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国務大臣(
宮澤喜一君) 保安の点につきましては、一本売りであろうと
簡易ガスであろうと同じだということは、先ほど
政府委員から申し上げました。そこで、私は、こういうことがあるんだというふうに思うのでございます。その
生産と保安との
関係でございますけれども、たとえば保安が非常におろそかになりやすいということがどういう動機から起こるかといいますと、なるべく増産をやってそうして
利潤をあげてという動機から一番保安ということがおろそかになりやすい、それが
生産と保安とが矛盾をするというふうにいわれている場合だと思うのでございます。ところが、
電気とか
ガスとか申しますものは、御
承知のとおり増産したらしただけ売れるというものではないわけでございます。いわば
需要のほうがなければ増産をするということに意味がないわけでございますから、そこで通産省の
行政は、よく
生産者側の
行政だという御批判があって、私は、それはなるべくそうでないように汚名を返上したいと思っておりますけれども、通産省の
行政の中で、公益
事業局の
行政は、いま申しましたような意味から申しまして、本来
生産者側にある
行政ではなくて、公益という点から
消費者の側のほうにやはり本来的に立っている
行政だと思います。そこで、
消費者にこれだけの
需要が将来あろうから
生産のほうもしっかりやれよという、こういう
行政はいたしますけれども、本来あるのは
需要のほうが私は先にあるのだと思っております。
電気事業法、
ガス事業法というようなものはそれでできております。それでございますから、たとえば石炭なんかの場合と違いまして、
行政そのものが
消費者側、あるいは
消費者側の安全というものを含めまして
消費者側に立っており、
事業法もそういうふうに書かれておるのでありますから、こういう場合には
生産行政と保安
行政をむしろ分けないほうがいい。分けないほうが私は本来なのではなかろうか。本来公益
事業行政というのは規制
行政であるというふうに私は考えておるわけであります。
そこで、ただいまのお尋ねの場合でございます。いま阿
具根委員の言われましたように、
都市ガスとボンベとを分けてしまったら、それも
一つじゃないかと言われますが、いままではそういう形態でありました。ところが
簡易ガスがある
程度大量供給をするということに七十戸以上、かりに七十戸でございますが、になれば、これは公益
事業としての規制を受ける。規制をしてもそれにたえ得るだけの
責任を持ってもらわなきゃならぬ。それぐらい多くの
供給をするのであれば、またこちらも公益
事業としての恩典も与える。そのけじめをどこに置くかという問題であって、私は、ボンベなら何十個でも何百個でもこれは一本売りのボンベと変わらない、公益
事業としての規制はしませんという従来からの姿からいえば、私はこれは一歩進んできたと考えるわけでございます。ただ、その規制をどっかで区切らなければなりませんから七十というところで区切ったと、こういうことではないかと私は思っております。
〔
委員長退席、理事川上為治君着席〕