○浅井亨君 今月の二日の日に、私から
保安の問題また
工事をする場合の各当局との
連絡の問題また
ガス管の戸籍の問題ということについて種々質問をしたわけでありますが、不幸にいたしましてそのような問題が五日後に起きたわけであります。まことに申しわけないと思うのでありますが、都市の開発は次々行なわれていきます。また開発されなければならないのであります。しかし都市の開発と同時に
災害というものは必ず並行して起こるものだということは、人知の及ばざるところを考えますと、これは当然のことかと思われるわけであります。そこで、時間も過ぎましたし、先ほどから各
委員の方々から細に入り微に入っての御質問がありましたので、私はそれに重複した質問をしたいとは思いません。ただ、私がいま感ずるところのものを総括して一言だけ質問さしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
それは、先日のあの問題は五時間前にもう
ガス漏れがあった。だから、近所の人にたばこを気をつけてくれと、こういうような話があったと、私はちょうどからだが悪くて堺のほうにおったので聞いたわけでありますが、先日質問いたしましたように、この
ガスの探知機というものはいろいろあるけれども、あの都市
ガス、いわゆる
一般ガスについての特種な探知機はないんだと、やはり一つの例を引いて私は質問したわけでありますが、そういうように、科学の進歩があるにもかかわらず、なぜこの
ガスに対して特殊ないわゆる探知機がないのだろうかと、これは私の古い頭から考えて、現在の科学の進歩の上から見るとまことに不審と思わざるを得ないのであります。人命の尊重といいますけれども、いわゆる
共同溝をつくるとか、またはこうだとか、いろいろな方策はあるでしょう。しかしながら
共同溝といっても、聞いてみれば一緒にすることは難事中の難事だと、なぜかならば、
ガスというものはもしものことがあったならばそこの中に充満すると、こういうような話も聞きます。別のところにつくらなくちゃいけない。それと、先ほどの質問がありましたとおり、なかなか費用の点においてもたいへんだと、こういうようなお話も聞きますが、こういうところから見まして、もっと人命尊重を基本にするならば、この
一般ガスについて特にその研究機関なり何なりをつくってやってよかったんじゃないかと思うのです。で、今日まであまりにもそういう点にルーズであったのじゃなかろうかと、こういうふうに思うわけであります。
ガスなんかは、特に水、いわゆる上水下水とは違いまして、これは一つ違いますと今度のような大きな
事故を起こします。人命をそこなうものであります。だから、一家庭の中におけるところの
ガス漏れというものはよく気がつくわけであります。しかし、大きなものになりますと、なかなか気がつかないと、こういうわけでありまして、いわゆるその
責任感といいますか、そこに私は問題があると思うわけであります。それにつきましては、この
工事をやるにあたりまして、監督官は常勤しておって、そうしてそれを検査していたということであります。しかし、五時間前からにおいがしたと、こういうことになりますと、これはほんとうに監督していたのであろうかなかろうか、あれほど
爆発を起こす問題でありますから、もはやそれは気がつきそうなものだと思うのです。いわゆるにおいをかいでというあの話がありましたけれども、そういう点から見ても、
パトロールにいたしましても何にいたしましても、いわゆる人命の尊重という、
ガス自体の性質からいって、もっと真剣な態度で監督しなくちゃならないのじゃないか、そういう点で当局はよほどその指導監督をしなくちゃならないと、こういうふうに私は思うわけであります。
次に申し上げたいことは、この
工事でありますが、今後都市開発が進むにつれまして次から次へと
工事が進むでありましょう。その
工事に対しまして、下請、下請ということでだんだん下へ行ってしまうのじゃないかと、こういうような感じが非常にするわけであります。こういうことに対しても、もっと安く上がるだろう、早くできるだろうと、そういう方向ばかりに気を取られまして、そしてこのような
災害が起こるんじゃないかということも、今後よくよく気をつけなければならない問題じゃないか、こういうふうに考えるわけであります。そういう点からいたしまして、このたびの、とうとい犠牲者を出しましたが、そのとうとい犠牲者に対します補償のことは、先ほどからも質問ありましたけれども、これはもちろんその遺家族に対し、また御本人の霊に対しましても、万遺憾ない
対策を講じていただくことはもちろんのことでありますけれども、今後の
対策こそは、真にその霊に対するほんとうのわれわれが行していくべき道ではないかと、このように考えるわけであります。こういう点からいたしまして、今後の
政府のあり方、また担当である
通産省の方々の御意見を伺いまして私の質問を終わりたいと思います。