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吉田忠三郎君 その
労働問題を、特に事業の本質から、郵政の場合は重要視している、そこまではわかるのですね。わかるのですが、この新聞紙上に
——時間がありませんから私一々読みませんが、こういう新聞に書き立てられた中で、それほど重要視している
労働省だとするならば、冒頭に、ちょっとばくはしろうとのように、
労働組合というもののイロハから聞いたのですがね。そのそれぞれの定められた
法律の
精神からいくと、当然、
労働省の労政局としても、これに対する
対策というものが必要であろう、こう思うから聞いたの、ですが、その点所管は郵政
大臣でありますから何とか円満にいけばいいと思っております、そんなことを
大臣言っているからだめなんです。確かにそれは円満にいくことは最高いいことなんだけれ
ども、今日まで円満にいかない問題がこういうことになっているのじゃないですか。どっかに問題がある。この新聞を読んで見ますと、全国で滞貨は七百万通ぐらい、東京だけでも滞貨は三百五一十万通、したがって、郵便のおくれは四日前後になるだろう、こう書いてある。これはたいへんなことですよ、
国民の側から見れば。だから、これを解決するには、どっかに問題があるわけですから、その問題を根本的にほごさぬ限りはこれは解消できないこういうことになると思うのだがね。そういうときに
労働を所管する
労働大臣が、所管は郵政
大臣だから郵政
大臣のほうで何とか労使双方をやるのだから、ゆうべも何かあったようだというお話では、やっぱり
労働省なり、そのための労政局というのが要らなくなるということになりませんか、そんな
程度では。何だったら労政局なんてなくしたっていいじゃないか、こういうことになりませんかね。ですから、それはそれで
あとでもう少しあなた方の考えを、労政局がなくちゃならないのだと、存在価値があるのだという値打ち、価値的なものを言ってもらいたい。
それからもうちょっと続けますがね、これは郵政次官でもいいですよ。これも私が言うのじゃない新聞に書いてある。この新聞では
——私のほうも、大体そういう認識でおりましたよ。年末になると、ごっそり年賀郵便とかあるいは年末年始の小包などが一挙に持ち込まれますから、さなきだに人手が
不足な中に当然こういう現象が起きてくる。大体これがいままでの私は
状態でなかったかと思うのだ。新聞では、年末にそういう業務が集中してまいるから師走の名物になったと書いてある。あまりいい名物じゃないが、書いてある。しかし、そういうことについても、全逓の
労働組合と郵政省、それぞれの
関係を所管されておるのは、東京であるならば東京の郵政
局長でしょうね。団体交渉をやったり、
法律に基づく話し合いをやって、ここ最近五年間くらいは全部そういうものについては完配されておったと、全部配達されたということです。これは最も大切なことなんで、労組の問題で大切な労使間の信頼
関係というものは逐次回復をされてきておった、こう新聞では書かれている。そのことについて、新聞ではそういうこと書いておりませんけれ
ども、ここまでくると全
国民的な問題ですから、
国民が期待していた、こういうことなんですね。ところが、今度の場合はそうしたことでなくして、管理体制というものを改善していただかなければならないというようなことです。管理体制というか、新たなことばが出てきた。しかも、それもだんだん調べてみると、これは新聞社が調べたわけですが、いま言った監視業務などという業務を郵政局がやっている、ここにも大きな問題があると新聞では書いている。問題の杉並の局なとは監視班
——自衛隊なら何かよそからあやしい者が侵入してくるからということで監視班がありますけれ
ども、郵政省では、これはそういう業務を行なっているんじゃないと思うのですが、それは杉並の局にどのくらい職員がいるかわかりませんが、二十数人もの監視班が配置をされて業務を督励するという当局の態度は、民主社会における労使
関係のあり方をわきまえないものであると書いておる。管理者は、業務が遅滞したような場合は、率先部下の仕事を手伝って、みずから模範を示す態度が望ましいのであって、権力をかさに着た業務監視のようなやり方は、当局の意図とは反対に仕事の能率を低下させるばかりであると、こう書いているのです。それが東京の三百五十万通だとか、全国で七百万通郵便物が渋滞しているその最たる原因じゃないんでしょうか。そういうことがここにも書いてありまするように、
職場の人間
関係を悪化させる、ひいては労使
関係を救いがたいものにしているんじゃないかと、こう言っているんです、社説では。しかも、仕事の量は、
昭和三十年を一〇〇とした場合に、四十四年は二・二倍強になっている。しかも、こういうような
状態が続いていますから
——私も郵便局には友だちもおりますし、知人もおりますから、たびたび話しておりますが、魅力がないというんですね、
職場に。郵政次官、よくこのところを聞いてくださいよ。午前中の
審議じゃないけれ
ども、
藤原先生は、非常に最近の
青少年の
職業の定着率というのは低い、転退職が多い、こうまあ別な
法律の
審議のときにも
指摘されましたが、この郵便局の集配業務の
職場にもこういうことが出てきています。一般の退職者というのは年々歳々増大して、四十三年度には八千七百四十一名いた。その中でも勤務五カ年未満というのは、大体そういう集配
関係についている人じゃないかと思いますが、三千八百九十へも占めて、しかも年齢構成を見ると、二十から二十五歳くらいの人が圧倒的に多い、こう新聞に書いてある。これを黙って放置しておったらどうでしょうか、郵政次官。いろいろ新聞に書かれておりますように、郵政事業の再建論だとかなんとか書かれていますけれ
ども、私は、集配業務の将来というものは楽観を許さないのじゃないか、こう思うのですが、この点ひとつ政務次官答えてください。
それから、ここに書かれていて非常に私は心配をしていることがございますが、つまり郵政局の管理体制強化という美名に隠れて、管理者は組合の組織の切りくずしを意図している動きがあると
指摘されている。このような動きがあるとするならば、当局は、即刻中止すべきであると思う。過去の経験では、組織の分裂策動が労使
関係を不信のどろ沼に追い込んだ
幾つかの事例と歴史がある、こうなっています。おそらくや、その歴史というのは、いまから十数年前、私が国鉄
労働組合の
委員長をやっておったときに、新潟でこういうことが起きました。あえてこの席で名前を言いますけれ
ども、当時の職員
局長は河村勝君です。ただいま民社党から衆議院議員に当選しています。この方が原局の
局長でやったことをここで過去の経験とか歴史
——こういうつまり労使
関係を不信のとろ沼におとし入れた
一つの参考として例にあげているのじゃないか、こう思うのでありますが、私も昨年の十一月末ころだと思いますが、非常に問題を心配しまして、北海道でありますが、二、三の郵便局を視察をいたしました。また、ある
意味においては
調査もして参りました。杉並だけの問題ではない。私の
調査したものもここにございますけれ
ども、こういう事柄がこの新聞で書かれている。しかも、一番私もその当時から
感じておったのでありますが、暗くて重苦しい、非常に陰惨な
状態でしょう、察するところでは。そういうものを私は
調査した
段階でも
感じとってきました。ある
意味において、郵政省のつまり管理体制といいますか、監視
労働といいますか、こういうものは近代社会、しかも近代的な企業のやにおいて異常だと言わなければならぬ。
これは私が行ったときの
調査一つ二つ、時間がありませんから例をあげます。私の行った郵便局では、大体いま言ったような二十人も監視班というものがいたわけじゃありません。しかし、何人かおった模様であります。私には郵便局のだれか、どなたさんかわかりませんがね。その方が、私がその郵便局の知った人と話しておると、うしろのほうに立っておって、ストップウォッチではかっておる。一分三十秒、どなたさんがまた来て話をすると一分二十秒等と全部記録をして、トータル二十分か三十分になると賃金カット、こういう事例がございました。それともう
一つは、常にそういうことが積り重なってそういうことになったのかどうかわかりませんが、全逓という
労働組合を敵だと、こう規定して敵視をしているところに問題がある。したがって、この郵便局の中でも私は
感じてまいりましたが、現在の事業の危機の中で全逓の運動方針というのは事業を破壊するものだと、こういうことを堂々と公言している者がいる。これは組合員じゃないですよ、管理をすべき者がですね。それから全逓のやっていることは違法行為である、不法行為である、特に役づきの職員の場合は職務上の
義務と組合員であるということとは両立しないのである、こんなことを言っているやつがいるのだね。もし、この人の言うとおりだったら、先ほど冒頭に言った、一体、
労働組合というのはどういうことになるのかな、こういう
関係。それから全逓の方針を支持する者は昇進の道はないぞと、こういうことを平気で言っている者がある。政務次官、どうですか。いま三つほど私が見てきた例を申し上げたのですが、これは北海道の郵便局でですね。これがもはや杉並局に象徴されて全国的なものになってきておるから、今日、新聞紙上のこうした種になっておるのじゃないかと私は思うのですよ。もうこれは憂慮せねばならない問題だと思いますが、人事
局長もここにおいでですから、ぜひこうした事例等を、おそらく人事
局長は把握しておるのだと思うのですが、考えてみて、これから一体どうなさろうとしているのか。この点を、とりあえず政務次官、あなたが、政務次官になったばっかりだからようはわかっていませんなんて言ったってだめなんですよ、こういう問題は。そのためには人事
局長を呼びつけて聞けばいいんですから。
——人事
局長とか、郵政省の役人というものは偉いので、この間も私は勉強会に来てもらいたいといったら来ない、なかなか来ないのですよ。きょうも、問題は杉並の局ですから、東京郵政局所管でしょう。郵政
局長が所管しておるわけですね。しかし地方
局長がやっておるその責任は本省が負う、これはたてまえとして当然なんだが、それは問題によりけりなんです。地方
局長といっても、鹿児島の
局長とか福岡の
局長、札幌の
局長にここへおいで願いたいというのは、これはむちゃくちゃな話ですよ、言ってみれば。しかし、国会は東京に所在しておって、東京にいらっしゃるわけでしょう、その
局長が。しかも国会において聞かなければならぬことはたくさんあるのですから、そういうときに国会においで願いたいと言う、ところが出てこない。この間は公的なものじゃないですから、それほど拘束はできませんけれ
ども、きょうは国会という公の場所ですよ。質問する場合に、
委員長はそうした
関係の方々に
答弁をしていただく、政府の
委員の方々あるいは
大臣というのはそういうことになっている。
法律に定められている。それがいわゆる郵政省の国会の
政府委員でありませんからと、いまだにまだ出てきてない。政務次官、こういう点では、私は、端的な表現をいたしまするけれ
ども、各省をずっと見てこれくらい横柄な役人はいないです。この態度は許されない。同時に、そういう態度がこの新聞に書かれている元凶になって、今日の全逓との労使紛争がいまだに
国民の期待の
方向に行っていない。こういうことになると思うので、あなた政務次官として、本来は
大臣がおいでになるべきでありますけれ
ども、予算
委員会のほうで都合悪いということで出てきていただいておるわけですから、この点の的確なあなたの見解をここで披瀝をしていただきたい。それからだんだん、たくさんこの材料がありますから、問題によっては私はまた聞いてまいりますから。