○国務大臣(福田赳夫君) いま、七億円の補助が過少ではないかというふうに伺ったのですが、これは七億円ではないんです。ことしは七億円お願いしておりますが、来年度予算でさらに七億円をお願いしたい、かように考えております。合わせて十四億円になるわけですが、それに
業界から七億円を拠出いたしまして二十一億円、そしてその二十倍の
保証能力を付与するということになりますので、四百二十億円の
保証というか、担保能力がこれによって付与されると、こういうことになるわけです、これは
政府の援助といえば援助でありまするが、実はこの
法律は二つ
内容があるのであります。
一つは、ただいま申し上げましたような、酒造
業者が自主流通米ができました結果、造石数量に対する担保力というものがなくなってきちゃう、それを補う必要があるというので、こういう七億円という
措置をとることにする、それが第一点。それから第二点は、これはそれこそいまお話しの
企業整備のほうの問題なんであります。つまり、
納付金を
徴収する。そして、
納付金を
中央会が
給付金の財源に充てる、こういうことになるわけであります。この
給付金、つまり
企業整備のほうにつきましては、何らの援助はしておらない、
金銭上の。ただ、
政府は、
大蔵大臣命令をもって、
納付金を納めない人がありました場合に、
納付命令を出し得る、こういうことだけをもって
企業整備の援助をしていこうということであります。前者の七億円、また来年七億円積んで十四億円になりますが、これは将来
保証担保能力を必要としないというような
事態にこの
業界の合理化ができたその際におきましては、何らかの形におきまして
政府に返していただきたい、こういうふうに考えておるのでありまして、この
法案は、そういう意味合いにおきまして、援助と言えますか言えませんか、まあ中間的な
性格のものでございます。そういうことでございますので、
戸田さんがおっしゃられるように、この
措置は非常に薄いというような御感触かもしれませんけれども、石炭のような場合と違いまして、石炭はこれは滅びいくというか衰退産業なんです。ところが、
清酒のほうはそうじゃないのです。だんだんと造石数がふえる、そういう産業でありますので、石炭のようなああいう
措置は必要はあるまいという判断で、ただいま申し上げましたような二つの
方法をもって援助をしよう、こういう考え方をとったわけでございます。この辺で妥当であると、こういうふうに考えております。
第二点の
基準指数の積算につきましては、
国税庁長官からお答えするようにいたしたいと思います。
第三の
納付金につきまして、罰則をつけるのはひどいじゃないかというお話でございますが、ただいま申し上げましたように、
政府はこの
企業整備にあたりまして何らの
金銭上の援助はしないのです。広く
業界から
納付金を
徴収する、その
納付金を財源といたしまして
給付を行なう、こういう仕組みをとっておる。この仕組みをとっておるゆえんのものは、これもただいま申し上げましたように、
清酒業界というものは、そう前途を悲観される産業ではない、こういう考え方に立つわけでございますが、しかし、
納付金がありませんと、
政府から何の援助も受けない、
金銭上の援助も受けない
企業整備というものが実行できない。そこで、
納付金の
納付というものは、これは確実に行なわなければならないというふうに考えた次第でございます。
納付金の
納付が一人でも拒まれるというようなことになりますると、これは私も私もというようなことも考えられないことではない。そこで、
納付金に対しましては、その
納付が確実に行なわれるようにという
保証を必要とする、そういうことでいろいろ考えたのでありまするが、そういう際には
免許取り消しまでいけると、こういうことが妥当であるという結論に到達した次第でございます。実際問題とすると、私どもは、そういう
納付金が行なわれない、したがって免許の
取り消しをするのだというような
事態は予想はしておりません。また、そんなことのないようにいたしたい、こういうふうに思っておりますが、制度として万々が一何かそういう
事態があった場合に、この
納付金の
納付が担保されるという制度がなければこの制度は動かない、こういうようなことから、免許の
取り消しまで及ぶところの
保証手段をとるということにいたした次第でございます。
それから第四の
転廃業者の補償額の問題ですが、これは最初は四万円、次は三万円、次の年は二万円、その次の年は一万円、こういうふうになっておりますが、最近の酒造家の所得というものは、大体一キロリットル一万円というふうに踏んでおるわけでございます。ところが、すぐもう
企業整備に着手しようという人につきましては、私どもが想定しておる四年後には
自由化される、その四年前に行なわれるのでありますから、四年間の所得を失うということになる。そこで、その四倍の四万円ということにいたしたわけでございますが、それが一年おくれて
企業整備をする人につきましては三万円となり、また二年おくれる人につきましては二万円となり、三年おくれる人につきましては一万円となる、こういう考え方をとったのであります。これも妥当な考え方である、かように考えておるわけであります。