○大橋和孝君 それでだいぶんよくわかってまいりましたが、いま文部省のほうから話を聞きましたら、くしくも最高のいまの設置
基準の中に含まれているのは、千六百名くらいはふえるというわけですね。そうすると、厚生省の考えられている人口十万、百五十というやつでも千六百人か千七百人の定員増ということにしたいということでありますからして、必ずしも新設をしなくても、いまのところ何かすれば設置
基準内でもできるということでありますが、そういうことは了解さしていただいたわけでありますが、そういうことを前提としておきながら、ここでいま大臣がおっしゃったように、教育する
病院を他にもっと求めればという話でありますが、私はこれをひとつもう少し具体的に御意見を伺っておきたいし、また
方向も一ぺんお尋ねしておきたいと思うわけですが、ただ単にいままでの話を聞いておると、大体教育
病院というのは実習をさせる
病院で、いわゆる修練をさす場ということになっているわけでありますけれ
ども、大臣がおっしゃったように、付属
病院を別に必置しないでもいい、いわゆる付属
病院というものを離してしまってもいいという感じ、私もそういうことを考えたことがあるわけでありますが、そのことは付属
病院でなくて、大学には付属
病院はないけれ
ども、付属
病院と同じような性格を持った
病院が幾つもあれば、それなら非常にいいのじゃないか。ところがいまの考え方では、そういう大学
病院と同じような性格を持ち、能力を持ち、そういう研究ができ、あるいはまたそういうほんとうの医学的な研修ができる、実習ができる、ベッドサイドティーチングもそれで十分できるというふうなものにならない限り、私はそういうことにはならないと思うのですね。
ですから、私はお伺いしておきたい第一点は、じゃ、これをたとえば十五校六千人にするために大学をつくったとすると、十五校か十七校つくらなければならないわけですね。これに対して九十億なら九十億、百億なら百億かかれば、その中で約半額なりあるいはまた六割が大学
病院にかかるとすると、その費用を一体いまの大きな設備のされているいい
病院に対してそれを設備をしていこうと思うとどれくらいでできるのか。こういうことになれば、大学を十六校ふやすつもりで、その付属
病院と同じような性格、研究ができるような
病院がいろいろな場所に、適当な場所に配置されまして、そこへ金が入れられたとするならば、たとえばほかのほうに行って――私、京都ですから、京都の例を出してみるとよくわかるのですが、京都のほうには、舞鶴のほうにも綾部のほうにも、非常に過疎と過密と、一府をなしておるわけですが、あの北のほうは過疎地帯で、いま非常に医者がなくて困っている、
全国の僻地と同じように。その中でもまた舞鶴の国立
病院、福知山の国立
病院、こういうのがあるのですね。そのほかあるいは組合立で建っておるところの大きな
病院がある。こういうようなものも含めて教育
病院にしたならば、それがいまの大臣のおっしゃるようなその基礎的な
病院の役割りをして、そうしてその周辺に対して、半年なり一年なり研修
期間あるいはまた勉強
期間中組合
病院に行って、そうしてそれが絶えず教育
病院にいろいろな研究をした実績を持って帰って研究をすると、こういうようなシステムをつくったならば、私は非常に過疎地帯の対策になる。いまさら高専の人をつくったところでなかなかそういうところへ行ってくれない。おそらくそういうことになると思う。逆に言うならば、そういうたくさんな大学をつくって医者をたくさんつくれば、逆に過密都市ではもっと過当競争が起こるだろうと思うのです。そうなれば、
病院がよくなければ
患者が来ない。
病院をよくするために借金をして
病院を建てる、借金を返さなきゃならぬといういまのような悪循環が起きて医療費が高くなる。こういうことになるわけですから、私はむしろむやみな
方向で医者をたくさんつくることは、一面の場所においては足らぬところの補給にはなるかもしれぬけれ
ども、過密な場所に対してはより多くの競争をさせることになる、いまの制度でいけば。私は、そういう意味でむしろ教育
病院というものを徹底的に考えたらもっといいのじゃないか。それをある程度日本
全国に過疎のないように教育
病院をこしらえて、それに対しては十分な研究のなにができる、いわゆるいまの付属
病院と同じような性能を持つものができたならば非常にいいのではないか。ことにその中で、いま言われているような大学の自治の問題とか、いろいろなものが出てくるでしょうけれ
ども、こういうことによって大学紛争、医学部から端を発したあの問題もある程度解消することにもなるのではないかというふうにまで考えられる。そうなれば大学も、いま私そうたくさんの医者は要らないのじゃないかという考え方を持っておるけれ
ども、よしんばアメリカ並みにしようということで、十五校なりつくるかわりに、その金をそういうことに使ったならばそのバランスはどうなるか。そんなことではとても足らないということだったら、どのくらいプラスアルファしたらそういうことになるのか。どのくらいのものになるのか。それからいまの既設の国公立、それから私立にしても相当りっぱな
病院がある。これはそういうものにするということによってどういうふうになるのか。それに対してその費用の分担でどれくらいのものになるのか、こういうようなこともひとつ私は一ぺん考えてもらいたい。
それから、ただ単に医者が少ないから医科大学をつくるのだとか、あるいはまたその付属
病院をどうこうするというような議論だけでなしに、もっとそういった付属
病院を廃止するならば、必置でないようにするならば、その付属
病院にかわるものをこれだけつくりたいという考え方を持つとしたら、どれくらいの費用でどのくらいのものができるのか、これはどういうふうにお考えですか。