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政府委員(後藤正記君) 諸般の幾つかの法律がございますが、たとえば
輸出入取引法におきましては、生
産業者に関しましては
輸出すべき貨物の国内取引に関する協定の設定を認めておるだけでございまして、
輸出業者につきましては、
輸出すべき貨物の国内取引並びに
海外取引について通産
大臣の認可を受けて協定ができる。したがって、要件を満たしますればアウトサイダー
規制もできるということになっておりまして、
輸出入取引法では
輸出関係の業者に対する統一商標法案の意図しております目的は達成できるのでございますが、この法案のねらいといたしております
中小企業の生
産業者に対する
規制ということはできないわけでございます。したがって、輸取法ではこれはできないというのが
一つであります。
それから
輸出検査法というのがございます。検査法は、御承知のとおりに、指定貨物の検査基準を省令で定めまして、その検査に合格した表示がないと
輸出できないということになっております。この
輸出検査法のたてまえが、公的な検査を義務づけることによりまして
輸出品の品質の最低水準を維持いたし、それを向上させるためのものでございますので、この法案の目的といたしております
輸出向けに出荷される
中小企業製品のうち、品質がすぐれたものについて、
海外市場における声価の向上のために統一商標の使用の保護に関する
措置というのは、検査法ではできないものでございます。
それから
輸出品デザイン法でございますが、これは特定貨物のデザインについて登録をして、そしてその登録された特定貨物はデザイン及びそれに付される商標につきまして
認定機関の
認定を受けなければ
輸出できない、こういうように定められてございます。デザイン法は、物品の形状とか模様とか色彩とかいった物品そのものの意匠を主たる
対象といたしておりまして、その意匠の模倣防止に付随いたしまして商標の
認定を行なうものにすぎないものでございますので、
輸出品を、商標権侵害の防止のみを目的として特定貨物に指定するということはできないたてまえになっております。したがいまして、
輸出品デザイン法でもこの法案の意図するところはカバーできないということになっております。
それからもう
一つ関連いたしまして、商標法でございますが、商標権は、自己の業務にかかる商品について使用する商標というものを登録させまして、そしてこの商標の保護ということを、模倣防止というような観点から行なうというのがたてまえになっております。で、商標権をたとえば侵害したというものは、貨物が
輸出されようといたします場合には、これを公権力によって税関でチェックして押えるということは、現在の商標法ではできないたてまえになっております。したがいまして、統一商標法案とこれまた違うところでございます。おおむね、関連するところ、まだほかにもいろいろございますが、おもなるところはその辺であろうかと存じます。