○小柳勇君 この法案につきましては私
どもいろいろ問題を持っています。それは第一の問題は、いまこの
特許法の
改正をして七十五万件の滞貨というものが、
特許庁なりあるいは武藤議員から説明がありました
ように、数年の間で消化できるかどうかということについても非常な問題があります。それはこの
試算表の
ように
出願件数も
処理件数も進捗していけば、あるいは推移していけば、そうなるものと思います。ところがこれは、第一は人がやることである。
出願も人がやることでありますし
処理も人がやることであります。しかもいまの目まぐるしい
技術革新であります。日進月歩で
発明特許がなされている。けさのテレビなどを見ますというと、徹夜をして
出願受付をしておられる。普通の役所では朝九時から五時までであるにかかわりませず、昼夜分かたず受付をしなければならない
ような
出願件数の伸びである。したがってその
出願する人の
考えをどういうふうに変えるかということ、それから
処理をする
人たちの能力をどうふやすかということ、そのことを
考えておかなければ、機械を幾ら設置いたしましても
庁舎を
整備いたしましても、滞貨
処理はできぬであろう。そこでいろいろ問題を、私の
考えをまとめるために、あるいは私の疑問をただすという前に、他の人の問題点をいろいろ探ってみました。一番
発明特許に
関係のある弁理士会あるいは実際仕事をやっている
特許庁の職員の皆さんの
意見、そういうものをいろいろ探ってみまして、これも一昨年来のことでございましたけれ
ども、約二カ年ばかりにわたりまして
意見をずっとこう集めてまいった。ここに本年の四月二十三日に出されました弁護士会の
要望書なるものがございます。私がずっと問題点としてまとめましたものの大部分をここに弁理士会の
意見としてまとめてあります。だから私個人の
意見としてでなく、また私個人が問題にしているというより以上に、
関係する弁理士の皆さんのこの問題点を解明することがまずひとつ滞貨
処理の一歩ではないかと
考えますものですから、
関係者の皆さんに
質問いたします。まあ
大臣と武藤議員と
長官でありますが。
まず第一の問題は、滞貨を減少しなければならぬという大きな課題を解くために
工業所有権制度の運用改善の具体的方策を確立するために運用
審議会という
ようなものをすみやかに設置しないかと。現在
工業所有権審議会がございますが、これは法
改正の大綱をここで答申をいたしておりますが、それとは別に具体的なこれからの作業、さっき
長官が言われました
ような
優先審査制度の運用の基準もございましょう。作業をする場合の運用の基準を定める運用
審議会的なものを設置しないかと、そして次の
ような問題をこの
審議会で審議してもらいたいと書いてございます。これが今日までたびたび論議された具体的な問題を列記してありますから、念のために、参考のために読み上げますと、「事務の
機械化を
特許庁業務の抜本的改善策。」、それから次は「各国の
工業所有権制度の運用について調査
研究し、我国の運用改善策の確立。」、次は「
技術資料を正確に分類整理し
審査に役立たしめるための機械検索の実行方策。」、「国際分類の利用と採用に関する具体的方策。」、それからさっき問題にいたしました「「
優先審査」
制度の運用に関する具体的方策。」、最後は「将来の
特許庁の組織、設備に関する立案。」、こういう問題も二年ばかり問題にしてまいりましたが、私
どもが再三再四口にいたしましたことがここに具体的に列記してございますが、実際はこういうことがやはりこれからの
特許制度の前進のために根本的な方策ではなかろうかと思います。したがってこの問題に対する通産
大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。