつ資料として出してください。ぼくはあまりそういうところはないと思います。ただ一、二はあると思いますが、そんなものは言うだけであって、実質は伴わないと思いますがあとでデータを出してください。給与問題は一応そのくらいにしておきます。  それから、これは多年の問題ですが、地方自治法附則第八条の地方事務官の問題ですが、これはすでに昭和二十二年の地方自治法のできたときのことですが、「当分の間」というのは、一体、当分というのはどのくらいの時間的なものを当分というか、もう二十五年たっているが、それでも当分というあの法律の文言が通用するかどうか、その常識がわからないのでその限界を聞かせてもらいたい。いつまでが当分なのか。
  27. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) これは常識的な問題であろうと思います。お説のとおり、二十二年から今日までどうも当分の限界に十分来ておると思っております。この問題は御承知のとおり、具体的にはいわゆる三省間の覚え書きの問題でございまして、運輸省、労働省関係につきましては、廃止の方向に大体行っておるわけであります。厚生省関係事務官制度の問題が、医療保険制度抜本的改正というものとの関連において検討し、いま少々時間を要すると思います。他の二省の分につきましてはできるだけ早く案をまとめていただくように、ひとつ自治省といたしましても極力督促、努力いたしたいと思っております。
  28. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 現場で非常に困っておるんですがね。これはたしか予算委員会だったと思いますが、ちょっと日にちは忘れましたが、佐藤総理にこの問題を追及いたしました。これは早急に解決しなければならぬということで、労働省が若干の案をつくって出したことがあります。この点はひとつ自治大臣——あなたの任期はいつまでか知りませんけれども、ぜひひとつこの問題について閣議でめどをつけていただきたいと思うのです。やるほうは、厚生省はまた厚生省として別の案を持っておりますので、しかし、いずれにいたしましてもこれはもう政府の責任ですから、いずれひとつ見通しをつけていただきたいと思うのですが、この点大臣、どうでしょう。
  29. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 十分考慮をいたしまして、適当な処置自治省としても講じたいと考えております。
  30. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 もう一つ大臣に聞いておきますが、人員削減の問題にも関係がありますが、大臣、これは新聞で拝見したのですが、公害問題は非常に地方団体について問題があるようであります。相当公害対策措置について地方団体地方公共団体に対して権限を委譲すべきだ、こういう御発言があったと思いますが、新聞だけでございますが、地方では非常に関心を持っております。大臣のそれに対する所信、どういう見解を持っておられるか、それをお伺いしたいと思います。
  31. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 自治省といたしましては、御承知のことと存じますが、六月の十九日に「公害防止対策積極的展開」と題しまする文章を発表いたしました。公害防止問題に対処する自治省の基本的な見解及び態度につきまして、概略の意見を発表したところであります。その中には、公害問題は直接地方住民と接触する地方公共団体の具体的に現実的に処置するところであるから、これに権限が大幅に委譲されることが望ましいという基本的な態度を明記いたしまして、それに関連をいたしまして、いまだ各省庁に権限が残存しておりまするいわゆる十一業種につきましても、地方への権限の委譲が望ましい旨を具体的に書いてございます。  なお、オキシダント、いわゆる光化学スモッグ等につきましても、当時、六月十九日といいますと新聞にまだやかましくならない前でございますが、その際にもこの問題を指摘いたしまして、これにつきましては地方の都道府県知事等に交通規制についていろいろ意見を申し述べるべき権限等につきまして言及をいたしておるところでございます。  なお、これに関連いたしまして、ただいま中央公害対策本部が設けられておりますが、大体その内部における関係各省の協議においても、その線が大体実施されておりまして、その方針のもとに法律改正の作業に取りかかるという申し合わせにいたしておるところであります。なお、これに関連いたしまして、一番問題になっておりまする大気汚染関係の火力発電所あるいはガス事業等につきましても、この点地方に権限委譲さるべく自治省としては見解を持っておりまして、中央対策本部における関係閣僚の協議の際にも私から強くその必要性を主張いたしたところでございます。これに関連いたしまして、通産大臣等におきましても、大気汚染、公害防止の見地におけるその点の自治大臣発言についてはわかる点があるから十分考慮し、前向きに検討したい旨の返事を得ておりますし、山中公害対策副本部長も大体その方針でございます。その他公害対策につきましては、前向きに積極的に、自治省といたしましては、住民の健康の確保並びに環境の保全の維持につきまして種々考慮いたしました内容はその文書に明記されておりますので、ひとつ十分自治省立場を御了承願いたいと存じます。
  32. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 わかりました。その熱意はよくわかります。大体聞いておきますが、法改正、これは公害基本法に関連した法律の体系、立法論でありまして、地方自治法でなくて、そういう別の法律でそれが規定しようということになっておりますか。まだそこまでいってないかもしれません。立法論としてどういうことになりますか。
  33. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 公害基本法ないしは関連しておる水質保全とか、そういう個々の法律でその点を、単独法で直していきたい、こう考えております。
  34. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 きのうまで静岡におりましたんですが、実は遠州製紙、富士製紙あたりからですが、相当知事に対して抗議が来ておるわけですが、ヘドロの問題が、いまの知事じゃないんですが、前の知事が、最初、実はちゃんと会社で下水道をつくって、そして海へ流せという指示をしたらしいのですが、聞いておられるかどうか知りませんが。ところがいまとなればわしらの、県の責任じゃないんだということで、相当もめておるように聞いておりますが、そういうこともありますから、これはやはりいままで公害対策に関する、自治大臣が言われましたように、知事に対する権限が非常にあいまいだったから、行政指導でそうやったらいいんじゃないかということでやったと思うのです。法律の根拠がないから、会社側で前にこうやったから、いまさらヘドロが出たから会社の責任でどうこうというのはけしからぬ。知事は、わし知らないんだ、県の責任じゃないんだ、こういった問題が出ておるときのう聞いてきたのですが、これは自治省ではそういうことを聞いておりませんか。これは関連しておりませんが、いまちょっと聞いておきます。
  35. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) そういう話があるということは聞いております。仄聞いたしております。
  36. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 ちょっとそういう点は善処していただきたいと思います。それじゃ、自治省はこれで終わります。  人事院おられますか。人事院にまず最初に聞きたいのは、調整手当、特にどういう趣旨でこれが勧告されたのか、それをちょっと聞いておきたい。
  37. 渡辺哲利

    説明員(渡辺哲利君) お答え申し上げます。調整手当につきましては、前回昭和四十二年に都市手当ということで勧告を申し上げまして、それが調整手当というふうに名前が変わりまして、実際行なわれたわけでございます。その際に法律の附則で、三年以内に調査研究せよという項が入ったわけでございます。それに基づきまして、私どもは鋭意三年間研究をしてまいったわけでございますけれども、その結果、今回勧告申し上げましたように、基本的には区分は変えませんけれども、特に甲地の中でも民間賃金が特に高いところにつきましては、勧告の報告のところで書いてございますように、甲地については六%現在出しておりますが、なおさらに一七%の格差を持っております。無給地につきましてはそれが六%でございまして、この間に格差がなお非常に大きいというようなこともございまして、これが公務員の採用に非常な困難を来たしておるわけでございます。そのような公務員採用の点を考えますと、甲地のうちで特に高いところはある程度引き上げざるを得ないということもございまして、今回甲地の中で一部のところにつきましては八%にするというような勧告を申し上げた次第でございます。
  38. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 調整手当の沿革は、さしあたり戦後の地域給から変わってきたのですがね。それがずっと残ってきて、そして都市手当の問題が出ましたけれども、地域給が暫定手当になって、それで本俸に組み入れて、残った分がずっと来たのですが、そうすると、地域給の考え方というものは全部変質しちゃって、都会地のほうが一般民間の給与が高いから、それを調整するためにそういうところだけは調整手当を出す、こういう趣旨に変わってきたのですか。いまの御説明のように前の地域給という経済的な事情が、都会のほうが非常に物価が高いから、そういうことで地域給をつけたのですが、最初五階級、四階級、それがずっと残ってそうなってきたが、今度は、あの勧告はそういうものは全部変質しちゃって、いまあなたがおっしゃったように都会地のほうが民間の給与が高いから、それに差を合わせるために調整手当をつけるのだ、こういうことになったと理解していいのですか。
  39. 渡辺哲利

    説明員(渡辺哲利君) 確かにおっしゃいますように、調整手当は前の勤務地手当あるいは暫定手当を引き継ぎまして出てきたものでございますけれども、確かに初めのころは物価なり生計費なりというのに重点があったかと思います。ただ、今回の調整手当につきましても、物価、生計費を全く無視しているわけではございませんで、やはり甲地のそういう特段の民間賃金の高いところは、やはりその背景となっております物価あるいは生計費も相当高いわけでございます。したがって、そういうものをもちろん考慮いたしますけれども、やはり基本は民間賃金との差ということに私たちは重点を置いてやっているわけでございますが、物価あるいは生計費というものを全く無視したというものではないというふうに考えている次第でございます。
  40. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それが私はあいまいだというのですよ。この間鹿児島の長島という離島に行ってきましたけれども、人口も少ない過疎地帯、いなかですよ。物価は高いですよ、一々渡し船でものを運ぶのですから。したがって、そういうところを見ると、まだ給与が非常に低いのです、町村ですからね。そういうあいまいなことじゃなくて、民間給与との差合わせのためにこうするのだということで、それでまた理解できる、それが目標でありますから。片一方は生計費も考えているんだ、片一方は給与の差を考える、そういうあいまいな態度では私はいかぬと思うのです。変質したというのは、今日の勤務地手当というのは、戦後のあの当時から変わってきたのです。そういうことを人事院考えているという、そういう主張をはっきり出していかぬと、生計費がそうなんだから——生計費をとってみると逆の場合があるのですよ、都会といなかを見ると。そういうあいまいさをぼくは改めてもらいたい。あなたは総裁でないから、その点は人事院にはっきり態度をきめてもらわなければ論議ができないのですよ。地方へ行きますと、私は都会出身でありますから、都会はふえたからいいという議論になるかもしれませんけれども、そういうことはいかぬと思うのです。給与において人事院は公正な立場でひとつ、これ以上あなたに答弁を求めませんが、それをひとつ考えてもらいたい。はっきりしてもらいたい。  それからもう一つ、住宅手当、これは貸し家だけで、持ち家は除外するとのことですが、持ち家はいまサラリーマンは高い金をかけて公団から借りておるのだから、家賃以上のものを毎月払っておりますがね。家賃で入っておる者だけに出すという趣旨ですね。額の問題は別として、額なんかなっておりませんよ。そんなことはきょうはやりませんけれども、その趣旨は一体どういうことなんですか。持ち家はだめだと、貸し家だけだと、それは三千円という限界をつくった。その趣旨はどうなんです。
  41. 渡辺哲利

    説明員(渡辺哲利君) 住居手当につきましては、公務員宿舎に入っております者と、民間の貸し家、借り間にいる者との間の住居に対する負担の差が非常に大きいというその不均衡な面に着目して今回措置したものでございます。ただいま御指摘のございましたように、自宅につきましてはいろいろ問題があるわけでございまして、いま御指摘の点の、自宅を借金いたしまして購入して、毎月多額の金を返済しておるというような者につきましては、借家、借間と大差がないではないかというお考えも確かにあろうと思います。ただ、そういうふうにいたしました場合に、借金をして建てた者と、あるいは従来貯金をしておって借金をせずに建てた者、あるいはその他自宅につきましてはいろいろな状況がございまして、その間の差別が非常にむずかしいという点がございます。またかりに借金をして建てたといたしましても、それを将来完済いたしますならば、財産を取得するということになるわけでございまして、その点借家、借間の者と違うということがございまして、今回一番けじめのはっきりいたしております借家、借間というところで線を区切ったわけでございます。  なお、住居手当につきましては、今後いろいろ民間の実情等も考慮いたしまして十分検討していきたいというふうに考えておる次第でございます。
  42. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 あなたはどこに住んでいるか知りませんがね、実情をさっぱり知らないんですね。家を建てたら財産になるけれども、これは自分らの住む家ですから、何か取引の対象にするような形じゃない。これは借家でも持ち家でも皆住むためである。それと同時に修繕費が相当要るものですよ、自分の家を持ちますと。一ぺん建てたら何十年もそのままいくと思うと大間違いです。だからその点はこまかい配慮をしないと、住宅手当といろいろ言いますけれども、論議が出てくる。たとえばいなかへ行きますと、お百姓さんのむすこが役場に出ております。おやじの家だから家賃を払っているかどうか知りませんが、それは自宅で持ち家だから対象にならない。あなたの言われた国家公務員の場合はそれでいいかもしれない。公務員住宅というものがあって、そこに住んでいる、そこに一つの均衡を考えて出すのかもしれませんが、そうでない公務員の場合を考えると非常に矛盾がある。それから公務員住宅と言ったって全部入れるわけじゃない。一部の人です。そういう点の配慮をしてもらいたい。一応頭だけ出したということには敬意を表します。ずいぶん、十年ほど私は言ってきましたが、ようやく曲がりなりにも出したのですから、この点の功績は認めますが、今後ひとつ検討してもらいたい。  もう一つ、放射線技師、これはせっかく国家試験で資格を取ったのですが、在職者調整があいまいです。給与局長が何か通牒を出したと言っておりましたが、これは何とか方法はないんですか。せっかく国家試験で資格を取ったのですから、これは相当むずかしい勉強をして資格を取ったのですから、初任給の格づけをきめていただいた、これはけっこうですが、在職者調整はどうするか、この点どうですか。
  43. 渡辺哲利

    説明員(渡辺哲利君) 放射線技師の問題でございますけれども、放射線技師学校が三年制になりましたのを契機に、その初任給を御指摘のように五の三にきめたわけでございますが、その際、従来二年制の学校を出まして現在つとめております者が、別途試験を行ないましてなった場合にどうなるかという問題でございますが、私どもが今回措置しましたのは、あくまで三年制の課程を修了した者というのを対象にしているわけでございまして、したがってその意味で、従来の二年の課程を経た上でさらに一年間の専攻科を出ました者については別途在職者調整を行なっている次第でございます。したがって、かりに免許を取得いたしましても、学歴が二年の者につきましては、従来からもそういうケースは調整をした経緯がございませんし、従来から学歴というものに基づいてずっとやってきておりますので、学歴二年の者につきましては従来どおり調整をしないということで、前回組合の質問に対して給与局のほうからそういう趣旨の回答も申し上げた次第でございまして、これはあらゆるケースについて従来からずっとそういうような態度でやってきているというような実情でございます。
  44. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それはわかっているんですが、ぼくの質問の要旨がわからぬのですかな。それは理解しているんですよ。それで初任給格づけを上げたからいいが、在職者調整をどうするかという問題ですね。人事院は給与だけ扱うのだから医療関係については知らないんだと、給与一本でいくんですから。放射線技師というのは非常にむずかしいのです。しかも、いま実はガン治療については非常に重要なものです。それで、あの法律を私社会労働委員長のときに議員立法でつくったのです。これは日本の医療界の今後の進歩のために非常に貢献するという立場で踏み切って、議員立法でつくったのです。その趣旨厚生大臣からも人事院に申し入れがあったと思うんです。そういうために、あれは国家試験を省略して養成機関を経たら免許をやろうというけれども、それはだめだ、放射線というような非常に人体に影響するようなものを操作するのだから厳格に試験をやれということで、約六カ月講習したんです。在職者といえども学校に入った以上の勉強をしたんですよ。それを知っていますか。知らないでしょう。だから、三年、二年といっても、六カ月、あれだけの講習をやれば三年の価値がある。厚生省も認めているんです。その事実をどう評価するか。あなたのは形式ですよ。二年制のやつは二年制のやつ、それはわかっていますよ。そういう過程を経てきた人たちに対してどう措置するかということは、給与を担当する人事院検討すべきです。そうでなければ日本の医療制度——いまガン治療について相当問題があるときに特にあれをつくったわけですから、しかもあれはほかの者は得られない、放射線技師しか得られない。そういう厳格なものをつくったのですから、在職者といえども、功労といいますか、社会的貢献に対してのものは見てやらなければいかぬ。そういうことで実は主張しておるのですから、あなたの言うことは、事務家としてその言うことを聞いておっても、私はわからないわけじゃない、問題ないのです。だから、その点ひとつ人事院でも、人事院の権限であるかどうか別でありますけれども、そういう一つの好ましいような通牒を出していただくように人事院総裁にもお願いしておいたのです。これはこの委員会でありません、個人的に会ってですが。ですからそれはひとつ検討してください。これはお願いしておきます。  最後に大蔵省に一つ自治大臣から給与の財源について聞きましたけれども国家公務員の場合は五%だけ見ておるという予算委員会での大蔵大臣説明があったんですが、どういうふうに措置をされるのですか。経費節約でやっていこうというんですか、どういうんですか。
  45. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) 御案内のとおり、国家公務員給与の問題につきまして、実は過般の人事院勧告の結果、われわれのほうといたしましては、五月実施ということでございますので、一般会計で千八百八十五億、これは所要財源として要ることはかつて委員会で申しております。そうしまして特別会計で四百二十億、合計しますと二千三百五億でございます。特別会計と一般会計とでは相互に重複するものもございますので、純計として二千三十億が五月実施の場合必要でございます。そこで一般会計だけで話をくくりますと、先ほど先生御指摘のとおり、年度当初に五月五%実施ということでもって給与改善費を計上しております。これが六百四十五億、厳密に申しますと六百四十四億でございますが、六百四十五億ございます。そうしますと、先ほどの五月実施の一般会計の千八百八十五億から引いてまいりますと約千二百四十億、こういう形に相なろうかと思います。したがいまして、先生の御指摘の五月五%計上額はともかくとして、しからばこの千二百四十億のためにどういう財源を必要とし、かつ今後どういうふうにしていくか、こういう御質問かと解しましてお答えをさしていただく次第でございますが、実はわれわれのほうでは、過般、八月二十五日でございますが、人事院勧告につきまして政府におきまして閣議決定でいわば完全実施ということに相なりましたが、その際に、同時に、昨年度を上回る行政経費の節約ということをお願いをいたしまして、各省庁協力の上でこの勧告の完全実施に努力をしていく、こういう姿勢をとっております。それから同時に行政経費の節約と並びまして、四十三年度以降実施しております三年五%定員削減計画の実施についても、引き続きこれを実施していく。なお、その引き続き実施した次の問題についても、従来を上回るいろんな削減計画について準備をしていく。こういうような形で、少なくとも当面につきましては、本年度につきましては、行政経費の節約ということを主に考えて実施してまいりたい、このように考えております。
  46. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 大蔵大臣もそういうことを言ってるらしいのですが、そういう何ですか経費節約で千二百億ですか、捻出できるような、当初、ずさんな予算であったのですか。経費節約のできるようなものを実はできない予算ということで編成をして通したのですか。そうでないのでしょう。どういうふうにしてやるのですか。私はおそらく追加補正をするだろうとみて質問したのです。経費節約してやれるというなら、当初予算をもう一ぺん吟味してみなければならぬ。
  47. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) 御案内のとおりに、当初予算では千百億の予備費が組んでございますが、その千百億のうちですでに実施しておる予算、約百億ございますので、現在のところ約千億ございます。で、先ほどの財政需要がございます、給与に関する財政需要がございますが、そのほかに、御案内のとおりに米の問題で二百三十八億の財政需要がございます。そのほかいろいろ追加需要、今後に予想されるものがございますが、これは予測の域を出ませんので、具体的な数字はわかりません。しかしながら、一方におきましてそういう千億に近いといいますか、約千億の予備費を持っております。それから先ほど申しましたように、節約、そういうことでもってできるだけこれに対処していきたい、こういういわば方針でございます。
  48. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 節約の大体見通しは何億ぐらいになるのですか。
  49. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) この節約の見通しにつきましては、目下のところ各省庁と実は非常に協議をいたしておりまして、最終的な数字はもちろんまだできる段階ではございません。同時に、御案内のとおりに、年度末になると若干の不用も立つと思いますが、いずれにいたしましてもこういうもので現在のところはできるだけ対処していきたい、かように考えておる次第でございます。
  50. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 あなたには無理でしょうから、これで言いませんが、いまの、各省にどれだけ節約できるか出せという通知を出している。これは知っておりますが、それが大蔵省で大体幾らぐらい出してもらわないとベースアップ財源が補てんできないか、その額はどのくらいですか。それはわかるでしょう、大蔵省、計算して。
  51. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) 実は先ほど申しましたように、追加需要がこの給与だけでございませんで、そのほかにいろいろございます。したがいまして、まだちょっとどのくらいかということは差し引きの問題でございますので、もう少し勉強さしていただきたい、かように考えております。
  52. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そうじゃないのですよ。ほかの費用、米の問題もありますね、二百三十億ですか、そのほか災害関係の予備費の使用もありましょう。それはいいですよ。いま予備費を、それは含めずに給与は七百億ですね。千何億ですか、五%……。
  53. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) 千二百四十億……。
  54. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それ以外にどれだけ要るのですか。二千何億要ると言ったでしょう、そうすると残りはどれだけ要るのですか。
  55. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) 必ずしも質問がはっきりと私には受け取りかねたのですが、給与についていえば——一般会計だけでずっと話をさせていただいておりますが、一般会計だけであれば千二百四十億、そういうことになりますと給与の引き当てで千二百四十億。
  56. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そうすると、千二百億であれば、現在予算に見積もっておるのは、五%は幾らで予備費を入れたらそれでいけるとわれわれ理解していいですか。
  57. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) 先ほど来申しておりますように、一般会計で給与については総所要財源は千八百八十五億、そのうち約六百四十五億、これは五月五%実施ということで当初組み込んだ予算でございますが、したがいまして千二百四十億ということになりますと、この千二百四十億に対しまして、予備費が千百億のうち約百億使っておりますので千億残っております。ところが御案内のとおりに、追加需要が米の問題でも二百三十八億出るわけでございます。そういうものと見比べながら、一方におきまして行政経費の節約、こういうことを考えている次第でございます。
  58. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 この前も、経費節約で相当締めつけを言ったらしいのですが、現実ではそう出しておらないのですね、昨年の場合。いろいろ経費節約だと言ったが結局は年度末に余ったような金を、そういうものを組み入れてやったのだけれども、それで足らないで追加補正をやりましたね、昨年年度末にやりましたね。そういうものがことしあるかどうかということを見たいのです。そういうものは実は調べておらぬからわからないということなんですね。追加補正を私、する必要があると思っている立場で質問しているのだが、あなたの答弁を聞いていると、経費節約でやってしまうのだと言うから、だから私はそれじゃいかぬじゃないかということをいろいろ手を尽して質問しているのですが、その点だけわかればいいのですよ。追加補正をしなくてもいけるのだ、大蔵省の経費節約でいけるのだということであるかどうか、そういう点、それだけ答えてもらいたい。
  59. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) 先ほど来申し上げておりますように、行政経費の節約と予備費でもってできるだけこれに対処していきたい、現在ではこのように考えています。
  60. 千葉千代世

    千葉千代世君 人事院関連質問したいのですけれども、二点ですが、一つは住宅手当でございますけれども人事院は計算する基礎として日本の勤労者が大体基準収入、月収なら月収の何%ぐらいを住宅費に、家賃に払っているかということが一つと、それからもう一つは、どのくらいが妥当と思うかということ、それから三番目には、ほうぼうの国々で、知り得た範囲でけっこうですが、基準月収の何%ぐらいが住宅費に払われているかということ、国の政策ですね。日本は人事院勧告というややこしい問題がありますけれども、全く計画経済の中できちんと出した住宅費というものと最低賃金制というものは関連しているわけですね。そういう点を一つ。  それから二番目の、これはいろんな手当の問題に触れますが、一つだけ聞いておきたいのですが、東京都の教員が教員の公害手当を要求しているわけです、都に対しまして。これはいま全国で、大阪その他の先生方が公害について調査してそれをもとにして要求している、こういう段階にあるわけなんです。人事院はその点についてどのように考えているかということ。それからごく近い将来にそういう問題を取り上げて具体化していくという考えがあるのかどうか、この問題について。
  61. 渡辺哲利

    説明員(渡辺哲利君) 住宅費の生計費の中に占める割合でございますけれども、これはまあいろいろ計算方法でいろんな数字が出ようかと思いますけれども、私どもが算定しております標準生計費の面から見ますと、大体二人ないし三人世帯で、四万ないし五万の生計費のうちで住宅・光熱費関係が七千円ないし八千円になっておりますけれども、これは光熱費を含んでおりまして、光熱費を除外いたしますと三千円をちょっとこえる程度ではなかろうかというふうに総理府統計局等の資料から見ますと考えられるわけでございます。そうしますと、住宅のみに関する費用は、全体の平均を申し上げますと一〇%に満たないという感じにしかすぎないわけでございますが、これは非常に住宅の種類によって金のかかり方が違いますので、借家、借間等では相当高い二割ないし二割五分ぐらいの家賃を負担しているものも多いと思いますが、平均いたしますと一〇%を欠けるという程度ではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。  それからまあ諸外国の住宅費でございますけれども、これははなはだ申しわけありませんけれども、まだそこまで私ども調査をしておりませんで、現在数字も持っていないわけでございます。ただ、まあ聞くところによりますと、相当日本よりは住宅費に金をかけておるというような話は聞きますけれども、具体的な調査をしたことはございません。  それから公害手当でございますが、東京都の組合のほうからそういう話があったということは新聞で知っておりますけれども、現在私どもとしてはまだ公害手当等につきまして検討をするという段階には至っておりません。まあ今後公害そのものの実態等の流れもございましょうし、現在の段階では公害手当というものを出すかどうかということの検討は進めていないというのが現状でございます。
  62. 千葉千代世

    千葉千代世君 いまの住宅の問題ですけれども、いま全国平均でおっしゃいましたようなのですが、質問のしかたもちょっと当を得なかったと思いますが、大体私の伺いたいのは、自宅があってどうとか、それから一人で借家や部屋を三千円で借りているとかいうのではなくて、大体お二人のお子さんがあって三千円で部屋を借りられるというのはどういう地域なのかということを伺いたいのですが、そういう時間が惜しいのです。いま市街地で考えた場合に、そんなところはもう全然ありません。ごらんになってください。全然ありません。これは教員の実態調査で見ましたのですけれども、大体二五%から四〇%というところです。しかも光熱費を含んでいないのです。それでも入れない。そういう中で、お金を払っているが将来は財産になるのだからなんというそんな観点から住宅手当を考えられるとしたらば、これは根本的に人事院でも考え直していただいて、そしてせっかく住宅手当を新設したならば、ここで十分その方向考えていただかなければならないのではないか。それで諸外国の例を申し上げましたのは、私、方々見さしていただいて一番頭に残ったのはその点でございます。これはソビエトとかその他の近所の国々ですけれども、大体光熱費を除けば三%から四%、それで三〇%じゃないですかと言ったら、三%から四%。きちっとした市営なら市営住宅を見てきたのです。これは資本主義の国の中の福祉国家についても、家賃の問題について見たわけなのですが、そういうふうなことがありますので、これは向こうの国は向こうの国だからではなくて、やはり世界の情勢の中にわれわれはあって、そして同じようにしあわせを求めていくとならば、せっかくの手当ですからひとつ考えていただきたい。  それから公害手当についても、これは国をあげて今度は内閣の重点政策の第一番にあげていらっしゃるわけです。物価と公害公害と物価だといって、毎日新聞に書き立てられているし、異常な決意をもって述べられている。その決意の果てが地方権限委譲とかいろいろな問題とか、あるいは産業の問題についてもずいぶんあるわけです。私はきょう質問したかったのですが、時間の都合できょうはやめにしまして、次にその点伺いたいと思うのですが、やはり公害手当というのは、単にこれは教員だけの問題ではありません。ただ、教員がたまたまこの点どうにもせっぱ詰まって取り上げたのです。それから公害から出た派生的なじん臓病とかそういう病気がたくさんあるわけなんです。ですから、現に大阪の先生が白浜病院に何人か入っており、東京の先生も公害病院に入っている。こういう実情の中で、これはやはりほうっておけないと思うのです。ですから、そういう点で公害手当なんてまことにこそくな問題だと私は思っております。しかし、思っているけれども、何にもないで置かれているということよりはこれはいいということで、こういう第一段階ですから、十分取り上げていただくということ、これは当該官庁の文部省はもちろんですけれども人事院でもその点については、超勤問題その他かかえておりますけれども、特に配慮してもらいたい、こういう要望をしておきます。
  63. 原田立

    ○原田立君 大蔵省に先にお聞きしたいのですけれども、さっきの国が千二百四十億、地方が一千億という膨大な不足額が出る。それに対して経費節減や予備費などで充当するというお話だけれども、はたしてそれでできるのかどうか。山本委員からも再三の質問なんだけれども、さっきのでは答えになっていない。納得がいかない。もう少しはっきり言ってもらいたい。
  64. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) 先ほどの山本先生の御質問と同じ御質問がいま原田先生からあったわけでございますけれども、先ほど山本先生にお答えいたしましたように、私どもといたしましては、予備費の千億と、それから先ほど申しましたように、従来を上回る行政経費の節約という形でもってこれに対処をしていきたいと、こういうふうに現在のところ考えております。現に各省庁といま鋭意協議をしているという状況でございます。
  65. 原田立

    ○原田立君 そうするとあれですね、追加補正の予算を編成しないということですか。
  66. 谷口昇

    説明員(谷口昇君) ただいまの御質問に対しましては、先ほど来るる申し上げておるわけでございますが、要するに予備費と行政経費の節約という形でもって鋭意努力をしたい、このようにお答えさせていただくということでよろしくお願いしたい、かように考えております。
  67. 原田立

    ○原田立君 大臣地方のほうの場合、約一千億もが足りなくなるわけですけれども、いま大蔵省の話であまり納得しがたいのだけれども、不交付団体で二百二十七億、交付団体で七百七十三億の不足額、それをいまのような大蔵省の方針ではたして対処できるのかどうか、その点はどうですか。
  68. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 先ほど山本委員にお答えを申し上げましたとおり、税関係自然増収あるいは節約等で極力これが補充をつけたいと思いますが、おそらくそれでは足らないことは明白で、ほぼ予想のつくところでございまして、これにつきましてははっきりしたところで適当な処置を講ぜざるを得ないと存じております。
  69. 原田立

    ○原田立君 地方交付税の補正額に多くを依存しなければならないというようないま状態になるだろうと思いますけれども自治省としては、いま大臣は適切な処置を講ずるようにしなければならないというお話ですけれども、そのほうはどうですか。
  70. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) ただいまもお答え申し上げましたとおり、適切な処置を講ぜざるを得ない。しからばそれば具体的にどうかというおそらく御追及であろうと思いますが、いまのところは何とも申し上げかねるのでございまして、適当な処置を十分適宜講じてまいりたい、こういうことでごかんべんを願いたいと存じます。
  71. 原田立

    ○原田立君 民間企業と公務員の給与の格差を埋めるための一二・六七%の引き上げと、こういうふうに了解しているわけですけれども、まあある一説によれば、公務員独自の給与制度というものを考えたならばどうかというふうな議論を私は聞いているのですが、そういう面で人事院のほう、あるいは自治省のほう、その点どんなふうにお考えでしょう。
  72. 渡辺哲利

    説明員(渡辺哲利君) 公務員の給与のきめ方につきましては、いろいろな考え方もあろうかと思います。公務員独自のきめ方をする、まあ戦前はそのようであったというふうに聞いておりますけれども、そういうきめ方も考え方としてはあろうかと思いますが、そういうふうに独自にきめました場合には、そのきめ方につきましていろいろな意見が出まして、それはとどめもない議論の対象になってくるのではなかろうかという心配があるわけでございます。そこで私たちは、一応民間の企業が賃金をきめます場合には、民間が労使交渉の結果きめたものでございますので、それを私ども調査することによってそれと合わせるということが、われわれ公務員の身になってもあるいは一般の国民の側に立ちましても一番妥当な線ではなかろうか。で、また私どもも人を採用しなければならぬ、あるいはいい人を確保しなければならぬというようなこともございまして、そういうことも考えますと、やはり民間給与の水準に合わせるということが、一番現在では妥当な、一般の納得を得られる線ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。たとえば諸外国、アメリカあるいはイギリス、ドイツ等におきましても、むしろわが国のまねをいたしまして、現在では大体民間給与を調査した上で公務員給与を決定しているというような状況でございまして、一番納得の得られる線というのは民間の給与に合わせるということであろうかということで、われわれはその方針を堅持しているということでございます。
  73. 原田立

    ○原田立君 地方公務員の給与問題研究会が最近報告書を出しておりますけれども、今後どういうふうな形でこれを検討なさるのか。
  74. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 一応の報告を研究会からいただきました。しかし、いろいろ問題点が指摘をされておりまして、具体的な詳細な点につきまして専門的見地からさらに議論を詰めていただく点が残っておろうと思いますから、引き続き専門的な方々にひとつ委嘱をいたしまして、ただいま申し上げました詳細の具体的な点につきまして詰めていただく、専門委員会の研究をさらにお願いをしよう、こういうふうに考えております。
  75. 原田立

    ○原田立君 専門委員会にまた検討を依頼するということのようですけれども、その中の二つばかり、ちょっとお伺いしたい。それは、一つは、その報告の中に、地方公務員の給与問題は国家公務員に準ずるという自治省の行政指導にもかかわらず、水準、制度、ともに各地方公共団体間にかなりの差異が生じておると、こういうような指摘がされております。そういう差異が一体どうして生じたのか、その理由は何か、あるいはどう改善していこうとなさるのか、これは専門委員会にかけて結論を出すというのか、先ほどの冒頭のお話が出ましたけれども、いま具体的にどうお考えになっておるのか、それが一つ。  それから古手の平職員が職務区分によらず課長補佐などに格づけするいわゆる「わたり」は禁止すべきだと、こういうふうにあるのですが、それらに対する改善策についてどういうふうに考えておられるか、また、どういうふうに受け取っておられるのか。
  76. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 一口に地方公共団体と申しましても、機構、規模、性格、いろいろ違うし、事務管理能力あるいは地域格差の現実がございまして、経済社会状況の発展段階、いろいろ各地方公共団体において違っておるかと存じます。またいわゆる「わたり」につきましては、なかなかこの給与の制度というもの、現実に当てはめるように制度化すること自体の困難性もございましょうし、また人事管理能力上、いろいろ適不適等の問題から生じている面もあろうかと存じます。一がいに、どうも「わたり」は全部いけないとも言えない点もあろうかと存じますが、もちろんこういう状態にならないことは望ましいわけでございまして、こういう点につきまして、さらに給与体系そのものにつきまして具体的に検討を願い、また運用面についても御検討を願うというようなことが必要であろう。また、問題を指摘された原因はそこらにあるのではなかろうかと考えておりますが、なお詳細については事務当局から答弁をいたさせます。
  77. 山本明

    説明員山本明君) 給与問題研究会の報告書の中に書いてございますように、かなり地方公共団体におきまして給与の差が出ておりますものについては、一つには、やはりそれぞれの地域の民間賃金との問題あるいは労働需給関係における問題、こういうものが一つあるんだろうと思います。それが歴史的な流れの中から、おのずから現在のような差異として出てきたのではなかろうか。それから一部には、率直に申しますと自治省の指導が抽象的でございまして、それが今回問題になりまして、さらにこまかい点についても、たとえば等級についても、町村の場合には四等級を使えばいいんだろうと、こういうだけではなしに、もう少し大都市とかあるいは山間部の町村とか、いろんな実態の差がございます。そういうものについての指導が十分でなかったから、先ほど言いましたような地場賃金との問題あるいは自治体の規模、職員構成等によりまして、差が出てきたのではないだろうか。したがって、専門研究会では、もう少し類型別に、たとえば府県でございますれば大府県とか小府県であるとか、あるいは都市でございますれば、大都市近郊の市町村あるいは山間部の市町村、こういうふうないろんな類型があろうと思いますが、そういうものをもう少し研究して、指導の内容に具体性を盛ったきめこまかな指導をしたらどうであろうかという御意見も出てきましたのもそこにあるわけでして、そういうところから差異が出てきたのではないだろうか。そこで「わたり」の問題でございますが、「わたり」の中にも、職員構成等によりまして、まあ等級制をかなり国家公務員よりは狭めておりますことから、いまではある一定の号俸に参りますと、いわゆる折り曲がり点に参りますと、昇給間差額が減ってくる、少なくなってくるというような問題等もございましょうし、あるいはさらに等級を多くし、号俸を多くすれば、職員構成の実態に合う給料表ができるであろうと思われるにもかかわらず、それを一定の等級の中で処理しようとするというようなことから、こういう「わたり」というのが出てきたんじゃないだろうかという一つ実態もございます。片一方には、そういう感覚もなしに、通し号俸的にどんどん上げていったというようなところも、私はないと思いますけれども、いずれにしましても、そういう問題、二つあると思います。給与問題研究会で言っておりますのは、ただ、現在行なわれております「わたり」の実態の中には、当該地方公共団体職員構成等の事情からやむを得ないと思われるものもあるので、「わたり」は一がいにいかぬとか、不適当であるからやめろと言っているけれども、いま言いましたようなそういう事情のあるところがあるので、これについては一がいにいけないということは言えないのじゃないか。しかしその場合には、やはり先ほど私申しましたように、職員構成の実態に応じた標準職務の対応関係の改善、あるいはこれに伴う等級数あるいは号俸数を延長するというような問題、あるいは昇給間差額の改善をする。どうしても少ないものは、専門職というようなかっこうで、専門職の姿の中でそれの能力なり才能を活用する方法というようなものを講じて、総合的に「わたり」のこの問題について対処したらどうであろうか、こういう問題につきましても、専門委員会のほうで十分に御検討願おう、このように考えておるわけでございます。
  78. 原田立

    ○原田立君 その専門委員会にかけるというふうなお話だったけれども、それはいつごろから始め、大体どのくらいのめどをもって結論となさるのか、その点の見通し等はいかがですか。
  79. 山本明

    説明員山本明君) 非常にこまかい専門的なことになりますので、学者の方であっても実態を知らないという方がございますので、あまり抽象論であってもいけませんし、現在人選を急いでおる最中でございます。地方の給与について実態を知っておられる方に第三者的な意見を聞きたいという意味で、学問的な意見を聞きたいというようなことで、いまこれらの人の人選をしておる最中でございますが、近々発令をいたしたいと思っております。方向といたしましては、当面措置できるものを早く検討してもらおう、それから若干時間のかかりますものは延びてもやむを得ませんが、できるだけ来年あるいは再来年度地方の給与の指導に間に合うように急いでいただこうと、こういう考え方でおるわけでございます。
  80. 原田立

    ○原田立君 給与問題についてはそのくらいにしておいて、若干、いま予算編成の時期にきておりますし、その面でひとつお伺いしたいと思うのですが、大臣、過去三年間地方交付税の貸し借り問題がありました。で、このことについては当時の大臣、野田大臣あるいは秋田大臣等にも何度もお伺いしているわけでありますけれども、こういう制度は、こういうことはもうやめるべきであると、貸し借り制度なんというものはやめるべきであるということを強く申し上げ、また大臣もそのようにしていこうというふうに決意を述べられておりましたけれども、四十六年度、いま盛んに予算構成しているだろうと思いますけれども、この問題についていかように考えておられ、大体どのような方向に向かっているのか、もし発表できるならばお知らせ願いたい。
  81. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) いわゆる貸し借りの問題は、これを今後はしないというかたい決意はしばしば申し上げたところでございまして、現在といえども変わっておりません。かたくそう信じ、かつそういたしたいと存じております。この点につきましては、概算要求をいたしたばかりでございまして、なお詳細いろいろ論拠を固めるところもあり、また予算要求の過程でもございまして、そろそろこの問題を大蔵省といたさなければならないかとは存じておりますが、まだ正式にやるわけではありませんが、事あるごとに私といたしましては大蔵省当局に対しまして、今後は一切貸し借りはしない決意であることを申し述べておる次第でございます。
  82. 原田立

    ○原田立君 その決意は十分ひとつ通してもらいたいと思いますが、こんなことを申し上げるとたいへん失礼なんだけれども、前々そういう御決意なんだけれども、結論的には貸し借りが行なわれる。まあ去年の場合にはそれがとうとう今度は年度間調整というふうな、交付税の年度間調整というような問題までも今度は新しい意味で問題が提起されてきた。これが、貸し借りのルールが交付税の年度間調整に結びつくようなことは、これは断じてやめるべきじゃないかと、こう思うんです。で、まあ大臣の決意はいまお伺いしたんだけれども、それだけじゃなしに、そういう何か別途方法を考えているのか、あるいはもう全然そんな考えなしに、もうそういう貸し借り制度、あるいは年度間調整等なんかも一切行なわないで、三税の三二%を、地方交付税は全部地方に出すんだと、こういう強い決意なのか、そこら辺はどうですか。
  83. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 年度間調整とこの問題とがからむということは、これは年度間調整というものの定義の次第によりまして、からんだり、からまなかったりするのだと思いますが、私はからんではならない問題である、こう考え年度間調整は地方財政の見地において考えられるべきものである。国との間に年度間調整というものを考えるべき貸し借りというものと、そこに関係を生じ、いろいろ混乱が生じ、関係が生じてくるものであろうかと存じますので、年度間調整をわれわれは正しく地方財政のイニシアチブと申しますか、そのたてまえにおいて考えるというふうに考えますから、この問題とはこの意味におきまして直接の論理的な関係はないものであると観念をいたして論じていかなければならぬと思います。  なおかつ、貸し借りの問題は非常に複雑な関係が、国と地方とのいろいろ自主財源の確立、あるいは補助金、助成金等との関連がございまして、また租税との関連がございます。したがって、こういうものとの関連において適当に処遇するということは私は適当でないという考え方に立っております。地方財政はその使命があるのでございまして、ことに地方の社会資本の充実におきましていろいろ問題がございまして、これが充実を十分期さなければならない立場に立ちまして、固有の財源確保して、これを守らなければいかぬという見地においてこの貸し借りの問題を正しく処置をしてまいりたい、こういう考え方に立つものでございます。
  84. 原田立

    ○原田立君 これはまた別な問題ですが、大臣はこの前、医師不足を補うための、いわゆる医学専門学校の創設というふうな構想を発表なされた。私は時宜に適したことと存じて高く評価したいと、かように考えているわけでありますが、その後の話によりますと、厚生、文部等のいわゆる政府部内において、何かいろんな話の行き違いだか意見の相違等があって、いまだ実現に至らないというようなこと等を耳にしているわけなんですが、その点はいかがですか。
  85. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 医学高専につきまして御理解のある御発言を賜わりましてまことにありがたく存じますが、私といたしましては、やはり日本の社会には医師が絶対量としても不足をしている。かつまた辺地あるいは過疎地域の定住が阻害をされている。都会に偏住をしているという点に問題があると存じまして、あの構想を出したわけです。したがいまして、やはり医学生定員を増していただくとともに、やはり使命感を持った学生を、使命感を持った医学校で教育をされて、辺地、過疎地域にお医者さんが定住してもらえるような実効ある措置が必要であると考えております。この点につきまして、世間には、医師は絶対量において十万人につき百人台があればそう不足しているとは言えないのだという御見解もございます。また過疎地域では元来人がいないのだから、点数制に立脚した現在の医療保険制度のもとにおいてはどだい無理をしいているのではなかろうか。それよりは、道路をよくし、ヘリコプターなり雪上車等の設備を充実することにより、急に応じてお医者さんを、あるいは患者さんを輸送する設備が十分あればいいのではなかろうかという御見解がありまして、そういう見解によりまして、医師会あるいは一部文部、厚生両省等からいろいろ御意見があったわけであります。なお、医学高等専門学校では医学水準を低下せしめるものであり、それは医学の将来のためにとらない。また辺地に対して人道上も問題があろうという御見解でございます。これらに対しまして、私はやはりお医者さんが辺地に定住していただくということがこの際必要なんだと考えております。また医学高等専門学校とはいい、十分若いときから使命感を持って、若いときにまた使命感を持たすということに対する可否、適否の議論もあろうと存じますが、また、されておりますが、それはまあおくといたしまして、教育をされた六年間、中卒から教育をされた後に私としては二年間の実際の実地の御勉学及びスクーリングの補充を経るわけでございまするから、いまの大学の卒業生とは、年数において、修業年限においてわずか一年の差であり、したがって充実した教育の方法によりますれば十分一年の差はカバーできるであろうという見解を持っておりますが、これらの点につきましていま事務的に厚生、文部両省と折衝をしていただいております。文部当局は、国立大学の学部の新設はとらないんだ、定員増であれば多少の点を考えるようでございます。単なる定員増で、私ども考えております使命感を持った学生を教育をする、使命感を持った学校の実態を満足できるかどうかという点につきましては、十分事務的に折衝、検討を願っておるところでございます。また厚生省等におきましては、いろいろ付属の病院の設備等についても御意見があるようでございますが、これらの点も事務的に詰めておる段階でございまして、私といたしましては万難を排しまして、意図する趣旨のお医者さんの養成機関を何とかこの際実現をさせたいと思っております。しこうして、これにつきましては地方公共団体も十分財政的にも考慮をされる。自治省におきましてもその点いろいろ助成の措置を交付税等についても考えてみたい、考えるつもりでございまして、そして各地方団体においては医学生のいろいろ待遇等につきましても財政的に補助をする。その点を自治省としても考慮をするということによりまして、何とかこの構想を実現したいと、せっかくまだいま努力を続けておるところでございまして、私としては予算案作成までにこの問題を解決したいと努力を続けております。
  86. 原田立

    ○原田立君 私、九州のあるいなかの村でありますが、七千ばかしの人口のある村ですけれども、これをちょっとたずねてみました。そうしましたらば保健所が一つある。お医者さんが一人来ているけれども、幾らぐらいお給料を払っているんですかと言ったら、月に約三十万ぐらい払っている、こういう話でした。ずいぶん高額ですね、そんなものはちゃんと予算編成できるんですかといったら、てんでできないと、苦労しているんですというような話でした。それから、それだけではできないんで、ある大学のほうから学生を一カ月おきぐらいですか、そういうことで来てインターンみたいなことでやってもらっている。それだっても多額のお金が必要だというふうにこぼしておりました。たいへん苦慮しているようです。その医師養成ということも今後のことで非常に大事なんでありますが、現実にそういう過疎地域においては医師がいなくて困っている。たまたまいたとしても、そういう高給のものを払わなければならぬ。そのために財政的に非常に苦慮しているということを村長さんから聞きました。それで、自治省としてはそういう人道的な問題等もあって、医師のいるかいないかということが非常に重大な問題だと思うのです。将来のことは別として、現実にそうやって、きめられた給料ではなかなか医師も来ない。そのために多額の金を出さなければいけないという現状ですね。これをしっかりよく見てもらいたいということがまず一つと、それから、それに対してそういう医師確保のための何らかの措置ですね、地方財政としてこれは考慮すべきではないか、そういう抜本的な考え方はないものかどうか、その点をお聞きしたい。
  87. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 確かに御指摘の点は問題点でございます。長期ビジョンに立つ構想、それからすぐ来年度——現実に来年度と言わず現在的確な措置を講ずる、この二面は確かに並行して行なわれるべきではないかと思います。しかしながら、辺地の医師のいない無医地区が全国に二千九百カ所もある。これは私はもの心がついてからずっと半世紀以上にわたる日本の社会問題である。これを解決するために、ある程度の摩擦を覚悟いたしまして積極策を打ち出したわけであります。これができなければ、この次善の策としての当面の策というものを出しましても、長い間解決できなかった問題は当分それによったらいいじゃないかということに流れるおそれがあるのじゃないかと考えまして、自治省といたしましては根本的な対策というものをいま現実に打ち出したわけでございます。その半面に、いろいろ問題があって地方公共団体において非常に無理をされて困られている現実を私は知らないわけじゃないので、それを解決するために、積極的なやや長期視野に立ったものを出しましてこれの解決をはかっていき、その暁におきまして、交付税等の措置で、またそれがどうしてもできない場合の措置、またできつつあって、その専門医師養成に六年を要しますから、その間をつなぐ方法は当然これによって対処さるべきだと思います。しかし最初からそれを打ち出すことは、この際施策としてどうだろうかということを十分考慮いたしまして、あの医学高等専門学校の構想を打ち出しているわけでありますから、その間の事情を御了承願い、御指摘の点は十分考慮いたしております。
  88. 原田立

    ○原田立君 医療問題についてはもう少しお聞きしたいと思ったのですが、これはこのくらいにいたしておきます。  最近、運輸省や国鉄は赤字対策の一環として、ローカル線の赤字の大半は国と地方公共団体に負担させることも考えているそうでありますが、赤字線をかかえている地方公共団体は、実際問題過疎地域で財政的に苦しく、豊かでない。その国鉄や運輸省のほうの考えもわからぬことはないんだけれども、それが地方過疎団体の、過疎地方にそれがしわ寄せされるというのはちょっとこれは問題だと思うんです。したがって、国鉄の赤字をとうてい財政力の乏しい地方が肩がわりするという余裕などがあるはずがないと、こう思うのでありますが、この赤字線に、今度のようなことにもしなって、税金がつぎ込まれるような、雪だるま式にふくらんでしまうと、非常におそれる場合があるわけですが、自治大臣の見解、この点はいかがですか。
  89. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 国鉄の赤字の原因はいろいろあろうと思いますが、これは地方公共団体の責任でないことはもちろんでございまして、社会経済上の事情、交通事情あるいはマイカーの増加等に原因があるわけでございます。したがいまして、これを、地方公共団体にこの赤字を転嫁するような方法、あるいは地方公共団体でこの赤字線を経営させる、国鉄線から切り離して、国鉄の経営から地方公共団体経営に移すということは、私は不合理であるばかりでなく、御指摘のとおり、過疎地域あるいは経済開発のおくれた地域でございまするから、それが開発に、あるいは格差是正に自治省といたしましてはいろいろ努力をしておる際に、さらにその原因を倍加するような国鉄赤字線の経営を引き受けるということはとうてい不可能でございまして、各種の理由から私はこれは強くお断わりを申し上げたい。国鉄の赤字の解決策は国家的見地において、国鉄というこの国家全体の鉄道路線経営の基本の観念から解決さるべきでありまして、地方の行財政の中に持ち込むということは全く筋違いである、こう考えております。
  90. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 本件に対する調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会