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政府委員(
奥村輝之君)
東南アジアにいままで
重点を置いてきたわけでございますが、これは
経済協力というのは非常に広い意味を持っております。中には直接借款というような、外務省と相手国との間の交換公文、これで輸銀とか基金が貸し付けをするという場合もあります。それから
投資をするというような場合もございます。それから先ほどブラジルでおあげになった問題は、おそらく延べ払い
輸出の問題ではないかと思うのですが、そういうふうな問題もあります。しかし
発展途上国においてはいろいろな形をとって
日本から協力を受けている、これはすべて
商業的な意味を若干持っておりましても、
日本側としては
財政資金も中に入っていることでありますから、そういう意味で
経済協力と、こういうふうに考えられる場合が多いと、私
どもも広義の
経済協力はそういうものであるのではないかと思っているのでございますが、かつて
経済協力については
日本の
方向は非常に総花的であるということがいわれたわけであります。これは
日本の能力とも
関係がございます。一がいにそういう議論がよかったか悪かったか、いま私
どもは言うことはできないのでございますが、やはり私が先ほど申しましたような
発展途上国に対する援助とかあるいは協力というような観点から見ると、
日本の近隣国である
東南アジアというものと、
日本としては共存共栄をはかっていく、
日本の
経済がこれから伸びていきます場合に、やはり近隣の国が成長していく、伸びていかなければ、
日本の
経済の伸び方というものもおのずから制約を受ける面がある。しかし、別に近隣の国だけがそうである必要があるのでないので、いま世界は狭うございますから、全世界を見るという
考え方もございましょう。しかし、いまの
日本の能力からしますと、
東南アジアから問題をまず考えていこう。また
東南アジアを中心にするという
考え方は、私
どもいまのところは持たなければならないんじゃないかと思っております。しかし、そうだからといって、先ほどいろいろな種類の
経済協力についてお話があったわけですが、あわせてヨーロッパの
資本、アメリカの
資本でなくて
日本の
資本を求めて、そこの
資源を提供しようと、こういう
考え方もございましょうし、いろんな
ケースがございます。ここは一がいに論議はできません。できませんけれ
ども、
方向はやはり
東南アジア重点主義というものを私
どもは持ちたいということを考えておるわけでございます。排他主義ではなくてそういうことを考えておるわけでございます。そういうことで、これからのわれわれの
経済協力の努力というのは、どちらに向けられるかといえば、いままでとっておりますそういう
方向を漸次伸展させていくということに尽きるんじゃないかと思うのでございます。