○
説明員(児玉清隆君) ただいま御
質問ございましたプラスチック
関係の
処理の技術開発の点でございますが、現在工業技術院の傘下に十五の試験所がございまして、その中で大なり小なり
公害処理対策ということで取り組んでおりますのが十一ございます。特に最近私
ども新しいテーマとして、ここ一、二年来重点を置いておりますのは、プラスチックの
処理技術の開発でございます。世界的な情勢から申し上げますと、現在でもまだアメリカにしましても、イギリスにしましても自信のあるプラスチックの大量廃棄
処理技術というものは確立されておりません。いま厚生省のほうから御説明ございましたように、現在
都市ごみの約一〇%程度を占めておりますが、それにつきましても、大量になりますと処置がほとんどデッドロックに乗り上げているような
状態でございます。今後これが非常に一たとえば年率二〇%というような量で伸びていく趨勢にございますので、おそまきとはいいましても、相当早いテンポで、早く大量
処理の技術を開発する必要がある。
その例としまして、現在
実施中あるいは来年度の
予算要求につなげておりますのを一、二御紹介させていただきますと、まず第一は、物理的な
処理の
方法といたしまして、破砕及び切断という問題がございます。破砕する及び切断する。これは機械工学的な分野がございまして、機械試験所で八百万円の
予算をことしに引き続きまして来年度も集中的にやることにいたしております。これが非常に単純なようでございますけれ
ども、物理的な
処理というのは、きわめて効率的な破砕機を使いまして、そこで相当量的に問題のないように粉砕してしまうということは、これはやっぱり
研究テーマとしては非常に重要な問題であります。そういった破砕機のいわゆるメカニックの開発を機械試験所で
実施する。現にやっておりますし、来年またそれを引き続きやることにいたしております。それから特に大型のプラスチック製品でございますが、粗大ごみといわれますように、大型のプラスチック廃棄物につきましては、特にそれ用の切断技術が必要になってまいります。あまり小さいのと大きいのとごっちゃに
処理いたしますと、これもまた非常に能率に
影響いたしますので、そこら辺もきめのこまかい
分析研究をやっております。
それからガスの
分析でございますが、
先ほど来のプラスチックの焼却に伴う有毒ガスの発生問題がございます。これにつきましては、全然ガスを出さないということはおそらく不可能だろうと思います。ただ、どの程度のコンテントを持ったガスが実際に発生するかということについて常時これを
監視する
分析技術が必要でございますので、そういったガス
分析技術というのを東京工業試験所でことし五百万円かけて
研究続行中でございますが、来年度引き続きこれを集中的にやるということが第二の問題でございます。
それから第三番目といたしまして、分解とそれから焼却によりますところの
処理技術でございますが、特に
先ほど来
お話ございましたように、そういった燃したら有毒ガスを出すし、それから埋め立てに使っても全然腐らないという、そういった性格をそのままにしてマーケットに出しているという点も御
質問あったわけでございますが、そこら辺が確かに一番問題でございまして、分解性というふうに呼んでおりますが、いわゆる風化しやすいプラスチックの組成にしていく。現在は風化しにくいところにプラスチックの意味がございまして、それで非常に珍重されているわけでございますけれ
ども、やはりこれからは
処理を考えて、生産の組成を考えなければいけませんので、風化しやすいような分解性のプラスチックを開発していこうという
研究をいたしております。これはまだことしはやっておりません。来年から繊維高分子材料
研究所でやることになっております。
もう一つは基本的な問題でございますけれ
ども、アメリカ等でも最近テクノロジー・アセスメントということばで呼んでおりますが、技術の評価制度あるいは技術査定制度と呼んでおりますが、私
どもが大蔵に
予算を要求すると、査定とか評価を受けますと同じように、新しい商品を出すときに、あらかじめその
処理処分の末端まで考えて、はたして有用かどうか、問題がないかどうかということを新しい商品を出します前にチェックしようということでございます。そういった新しい技術評価制度というものが日本ではまだ確立いたしておりません。アメリカでも、特に最近飛行機騒音等に
関連いたしましてそういった制度を確立しようという動きがございます。私
どものほうで、単に試験
研究を工業技術院の試験所で展開すると同時に、それだけにとどまりませんで、工業技術院の本院のほうで、新しい技術開発で新しい商品を出す場合には、あらかじめ学識経験者のスクリーニングを経て、そして問題ないということではじめて安心して出していくということを慎重にやるべきじゃないかという声が民間でも強くなっておりますし、私
どもも問題意識として強く持っております。したがいまして、来年度からそういったことを試みに――はっきりした審議会になるかどうかわかりませんけれ
ども、相当学識の高い方々に集まっていただきまして、そういう制度を検討していただこうというふうに考えております。そういった事前チェックを考えませんと、御
指摘のように、石油化学はいまものすごいテンポで伸びておりますけれ
ども、使うときの便利さだけに着目されましていち早く出てきちゃったということで、これは世界中で困っておるという
状況でございますので、そういうことの繰り返しにならないようにという配慮を基本的に加えたいというのが私
どもの考え方でございます。