○
増田盛君 前の
鈴木委員の御質問もありましたので、私は要点だけ簡単に、しかも御質問申し上げる事項は、
総理府、
水産庁の
二つにできるだけ限りまして申し上げたいと思います。
一番の焦点は、既存の
災害に対するいろいろな復旧その他の
措置があります中で、やはり激甚災の法律がどのような形でいつ発動されるのかという点でありますが、これは副
長官の御
説明の中で大体推定できるのでございますが、その際にぜひとも御考慮いただきたいのは沿岸漁民の立場でございます。つまり、沿岸漁民の中でも、今回の
被害は
養殖施設、養殖物が
対象でございます。すぐに農業に比肩できるものでございまして、いわば作物的なものでございます。農業の場合には、御存じのとおり、たいへん各般の
措置、しかも手厚い
措置が講ぜられておるのでございますが、すぐ隣の水産
関係の場合には、これが手薄なように考えられますし、しかも中には全然欠如しておる、こういうものもあるわけです。単に漁民が困るというだけじゃなしに、政策的な段階でちぐはぐがあるのじゃないか、かように考えられるわけであります。たとえば養殖の中でも、ただいまの
質疑応答の中にありますように、ノリとかカキの場合にはある
程度共済というものがありまして、これの
対象に当たる施設に関しても、それぞれ既存の法律によりまして救済手段がとられるわけでございますが、ワカメの場合には、施設に関しましては同様の
措置がありましても、
水産物に関しましては、何らの
措置がとられておらない。今回の
災害の
特徴の
一つは、施設の
被害が金額的に見ますときわめてウエートが軽くて、生産物、
水産物の
被害が圧倒的に多いということでございます。圧倒的に多い
被害の中でも、しかもワカメのようなきわめて微細なものでありましても、ただいまの
被害金額はやはり数十億円にのぼるという形でございます。これが全部水産者のところの負担にしわ寄せ、犠牲のしわ寄せになるということでございます。
災害対策は万全だと
政府のほうで機会あるごとに話しておりますけれ
ども、私は、政策といたしましてきわめてちぐはぐであり、しかも沿岸漁民のきわめて大事な作物、しかも非常に
特定の
地域に集中している、逆に言いますとその
地域の沿岸漁民というものは、それが主力の産業であります。そういうワカメ漁業の
水産物に関しましては何らの
措置がとられておらない。明らかに不均衡であります。そういう点で
水産庁のほうに現在おやりになっております養殖ワカメの救済
措置に対して、まあ非常にむずかしいことがあるでしょう、あるでしょうが、全般の政策の穴を埋めるという形から早急に結論を出してほしい。
天然ワカメ、養殖ワカメの問題に関連いたしまして、共済の技術上むずかしい点は私もかねがね承っておりますが、この際非常に貴重な経験でございますから、ぜひとも早急にこれを実行してほしい。やはりこういう機会にむずかしいやつを押し通すと、それだけの努力をすることがしかるべきであると、かように思うわけであります。御存じのとおり、ワカメの
全国の生産量の中で
岩手県と
宮城県で生産額の九割、養殖ワカメの九割を占めているわけでございます。私は先般この海岸をつぶさに歩いたわけでございますが、文字どおり路頭に迷うだろうということが予想されるわけであります。したがって、ワカメ共済の早急なる実行というものは今後の
検討の課題でございますけれ
ども、この間の
災害にはそのままでは役に立たぬわけであります。したがってこれをどうされるか、前の質問にもございましたけれ
ども、もう少し幅広く考えていただきたい。
そこで、ひとつそのお答えに関連しまして、いままでこういう沿岸漁民の
災害に対して救農土木的な
——海の漁師がおかへあがるわけでありますから、うまくいくかどうか問題がございますけれ
ども、御存じのとおり、あの
付近は三陸沿岸を
中心にしまして、国道その他の土木工事が急速に行なわれております。こういう土木工事に対してしばらく労賃かせぎということで救農、救農ではございませんな、これは救漁土木でございますか、そういうことが一体考えられるかどうか。これは地元の県知事がきわめて深い
関係にあるわけでありますが、しかし、たとえば国道ということになりますと、国のほうであっせんをしなければいけないと思います。そういう点もひとつお考えかどうか、こういう点をひとつ。
それから、それに関連しまして、
先ほど、これはワカメでございませんけれ
ども、ノリのほうの竹資材でございますが、これも非常に急ぐわけでございます。ワカメはこれから収穫期というところをやられたのでありますが、ノリはある
程度収穫いたしましたけれ
ども、あの
程度のものでは再生産に役に立たない。竹資材に関しましては、たとえば
岩手、
宮城の
被害漁民からいいますと、国有林の竹をもらいたい、しかも価格を少し何とか安く願えんか、こういう要望があったのでありますが、いままでそういう例があったのかどうか。国有林といいましても、民有林にもあるのだろうと思うのですが、竹を安く払い下げるという
方法があるのかどうか、きわめてこまかい問題でございますけれ
ども、復旧
措置という場合におきましては、どうしてもこういう復旧の資材の問題が先になるわけであります。こういう点に関しましてもお答え願いたいと思います。