○国務
大臣(内田常雄君) さらにその後、私などが
承知いたしておりますところによりましても、三年間に公務員の
定員を五%減らすというような、そういう決定も出ましたので、全体を通じましたときには、公務員の数というものはなかなかふやしにくいということは一面にございますが、しかし他面において、これは昨年でございましたか一昨年でございましたか、国家公務員の
定員につきまして各省ごとにきめるのではなしに、総
定員できめるというような
法律も成立いたしましたので、これはもう
厚生省で、かりに病院なりあるいは
検疫所でどうしてもふやさなければならない場合におきましては、手のあいているほかの省の
定員をいわば食っても
厚生省にふやせると、こういうような面も私は出てきていると思います。現に、この四十五年度における
検疫所の
定員につきましては、これは三名か四名かしかふやせませんでしたが、国立病院とか、国立療養所における同じ国家公務員でありますところの、
厚生省所属の国家公務員て走りますところの看護婦さんなどにつきましては、約千人くらい実はふやしていただいておるわけでございます。でありますから、私どもがどうしてもふやさなければならぬ場合には、これはもう
厚生省内のやりくりもある
程度やれる面があるかどうか再検討して、そしてそこを削っても必要な面に回すということが第一でございますし、あるいはまた、他省の
定員に食い込むというようなことも、これは行政
管理庁なりあるいは大蔵省主計局なりでも、全体としての判断をされて、私どもの言うことが客観的にこうすべきだということになれば、私は通し得ると思います。でありますから、直接にいまの仰せの閣議決定によって
厚生省が幾ら必要があっても押え込まれているということではない。この
検疫伝染病なるものの国際的な情勢、あるいはまたその
検疫業務のやり方というようなものの進歩、変更というようなものも一方にあるものでございます。でございますから、それらが政府の中における
一つの判断の資料ともされまして、さきにも大蔵省の相原主計官がここで述べておりましたが、国際的に見ても
検疫伝染病の
発生状態というものは、悪化の一途をたどっておらないようですから、なかなか大蔵省も
厚生省の言い分を聞きにくいというようなことを言われておりましたが、むしろそういう面の問題もあろうかと思います。
それから、国際的に見ましたら、
検疫のことでありますが、私どもが国際的に旅行してみますると、なかなか日本の
検疫はきついということでおしかりを受けるわけでございます。ジャンボがこれがまっすぐにアフリカから発進するとか、あるいは東南アジアから発進するというようなしろものの場合には、これに応じその
検疫を集中しなければならないことはもちろんでございますが、その発進地なりあるいは途中の寄航地なりというものが、この国際的な四種類の
検疫伝染病のしょうけつ地でないというような
状況もございますし、さっき私から申しましたように、ジャンボそのもの、あるいはまた、
一般の船の文明国に入港する階あるいは着陸する陰の
衛生的なその
資格要件というようなものも別の見地で定められてきておるので、ジャンボに五百人乗ってきているからこちらも人海戦術で五百人にとりついて、そうして従来と同じような形での
検疫をやるべきかどうかというような問題もあるだろうと思いますから、その辺、私どもも十分その国際的な
状況なりあるいはこの
伝染病の
状況などをも常に検討し——これはまたWHOから毎日その各地の
検疫伝染病の
発生状況などが国際電電を通じまして
厚生省に入ってくるわけであります。あの地でこういう
伝染病が
発生した、この地でこういう
状況になっているということが毎日その
情報がくるものでありますから、それを私どものほうで各
検疫所に通報しておるというようなことを実はやっておるわけであります。そういうことでジャンボの発進地、経由地等における
検疫伝染病の
発生が心配されないような状態のもとにおいては、
検疫のあり方につきましても、十年前と違ったような行き方も考えていかなければならぬ面もあるのだというような気持も実はあるわけでございます。その辺、繰り返しますが、総合的に判断いたしまして、いまの
人員が決して十分じゃありませんので、これは私どもは
責任官庁として、必要のある限り大蔵省でも、行政
管理庁でも説得をいたしまして、閣議決定がどうであれ、ほかの省の
定員でもいま融通できますので、とってまいるような
努力をもちろん続けるつもりであることを申し上げておきます。