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説明員(
山本明君) 給与問題研究会の報告書の中に書いてございますように、かなり
地方公共団体におきまして給与の差が出ておりますものについては、
一つには、やはりそれぞれの地域の民間賃金との問題あるいは労働需給
関係における問題、こういうものが
一つあるんだろうと思います。それが歴史的な流れの中から、おのずから現在のような差異として出てきたのではなかろうか。それから一部には、率直に申しますと
自治省の指導が抽象的でございまして、それが今回問題になりまして、さらにこまかい点についても、たとえば等級についても、
町村の場合には四等級を使えばいいんだろうと、こういうだけではなしに、もう少し大都市とかあるいは山間部の
町村とか、いろんな
実態の差がございます。そういうものについての指導が十分でなかったから、先ほど言いましたような地場賃金との問題あるいは自治体の規模、
職員構成等によりまして、差が出てきたのではないだろうか。したがって、専門研究会では、もう少し類型別に、たとえば
府県でございますれば大
府県とか小
府県であるとか、あるいは都市でございますれば、大都市近郊の
市町村あるいは山間部の
市町村、こういうふうないろんな類型があろうと思いますが、そういうものをもう少し研究して、指導の内容に具体性を盛ったきめこまかな指導をしたらどうであろうかという御意見も出てきましたのもそこにあるわけでして、そういうところから差異が出てきたのではないだろうか。そこで「わたり」の問題でございますが、「わたり」の中にも、
職員構成等によりまして、まあ等級制をかなり
国家公務員よりは狭めておりますことから、いまではある一定の号俸に参りますと、いわゆる折り曲がり点に参りますと、昇給間差額が減ってくる、少なくなってくるというような問題等もございましょうし、あるいはさらに等級を多くし、号俸を多くすれば、
職員構成の
実態に合う給料表ができるであろうと思われるにもかかわらず、それを一定の等級の中で処理しようとするというようなことから、こういう「わたり」というのが出てきたんじゃないだろうかという
一つの
実態もございます。片一方には、そういう感覚もなしに、通し号俸的にどんどん上げていったというようなところも、私はないと思いますけれ
ども、いずれにしましても、そういう問題、二つあると思います。給与問題研究会で言っておりますのは、ただ、現在行なわれております「わたり」の
実態の中には、当該
地方公共団体の
職員構成等の事情からやむを得ないと思われるものもあるので、「わたり」は一がいにいかぬとか、不適当であるからやめろと言っているけれ
ども、いま言いましたようなそういう事情のあるところがあるので、これについては一がいにいけないということは言えないのじゃないか。しかしその場合には、やはり先ほど私申しましたように、
職員構成の
実態に応じた標準職務の対応
関係の改善、あるいはこれに伴う等級数あるいは号俸数を延長するというような問題、あるいは昇給間差額の改善をする。どうしても少ないものは、専門職というような
かっこうで、専門職の姿の中でそれの能力なり才能を活用する方法というようなものを講じて、総合的に「わたり」のこの問題について対処したらどうであろうか、こういう問題につきましても、専門委員会のほうで十分に御
検討願おう、このように
考えておるわけでございます。