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1970-07-09 第63回国会 参議院 公職選挙法改正に関する特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年七月九日(木曜日)    午前十時三十七分開会     —————————————    委員異動  六月二日     辞任         補欠選任      多田 省吾君     峯山 昭範君  六月十六日     辞任         補欠選任      峯山 昭範君     上林繁次郎君  六月十九日     辞任         補欠選任      岩間 正男君     春日 正一君  六月二十三日     辞任         補欠選任      春日 正一君     岩間 正男君  七月七日     辞任         補欠選任      三木 忠雄君     多田 省吾君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         井川 伊平君     理 事                 高橋文五郎君                 林  虎雄君                 多田 省吾君     委 員                 大竹平八郎君                 後藤 義隆君                 中津井 真君                 渡辺一太郎君                 戸田 菊雄君                 松本 賢一君                 横川 正市君                 上林繁次郎君                 岩間 正男君    国務大臣        自 治 大 臣  秋田 大助君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君    説明員        総理府統計局長  岡部 秀一君        自治省行政局選        挙部長      中村 啓一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○派遣委員報告公職選挙法改正に関する調査  (選挙制度に関する当面の諸問題に関する件)     —————————————
  2. 井川伊平

    委員長井川伊平君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  七月七日、三木忠雄君が委員辞任され、その補欠として多田省吾君が選任されました。     —————————————
  3. 井川伊平

    委員長井川伊平君) この際、理事補欠選挙についておはかりいたします。  ただいまの委員異動に伴いまして理事が一名欠員となっておりますので、補欠選任を行ないたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事多田省吾君を指名いたします。     —————————————
  5. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 次に、派遣委員報告についておはかりいたします。先般当委員会が行ないました地方選挙実施状況並びに選挙制度改正に関する諸問題の実情調査のための委員派遣については、口頭報告を省略し、委員長の手元に提出されております派遣報告書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じます。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  7. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 次に、選挙制度に関する当面の諸問題に関する件を議題といたします。  自治省当局から発言を求められておりますので、この際これを許します。中村選挙部長
  8. 中村啓一

    説明員中村啓一君) この機会に御報告を申し上げたいと存じます。  先般、昭和四十四年中におきまする政治資金届け出に関しまして、政治資金規正法に基づいて公表をいたしたところでございますが、その骨子につきまして御報告を申し上げます。  四十四年中におきまする政治資金収支総額は、収入が二百五十七億、支出が二百四十五億ということでございまして、特に選挙がありました下期におきまする収支がかなり目立ってふえております。四十三年、前年度に対比をいたしまして、収入面で約三五%、支出面で約三〇%近い伸びということになっておるわけでございます。  この収支届け出の中で、いわゆる寄付金がどの程度あったかということでありますが、四十四年中におきまする寄付総額は七十二億九千万円という額でございます。四十三年が七十三億円でございまして、実額におきましては四十三年、四十四年は、ほぼ横ばいという形になっております。しかし、収支総額がふえておりますので、収入全体に占めまする寄付割合はかなり低下をいたしまして、四十三年が三九%という比率でありましたが、四十四年は二八%というような形にあらわれております。  この全体の収支の中で、五大政党の動きにつきまして、ごくかいつまんで申し上げますと、収入の額の順序でまいりますと、自民党が一番多うございまして五十二億、その次が共産党の三十三億、その次が公明党の二十五億、次が社会党の六億五千万、最後民社党の四億八千万という順序になっております。これを伸び率で申しますと、民社党が最も高くて一二六%、その次が社会党の七三%、三番目が公明党の四三%、四番目が共産党の三六%増でありまして、自民党は二二%ということで伸び率は最も低いわけであります。また、それぞれの政党につきまする寄付率につきましては、一番寄付割合の高いのは民社党でありまして、九二%までが寄付収入がまかなわれておりまして、その次が自民党の六八%というような形になっておるわけであります。これらの五つ政党を合わせまして、四十四年中政治団体全体の収支の中の約半分を占めております。  なお、そのほかに、いわゆる収支の金額の多い団体二十五団体を拾ってみますと、この二十五団体と、申し上げました五つの大きい政党を合わせまして、大体全体で、いわゆる三十団体総体収支の八割までを占めておるという形でございます。  なお最後に、今回公表をいたしましたものは、政治団体として届け出のあります約千三百の中の六百程度でございます。残りの団体につきましても、事務当局といたしましては、若干おくれてもなるべく届け出をいただくように、一つ一つ団体に督促をいたしておるところでございまして、ある程度まとまって、さらに追加公表することができるであろうと存じておるところであります。  以上、ごく概要につきまして御報告を申し上げた次第であります。
  9. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  10. 横川正市

    横川正市君 あまり詳しいことをお聞きするには、少し事務当局準備が十分じゃないのじゃないかと思いますが、一つは、選挙制度審議会の第六次答申が出されまして、総理のこれに対する回答は、十分審議をして意に沿いたいというようなことが新聞で報道されておりました。これは実はいろいろな問題があるわけでありまして、さしあたってあの答申についてどういう取り扱いをしようとされているのかという点を、まずお聞きをいたしたいと思います。
  11. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 答申につきましては、その趣旨をもちろん尊重をいたしまして立法化いたしたいと考えておりますが、それにつきましては、やはり問題が問題でございまするから、関係方面の御意見をさらによくしんしゃくし、また、いろいろこういう機会等を通じまして御論議も伺い、よく検討をいたしまして立法化をいたしたい、しかし、立法にあたりましては、さきに申し上げましたとおり、その趣旨尊重する線でまとめていきたい、こう考えております。多少の時間を要しますが、来年度の参議院選挙を控えてのことでございますから、もちろん、それに間に合うようにいたさなければならない、こう考えて、せっかく検討並びに立法化趣旨で、なるべくその線で諸般の準備を進めております。
  12. 横川正市

    横川正市君 私も選挙制度審議会委員で一年間仕事をしてきたほうの立場なんですから、そういう抽象的なことではなしに、私のお聞きしたいのは——あの柱というのは、何本かの柱があるわけです。委員論議の中には、たとえば、参議院政党化はどうするかとか、あるいは政党法は一体どうするとか、いろんな論議がありましたけれども、取りまとめての答申の柱は二本ありまして、一つは、地方区定数是正の問題について、それからもう一つは、全国区の比例代表制をどう取り扱うかということ、この二本が大きな柱だろうと私は思うわけですが、その柱の取り扱い方ですね。答申尊重するというたてまえは私どもも曲げたくありませんし、審議会尊重したいということは私ども強く主張いたすわけですが、さて、事実問題にぶつかったときに一体どうだろうか。  地方区定数是正の問題は、三区を減らし三区をふやすという是正のしかたであります。私ども一貫して主張したのは、参議院制度の発祥以来の一つの形がこの六次審議会で大幅に変えられることがないとすれば、そうすれば、定数是正は、減がなくて、ある意味では必要最小限の増が見込まれる、これが筋じゃないかということを私ども発言をしてきたわけなんです。ところが、答申は、全体としては二百五十のワクの中で操作をすると言いながら、最終的には沖縄の二名は別ワクで認めて、そして減三、増三、こういうふうに取り扱ってきた。そういたしますと、答申尊重という政府態度というのは、どこに視点を置いて論議をしようとされるのか、私はこれは非常に大切な問題だと思うわけです。  もう一つは、比例代表制の問題が出てまいります。審議会は、一、二を抜かして、ほぼ賛成意見だったと私は思います。その比例代表制にしても、たとえば、国勢調査が行なわれて、それが概略県段階でまとまるのが十月ごろ、あるいは十一月ごろということになりますと、来年の選挙には間に合うことになるわけですが、そういうことからすると、立法措置はすみやかに行なわなければならない、こういう考え方と、もう一つは、それにしても審議会はまだ十分な論議をしておらないので、すみやかに第七次を発足させなければならないという問題が出てくると思います。ところが、第七次に対して、私どもは、率直に言って、実は社会党としての考え方は、もう国会議員審議会参加をしない、そのほうが論議としてはよりベターな論議ができるのではないだろうかという意見が出ております。その意見期待する意味においても、もっと審議会には——いわば毎年のベテランだけ、審議会なれしたベテランという意味ベテランですが、はたして今日の政治制度あるいは選挙制度についてほんとうに、新味のある見方をする人が加えられた斬新的な形のものかどうかということについては、実は私ども非常に失望を感じておる点が多々あるわけです。そうして、民主政治の土台を論議してもらう選挙制度については私ども参加をしないということと同時に、その選択は十分やってもらいたい、こういう気持ちを持っておるわけであります。  そういう意味を含めて、おそらく位置づけの問題もありますし、政党法の問題もありますし、論議をしてもらいたい、こう思っておるわけで、きわめて具体的な問題を実は私ども一年間取り扱った立場からお聞きをしておるわけなんで、もし大臣が実際上答弁が個々にわたるということであれば、事務当局からでも詳細にひとつ御説明いただきたいと思います。
  13. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 横川先生お話しのとおり、あの答申の要旨を大別すれば、二部にわかれて、一つ地方区定数是正の問題、一つ全国区の問題があったと思います。  そこで、全国区のほうは十分まだ論議が尽くされておらないということでございまして、具体的な内容提案については不十分な状態であろうと理解をいたしております。したがいまして、この点につきましては、さらに関係方面、また第七次選挙制度審議会を起こしまして、ここでこの立場で十分御討議を願うのが妥当な、適当な措置ではなかろうかと考えておりますので、さしあたりましては地方区定数の問題につきまして御答申が出ました分を立法化いたしたい、こう、自治省当局としては、ただいまのところ考えておるところでございます。しこうして、この問題につきましては、参議院制度創設のときの趣旨、その後の人口の移り変わり等々につきまして、詳細、御熱心な御討議がありましたことはただいまお話しのとおりでございまして、その最後結論が、あのように、いろいろの御論議がありましたが、定数地方区全体としてはふやさない、しこうして、沖縄の分をどうするかということにつきましても、投票の結果、これは別にする、そうして全体としての数をふやさないという御投票の結果の数からプラス・マイナスというものが併設されるような、これはいわゆる結論になりまして、六名減の六名増という御答申をいただいて、いきさつ等も私も陪席させていただきまして、まのあたりよく拝見し、かつお聞きしたところでございます。したがって、この得られました具体的な御結論尊重いたす、しかし、この間にいろいろ御論議があったことでございますから、この論議趣旨ということも十分考慮いたし、かつ関係方面の御意見等も参酌しながら立法化したい、大体こういう考え方に立っておる次第でございます。
  14. 横川正市

    横川正市君 あまり具体的なことは、ここでどう質問しても、答は得られない問題だと思うんですが、私ども一年間制度審議会に出て率直に感じた点で御意見を伺っておきたいと思うのでありますけれども政府答申を受けて、そして何回か、五次まで、その中で部分的に行なわれた分について、私ども京都を見て、問題点がたくさんあった点を指摘をされてまいりました。しかし、大切な点はまだ立法化されておらない。そのために不信感審議会委員の中にあって、そして非常に不信感の強かった人は、言って見ると、もう審議会期待をしないというような形にだんだんなってきた。審議会それ自体が実力を持たないというような傾向を示しているんじゃないかと私どもは感じたわけなんですけれども、これは、あれほど関係の向きに質問をして、大臣は、いや、党で意見を受けて、そして慎重を期したいと言うのですけれども、実は本家本元自治省は一体第三者意見どおりに右にゆれ、左にゆれるのか。そうでなしに、自治省としても、これは大切な問題だから、きちっとした考え方を持っております、なおしかし、これは民主的な方法、手段によらなければなりませんので、それぞれ識者の御意見をお聞きしたい、という、いわゆる審議会の置き方を主に置くか従に置くかという、これは失礼な言い方だといって怒られるかもしれませんけれども、実際上の政府制度の形からすれば、それくらいの考え方があっていいじゃないか。だから、出たものは少なくとも立法化が遷延されるということがないように取り計らうべきだと私は思うのですけれども、その点はどうなんですかね。もっとも、自治省のいろんな立場というものを私どもわからぬわけではないけれども自治省政党との関係ですね。大きく言えば、自由民主党とそれから自治省との関係ということになりましょうか。私たちからすれば、この選挙制度とかあるいは選挙法とかいうものは、ほんとうに国民が期待するように、大衆が喜んで参加のできるもので、そしてうしろ暗いところのないものであるならば、もろ手を上げて賛成をいたしますが、その点は、私たち態度としては鮮明にできると思うのですが、やはり自治省与党との関係が不鮮明だというところに非常に大きな問題があるんじゃないかと私は思うのですけれども、この点はどうなんですか。三百三議席の大台でやれることをやらないでおくという、そういうことは政治に対する不信感を非常に大きくすると思うのですが、この点はひとつ大臣からお答えを得ておきたいと思います。
  15. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 先ほどの御質問で、お答えが漏れました分がございますので、補充しながらお答え申し上げます。  すなわち、審議会構成のことでございます。いろいろとただいま構成について御論議がございまして、特に政党出身特別委員は廃止したらどうかというお話でございます。確かにそういう御議論政党の中からもございます。一部与党の中からもあります。野党の中からもあると伺っております。確かに傾聴すべき御議論でございます。この点につきましては、よく慎重に、さらに考慮いたしてまいりたいと思っております。また、皆さま関係方面にもさらに御意見を承る機会もあろうかと存ずるのでございます。そういう点を考慮して、なおこれに関連しましては、委員の任期の期間問題等論議なさっておられる、こういう点をあわせ考慮いたしまして第七次委員会をひとつ発足させたい、なるべく早く発足させたいとは考えております。  さて、審議会からいただきました答申取り扱いにつきましてでございます。これはもう、申すまでもなく、この趣旨尊重をさるべきでございます。しかし、問題は、関係方面といろいろ深い関係のある特別デリケートな問題を含んでおりますから、そういう方面の御意見も慎重に伺わなきゃならぬと思います。しかし、要は政府信念で、民主主義の健全な発展、形成のために信念を持って政府が当たるべきことでありまするから、政府の所存、考えるところによりまして、御答申趣旨尊重しつつ慎重に取り扱いたい。あくまでも答申趣旨尊重するという大本はくずしては相ならぬという考え方で今後も処してまいりたいと考えております。
  16. 横川正市

    横川正市君 どうも、やっぱり自治大臣、もう少しぴしぴしっと触れて答弁してもらいたい問題なわけですよ。いま現実には、たとえば今度の答申を受けた群馬とか、それから栃木とか、それから岡山ですか、ここは一体どうなるのかということを率直にそれは考えている問題なわけですね。それからさらに、今度は東京と神奈川とか、それから大阪ですか、これもまあ考えていることなんです。まあこれは実は非常に微妙な問題で、そのことが絶対答申尊重でいくのかと言えば、私どもは一貫して審議会でも言ってきましたように、あれは実情無視だと私は思っているわけですから、非常に微妙な問題だと思うのですね。しかし、審議会がああいう結論を出さなければならなかった裏側というものを私ども見てみますと、審議会そのもの構成にいろいろな問題点があるのじゃないか、しかも、それは与党審議会とのいきさつがあるんじゃないか、そういう点から考えてみて、審議会構成とか、それから審議会答申取り扱いとか、あるいはその期間の問題もありますけれども、そういった点で、もう少しぴちっと、自治省としては、欠陥を是正するような方向で進められて七次を発足させないと、同じことになっちゃうのじゃないかと思うのですね、第六次と。まあ私どもはやはりその点を強く七次には期待をかけておるわけです。私の党の論議では、もう特別委員参加しないほうがいいのじゃないか、これは全会一致、大体選挙関係では態度をきめて一貫して論議をする……。まあ他の政党の方はいざ知らず。ことに、審議会出席表大臣ごらんになったでしょうか。私はまあ、ほとんど予算ののっぴきならぬときだけは欠けましたけれども、私とか公明党多田君なんかも毎回出席をしている。しかし、与党の方の出席なんというのは、ほとんどこれは大竹さんだけじゃないですか。大竹さんだけで、ほかはほとんど出席をしないですね。そして、あとから出てきて、まがったの、ひんまがったの、ここはどうだの、ああだのと言って、さっと帰ってしまう。きわめて私は不信を持っているわけなんですよ。だから、もう特別委員参加しないほうがいいというのは、そういう意味もあるわけですね。だから、いろいろな意味で、制度審議会そのものに、実は私どもは、与党制度審議会関係で、たび重ねて不信感が積み重なっているし、同時に、出席の問題からいっても、これはどうも十分じゃない。六次発足のときにおそらく自治省委員を委嘱するのに困ったのじゃないですか。私もいやだ、私もいやだと言って。それでそういうことから来る審議会そのものを考えてみても、私はやはり政府の責任というのは非常に大きいのじゃないかと思っているんです。これは私どものほうの意見として申し上げて、ぜひこれは短期間に善処していただきたい、こう思います。  それから七次の発足は、これと関連しておるわけですね。もし特別委員参加させないとすれば、これは法律にはあるけれども参加させないでいこうというのか、法律があるからやむを得ない、参加しないとすれば発足できないということになるのか、その点はどういう取り扱いをされるかという問題もあるわけですよ。で、いろいろ論議をして、七次はすみやかに発足させなければいかぬということになるわけですが、その取り扱いは一体どうするかという問題もあるわけです。あるいは問題点全国区の比例代表ということか、政党法ということか、あるいは衆議院参議院定数問題とかということか、あるいはいわゆる衆議院に対する参議院の存在の明確化ということになるのか、いずれにしても、いま問題はたくさんあるわけですね。これのどれをとらえて今度は七次にかけられるのか。私は、そういったいろいろな点をもう少し議題として明確にしながら、事務的には少しスムーズにやっていただかなければいかぬことだと思うのです。まあこの点だけお伺いしておきます。
  17. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 政党出身特別委員の問題につきましては、先ほども触れましたが、御意見はございますので、十分この点を研究をいたしておるところでございます。まだ結論を得ておりません。  確かに出席等につきましては、御指摘のような実情はあったと思いますが、さればこそ直ちにこれをとってしまえというかどうか、さらにこれが改良をする点も考えられるのじゃないかというふうにも考えられます。そこで、もしこれをなしで発足させよう、政党出身特別委員は今回は第七次にあたっては入れないという場合に法律のたてまえからどうなるのかという御質問でございますが、この点も研究をしなければなりませんが、もしなしで発足させるという——かりにですよ、結論が出たとすれば、法律改正を必ずしも要しないのではなかろうかと、まあ卒然と私は考えますが、そういう点もあわせ検討させていただきたいと思います。  なお、審議すべき問題点につきましては、いまのところも、これまた検討中ではございますが、大体衆参両院選挙制度という、まあばくたる表現でございますが、その中に含まれる問題につきまして御審議を願うということになろうかと存じますが、この点はまだ正確に具体的にきめておるわけではございませんが、先ほどお話のありました参議院全国区のあり方等につきましては検討が残されておりますので、当然第七次について……。それから衆議院定数是正の問題、アンバランスにつきまして、いろいろ世論が起きておりますので、こういう問題を当然中心に御討議願わなければならないと考えておりますが、これらの点、諸点あわせ検討の上、なるべく早く第七次選挙制度審議会発足をさせたいと考えております。
  18. 横川正市

    横川正市君 私は、今度もいろいろな方と審議会の中で話し合いましたが、非常に熱意を失われて、もうこういう審議会なら私は参加しませんよというような意見もありまして、私もやはり失望を与えた第三者の方には申しわけないと思うのですが、この点はひとつ発足させるには十分配慮されて、すみやかにやっていただきたいし、それからもう少し問題をばく然としないで、狭めて論議をしていただくように、ある人の発言、もう全体のたいへん高邁な意見を言うこと、聞くことはいいのですけれども、それを答申に移して考えてみますと、全然別なことの発言のほうが多かったのじゃないかと思われるように、発言そのものがいい意見であっても、結論からすれば、まだそこまでいかないような問題に触れられておったということもありますから、その点はひとつはっきりとワクをきめて論議をしていただくというような姿勢も必要なんじゃないかと思います。これは要望として申し上げておきます。  それからもう一つは、最近行なわれた京都の選挙の結果は、こういう点が出てきましたですね。法定費用というものが一面きめられているのに、政党活動あるいは確認団体の活動の費用については、これは全く無制限であるということが、一体法定費用をきめられたことに対してその趣旨が阻却されているのじゃないか。この間の京都の新聞の発表によりますと、確認団体のやつが、柴田さんが一億二千何百万ですか、蜷川さんが、八千万ですか、七千何百万ですか。おそらくあそこの法定費用は七、八百万じゃないでしょうか。それの十倍以上の金が確認団体あるいは政党活動で使われているということが言われておるわけです。これの関係は一体どうなのかと。それから選挙事務所の持ち方ですが、選挙事務所は一カ所というふうにきめられているのに、確認団体があっちでもこっちでも事務所を持っている。やっていることは違うというようなことになっておりますけれども、まず、これは選挙をやっているわけでして、事務所が法律できめられていることと一体でどうなのかという問題が出てきたと思うのです。それから選挙カーの問題。もうあらゆる意味の車が、一時は京都の町の中を埋め尽くしたというくらい出たそうですけれども法律的にいえば、これは一台しかきまっておらない車なんです。そういうふうに、選挙法とそれから実際との中にいかにも矛盾をするような問題がたくさん出てまいりまして、これは全然だめだということにはなりませんけれども、あまりにも法律を野放図に解釈した結果として京都の選挙のような結果が出てきたんじゃないか。これは他の選挙に事例として出てくることはなかろうと私ども実際の調査のときには言いましたけれども、出てくるのは来年の東京都の知事選挙くらいじゃないかというような話もちょっと出ましたが、しかし、それにしても、やはり実態と法律との間にいかにも大きな食い違いがあるという点は一体どうしたらいいのかという点が私ども率直に感じた点なんですが、自治省としては、これについてどういうお考えでしょうか。与野党間にいろいろな問題があることも御承知だと思うので、さきの国会で制定された法律を今度は一つ置いて次の国会でまた元に戻すということも芸がなさ過ぎるようですが、しかし、経験の中から、より結果的に全体がうなずけるものであればいいわけですが、そういった点で、どうお考えになっておられるか、あるいは事務上どういうふうに進められておるか、お聞きをしておきたいと思う。
  19. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 京都知事選挙の結果、選挙運動、ことに政党政治活動の問題につきましていろいろ御論議が出たわけでございます。ただいま横川先生御指摘のとおり、政党あるいは選挙の確認団体の活動があまりにも野放図に自由に過ぎやしないか。これに関連いたしまして、選挙カーの問題とか、選挙事務所の数とか、いろいろ論議の対象になったところであります。そこで、われわれといたしましては、伸び伸びとした自由な選挙という、この基本の原則と申しますか、そういう基調は、これは尊重をしなければならないと思います。しかしながら、現実はあまりにも野放図で、そうして選挙法の思想を裏からくずすような実質がありはしないか、また、いろいろ政党あるいは確認団体選挙あるいは政治活動の自由の余りに、いろいろと無益な、そうしてまた大衆に対するいろいろな問題等も生じやしないか、生じたのではないかという反省の上に、政党活動自由の大本をくずさない範囲に、おきまして、あるいは機関紙の発行あるいはこれが配布のあり方につきまして、あるいはビラ等につきましても、ただいま御指摘の、選挙用に実質使われると思われる非常にむずかしい問題でございますが、自動車の数等につきましても、何らかの規制とはいかないまでも、取りきめをして、ある範囲の中にとどまっていただくという措置をとることは、決して選挙に関連しての政党政治活動自由の原則をくずさないでできるのじゃなかろうかという考慮のもとに、ただいま検討をいたしております。たいへんむずかしい問題でございますが、いまのような自由な政党政治活動を曲げない範囲において、実際の経験に徴して、行き過ぎと思われる点を是正する措置は必要ではなかろうか、その点を検討いたして、できましたら、これまた各方面の御意見を十分お伺いいたしまして立法化措置をとるべきではなかろうかと考えておるわけでございます。
  20. 横川正市

    横川正市君 一つは、私はこういうふうに思うのですよ。たとえば、日比谷公会堂で演説会を開きます。その周知のポスターが東京、三多摩を含めて全地域に張られる。これはいわば政党の活動だ、だからそのものは違法ではない、三多摩であっても東京へ来て日比谷公会堂の演説会に参加しないとは言われない、ということはですね、実は法律の拡大解釈だと私は思うのですよ。少なくとも日比谷公会堂を中心として、まあ来る人、帰る時間等を見て、その範囲というものはおのずときめられる。これが実はお金の問題に関係してくるわけですね。お金を使う範囲ですね、その行動と。政党活動と金の面とをどういうふうに取り締まるかというときの一番その大切なことは、やはりある意味で金のワクが厳格に守られて、その範囲内で政治活動あるいは選挙運動というものが行なわれるというふうに、ほぼ良識の線で一致することが必要なんじゃないのか。で、ある意味では、河合さんが取り締まり当局の立場で、得票一票百円ずつ、全部これは国営で、国で金を出して、そうしてそのワク内で選挙をやらせる、実際まあ政治資金とかなんとか、そういったものは認めない、こういう考え方だとか、あるいは小切手制にして、支出は全部小切手にして、そのワク内で選挙ができる、あるいは選挙活動も政党活動もできるようにとか、あるいは一定のワクをきめて、政党活動も選挙活動もそのワクを出ちゃいかぬという規定をするとか、いずれにしても金の面から最も合理的なきめ方をすることが妥当じゃないかという意味があるわけなんですが、そんな点についてはどうでしょうか。まあここでいま部長からの報告を聞きましても、表金としては二百五十七億が出ていますね。裏金は一体これはどのくらい出ているだろうかと、一般世論の中には政治不信の一環として持っているわけです。その中であっても、何十億という金を年間使われるところと、まあ私どものところは貧乏ですから、使おうたって使えませんからね。貧乏のひがみで言うわけじゃないですけれども、同じスタートラインに立って選挙一をやるときに、政策で戦わなければいけないときに、それを金のかさで、片一方はテレビは使いほうだい、新聞も使いほうだい、週刊誌も使いほうだいという一面と、そうでないということじゃ、いかにも私は民主政治の出発からして不公平な気がするわけですよ。もっとやはり、政策で戦うならば公平なスタートラインで戦えるような、そういう選挙法に私はすべきだと思う。これは理想としてそうだ。しかし、いまはそれがなかなかむずかしいし、それから、それができない点もありますが、しかし、大体常識の線で最大のワクはきめ、金のない者はしかたないから使いなさんなというかっこうの考え方でいいけれども、ある程度のワクというものはきめるべきじゃないか、こういうふうに思うわけですが、そうすれば、おのずと法定費用と確認団体の費用の問題とか、事務所とか、確認団体の事務所とか、あるいは選挙車などの広報車の問題とか、いろいろな問題はおのずとそのワクの中に、はまってくるのじゃないか、私はそういうふうに思うわけですが、まあ、最善か次善かわかりませんが、検討の余地があるかどうか、ひとつお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  21. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) ただいま、たいへん御示唆に富むお説でございました。候補者の法定選挙費用のほかに、政党支持団体のその選挙に関連するということになりますか、その費用につきましても、常識上、良識上、一定の限度があるべきである、したがって、これを法定化したらどうだろうかというような大体のお話であったかと承ったのでございますが、御議論といたしましては、御趣旨はよくわかるような気がいたします。しかしながら、一方に、政党政治活動、選挙をも含めまして、また確認団体政治活動、その自由の原則がございます。その中で、たとえば日比谷公会堂で演説をするというような言論活動、PRの活動、これについて、制限というもの、限界というものはなかなかむずかしいと思います。したがって、それに関連しての一つの法定費用の考え方政党その他団体政治活動の自由の原則から申しまして、なかなかその点はむずかしい問題があろうかと存じます。一ペンにそこまでいける、またそういくべきものだということにつきましては、御意見を御意見として尊重をいたし、研究をさせていただきますが、そこいらになかなかむずかしい問題点がありますが、十二分ではなくても、その他の方面から何らかの規制を加える必要はあろうかと、この点は考えておるのでございます。御指摘の点は十分ひとつ研究をさせていただきたいと思います。
  22. 多田省吾

    多田省吾君 同僚の上林委員政党政治活動について質問する予定でございますので、私は、いま横川委員から質問があった第六次選挙制度審議会答申取り扱い、あるいは第七次選挙制度審議会の持ち方、あるいは政治資金の問題から、来年の統一地方選挙における定数変動の取り扱い、さらに選挙年齢の引き下げ問題、こういったことを若干質問したいと思います。  最初に、私は、選挙年齢の引き下げ問題について質問いたします。  選挙年齢の引き下げにつきましては、ここ二、三年のうちに、イギリス、それから西ドイツ、アメリカ、こういういわゆる欧米諸国において拡大しております。大体まあ十八歳以上にしておるわけですが、この前も、イギリスですか、二十一歳から十八歳にしたような選挙が行なわれたわけでございます。これは一つの世界的な自然的な傾向だと思います。これを日本のように、たとえば政治問題として取り扱って、少年法の対象年齢を引き下げることと関連して論じてみたり、あるいは納税の問題と関連して論じてみたり、あるいは運転免許の年齢とか風俗営業の対象年齢と関連して、論じて、どうのこうのという論じ方はとらないほうがいいのじゃないか、あくまでも選挙年齢の引き下げは世界的な傾向なんでございますし、選挙だけの問題として論ずべきである、このように私は思うわけであります。自治大臣も、この前の衆議院選挙法特別委員会、あるいはこの前の記者会見等におきまして、この問題は検討する余地があるとは言いながら、閣議等においても述べられているようでございますけれども、この第七次選挙制度審議会答申の対象にはしないというような御発言があったかと思います。これは非常に消極的な姿勢ではないか、こう思われるのであります。私は、やはり日本の国民全体を欧米並みに、また世界的な傾向を尊重して十八歳に引き下げるべきであるという世論があるのじゃないかと、こう思うわけです。  それから、各政党におきましても、社会党さんは、規約の第四条に、やはり十八歳以上を党員とする、共産党さんも、同じく規約の五条ですか、やはり十八歳以上、わが党も、党規約の五十九条に、やはり十八歳以上を党員としております。民社党さんも、高校率ですから大体同じような年齢ではないかと思いますが、それを党員とすべき資格としております。自民党さんには明文がありませんけれども、つい数日前も、参議院の石原慎太郎氏が若手の議員を語らって、相当強硬に田中幹事長等に、選挙年齢は十八歳に引き下げるべきであるというような意見を吐いているようであります。そういった点からも見ますと、これは超党派的に十八歳に引き下げるべきだという声が強いのではないかと、こう思います。有権者が多いほど民主主義は徹底するのでございまして、こういう各政党の党員年齢も十八歳以上としておりますから、日本においては各政党の党員が十八歳、十九歳−、四百万人くらいいると言われておりますが、この方々が、党員ではあるけれども選挙活動はできないという、そういう矛盾もございます。最近の、やはり直接民主主義的な傾向が強いというのも、やはり十八歳、十九歳、もうすでに大学生になっているような方々も直接選挙に関与できないというような不満も強いのではないか。こういった、あらゆる観点から見て、自治大臣が積極的に、第七次選挙制度審議会に、この選挙年齢引き下げを諮問すべきである、諮問されたほうがよろしいのじゃないかと、こう私は強く思いますけれども大臣の御所見を伺いたいと思います。
  23. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 憲法の十五条の第三項に、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」となっておりまして、やはり成年者というところの一つの概念がございます。そこで、ただいまわれわれとしては二十歳成年というような関係を顧慮しておるわけでございますが、これを十八歳まで引き下げるべきかどうかということにつきましては、これはやはり論議すべき問題であると考えております。しかし、いま直ちに十八歳に成年者の条件を引き下げましてこれに選挙権を与うべきかということにつきましては、慎重考慮の結果にいたしたい、こういうのが私の考え方でございます。確かに英国は、過般の総選挙を年齢十八歳引き下げのもとに行なったのでございます。アメリカにおきましても、その手続を了し、いま実行の最終のいろいろ手続を踏んでおるように伺っております。西独またしかりでございますが、その他の欧米諸国の大勢は、二十一歳をもって成年とし、これに選挙権を与えるというのが大勢のように現状はなっております。この現状を比較いたして、わが国の、年齢二十歳をもって成年者とし、これに選挙権を与えるという現行制度は、必ずしも現状におきまして、世界の大勢上高過ぎるということには、まあ形の上ではならないわけでございます。  そこで、英国でも十八歳にまで引き下げるにつきましては、各般の議論を経、あらゆる角度から検討されまして、数年世論の批判にさらした結果、こういう措置をとった。その過程におきまして、やはり社会のいろいろの批判を経、また大衆の意識もその間にいろいろ向上し、練られ、成年の考え方もその問いろいろ練られるという、私は過程を経ておるものと考えます。そういう期間措置がやはり必要なのでありまして、社会の進展に即しまして年齢の引き下げということは十分考慮はしなければなりませんが、同時に、これがその国の社会状況に及ぼす影響等も十分研究、考慮をし、時間の経過も同時に必要である、こういうふうに考えられるのでございます。そこで、わが党議員の一部の方にも、十八歳に引き下げるべしいう議論が出ていることも承知いたしておりますが、いましばらく世間大方の御論議を経たのちに結論を出してもおそくないというような気持ちから、私としては慎重に検討さるべき問題である、したがって、結論はいまどちらともしておりませんけれども、前向きにこの問題を取り上げるという気持ちはございますけれども、いま直ちに選挙制度審議会の議に付すべきだとは考えておりません。それにするまでにも、十分世間一般の御論議を経たほうがいいのではないか、その上でひとつ態度をきめたい、こういう考え方でございます。
  24. 多田省吾

    多田省吾君 まあ、年齢引き下げは考慮しなければならないけれども、あまり早くやることは好ましくないような御意見だったと思いますけれども、私、大臣の御意見は非常に消極的のように考えられます。なるほど、憲法の第十五条に「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」というような、第三項にそのような文言がありますけれども、これは、国民の権利及び義務のところで保障された権利を言っていることであって、私は、決して十八歳に引き下げることはまかりならないという明文では全然ないし、関係ないと思うんですね。欧米諸国の大半はまだ二十一歳以上の人が選挙権を持っているというお話でございましたけれども、それが最近はだんだん、イギリス、アメリカ、西独のように、十八歳に年齢引き下げに踏み切っているわけです。そういう傾向はやはり見なければならない。そういう、欧米諸国の過半数が十八歳以下の年齢引き下げに踏み切ってから日本が踏み切ろうというようなお考えは、ほんとうにこれから民主主義を徹底しようというわれわれの姿勢、わが国民の姿勢、また、選挙について重大な権限あるいは監督権を持っているところの自治省態度としては、私は非常にうなずけないものがある、こう思います。  それで、イギリスにおいても数年間のいろいろな話し合いの末に制定されたとおっしゃっておりますから、それなら、やはりその論議を尽くすためにも、第七次選挙制度審議会のようなところに諮問なされれば、国民的な世論として論議を十分に尽くされていくのじゃないか、いまでさえ、もういろいろ投書等においても、十八歳に引き下げよという意見が相当強く言われているときでありますから、むしろ、そういう話し合いの場を設定する上においても、第七次選挙制度審議会に諮問したほうがよろしいのじゃないか、こう私は思うわけです。それで、もし第七次選挙制度審議会に諮問しない場合にも、審議会委員になられた方々の大方が、この前の第六次選挙制度審議会のときのように……。あるいはある委員から政党法の問題も論ずべきであるというような意見がありまして、第二委員会でその問題が論ぜられたというようなこともあります。そういったように、大部分の委員の方々の意見がまとまって、第二、第三委員会等においてこの年齢引き下げの問題を論ずべきだというような世論にならないとも限らないではありませんか。また、そうなったときに、大臣はどうなさるのですか。
  25. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) かりに第七次選挙制度審議会におきまして選挙年齢引き下げの問題が論ぜられますことは、決して政府として、これは法規上いけないと言うべき問題じゃございません。十分な御論議、大いに歓迎するところでございまして、この問題はわれわれとしても十分前向きに研究をし、検討をしていきたいと考えております。ただ、いまのところは、まだ直ちに正式に年齢引き下げの問題を審議会答申とさしてもらうべく、議に付するという態度はきめていない、こういうところでございます。
  26. 多田省吾

    多田省吾君 この前の衆議院選挙の結果、衆議院定数是正が必要だという論議が高まって、それで、自治大臣は、その問題を第七次選挙制度審議会に諮問したいと、このようにおっしゃった。国民世論が非常にわいたところでそういう態度をとられることは非常に私はけっこうなことだと思います。それと同じように、やはりこの問題もイギリスの総選挙以来かなり論ぜられているところでございますし、各党からもそういう意見が出ております。もう衆議院においても、民社党委員の方からもそういう要望があったと思いますし、また、自民党の方の中からもそういう意見が非常に強く出ております。そういう点から、私は、大臣のおっしゃるように、選挙制度一般について論ずべき第七次選挙制度審議会において論ずることは、当然これはかまわないと思いますし、これは大臣おっしゃるとおりだと思います。しかし、その前に、私は正式議題として第七次選挙制度審議会に諮問されたほうがよろしいのじゃないか、そういうことを申し上げているわけです。  次に、私は、先ほど横川委員からも質問がございましたけれども、この第六次選挙制度審議会答申で固まった答申というのは、大臣がおっしゃるように、参議院地方区定数是正でございます。三県を二名ずつふやし、三県を二名ずつ減らすという、もちろんこれは当然沖縄も二名ふやすという、この問題が固まって答申として答申されたわけでございます。この答申につきまして大臣先ほどお答えになった御答弁というのは、趣旨尊重する、多少の時間はかかるだろう、来年の参議院選挙までに間に合うようにというお答えもございましたが、衆議院委員会におきましても、この第七次選挙制度審議会は秋ごろ発足したい、それまでに大体の成案を得たいというような御答弁ではなかったかと思います。ですから、私はやはり、もう七月も半ばでございますので、秋から第七次選挙制度審議会発足するとすれば、七、八と作業を進めなければなりません。作業を進める上においては、当然私は、ふえるほうは問題はないと思いますけれども、減るほうの栃木とか群馬県、岡山県の意向なんかも選挙制度審議会では全然聞かなかったわけでございますから、そういった方面に打診も必要であろうかと思いますし、いろいろ作業すべき条項はたくさんあると思うのです。で、一体そういう作業をどの程度いま現在進めておられるのか、そして、はたして第七次選挙制度審議会発足する予定の秋ごろまでにその成案をきちっと得ようとなさっておられるのかその辺をもうちょっと具体的に御説明願いたいと思います。
  27. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 大体、先生がお示しのような気持ちで、いま事の運びをいたそうといたしております。はっきりしたことはまだ申し上げられませんが、まあ秋ごろにはなるべく遅滞なく第七次選挙制度審議会発足させたい。それがためにも、また来年の参議院選挙のためにも、第六次選挙制度審議会でいただきました答申の結果につきましては成案を得なきゃなりませんが、はっきりと文章に成文化されてから第七次選挙制度審議会発足をはかるというほどの成案でなくても、大体の見通しがつきますれば、それと前後いたしまして、こういうふうな措置もとるつもりでございますので、第七次選挙制度審議会をひとつ発足させたいので御参加を願いたい、こう申し上げる順序に当然なろうかと思います。  そこで、その大体の、来年の参議院選挙に関しまする地方区定数是正の問題につきましてはプラス・マイナスがありまして、答申の線に沿うために、御指摘のとおり、プラスは容易にしてマイナスは容易ならず、ここいらに当然、皆さまの御意見も伺い、実情もよくしんしゃくをする必要があるわけでございまして、それらにつきましてそろそろ御意見を一部聞き始めております。また、実情調査にかかっております。いろいろ作業にも取りかかっておる段階でございまして、大体多田先生お示しの方向によって、順序を立てて処置をいたしてまいりたいと考えております。
  28. 多田省吾

    多田省吾君 先ほど横川委員から社会党さんの態度についてもお話ございましたので、私も一応簡単に、わが党の態度を申し上げたいと思いますけれども参議院地方区定数是正につきまして、私たちは抜本的な改正をすべきであるという観点から、昭和二十一年参議院地方区定数を制定した当時の基準に返るべきだと、こういうことから、斎藤内務大臣が議会ではっきり申したように、最低二名の線は維持する、そしてそれ以外は全部人口に比例するようにしたという姿ですね。これはそのとおりになっております。それにのっとって、わが党は二十四人増・二十四人減の案を出したわけでございますが、残念ながら、審議会の大勢は、まあ暫定的の増減案を示すべきであるというような大勢になっておりましたので、私たちはさらに実現可能な方法として、とにかくアンバランスがひどい県をとって、たとえば東京、大阪、神奈川のみならず、宮城県等も加えて十四人増を主張したわけでありますけれども、残念ながらそれも取り入れられなかった。そして調整委員会でつくってきた三つの案というものの第一案、今度答申になった三県六人増、三県六人減という、そういう案が第一案、第二案は大阪と神奈川二人ずつ増、第三が東京、大阪、神奈川の六人増、そういう三つの案があったわけです。ところが審議会会長が、それをいわゆる多数決できめたわけでありますけれどもほんとうは私は第三案から一つずつ挙手をすべきだとは思ったんですけれども、どうもそのやり方が、人数をふやすほうと、それから増減案と二つの採決を最初にとって、三案、二案というものは個別に賛否を問われなかった。ところが、大勢というものは、大体特別委員も、それから一般委員の方も、第三案を口に出して賛成する人が多かったように思いますけれども、どういうわけか第一案が通ってしまったという状況です。  私たちは、公正な審議を経て調整の三つの案ができた以上その中から選ぶべきだと思いまして、私どもも一応実現の可能性のある第三案を支持したわけでありますが、通ったところの第一案というものは、これはむしろ、三つの県が減になりますのでたいへんじゃないかという点から、好ましいけれどもこれはたいへんだなという感じを持っていたわけでありますが、それは決して私たちは否定するものではございません。それが通った以上は、やはり暫定的な増減案として審議会答申どおりにこれを私たちはやるべきだと、こう思います。もし、この答申政治的な配慮というような姿でこのまま流されてしまいますと、もう、第五次選挙制度審議会の緊急措置すべき事項として答申されたところの政治資金規正法改正案も全然通っていない、今度の参議院地方区の案も通らないとしたならば、先ほど横川委員のおっしゃったように、これはますます審議会の中に不信の念が強まって、第七次選挙制度審議会以降においては、だれも、幾ら審議を尽くして答申しても実現不可能であるならば、やるかいがないということで、みなやめてしまうだろうと思います。  そういう姿でありますから、特別委員の中からも、やはり特別委員には入りたくないというような声も当然出るんだろうと思います。そういう意味で、私は、この参議院地方区の今回の答申は、やはり万難を排して実現させるべきだと、こう思います。それと同時に、第五次選挙制度審議会において答申された政治資金規正法も、おそまきながら次の通常国会等においてはぜひ通すべきである、こう思うんです。ですから、もう一回、大臣のそれに取り組む姿勢というものもお伺いいたしたいし、また二番目には、いろいろいま作業中であられれば、政治的な配慮なんということは論外といたしまして、技術的な問題あるいは作業的な問題、こういった問題はいろいろあろうかと思います。どういう面がネックになっているのか、また、問題にすべき点はどういう面なのか、そういったことを踏まえて、ひとつ現在の進行状態をお知らせ願いたい。
  29. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 何回も申し上げておりますが、選挙制度審議会答申はその趣旨尊重いたすことによりまして選挙制度審議会委員の方方の信をつなぎ、第七次選挙制度審議会をなるべくすみやかにして、とどこおりなく発足を期したいと考えております。その点から申しましても、本来の趣旨から申しましても、答申趣旨尊重いたすべく、せっかく努力をいたしておるところで、しかしながら、御指摘のようないろいろな点がございます。ことに、プラスはとにかくとして、マイナスの県の実情等、これまた、先ほどから申し上げておりますとおり、十分これは検討をし、研究をして成案化に当たらなけりゃなりませんので、その点を検討調査等をいたしております。かつまた、ふやすにいたしましても、どういうふやし方をするか、いろいろ経過的な措置もあろうかと存じます。また、二名増をどういうふうに処置をしていくかという問題でございます。あるいは成文の実際上の事務的な書き方、これらについては事務当局がそれぞれ配意を始めて検討をしておる段階です。ようやくその緒に入ったという段階であると存じております。
  30. 多田省吾

    多田省吾君 しつこいようでありますけれども、やっぱりもう一回お聞きしないと、ちょっと大臣の御真意がわかりませんが、たとえば、ふやすにしましても、段階的にというようなお話もございましたけれども、たとえば、群馬、栃木、岡山三県の減る県についても、まだ全然話し合いも行なわれてないというようなふうに聞きましたけれども、もしそういったところで支障が起きて、どうしてもまたできないとなれば、第三案の三県だけをふやす案を考えられるというような、次善の案としてそういったこともお考えですか。それとも、第一案、三県増・三県減案が通らなかったならば、答申のままでなかったならば取りやめると、こういうようなお考えをお持ちなのか。具体的な問題でお答えにくいと思いますけれども、ちょっと、いま含みのあるようなお答えのニュアンスを感じましたので、その点もちょっとお聞きしておきたい。
  31. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 成文化の最終の形につきましては、まだどうすべきだというまでには検討が至っておりません。まことに抽象的なお答えで恐縮でございますが、あくまでも、ただいま横川委員お答え申し上げましたとおり、答申結論尊重し、かつまた、あの答申が得られましたいろいろ御論議のしわと申しますか、いきさつにつきましても、事情につきましても、これらを考慮しながら結論を得たいと。しかしながら、あくまでも答申趣旨委員会全体の趣旨をそこなわない、これを尊重した基調というものは、あくまでも維持したいと、こう考えております。
  32. 多田省吾

    多田省吾君 次に、第六次選挙制度審議会答申の中に、答申までには至らなかったのでありますけれども、いわゆる選挙管理機構及び機能の強化については相当具体的な答申が出ておるわけです。私は、この問題につきましても、最終的に第二委員会の成文化におきまして、もっと確定的な答申というような内容が出るんじゃないかと期待しておりましたけれども、どういうわけか、ちょっとぼうばくとした報告に終わってしまいましたので、はっきりした答申の形はとっておらない。これは認めます。しかしながら、もうすでに第一次選挙制度審議会におきまして、この問題はほぼ答申されている。その中から八割ぐらいはもう法制化されている。あとの二割ぐらいがまだ残っているわけです。その審議会におきましても、あとの二割も法制化すべきだと、こういう意見も強かったし、あるいは新しく問題のできた、選挙局から選挙部に格下げになったことは非常に国民の選挙に対する熱意をそこなうものであるという点から、むしろ選挙庁にすべきである、こういう意見もかなり強かったわけです。こういった問題、あるいは選挙の管理機構に対して、もっと充実強化して、いろいろ政党の政策であるとか、そういったことをPRもし、あるいは選挙にあたっても、ただ取り締まりのような、あるいは選挙の票を数えるだけの姿ではなくて、相当啓蒙的なものも織り込むべきであるとか、あるいは事務局も各地区の選管に設けるべきであるとか、いろいろ具体的な提案もかなりあったわけです。こういった面につきまして、来年の統一選挙あるいは参議院選挙においてこれを取り上げて、そして前向きに選挙管理機構を前進させるお考えはございませんかどうか。そして、ちなみに、本年の五月二十一日の全国市区選挙管理委員会連合会の第二十二回定期総会の決議におきましても、政府においては選挙管理委員会の機構の充実をはかってもらいたいという強い意向もあります。こういったこともございますし、せっかくあの審議会において相当まとまった報告も出ているわけでございますから、今後選挙管理機構について充実するお考えはないかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  33. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) この問題は、衆参の当委員会におきましても、また、選挙制度審議会におきましても、また、世間一般におきましても論議をされ、選挙制度全体とともに、管理機構の充実、その機能の強化につきまして政府は意を用うべしという世論でございます。確かに、民主政治の基本であります選挙、それの自由、公正な執行につきまして選挙管理委員会が果たすべき役割りは重大でございまして、自治省内の選挙局が部に格下げになったことは私は遺憾に存じます。何とか庁までという御議論もございますが、その趣旨は十分よくわかりますが、せめて前の局まで戻すという形も必要だと、実質的の人数等は減ってはおらないのでございますが、やはり役所仕事につきましては、その名称、体制が一つの問題であるという御指摘も得ておりますので、この点につきましては検討をしてみようと思っております。しかし、まあ行政整理、また、それの効率化というような大きなお題目との関連もありますけれども、さらに検討をしてみたいと思います。  地方及び府県その他の選挙管理委員会につきましては、立法化で常設事務局を置く等々の措置につきましては、いまだそこまで考えがまとまっておりません、正直申し上げまして。しかしながら、市町村長に、選挙管理委員会の機能の充実につきましては十分意を用いていただくようお願いをしておるところでありまして、選挙の事務、ことに開票事務等におきまして、過般江東区でしたかにおける選挙管理委員会のミス等もありましたので、これが正確を期し、かつ能率化をはかる点につきましても今後一そうの配意をしなければならぬし、注意をお願いもしておりますが、積極的に選挙に関する啓蒙活動を盛んにする点は最も大事なところじゃなかろうかと思います。機構とともに、その機能の強化充実については、焦点を選挙及び政治に関する国民、住民の啓蒙という点に意を注ぎまして、何らかのくふうをしてみたいと考えております。いまだ成案を得ておりませんが、これらにつきましても、ひとついろいろ御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
  34. 多田省吾

    多田省吾君 次に、私は、第七次選挙制度審議会発足、あるいは今後の運用について、二、三お聞きしたいと思うんです。  大臣は、選挙制度審議会運用の基本方針をどのように考えていらっしゃるのか、任期一年だけでは非常に審議のあり方として期限が足りないのではないかという意見もかなりあります。この第六次選挙制度審議会がちょうど総選挙にかかりまして、二、三カ月のブランクもございましたし、まあ二年ぐらいにしたほうがいいんじゃないかという意見も、社会党さんからもそういう意見も出ましたし、それは非常に大きい意見だと思います。こういった根本的な基本方針についてお伺いします。  それから、選挙制度審議会のあり方でございますが、第六次選挙制度審議会の運営を見ておりますと、フリートーキングが主でございまして、実現可能な、あるいは答申可能な問題を特別に取り上げて、それをぐんぐん討議を進めて答申できるまでの成案を得るというような配慮が一つ足りなかったのではないかというように考えております。それから、先ほどお話がございましたように、まあいろいろな面においても希望すべきことはあります。たとえば、委員構成につきましても、私も、やはり少なくとも選挙に最もたくさんの人口を持っておりますところの青年ですね、青年の代表等も入れるべきであるし、また、まあ半分以上が婦人層でございますけれども、御婦人の委員というものは、まあ大浜さん以外はいらっしゃらないわけですね。そういう代表も加えるべきじゃないか。そのほか、労働組合の代表の方とか、いろいろな代表の方が必要なのではないか、そういう方を加えれば、もっと幅の広い御意見も出るんじゃないか、このように感じられます。  それから次に、選挙制度審議会に事務局を設けられたらどうか。いま社会保障制度審議会には事務局がございます。社会保障制度審議会に事務局がございますのに、この非常に大事な、また毎年行なわれておりますところの選挙制度審議会に事務局がないということは、答申の作成あるいは審議の前進の上であるいはまずいのではないかと、こう思います。事実、第六次選挙制度審議会におきましても、非常に資料が足りない。事務当局から出していただける資料が足りない。で、前回の委員会会議録——それも要綱だけです。それがいつも出るだけですね。あと第五次選挙制度審議会の要綱、これが一冊ずつ出ますけれども、これも、うちに持ち帰れないで、その場で見るだけというような、そういう配慮しかしていただけない。たまたま委員会の席上資料要求いたしましても、なかなかはっきりした資料を得られない場合もございました。で、わが党の伏木委員あたりは、この全国区の審議を進めるために、ちょうど衆議院選挙区制改正論議が行なわれた第五次選挙制度審議会におきまして、いろいろな試算もあったわけですね。小選挙区制にした場合に各党どのくらいの当選数が出るだろうかというような試算も行なわれたわけです。ところが、伏木委員が、それじゃ全国区にした場合に、いまの全国区の得票から見て大体各党どのくらいの当選数になる可能性があるか試算をお願いしたいと言ったところ、これは考え方が違うからだめだというのですね。衆議院選挙区制では、審議のときに、はっきりそれ以上のいろいろな不備な要素があったにもかかわらず、それが出せたのに、参議院全国区の試算が出していただけないというような、こういうことは、ちょっと私たちにとって非常に不満でございます。そのほかに、第六次選挙制度審議会の最中に参考人は一回呼びましたけれども、参考人の呼び方が非常に足りないのじゃないか。また、地方派遣の調査ですね、あるいは選挙の実態調査、こういったこともなされておりませんし、また、参議院地方区でも減員になるところ、また増員してもらいたいという強い要望の県なんかありましたね。そういう県に出張して、いろいろ意見を聞くというところまで至らなかった。地元の意見を全く聞かなかったような、こういう状況では、私はちょっと審議会のあり方として前向きではないのではないか、こう思われるわけです。また、その当時、京都知事の選挙なんかも行なわれておりましたけれども、その前哨戦のようなものがありましたけれども、その当時においても、やはりそのほかのいろんな選挙の状況もあります。第二委員会においては選挙の浄化の問題がかなり取り上げられたのでありますが、そういった地元の意見を聞かないために、なかなか自主的な論議が進まないというような難点も、ございましたし、そういったいろいろな点から見て、私は事務局を設置したほうが論議が進むのではないか、こういうことを感じます。  ですから、この審議会の二年延長の問題、あるいは事務局設置の問題、それから第七次選挙制度審議会における委員の選出の問題、こういった問題を、まず御質問したいと思います。
  35. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 選挙制度審議会委員の任期の問題、また活動のあり方の問題、その構成の問題、特には事務局について御質問があったわけでございます。任期の点につきまして、あるいは構成メンバーの点とともに検討中でございます。したがって、ここに自治省の案としてオーソライズされたものを、いまだ申し上げる段階ではございませんが、確かに私、私見といたしましては、任期の点につきまして、従来の一年は短いのではなかろうかという感じを持っております。もちろん、一年でも充実した御審議を願いますれば足り得る、さらに年を重ね、継続をするということによりまして、短期であるという意味の欠点は補い得るわけでございます。したがって、一年制でも差しつかえないという議論は十分論拠を持っているとは思いますが、しかし、一年ではやはり足らないような継続的な問題の審議がある。かつは、一年ごとに改めて御編成を願うという事務的ないろいろ問題点もございますので、私個人としては、任期を一年にとどめず二年ということは、相当考うべきことではなかろうかというふうにも考えられます。しかし、これはまだ私の私見にとどまります。  いろいろ御審議のあり方につきまして、これは審議会の独自の問題でございますので、御意見等は、あとで第七次ができましたならば十分お伝えをいたし、また、事務局の問題とも関連いたしますが、そういう点等を通じまして、能率のある御審議を願えるように、いろいろお願いすることは可能でございますので、また諸先生を通じ、またわれわれから、おりに触れ、ときにつれ、お話し申し上げ、意向も伝えたい、こう考える次第でございますが、実のある能率的な御審議を願うように、いろいろくふうすることは当然のことであろうと思います。  しこうして、委員の方々の人選につきましては、国民各層の意見を取り入れられるように配慮をすることは当然でございます。しこうして、これらにつきましても十分考慮をいたしてみたいと思いますが、常設事務局の特設につきましては、この選挙に関する問題点は非常に複雑微妙な問題を含んでいるわけでございますので、事務局と一がいに申しましても、なかなかむずかしい問題でありますので、現実のところは自治省選挙部をひとつ御利用願うことが時宜を得た適切な方途ではなかろうかと思うのでございます。しこうして、過去の実例等においていろいろ資料の収集も時間がかかる、また十分でなかったというお話でございます。まことに恐縮に存じますが、これらの点につきましては、今後さらに、先ほど申し上げました選挙部の機能の充実等を通じまして、今後の選挙制度審議会の要望に応じ得るよう、その機能を強化してまいることによりまして、ただいま御指摘の点に応じていったらどうだろうかということを考えております。  なお、もとに戻るのでございますが、構成の中で特別委員の問題、政党出身特別委員をむしろこの際とって、まあ意見を親しく聞くことは必要でございましょうから、委員じゃなくて、参考人というような処置をお考えのことかと思いますが、この点につきましては、私の意見はまだ固まっておりません。自治省としても固まっておりません。とにかく選挙の実際の経験を経ておられる政党出身国会議員の御意見、これは十分尊重さるべきものでございます。その意見がある程度反映し、ある程度やはり答申の結果に、何らかの、まあ責任を分担していただくという制度が必要ではなかろうかという点につきまして、十分まだ考慮すべき問題を残しておるように思いますが、今後それらの点、十分検討さしていただきたいと思います。
  36. 多田省吾

    多田省吾君 まあ任期の点は、大臣の御私見として、二年が望ましいから、その面でさらに御検討なさるということで了解しましたけれども、私は、特別委員の点につきましては、横川先生とは違った意見を持っておりますけれども、確かに横川先生のおっしゃるように——具体的な問題が出ましたので述べますけれども与党委員の方々が、ときどき出て話をむし返すようなことになりますと、また逆戻りというような面が相当ありましたので、そういった面で横川先生も非常におこっておられたような点があったのではないかと思いますけれども、私は、委員構成ですね、こういった、青年あるいは婦人、あるいは労働組合代表、こういった方々をどんどん入れていただく、こういう構成をはっきりしてもらう、そして、第六次選挙制度審議会等において、ほとんど欠席されていたような委員の方も多数見受けられたように思いますけれども、そういった点を考慮されて、構成をもう少し民主的にはかっていただきたい。  それからもう一つは、たとえば、委員会を公開していただきたい。いまは、総会は公開でありますけれども委員会は非公開でございます。ですから、選挙制度の問題は、公開にしたら思想調査のようなニュアンスになるんじゃないかというような面は、私は考えられる必要は毛頭ないのじゃないか。それぞれ委員ははっきりした御意見も持っておられるわけですし、結局、非公開といっても、当局のほうから、記者の方々にも御説明があるわけでございますけれども、ときたま私はニュアンスの違いというものも感じますし、むしろ公開にしていただいて、活発な論議を展開したほうがよろしいんじゃないかと、このように思うわけであります。こういった点を考慮すれば、私は特別委員会の問題も公開していいんじゃないか。むしろ、選挙制度審議会委員は、総理の諮問機関でありますから、まあ構成の面にも私は大きな問題があるだろうと思います。もし、ここで野党の特別委員等が、全部、参考人という形は残りましょうけれども、引き下がるというようなことになりますと、やはり私たち意見がその審議会に反映されない、そしてまた、特別委員が全部引き下がった場合に、どうしてもそのほかの難点ができてくるのじゃなかろうかというようなことも考えますと、一がいに引き下がったほうがいいということは言えないんじゃないか。ただ、いまのような弊害がある以上は、私ども特別委員もなるべく最初は発言は控えたいというようなことで思っておりますけれども委員の方々の活発なる御意見がありませんと、つい私たち意見も多くなるという傾向も確かにあります。そういう点を考慮すれば、私は特別委員参加してもいいのじゃないか、ただ、いまのような現状じゃ、やはり横川委員がおっしゃるように、ちょっと問題が残る、こう思うわけであります。こういった委員構成の問題、あるいは委員会の公開制の問題を大臣はどう考えておりましょうか、その辺をちょっとお尋ねしたいと思います。
  37. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 会議の公開、非公開の問題は、確かに公開が原則であり、民主的であると存じますが、これは委員会の自律制の問題もありましょう。また、問題によりましては非公開で論ぜられることの適当な問題もあろうかと存じますが、さらに検討してみたいと思います。  構成のメンバーにつきましては、労働界、青年代表、婦人代表と、こうはっきりカテゴリーを分けるような法制化の必要は私はないのじゃないか。しかしながら、いま御指摘のような、広く意向を代表するような人選ということは当然必要なことであります。その人よろしきを得、国民各層の意見を反映せしめるように配意されるべきものであり、その点は今後もよく検討いたしたいというふうに思っております。
  38. 多田省吾

    多田省吾君 次に、私は、来年の統一地方選挙が行なわれるに際しまして、議員の定数の変動につきまして、いままでもいろいろ論ぜられてまいりましたが、いままで国勢調査の結果がどうしてもおそくなるので間に合わない、そういう難点があるから見込みが薄い、現状のままの定員でいくという方向じゃないかと思っておりますが、そろそろ選挙が近づきますと、各都道府県の意向といたしましても、それを早く示していただきたいとか、あるいはどうしても定数是正をやっていただきたいというような意見もかなり強いようでございます。これは、選挙法いまの定数のアンバランスについては、かなりこの四、五年間で強くなっておりますので、このあるいは自治法によって、議員定数は最近の国勢調査の人口によることになっておりますから、定数是正をあらゆる障害を乗り越えてやったほうがよろしいのじゃないか、こう感じております。参議院地方区あるいは衆議院選挙におきましても、このアンバランス是正という問題は大きな問題になっていると同様に、やはり地方選挙においても大きな問題になっているわけであります。現在はもう時期的に、この方針を確定すべき段階じゃないか、こういう点から、大臣としてどのようにこの問題を考えておられるのか。  ちなみに、昭和二十五年におきましても、二十年前におきましても、ほぼこれと同じような状況があったのであります。二十五年に国勢調査があって、昭和二十六年の四月に統一地方選挙というものがあったのであります。その当時は日本の人口は九千万、いまは一億、あまり変わりありませんが、その当時はコンピューターがなかったにかかわらず、やはりきちっと大体全部の都道府県の定数是正を間に合わせて選挙をりっぱにやっております。二十年後の今日、コンピューターも発達し、また統計能力も増大した今日、統計が間に合わないから定数是正はできないというような後退的な姿であってはならないのじゃないか。この観点から、大臣は統一地方選挙における議員定数改正についてどのように考えているか、お尋ねいたします。
  39. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 統一地方選挙施行にあたって、よるべき定員のその基礎になる人口、これは、人口によるべきことは法の命ずるところでありますが、その人口数というものの確定の時期がいろいろ問題を起こしているのだと思います。人口によるべきことというのは、人口の確定数によらなければなるまいかと思っております。その確定数の発表が全国一律にいつ行なわれるか、あるいは一律に行なわれないとしても、いつ最終に全体としてまとまるであろうか、こういう時期が、統一選挙の時期との関連におきまして、いろいろ複雑な問題を提起してまいるわけでございます。すなわち、統一選挙が行なわれる四月を前にして相当期間前に確定数全国最終確定に至っておりますれば、その新人口で当然やらなければならないということで疑問の余地がございません。しかし、この点につきまして統計局といろいろお打ち合わせをいたし、お伺いしておるのでございますが、どうも最終的には五月になるということらしいのであります。そうしますと、あるものは確定数選挙当日までにきまっておる、あるものははっきりしないという面も出てくる。そのときに、一体、あるものは新人口でやる、あるものは旧人口でやる。全国統一選挙と銘打たれている選挙におきまして異なっておって、その選挙の条件の母体である人口のとり方が、基準がいろいろ不統一であっていいのであろうか、どうであろうか、こういう点でございます。あるいは、好むところにまかせたらどうだろうかというような御議論もあるわけでございます。しかし、これまた不統一という点につきましては免れないことになります。しからば、確定数によらずして概数をとったらどうだろうか、概数と確定数との誤差の確率は過去の経験によって非常に僅少である、よって概数を用いて、概数ならば今年十月行なわれる国調は本年末には出るであろう、したがって、その概数によってはどうだろうかという御議論もあり、また考慮にのぼせなければならない点でございます。なるほど、概数によるべし、それで差しつかえないのだということが法にありますれば、それも考え方でありますが、しかし、概数とても、誤差は僅少なりといえども、たとえばその僅少の誤差が、定数を上下すべきボーダーラインの数に当たった場合には、減らすべかりしものを減らさなかった、あるいは減らさないでよかったものが減ったというようなことが万が一起きないとは限らない。そういう場合を予想いたしました場合に、人口の確定数によるというのが法のたてまえではなかろうかということも考慮されなければなりません。そういう点を考慮いたしまして、ことし行なわれる、十月行なわれる国調の確定人口が、統一選挙期日前相当早期に全国最終の決定をみますならば問題はございません。どうもその点は、選挙にかかる、選挙後に最終の確定数の発表があるというふうな実情でございますから、その間に処して、いろいろ考慮いたしておるわけでございます。しこうして、旧人口によるべしという態度をいまだ確定をいたしておるわけではございませんが、その点をいろいろ考慮いたしまして、しかしながら、これは選挙をされる方、また事務等々のこと等を考えますと、相当早期に方針を確定しなければならないということも十分考慮しておるところでございます。
  40. 多田省吾

    多田省吾君 結局、いまの大臣お話によりますと、統計局の集計作業のスケジュールはどうかということに相当影響されるように思います。統計局長に来ていただいておりますので、念のためにお伺いしたいのでございますが、昭和二十五年の国勢調査のときには、この統一地方選挙の施行に際して定員是正が行なわれるに十分な作業が行なわれているわけであります。早期に集計作業が完了しているわけですね。いま自治大臣お話を聞きますと、どうしても統計局が五月末になりそうだ、非常に二十年前と比べて作業がおそいのじゃないかというように考えられます。きのうも内閣委員会で、行管局長等がおりましたので、このことでちょっと質問をしたのです。そうしたら、まあこの前の予算編成時におきましても、そんな強い要望もなかったし、また、いまの人員で十分な集計は行なわれるはずであると、こういう確定的なお話もあったわけですね。集計がおくれるというようなことは聞いていない、集計に必要なだけの十分な人数がいるはずだ、そしていろいろコンピュータ等もあって、むしろ、人口ではありませんでしたけれども調査事項に関しては、いままで四年だったものが二年に短縮しているとか、そういう話もあったわけでございます。そういう点で、統計局は、今年が国勢調査であり、また当然その人口集計から統一地方選挙の定員是正もからんでくるということは、自治当局からお聞きになって、十分心得ておられたはずでございます。その集計作業のスケジュールは一体おそくなるのかどうか。それから告示時期や国勢調査の方法はどういうふうな御予定なのか、その辺をお尋ねしておきます。  それから、いま大臣がおっしゃった十二月、今年の暮れに集計できるであろういわゆる集計表ですか、概算集計ですか、これらのものの正確度はどのようなものか。
  41. 岡部秀一

    説明員(岡部秀一君) 国勢調査の確定人口でございますが、これについて、われわれも、統計は何といってもこれは正確というか、早く作成するということが使命でございますので、いろいろ苦心をしておるのでありますけれども、二十五年のときと今度は非常に事情が違っておりまして、これ、非常に能率のいい電算機を今度また入れるわけですけれども、実はこの人数数えは、人手で、一人一人がこれを確認して数え上げるので、電算機は使えないという状況なのであります。電算機のメリットというのは、調査の結果のいろいろの統計をつくるわけですが、今度の四十五年度はこの前の四十年のときの約六倍にも当たるものを、前回と同じ期間に、いろいろミックスしたところの統計表をつくる、ここに電算機のメリットがあるわけでございまして、人数を一人一人数えるということは、これは人手で全部やる、それしかできない。こういう状況になっておるところがネックになっておるわけでございます。対象人口がふえておることももちろんですし、二十五年といわず、この前の四十年度は九千八百万ですが、これが一億四百万、人数が非常にふえておるという問題。実は、従事する職員ですけれども、これが総定員法で定員はゼロでございます。全然ついておりませんのでございます。そして臨時職員を……。これは先ほどお話で、何の要求もなかったというのですけれども、とんでもないお話でございます。これは私、日参するほど足を運びましたのが実情でございまして、にもかかわらず、これはつかなくて、わずかに臨時職員が二百人ほどついたにすぎないのであります。二十五年のときには臨時職員が千百七十一人という人間がついておるのでございまして、とてもこれくらいの人数ではできない、こういう状況なんです。しかも、この職員は高校出の女子職員を採用するのですが、これが人手不足で、なかなか集まりません。現在定員でも、私のところは全部いつでも万全に全部いるという状況にはなくて、一生懸命募集してようやく間に合わせる。これが臨時職員だと、よけい集まらない。定員でも応募者が不足しているところへ、臨時になると、なおさら入らないという状況なので、この点でも非常に状況が違っておるので、なかなかむずかしいという状況でございます。それに、基本集計という、これは各省が矢のように催促する別な集計がございます。これをやらなければならない。こんな状況で、われわれも何とか間に合わせたいと思ってやりくり算段いたしておりますけれども、どうしても全部やり切るのは五月末、五月末ならば確実に全部をやり遂げるということができます。これも、大きな県——東京、大阪、こういう大きな県は、調査する者も非常にやりにくいし、これの調査票が上がってくるのが十二月二十日という目安を置いておりますけれども、これがいつになりますか、そういう局内だけの事情だけでなくて、全国にまたがる事情があるという点がございます。しかし、それらを勘案いたしますと、五月末には全国全部の確定人口は洗うことができるという自信を持っております。早いところで四月から五月というところ、それをまあ従来同県かずつ発表いたしておりますので、最大早くて三月の下旬ごろですね。何県できるか、大部分は四月と五月にかかる。こういう状況でございまして、どうも機械だけというわけではなくて、人手と、そんなような状況ですので、いまここで確実にこれができるということ、特に二月にはこれは絶対に、ほとんど事実問題で不可能であるという状況で、まことに御要望に沿えない状況ですが、こんな状況になっております。
  42. 多田省吾

    多田省吾君 まあ、大体お話趣旨はわかりましたけれども、大体十二月二十日ごろに都道府県からの集計は全部総理府の統計局に届くんじゃないかと思うのです。それも、きちっと強く都道府県にお願いすれば、それくらいは例年やっているのですから、それは可能だと思うのです。十二月二十日に全部都道府県から集まってくる。で、いままで何回も何回も国勢調査は行なって、なれておられるはずなんですね。人員が、臨時職員がいままで千百人だったのが二百人しかもらえなかった、あるいは東京あたりは非常につかみにくくなっているとか、人口がふえたといっても、昭和二十五年が九千万で、五年前が九千八百万、一億四百万になったからといって、一〇%増くらいは私は十分これを乗りこえた技術でもって追いつくことができるんじゃないかと思うわけです。そうしますと、そんなに私は隘路がないんじゃないかというように思われるのですけれどもね。確かにいろいろ、調査すべき要項が六倍にふえたとおっしゃいますけれども、その部分は電算機、コンピューターによって、いままで四年間かかったのが二年くらいに縮めて行なわれておりますので、要は、一番大事な人口の集計を三月末までにやるか、あるいは四月末までに全部やるか、その点が問題だと思うのですね。この問題がそんなに長くかかるということは、私はちょっと納得できない。この二百人の臨時職員の方も、きちっと、こちらの意欲の問題ですから、これは確保していただいて、十分に活用していただく、あるいは総理府の中でお手伝いといいますか、お忙しいでしょうけれども、その国勢調査の時期にある程度手伝い人をよこせないかどうか、そういったことで何とか間に合わせるようにできないものかどうか、その辺をもう一回お伺いしたいわけです。きのう行管局長に聞いたときにも、この臨時職員の問題は十分もう納得してもらっているはずだ、間に合うはずだとか、不足しているとは思われないというふうに局長が強調しておりましたから、私もついだまされたわけでございますけれども、とんでもない、日参してもやってもらえなかったのだというような、いまの局長のお話でございますけれども、こういった国勢調査の大事なこと、あるいは来年の地方統一選挙にかかっておるような問題、こういったことをもっと強調していただければ、こういった問題ももう少し前向きに運べたのじゃないかと思いますけれども、ひとつもう一回、この辺を御答弁願いたいと思います。
  43. 岡部秀一

    説明員(岡部秀一君) これが電算機でやれれば別なんですけれども、これは概数を各市町村、県と積み上げてきて、そうしてそれの概数が十二月に出るわけです。それをさらに確かめる、こういう重要な問題になってきますので、総理府のほかの部局から応援ということも、これはなかなかむずかしいことで、出てきても何人というようなしぼり方しか出てこれない状態ですし、また、そういう人が出てきても、確定という、確実に数え上げるというような問題になったりいたしますと、責任のない者ではなかなかむずかしい、こういう状況でございまして、局内いろいろと、あちらの仕事、こちらの仕事、実はほかの省のいろいろな委託の仕事もありますし、局内の別な仕事もありますが、それらを全部実はやりくりをするという考え方でやっておるわけですが、その点はさらにわれわれもいろいろと努力をしたいと思ってはおるのですけれども、なかなかその点が流動的ですし、また募集のほうも、実はことしは早く手を打ちまして、何回も募集をするという手を尽くしまして、今後もなお、繰り返してもう二回ほど本年度やって——書記を入れたほかに二回ほどやっております。そういう点も十分にひとつ今後やっていく、もうすでに第三次の募集をすらやり始めておるという状況でございます。なお、われわれも万全に、なるたけ早くいたしたいと思っております。  なお、先ほどの御質問で、概数と確定の相違についてどのくらいかというのを御答弁申し上げるのを落としましたのですが、概数人口とそれから確定人口との差はそんなにございませんのでありますが、たとえば、市町村数で申し上げますと、この前の四十年のときに全然差がなかったというのが、市町村数で二千七百七十五ございましたので、八〇%でございます。それから十人の差があったという町村、それを加えまして九九%、こういうところですので、ほとんど差はないのですが、ただ問題は、先ほど大臣もちょっと言われましたが、一人でも二人でも差ができるという問題が非常に大きい影響だという問題が出てくるのと、実はこの前、ある都道府県で二重に数えちゃったという点で、概数と確定で約九千人の差が出た、そろばん重複をやってしまった、こんな問題があったりするわけです。でございますので、どうしても確定は、局内であらためてやらなければならない、こういう点があったりいたします状況が実際の状況でございました。
  44. 多田省吾

    多田省吾君 大体わかりました。  ちょっとくどいようですけれども、五月もむずかしいようなお話もございましたけれども、大体三月には、いまのままでも、集計した県が相当集まってくるのじゃないでしょうか。四月にはほとんどできる、五月というのはほんの一部の大きな都道府県だけじゃないでしょうか。その辺のところをお願いします。
  45. 岡部秀一

    説明員(岡部秀一君) その点が、これは予想でありますが、ほとんど四月、早くいって三月の末から四月。ほとんど四月が主になるんじゃなかろうかと思っております。早く出てくるところは人数の少ないところですから、そういう点では数が早く出てくる順に大体やろうということを思っております。おりますけれども、しかし、予想が立ちませんけれども、ほとんど四月。四月なら相当出てくるという状況ですので、三月に出ても、三月中旬に同県か出るという状況だと思います。
  46. 多田省吾

    多田省吾君 大臣にお尋ねしますけれども、いま統計局長からお話を聞きましたところ、相当たいへんな様子はよくわかります。これも前向きに作業を進めていただくことにしまして、先ほどお答えがございましたけれども、十二月の要計表によっても、いま誤差が十人以下の市町村なら九九%だいじょうぶだと、こういうお話もあったようでございますし、まあ少しの間違いも許されないことは、これは当然でありますけれども、いま現在の有権者の実態というのは、全国市区選挙管理委員会連合会の第二十二回定期総会の、この前の五月二十一日の決議でも、住民基本台帳法に基づく選挙人の住所と有権者の実態と著しく遊離している現状だと、こういう姿が出ているわけです。いま現状においてもそういった選挙人の住所と有権者の実態、これはまあ、運転免許証を取る都合で、実際はいないんだけれども、持ってきたとか、そういうのもいろいろあろうと思いますけれども、食い違っている状態があるわけですね。この国勢調査の要計表だと非常に敏感になりますけれども、こういうことは、ちょっとわれわれ見ても、ほったらかし、そのように感ぜられるわけです。だから、私は何もいいかげんでいいと言うわけではありませんけれども、九九%という正確度があるというような点から、要計表によって大部分やれるとは考えられないのか。そして一部、わずかの人口の差で定員が変わるようなところはそこだけ持ち越すとか、あるいはそこだけ選挙をおくらすとか、そういうことは考えられないのか。あるいは、先ほど大臣がおっしゃったように、都道府県あるいは市町村に自主性を持たせるという問題ですね。それもまあ、大臣最後には否定なさいましたけれども、いま現在東京都議会なんかは百二十六人と、六名増員している。これは特例法でやっているわけです。大阪なんかは、逆に、ふえるところを押えているという傾向も過去にあったんじゃないかと思います。それから江戸川区なんか人員がふえてもいいのに押えている、そういう特例がたくさんあるわけですね。そういう実情に応じて、都道府県の自主性にまかせる方法も一案ではないか。どうしても今度の国勢調査の結果で定数のアンバランスを直したいという都道府県、市町村があったならば、それを許してもいいんじゃないか、こういうことも考えるわけです。  それからもう一つは、どうしても間に合わない場合は、増員該当の団体についてだけ統一地方選挙の期日を自主的におくらせるとか、いろいろな方法も考えられるわけです。まだ定員是正の問題については旧人口によるというように確定したわけではないというように言っておられますから、また検討すべき期日はあるんだと思いますが、こういった点も考慮に入れられてお考えいただきたいと思いますけれども、この点をもう一回お聞きしておきたいと思うんです。
  47. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 結局、先ほど申し上げましたことを繰り返すことになろうかと存じますが、確かにいろいろのケースが考えられます。概数によるべし、あるいは確定数によるとしても、確定数が判明する時期がいろいろございますから、それに応じまして同一基調になり得ないという悩みもあります。そこをつなぐ方法として、各地方公共団体の選択にゆだねるかという問題も考えられるわけでございます。それにつきましては、またもとに戻りまして、同一の基調で行なえないという問題点があります。さらに、さかのぼりまして、概数をとる場合には、確定数との誤差がはなはだ少ないと申しましても、人のやることでございますから、そろばん重複というような点もあるし、また、僅少の誤差が大きな定員の数に影響を及ぼす場合もないとは言えないわけであります。そういう問題を含めまして、選挙の施行に前広くある程度の方針を確定しなければならないという要請もございます。これらの間に処しまして、どの点をとるべきか、大体概数はとらないで、確定数をとるべきが私は至当ではないかと思っております。しかし、確定数をとる場合の問題点がいろいろございますから、さらに、時間の余裕もございますから、十分検討をしてみたいと存じております。
  48. 多田省吾

    多田省吾君 この問題の最後でございますけれども、最も大事な地元の意見と申しますか、都道府県の御意見はお聞きになったのでございますか。
  49. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 多田委員からお話のありました点につきましては、府県としても非常に関心を持っておる問題でございますので、私どももいろいろな形で府県の意向は聴取をいたしておりますが、いま、まとまってこうしてほしいというまでに固まったものにはなっておりませんが、府県の側におきましても、実際に選挙をやる人の立場等からいたしまして、できるだけ早い機会に方針を固めるようにしてほしいというのが大体一致した要請でございます。
  50. 多田省吾

    多田省吾君 私は、最後政治資金規正法の問題で簡単にお尋ねしたいと思います。  この前、八幡製鉄の政治献金が適法である旨、最高裁の判決がございました。この問題を私はここで論じようとは思いませんけれども、適法といっても無制限に適法だというわけでもございませんし、また、少数意見もあったわけでございますが、問題は、国民全体の受け取り方でございます。やはり、政治資金規正法の廃案とか骨抜きが繰り返されておるうちに、会社の政治献金はいいということになったということで、どうも政治に対する不信感がますます強まろうとしておるわけでございますが、ですから、私は、もうくどくど申し上げる必要もないと思いますけれども、第五一次選挙制度審議会の緊急措置すべき事項として答申された政治資金規正法改正が、いまもって行なわれておらない。この六十三回国会におきましては、残念ながらその法案の提出さえなかったということで、また一段と国民世論が、政治資金規正法をできるものからでもいいからやっていったほうがいいじゃないか。——特に、先ほど挙部長から報告がございましたように、昨年の政治資金報告におきましても、いわゆる寄付というものが非常に少なくなっているし、不明朗になっている。ガラス張りでなぐなっているという面も多いわけでございます。だから、どうしても、こういう寄付とか、そういったベールに隠れているものもやはり寄付とみなして、全部ガラス張りに報告すべきであるという意見も非常に強まっている。こういった現状において、この最高裁判決の悪用を防ぐ意味におきましても、私はこの政治資金規正法改正は緊急事であると、こう思います。少なくとも、次の通常国会にはぜひ提出していただいて、そして国民の願望にこたえていただきたいと、こういう考えを持っておるものでございます。ですから、わが党は、もともと実現可能なものから実行するという姿をもって、藤枝自治大臣時代に最初に提出された案は、もちろん答申よりも後退した案でありましたけれども、一歩前進という立場から、それにも私たち賛成して、ぜひ通そうという姿があったわけでありますが、肝心の与党が反対いたしまして、それは廃案になったわけです。まあ次の二回目からの案は非常に後退したものになりました。私は、その面で、あれほどまでに後退しなくても、もう少し前進的なものをこの次に出していただいて、やはり通したほうがよろしいのではないか、こう思うわけです。この前の衆議院委員会でも、大臣は、検討するということばだけで、来年の通常国会には出すということははっきりおっしゃらなかったわけでありますけれども、これは非常に大事な問題でありますから、ぜひ私たちは次の通常国会にこの政治資金規正法を出していただきたいと思うわけです。このことで、ひとつ大臣の基本的な考え方、御決意をお聞きしておきたいと思います。
  51. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 会社寄付の問題から政治資金規正法改正の急務を論ぜられまして、これに対する基本的な考え方をお尋ねでございます。  私は、政党への政治資金は個人から出されるのが望ましい、理論的にはそれが正しいと思っておりますけれども、現状におきましては、会社が、常識の範囲、その経営の状況、規模等から、民主主義のささえとなっておる政党の健全な発達を願い、ある程度の寄付をされることは、現状においてこれは否定をさるべきものではない、最高裁の判決は妥当な判決であったかと存じておるわけでございます。しかしながら、この現状において、政治資金規正法改正につきまして、その必要のあることは当然認めるところでございまして、政府といたしましても過去三回提案をいたしたわけであります。提案のたびに多少の修正、改善を加えて提案を申し上げたのでございますが、とにかく国会の合意を得られずして廃案の憂き目を見ておるのでございますので、次に出す場合には、何といたしましても、国会を通過すべき案、次善、三善の案といたしましても、国会の各党の合意を得られるべきものを出すべきであると考えております。しこうして、この政治資金規正法改正にあたりましては、いろいろの問題点がもちろんあるのでございまして、困難、複雑、微妙な問題があればこそ、三回廃案の憂き目を見たものでありまして、やはり金のかからない政治という基本条件を整備さす点にも重大な関係があって、単純に政治資金の規正のみから行ない得ない点もあるという点をあわせ考えまして、十分なる検討を経て御提案を申し上げたいと、こう考えております。その必要性は十分これを考え、かつ、合意の得られる、通過のできる案を、しこうして、りっぱな議会政党政治の確立に資する案という点を考えまして、せっかく検討中でございますので、いましばらく御猶予を願いたいと存じております。
  52. 井川伊平

    委員長井川伊平君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  53. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 速記をつけて。
  54. 多田省吾

    多田省吾君 時間もありませんので、要点だけ御質問したいと思います。  大臣は、やはり各党の御了解を得て成案を得たいということで努力をするとおっしゃっておりますけれども、次の通常国会に提出なさるかどうかは、まだおっしゃらないわけでございますが、もう一回やはり次の通常国会に提出するという方向で御検討をいただきたいと思いますので、まあ御答弁願いたいわけです。  それからもう一つは、現行の政治資金規正法において処置すべき事項が多々あるんじゃないか。先ほど挙部長も、残りの千三百の政治団体の中で六百しか報告がない、残りの政治団体については若干おくれても督促する、追加発表もあるという御答弁、お話を最初になさったわけでありますけれども、聞くところによりますと、いつも、督促しても追加で報告のある分は五十か六十にすぎないということも聞いております。現行法でも、政治資金規正法報告書の提出、政治資金規正法にかかわる収支報告書の提出を怠ったり、偽りの記入をした場合には五年以下の禁錮か五千円以上十万円以下の罰金を科することになっておる。こういう規制になっておるわけです。ところが、いままで一ぺんもこれの適用になった政治団体はないわけです。これは非常に怠慢であると思います。もう少し報告義務をきびしくやるべきである、追及すべきであると思います。未提出の団体に対してどのような処罰を考えておられるのか、あるいは今後どういう御検討をなさろうとしておるのか、その辺を具体的にお答え願いたいと思います。
  55. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 法律に基づきましての報告書の提出が怠られておるということはたいへん問題だと思っております。事務当局といたしましては、この際、提出のない全団体に対しまして、法に基づく報告をなさいますように厳重な御連絡をいたしたいと思っております。未提出の一件一件の団体についてあらためて御連絡をいたしたいと思っておりまして、すでに御連絡の文書は発送をいたしております。なお、その結果、おそらく、届け出団体は千三百ございますけれども、すでに活動を停止をしたりして実体がなくなったというような形のものもあろうかと思っております。これは、現行法の上では、それを登録団体から抹消をするというような手続がございませんので、そういうものもこの際あらためて整理をいたしまして、法律の上では抹消できませんが、実質的には活動をやめた団体ということで整理をするというようなこと等について今後対処をいたしたいと存じておる次第でございます。
  56. 多田省吾

    多田省吾君 その場合に、公開の原則というものがいまはないわけでありますけれども、会費や賛助費なんかも寄付金並みに届け出をしなさいというような行政指導ができないものかどうか。  それからもう一つは、いま、きびしく督促するとおっしゃいましたけれども、二回、三回と督促しても応じないような団体にどういう処置をとるかですね。罰則がきめられておるのに、何回も催促しているのに、そのまま放置するのか。あるいは、一部、聞くところによりますと、未提出の団体自治大臣が処罰をすべきである、そして、そういう寄付会社には課税を考えるべきであるというようなことを検討しておられるやに聞きますけれども、その辺はどうなのか、ひとつ具体的に明確にお答えいただきたいと思います。
  57. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 未提出の政治団体には、ただいま選挙部長から申し上げましたとおり、厳重に督促をいたしておりますので、相当の期間内には出そろうものと期待いたしております。しかしながら、再三の督促にかかわらず、どうしても出ない、活動をしておるのにかかわらず出ないという分につきましては、しかるべき措置につきまして考慮しなければならぬかと存じておりますが、いま直ちに処罰をすべしということにつきましては、少なくとも十分な督促をいたした後にいたしたいと考えてはおります。  しこうして、税制上の措置等につきましても、大蔵当局、税務当局とも話し合いをしてみたいと、その意向等についてもお互いに話し合いをしてみたいと、こう考えておりますが、いま直ちにこれを行なう、こういうふうにはまだ至っておりません。しかしながら、この点は話し合いをしてみたいと、こう考えております。
  58. 多田省吾

    多田省吾君 政治資金規正法届け出の内容でございますが、私はちょっとふに落ちないのは、従来まあ、自民党五十二億、共産党三十三億、公明党二十五億、社会党六億五千万、民社党四億八千万と昨年の収入報告されておりますけれども、この中には、寄付あるいは会費あるいは賛助金ということでそのまますっきり政治資金として使える分と、たとえば、共産党公明党のように、出版活動の部門が多数を占めて、機関紙の収入が十億あるけれども、それに要する印刷費とか紙代とか、こういったものを含めますと、もう九億もある、実質の収入が一億しかないという場合も、収入十億というふうに数えられているのではないかと思うんですね。ですから、この寄付のお金、こういうものと、出版活動の面があるための収入というものは、非常に内容が違うと思うんです。この点は非常に国民に誤解されやすい。ですから、この点は、現行法でも、内容を発表する場合に、もう少し内容を分けて発表していただいたほうがいいんじゃないかと思うんですけれども、そういうお考えはございませんか。
  59. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 多田委員の初めのお尋ねの中に、いわゆる会費ということに届け出があるものについて、寄付として行政指導でやるわけにいかないかという御趣旨のお尋ねがございましたが、この点につきましては、やはりそれぞれの政治団体で会員の義務として、会員の資格で履行をするということで、お届けが会費としてあります以上は、これを寄付になさいとか、実質寄付じゃないですかというようなことは、現行法としてはなかなか言いかねる面がございます。  それから、ただいまお話のありました、収入の中で、いわゆる寄付あるいは一般的な政党活動に対する会費なり、あるいは党費の負担と、それから出版活動等に伴います事業収入というものは異質であるという御指摘につきましては、仰せのとおりに存じます。ただ、従来、政治資金規正法におきましては、総体の収入と、その中に占める寄付というものに目をつけまして、それを分別することを法律は要求をしておるということでございまして、そういう形で従来発表をいたしておりますですが、さらにこまかい発表のテクニックとして、政党の事業収入的なものについてはそれを明らかにすべきではないかという御指摘であるとしますれば、そういう点は、なお私どもとしても発表のテクニックの問題かとも思いますので、研究をしてみたいと思っております。
  60. 多田省吾

    多田省吾君 私は、最後に、五月二十一日の全国市区選挙管理委員会連合会の第二十二回定期総会における決議の中に、「選挙等執行経費の基準額を政訂」していただきたいという要望があったわけです。これは当然だと思うのです。四十二年以降変わっておりませんし、相当物価も上がっているところでございますし、公務員の給与も上がっているのでございますから、これは、来年の統一地方選挙あるいは参議院選挙を控えて、改正案を出していただいたほうがいいのじゃないかと思います。  それからもう一点は、同じこの決議の中で、「住民基本台帳法に基づく選挙人の住所は、有権者の実態と著しく遊離している現状である。」これは、先ほども申し上げましたように、運転の免許資格をとるためにいろいろ住居を不本意に移動するというような場合もありましょうから、こういう面もあるのだと思いますけれども、これを近づける方法というものを考えておられるのかどうか。  この二点を最後にお伺いしまして、終わりたいと思います。
  61. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 多田委員から仰せのありました第一点の、執行経費につきまして現状に沿うような手直しをするという点につきましては、ぜひお願いをしたいということで現在準備を進めております。来たるべき国会で、それらについての執行経費に関する法律の手直しをお願いをいたしたいと存じておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  また、二番目にお話のありました、住民登録が正確な住民の住所と合致をするような配慮、これにつきましては、ことに選挙人名簿と住民基本台帳が一体化された現状でもありますので、私どもとしては、住民基本台帳法にのっとりまして適時適切に調査を行なうというようなこと等につきまして十分配慮をしたいと思っております。
  62. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 先ほど京都の話がちょっと出ましたけれども、私も京都へ行った立場で、二、三お尋ねをしてみたいと思います。  京都の知事選挙は、いままでの選挙に例のないような非常に開放的である、明朗な選挙だ、こういうような声が非常に地元のほうには強いわけです。こういった、いままでの選挙の中になかった姿を京都の知事選挙がかもし出したわけですけれども、これに対して、いままでになかっただけに、いろいろな問題点もあろうと思うけれども選挙というものがだんだんと自由化の方向に進んでおる、そういう中でこういう選挙が行なわれたわけですけれども大臣は、この京都の府知事選挙を通して、政治運動の規制という問題、またその逆戻りのような話が出ておるようにも伺っておるわけですけれども、この点について、どういった点がいわゆる京都の選挙を通して問題点であったのかという点ですね。これらの点について大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  63. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 明朗で自由な政治活動、これは、民主政治、議会政治一つの基本であろうと存じます。過般行なわれました京都の知事選挙の経験によりまして、そういう空気があると同時に、一部には政党あるいは確認団体政治活動が必要以上に過度にわたった部分があって、かえって選挙の公正にもどうかと思われる点が考えられるので、世論及び反省が一部に生じておる。この点については自治省も十分に考慮してみなければならない、大体こういうふうに考えております。
  64. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ちょっと具体的じゃないのですけれども、そういう声があると。大臣御自身としては、こういう点が過度にわたっておるのだ、こういうお考えがあると思うのです。そういった点を具体的にお聞かせいただきたい、こう思うのです。
  65. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 具体的には、先ほど横川委員お話にも出、お答えもいたしましたが、機関紙の発行状況、あるいはビラ、ちらしなどという、あるいはワッペンですか、シンボルマークというような問題点につきまして、その他、選挙の自動車の数、選挙の事務所、これは政党活動に関連した部分が多かろうと存じますが、それらの点につきまして、どうも常識の範囲をこしてやしないかという点で、かえって弊害がいろいろ反省されるという点が指摘されておる。これらの点については、確かに世論に徴しても考慮しなければならない問題点ではなかろうかと考えております。
  66. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 まあ、目立ったものは、いま大臣がおっしゃったように、ビラの問題、それから機関紙、それから宣伝車等、これらの問題が今度の選挙の特色だというふうに感じます。そこで、しかし地元の方たちと話し合ってみますと、たとえば青年の代表、婦人の代表、あるいは学識者代表、こういうような各界の方たちと話し合ってみますと、そういうビラの問題にしても、機関紙の問題にしても、自動車の問題にしても、有権者の選挙に対する自覚の問題ですね、あるいは政治意識の向上、こういう面で非常に役立ったと。弊害もないとは言えないけれども、効果の面のほうが大きいように感ずる、こういう意見が絶対的なんです。やっぱり、そういうことになりますと、この点、十分な検討を要すると同時に、これはただ頭から行き過ぎであるという考え方は、これはどうかと思うわけで、その辺のところを十分考慮をしていかないと、十分突っ込んで検討していかないと、私は、選挙というものが自由化の方向に進んでおる、それがまたここで逆戻りをしてしまうというような形になると思う。それと同時に、確かに地元の方たちが、いま申し上げたようなことを言っておる。そういう感じを持っておる。それじゃ、いままでの選挙に対する徹底、こういったことがどういう形で行なわれてきたか、ほんとう選挙というものはいままでの行き方でもって徹底されてきたのかどうかということになりますと、これは非常に寒いものがあると思うのです。行き過ぎのようだけれども、あれだけのビラ、あれだけの機関紙、また車も動いた、そのことによって、いわゆる京都の知事選というものは相当のところまであらゆる面で徹底され、浸透されていった、こういうように感じられるわけです。じゃ、この辺のところをどこで割り切るか。過剰であったとか、どうであったかという点を判断する基点というものは非常にむずかしい問題になるわけです。こういうふうに思います。私は、そういうものを感じて帰ってまいりましたので、一がいに、その一部の声から、これは行き過ぎであった、行き過ぎが多いという考え方は、私は誤りであると思いますので、その点、ひとつ十分に御検討をいただきたい、こういうふうに思います。  そこで、あと、感じて帰ってまいりました問題は、はがきの問題でございますが、はがきの枚数が、知事選挙を対象にしていいますと、大きな県も小さな県も——これはもちろん人口的にです。そう大差がない、こういう傾向がはっきりあらわれている。その辺が非常に公平を欠くし、また矛盾点でもあろうと思います。現地のほうでも、いわゆる人口に応じて、はがきという問題を考えてもらいたい、こういう声がありました。私もそう思います。この点について、まあ具体的に申し上げるならば資料がございますけれども、私が具体的に言わなくてもおわかりと思いますので、申し上げませんが、今後どういうふうな方向に持っていこうというふうに考えておられるか、ひとつお答え願いたいと思います。
  67. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 私ども、現在までのところ、知事選挙に際しましてのはがきの枚数について、大きな県と小さい県で非常に問題があるというふうには実は承知をしておりませんでした。そういう御指摘があるとすれば、なお実情を十分伺った上で、必要な点があるといたしますれば、あらためて御相談を申し上げたいというふうに存じております。
  68. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 これは、ちょっとその点を具体的に申し上げてみますと、たとえば鳥取県では、有権者ですか、これが三十数万、三十九万ぐらいですね。来年東京都では都知事選挙が行なわれますけれども、有権者は七百九十万からいますね。その割合——いまの法の上から、はがきの枚数を考えてみますと、鳥取県の場合には二万五千、東京の場合には大体七万くらい。七百九十万の有権者に対して七万くらいのはがきではどうにもならぬし、また、鳥取県の三十九万に対して二万五千というのは、率からいっても、もう大きな差があるわけですね。そういう一つ矛盾があるわけですね。不公平といいますか、こういうものがあるわけです。ですから、当然これは十分検討をしていかなければならない問題じゃないか、こういうふうに感じておりますので、この点、いまお答えがあったように、十分御検討願いたい、こう思います。  それから政治活動については、規制を受ける選挙、また規制を受けない選挙、こういうふうに二つに分けることができるわけですけれども、この辺のところも、いわゆる自由化の方向に向かっての一本化、そういったふうに感ずるのですが、この点、どういうふうに考えていらっしゃるか。
  69. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 地方選挙にあたりましての政党その他の政治団体政治活動の規制という問題につきましては、いろいろな問題点があると承知をしております。従来は、地方選挙政党が大きく選挙の際に働かれるというのは、知事選挙あるいは大きな市長選挙というようなことが実情であったように存じます。まあそういう前提で、現在は、知事選挙と市長選挙の際におきまする政党活動につきまして必要な規制が行なわれることになっておりますが、都道府県会議員でありますとか市町村会議員につきましては何らの規制がございません。ところが、最近の現状では、府県会議員の選挙につきましても政党選挙の際に働きたい、お働きにならなければいけないというような面も出てきておるようにも感じられます。そういう面で、地方選挙全体のあり方と政党活動の関係というものは、ある程度新しい観点に立って検討を加える余地があろうかと存じております。しかし、基本的には、やはり地方選挙の際におきまする中央政党の活動がどうあるべきかというような基本問題にもかかわるかとも思いますので、事柄はなかなかむずかしい面もあろうかと思いますが、多角的、多元的に検討を事務的には進めてみたい、また、各政党の御意向も拝聴いたしたいというふうに存じておるところであります。
  70. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 なぜ私がこういったことを申し上げるかといいますと、今度の京都の知事選挙、これを通しまして、宣伝車、車に例をとりますけれども、宣伝車、これが告示前には、県警本部でつかんだ数は二百九十台くらいに達しているだろうと、こういうことなんです。告示になりますと、翌日の告示になりますと、これが一台にしぼられていく、こうなるわけです。それではとても足りないということで、いろいろ合法的な方法によって、宣伝車ということでなくて、文化活動の一環というようなことで自動車を申請をしてくる。合法的なものについてはこれは許さざるを得ないと、こういうわけです。こういった実例があるわけですね。そうなりますと、やはり自動車というものは、いまの時代に、選挙になったから一台という考えもおかしいのであって、当然、選挙の前にはそれだけの多くの自動車が動いているということは、必要に迫られて動いているわけですから、その辺の実情というものをもっと深く考えて、これを法の上に生かしていくという考え方が必要だろう、こう私は思いまして、そこでいまのような話をお尋ねしてみたわけです。  そういった実例がありますので、選挙時にも、告示になってからの自動車の台数ということについては、知事選挙、まあその他の選挙もございますけれども、一台という考え方——これは自由の場合には問題はありません、自由ということになれば。一台という考え方は、ちょっと合理的じゃない、その選挙にそぐわない、こういう感じがするわけですけれども、その点、十分に私は検討していかなければならない問題じゃないか、こういうふうに考えます。その点、あわせてひとつ御検討をいただきたい、こういうふうに思います。  それから、公明選挙連盟というのがございますね。この公明選挙連盟というのは、実際に現在どういう働きをしているのか、その点をひとつお聞かせを願いたいと思うんです。
  71. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 現在、いわゆる民間の立場選挙の公明化のために働く団体といたしまして、一つは公明選挙連盟がございます。いま一つは、明るく正しい選挙推進協議会という団体がございます。大きな全国的な団体というのは、その二つでございます。それぞれの団体は、民間の立場選挙の公明化という大きな問題に取り組んでもらっておるところでありますが、公明選挙連盟と、明るく正しい選挙の推進協議会の違いと申しますと、目的は同様でありますけれども、公明選挙連盟のほうは、むしろ、かなり長期的に国民の政治への関心を高めていただくための方策なり、あるいは政治に対する関心の度合いの調査のようなものにじみちに取り組んでおり、明るく正しい選挙推進協議会のほうは、毎回の選挙ごとに——これは、そういう団体が音頭をとるということが基本的にいいのか悪いのかという議論があるかもしれませんけれども、現状におきましては、いつ、こういう選挙がありますというようなこと、あるいはその選挙というのはぜひフェアにお互いにやりましょうという有権者の立場の誓い合いというようなこと、そういうような、やや、そのときそのときの必要な手当てというような意味合いの仕事を主として、分担をして、私どもとしては、その二つの団体がそれぞれ持ち味を生かしながら、いわゆる選挙啓発のために働いていただいておるというふうに承知をしております。
  72. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 やっておられることは、いまのお話でわかりますけれども、それじゃ、これが執行機関といいますか、実際の手足がないのじゃないか、何にも。ですから、せっかくいいことが考えられても、それがきっぱり浸透していかない、こういうきらいがあるのじゃないかと思います。そこで、そういった点も考えていかなければならぬと思いますし、この公明選挙連盟から実態調査がなされるらしいですね、選挙が終わってから。この実態調査というものは、その結果というものは、どこにどう徹底されておるのか。小さい選挙であれば、一地域の住民が、今度の選挙はどうであったという、そういう実態がわかることになって、平素の選挙に対する啓蒙ということにもなると思われるが、そういった点がきっぱり明らかではない、そういうところに私は問題があると思います。せっかくいい機関があるとするならば、それをもっともっと生かしていかなければならない。そういう体制をつくっていく必要があるだろうと、こういうふうに思いますけれども、その点についてはどうでしょう。
  73. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 上林委員の仰せのように、連盟は、かなりじみちに一生懸命政治啓発ということに取り組んでおりますが、この資料が市町村の段階にまでスムーズにいって生かされているか、この点につきましては、なお私どもとして検討しなければならない面もあろうかと思いますので、いま御指摘のことは非常に大事なことだと念頭に置きながら今後対処していきたいと思っております。
  74. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 あまりじみち過ぎて、きっぱりわからないのでにまずいと思います。じみちに努力していることはよくわかるけれども、あまりじみち過ぎてきっぱり目立たない、これでは困ると思います。その点、十分にひとつ御検討願いたいと思います。  で、もう一つ、これは京都でちょっと聞いてまいりましたことなんですが、いま盛んに大きな団地の建設が進められております。その団地に投票所がないということ、これが非常に選挙管理委員会としては悩みの一つになっているようです。これは、いま建てられているものには集会所みたいのがあるかもしれませんけれども、集会所も何もないような団地があるようです。そういったところについてはプレハブ的な建物でいい、投票所を設けてもらいたい、こういう声が非常に強いわけです。これは、全国的にいって、やっぱり発展している地域にはそういう問題はあろうと思います。そこで、やはりそういった問題について検討をしていく余地があると思いますけれども、もしそういった実情に即して、そういった必要があるというふうにお考えであれば、これも進めていく必要があると思いますので、その点、どのようにお考えになりますか。
  75. 多田省吾

    多田省吾君 それに関連しまして、それは必要なことだと思うんですが、ところが、これは去年ですか、茨城県の北茨城市の市会の選挙があったんですが、そのときは常磐炭鉱の社宅に投票所を三個設けまして、その社宅の入り口は全部かがり火をたいて統制している、一般機関紙の配付まで全部入り口でチェックしちゃう、そういう行き過ぎた面もあったわけですが、そういう、団地で必要なのと同様に、社宅なんかに設けて一般人をシャットアウトするというのはちょっと行き過ぎじゃないかと思いますが、こういう点もやはり行政指導をお願いしたいと思います。
  76. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 私どもの従来の選挙管理の基本的な考え方といたしましては、できるだけ選挙人が投票しやすいように、投票所の数なんかは可能な限り多くしていきたいというたてまえでまいっておりますので、そういう意味では、あまりむずかしいことを言って、役所の建物とか、それに類する建物でないといけないというような考え方では必ずしも来ておりませんでした。まあ、できるだけ気楽に投票所においでいただけるような、そういう配慮を前提にして、できるだけ多くつくっていこうという考え方でおります。しかし、多田委員お話のように、あまりその気持ちが行き過ぎまして、かえって問題だというようなところがあるとしますれば、それはまた十分反省をしたいと思っておりますが、極力投票所は気楽においでいただけるようなしつらえで多くつくっていくということで基本的に対処していきたいと思っております。
  77. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 多田委員お話しになった問題も、これは問題点ですが、それはそれといたしまして、私が申し上げていることは、団地を対象にしてお話を申し上げたわけです。特に新しい団地にそういった設備がないということもあるようで、十分にこの点は御検討をいただきたい、こう思います。  最後にもう一点、これは非常にこまかい問題になるかもしれません。しかし、その当事者、選挙管理委員会としては非常に不便を感じている問題のようです。それは、投票所に電話がない。ですから、問題があると思われるような有権者が来た場合、いろいろ問い合わせが来た場合に、一々電話のあるところまで電話を借りに行かなければならぬというようなこともあったらしい。そこで非常に不便を感じたというお話がありましたけれども、これは全国的にいってどうなんでしょうか。投票所に電話、そういうところもあるでしょうし、全部がそうだというわけでもないかもしれませんが、この辺も、やはり事務上、事務の迅速化その他の意味からいっても、これは必要なことだろうと思いますので、この点、ひとつ十分やはり御検討をいただきまして善処していただきたい、このように要望をいたしまして終わりたいと思います。
  78. 岩間正男

    岩間正男君 時間もあまりありませんので、簡単に二、三お伺いしますが、第一に、この参議院地方区定数是正の問題です。これはまあ、答申が出されて、これについて現在自治省として検討しているということでございますけれども、大体私は、二年前のことを考えてみたらどうかと思うんですね。あのときはあんなにひどいアンバランスがあった。東京では六十四万でも落選をするという事態が起こった。それなのに、十四、五万で当選するところがある。だれが考えたって、これは三歳の童児といえども、わかる問題だ。佐藤総理も、そういう世論に押されて、結局、定数是正はしますというところだったんですね。そうして、あたかも熱意があるような強い国民に対するゼスチュアを示したわけです。それが一体どういう形になってあらわれてきたかということを今日政治的に考えると、これは重大だと思う。私は、いろいろな事務的な問題については、きょうは時間がありませんから、やりませんけれども、第一に、今度の答申そのものというものは、これにこたえることになるかどうか。第二の問題は、これがはたして法案として提出されても成立する見通しがあるのか。そういう点について、はっきりした見解を自治省は持っておられるか。それで、それに対して、はたして総理のあのときの言明というものを、国民に負っている責任を果たす、どのようなはっきりした態度をあなたは持っておられるのか。先ほどから私はここで三時間ほど答弁を聞いていて、はなはだたよりがない。こんなことでは、とても全くそのときどきの、苦しいときの神頼みになっちゃって、そうして、あとはほおかぶりで過ぎてしまう。政治資金規正法の二の舞いをまさにやろうとしているのが、いまの姿じゃないか。これは政治的に明らかにする必要がある。この点について御答弁願いたい。
  79. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 第六次選挙制度審議会で御答申を願いました案につきましては、しばしば申し上げておりますとおり、これを尊重して各方面の御意見を伺い、成案を得た上で、次の参議院選挙に間に合うように国会に提案をいたす所存でございまして、総理があの定数のアンバランスは是正したいというお考えについては、今日もお変わりはないと確信をいたし、その確信に基づきまして、また提案をいたす所存でございます。
  80. 岩間正男

    岩間正男君 私は、二点について、これは具体的に聞いているわけですが、第一は、この答申で、総理のあのとき声明した政治的責任がとれるかどうかが一つです。これは非常にやっぱり不十分なものでしょう、この案そのものが。第二の問題は、かりにこれが法案として出されても、一方で減らすという問題をかかえて、一方でふやすという問題をかかえれば、大体これの行く末というのはいまからわかっているというように感じられるわけです。もうわかっていますよ、これは。そうでしょう。おそらくこれは、栃木や群馬や岡山から猛烈な反対がある。結局、これは、あなたのほうの党だって、非常にいろいろな反対が起こるでしょうね。賛成、反対が起こってくる。そういう形で、政治資金規正法の二の舞いを食らうことは見えているのじゃないでしょうか。そういう法案を出すのですか。これはゼスチュアじゃないですか。政治的ゼスチュアじゃないですか。この点、どうなんです。大衆欺瞞はいかぬと思う。それを成立させるというならば、確信のある、そういう保証というものをここで示してもらいたい。その二点、はっきりしてください。
  81. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) しばしば申し上げておりますとおり、御答申をいただきました趣旨尊重いたしまして、同時に、これについてはいろいろ先ほどからも御論議のありましたとおり、関係方面議論尊重し、これもよく伺い、検討をする必要がありますが、本来の答申趣旨尊重しまして成案を得て、これが成立を期したいと考えております。
  82. 岩間正男

    岩間正男君 依然として同じことを繰り返されているのでありますけれども、それでは現実の政治にならぬということですね。とにかく総理は二年前にあれだけはっきり言ったことなんです。国民は忘れていませんよ。それに対してこたえることになるか。第一には、あの案そのものは非常に不十分だ。全くこれはもう申しわけ的なものです。そうして、われわれは選挙制度審議会に入っていないから、ここで論議しなかった。しかし、要求は私ははっきりしたものをいろいろ持っているわけです。ここではやりません。しかし、出されたものというのは、全くこれは、この内容そのものが非常に論議に値するものです。はたして、あのときのそういう声明を実現するのか。これは実現するものになっていないと思う。さて、そんな不十分な案でも、それをまず出すと、そういうことで何か責任を果たすようなかっこうをとるわけです。しかし、はたして成立する可能性がありますか。反対が非常にこれは激しくなってくる。これに対して、あなた、政治的などういう手を打ってやるのか、関係方面の各意見を聞いてなどということでは果たされない。これはやはり、自治省は、自治大臣は、これを推進する責任の主体ですよ。いかにも民主的なよそおいをしながら、いろんな方面意見は聞いているけれども、これでそういうことでじんぜん日を送って、これは結局廃案になってしまう、そういうところに落ちつくのが関の山じゃないかという危惧を持たれるわけです。これは行き過ぎならいい、われわれの見通しが行き過ぎならいいんですけれども、そういう部分的な改良も必要であるとわれわれは考えますから、それについて必ずしも最初から、頭からむげに否定するという態度ではありません。しかしながら、はたして見通しがあるかどうか。これは政治的な、いやしくも閣僚として政治的な見通しを持たなければならない。ありますか。はっきりあると言えますか。各方面意見より、あなた自身の決意の問題なんです。どうなんです。この点、伺っておきたい。
  83. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) もちろん、出すからには通す所存をもって出すわけでございまして、答申趣旨尊重して、しかも問題が選挙法でございますから、関係方面意見はこれを十分徴して、そこに通るべき案を考えまして出すわけであります。それがいろいろ、見る人の見方によりまして、骨抜きであるとか、あるいは意味をなさないとかいう御批判はございましょうけれども、当局といたしましては、御答申趣旨に従い、各方面意見を徴して、通す所存をもって提案をいたす次第でございます。
  84. 岩間正男

    岩間正男君 この法案は、何ですか、臨時国会はあるいは間に合わないかもしれませんが、通常国会劈頭に出す、そういう所存ですか、どうですか、あなたのほうの見積もりは。そうでないと、間に合わぬですよ。参議院選挙は一応来年七月ということに投票日はなっておりますが、しかし、もう態勢はすでにとられているんですよ。準備はもう進められているという中ですね。そういう問題と関連してきますから、少なくともこれは劈頭出すということになるんですか。そして旬月ごろをめどに通すということですか。施行まで時間がかかるでしょう。どうなんですか。その辺の逆計算はしておりますか。
  85. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) お説のとおり、通常会の劈頭には出したい、そのつもりで準備を進めております。
  86. 岩間正男

    岩間正男君 それじゃ、大臣にお聞きします。  今度は政党活動の問題ですが、都道府県会議選挙が行なわれるわけです。統一地方選挙の中でも都道府県会議員の選挙が来年施行されるわけですね。そうすると、これはどうなんです、いままで相当な部分で活動としては自由が保障されてきた面があると思うんです。そういうものを、今度の、たとえば制限ですね、政治活動を制限しようという、そういうようなこともあるやに聞いているんですけれども、国会の選挙法との関連で、都道府県会議員の選挙にいままで許されていた自由について、ある種の制限を加えるというようなことがあるやに聞いておるんですが、その点はどうなんですか。
  87. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 統一地方選挙と県会議員の選挙等につきまして、ある種の規制を加えるという風評があるやに聞いているというお話でございますが、われわれは、その点につきまして何らかの制限を加えなければならないだろうかというような考えは、いまのところ持っておりません。風評がございますれば、それは単なる風評でございまして、いまのところ、私としては従来の態度を基本的には変えておりません。
  88. 岩間正男

    岩間正男君 これは、このごろの方針としては、制限を撤廃して自由化する方向に動いた、そうしてこの前公選法の改正がなされたわけですから、その精神からいえば、当然、宣伝カーの問題とか、政策ビラの問題、演説会、あるいは立て看板、こういうような点で自由があったわけですね、県会議員の選挙の場合。市会とか県知事の場合は、公選法で国会並みに扱われてきたんですけれども、こういうものについては、そうすると、全然制限しない、いままでの自由というものはこれは保障される、こう考えてよろしゅうございますか。
  89. 中村啓一

    説明員中村啓一君) 岩間委員のお尋ねの中に若干技術的な面にわたる点がございますので、私から申し上げますが、基本的には政治活動自由の原則はたてまえとして堅持をすべきであるという仰せ、また、それに対する大臣お答えがあったわけであります。若干技術的にいま論議されておりますのは、御案内のように、知事なり市長の選挙がございますと、その行なわれている区域につきまして、その期間は、知事なり市長の候補者を持っておる政治団体でないと政治活動ができないという現行の仕組みになっております。そこで、知事候補を持たない団体は、その地域で知事選挙がある期間は、府県会議員のための政治活動は一切できないという現在の法制の仕組みであります。それが現状でいいのかどうかという点については論議があるところであります。これについてどう対処するかというような点については、これから各党でいろいろ問題点をお出しになって御論議になることだろうと思いますけれども、一応問題があるという点だけは申し上げておいたほうがよろしいかと思います。
  90. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、いま問題になっている点は、制限のほうでなくて、むしろ自由化の方向について問題がある、こう考えていいんですか。
  91. 中村啓一

    説明員中村啓一君) この地方選挙政治活動の関係は非常に技術的にややこしい関係になっておりまして、いま申し上げましたように、知事選挙なり市長選挙については政党活動の制限がございます。府県会議員なり市町村議員の選挙については政党活動の制限がない現行法の仕組みであります。そこで、統一選挙のようにダブって行なわれますと、そこで政治活動のできる団体とできない団体のアンバランスがございます。そのアンバランスを調整するかどうかということが議論の点でありまして、特に政治活動を規制するとか、規制しないという概念ではございませんけれども政治活動の幅に現在若干のアンバランスがあるということでございます。しかし、従来こういう規制になりましたのは、これも各党御相談の上でおやりになったことでありますので、まあそういう各党の御論議の推移において、いまの点が若干議論されるということも申し上げたわけであります。
  92. 岩間正男

    岩間正男君 結局、そうすると、制限される方向に合わせるという形になると、これは制限になるわけですね。反対に、いわば自由な方向に合わせていけば、これは自由化の方向になる。だから、どっちに論議しているかということが私は重要だと思うので、この点については、全く、ともすると党利党略でこういうものは制限されたり、それから目先のことでやられることが多いんですよ。これはそういうことにならないように、十分に意見を徴して、あくまでも基本的な自由化の方向というものを推し進めるべきである、こういう点でやられるべきだと思いますが、こういう点について、これは自治大臣の御見解を承っておきます。
  93. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) その点についてただいま検討がされ、いろいろ論議がされておるところでございますが、基本的には、やはり政党活動の自由化、選挙の明朗な自由化というものが基本になければならない、もちろんそう考えております。
  94. 岩間正男

    岩間正男君 あくまでもこれは十分各党の意見を聞いて、そういう中で態度をきめると、こういうことを確認してよろしいですね。
  95. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) そのとおりでございまして、党利党略の考えからこういう問題を処理すべきものじゃございませんし、もちろん、そういう考えは、自治省当局にございません。
  96. 岩間正男

    岩間正男君 第三に伺いたいのですが、今度のこの答申案によりますと、参議院全国区の場合、全国区一区比例代表制の採用について、多数意見がそうなっている。それはここで答申にはならなかったんですけれども、しかし、その意思は一応意向としてこれは表明されたわけですね。これは自治大臣のお考えを聞いておきたいのですけれども、これについてはどうお考えになりますか。自治大臣の見解を明らかにしていただきたい。
  97. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) 答申の中に、参議院全国区における比例代表制の採用が問題になっておりましたが、はっきりした結論にはなっでないわけでございます。しこうして、これに関しましてはいろいろまだ世間に議論があるところでございまして、私の私見を申してみよというお話でございますが、この際は遠慮させていただきたいと思います。ただ、私は、この問題をやはりできるならば第七次選挙制度審議会等において引き続き御検討を願う必要があろうという考えを持っております。この検討を避けたり、これを頭から否定しようというような考えは持っておりません。十分御論議を願いまして、結論を得たい、こう考えております。
  98. 岩間正男

    岩間正男君 私見としては申し述べられないということでございますけれども、これが非常に合理的であり、それから、むだ票がなくなるという点は、これはお認めになるでしょうね。
  99. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) そういう理論的な根拠につきましては、十分これを考えております。
  100. 岩間正男

    岩間正男君 最後に伺いますが、先ほどから多田委員からもお話が出たんですが、選挙民の年齢引き下げの問題ですね。十八歳から選挙権を行使させる。ことにわが党は、いまから二十四年前ですね、一九四六年の日本共産党の憲法草案によりますと、選挙権、被選挙権は十八歳以上のすべての男女に与えられるとはっきりと述べている。そういう立場からいいますと、この問題については、これは終戦後——戦前からもそうでありますけれども、この問題をずっとわれわれの主張として掲げてきたわけです。そういう点からいいますと、非常に世論が高まってきたわけで、当然、各党もこの合理性を認められて、そういう方向に機運が動いているわけですね。私はさらに現実的な考慮からしまして、いま高校卒の七〇%から八〇%が職業についているわけですね。そして、この人たちはいま税金を納めている。だから、そういう義務を果たしている。ところが、選挙権は与えられていない。被選挙権も与えられていない。こういう形になっているのですね。だから、こういう点から考えますと、昔はよく国民の三大義務などといって、徴兵まで加えて、納税とそれから選挙権と、この三つを言ったものですが、徴兵というものはこれはないので、この二つの中の一つを果たしているわけですね。そういう納税の義務を果たしているのが非常に多いわけです。だから、そういう点から考えましても、私は、権利として要求することは当然だし、また、これに対して即応するような体制をとるべきだ、こういうふうに思うんですけれども、この点については、これは大臣はどうお考えになり、また、これについてどういうふうに今後進めていかれようと考えられるか。これはあなたの御所見でけっこうですけれども……。そういう段階かもしれませんが、あるいははっきりした方針をお持ちだったらお聞かせを願いたいと、こう思うのです。
  101. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) この問題につきましては先ほどお答えをいたしましたが、青年という時期を具体的に年齢上いつに考えたらいいだろうか。またあるいは、少年法、刑法上の問題、あるいは結婚上の問題等々、あらゆる角度から検討をされまして、総合的に最後選挙権の問題については判断が下さるべきものであろうと、こう考えております。また、英国においては、今回十八歳に年齢を低下して選挙が実施されました。その実施の経過、結果、一回の例でございますが、いろいろ世論に言われておるところにつきましても検討を私としてはいたしております。しかし、アメリカにおきましては大体きまっておるが、まだこれが実施について一、二、段階があるように聞いております。西独も同様に聞いております。そこで、現況におきましては、日本の二十歳というものは、各国の例からいって、必ずしも高過ぎるということはない。しかしながら、主要な英、米、西独等においてもすでに十八歳に下げられる、あるいは下げられようとしておるという御議論もありますが、やはり、その国その国の実情ということも十分考慮すべき点であろうと思います。かつまた、英国におきましてもこの結論を出し、実施までにはやはり数年、長期にわたりまして論議の批判にさらしまして、国民の十分なる意識の成熟を待ちまして実行された経過もございます。これらの点に徴しまして、私は、いずれの結論を出すにいたしましても、ある程度の期間検討を必要とする問題である。しかしながら、この問題は決して避けるべき問題ではなく、いまや検討に値する問題であると思っております。しかし、いま直ちに選挙制度審議会等の検討にゆだねるか、この点はお尋ねはございませんが、この点につきましては選挙制度審議会にも論議していただくべき緊急の問題点もございます。もちろん、そこにおいて自由にお取り上げくださることは、第七次選挙制度審議会ができた場合に、それを決していかぬとするものではありません。大いに御論議を願うことはけっこうでございまして、また、それにおいてもいろいろ論議さるべきことは歓迎をいたします。また、論議さるべき時期であろうと思いますが、いま審議会審議事項に付するかどうかということについては結論は得ておりませんが、これが慎重な検討は大いに歓迎をいたすところでございます。
  102. 岩間正男

    岩間正男君 これは、年齢引き下げによって何か非常にぐあいが悪いと、こういう点は何かお考えになっているのですか。そういうことはございませんか。だから、これをむしろ積極的に進めるというお考えなんですかどうなんですか。その点、これは自治省のこれに対するお考えをお聞きしたい。
  103. 秋田大助

    国務大臣秋田大助君) これがいい悪いの結論を持たずして十分論議すべき時期に到達しておると、こうは考えておりますが、一定の方針をもって当たるという考えはございません。しかし、これが十分論議さるべき時期である、論議されることについては大いにしていただきたいと、こう考えております。しかし、すべきである、論議すべしとか、いやしちゃいけないという意味で、論議すべきということは、私の立場、私の今日においてはこれを避けたいと存じます。あしからず御了承願います。
  104. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時散会      —————・—————