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田中寿美子君 厚生省の環境衛生
局長がおいでになるのを待って私
質問を延ばしておったのですが、どうしても環境衛生
局長とそれから農林省の方々と厚生省の方々と
一緒に私は
質疑をしたいと思っておりました。
一昨日、私BHC汚染牛乳の問題を中心にして、BHCのことについて
質疑を申し上げたのですが、それに続いてもう少し具体的に詳細に
お尋ねしたいと思っております。私、一昨日の
質疑の中から、それから今回このBHCの問題を研究してまいりまして、
行政当局のとってきた態度、それから
質問に対する答えその他の中から、三つの重大な欠陥があるというふうに感じました。第一は、牛乳の中のBHC残留ということに注意を怠っていたということ、これははからずも農林省の方が私のところに見えたときに、盲点だったというふうなことばを使われましたけれども、これは故意なのかあるいは不注意でそうだったのかわかりませんけれども、牛乳中のBHC残留に注意をしてこなかったということは非常に重大なことだと思います。
それから第二点は、このBHCの中のベータの毒性の認識が非常に不十分だったということです。ガンマばかりに注意していてべータの残留しているということに非常に不注意だった。べータのほかにまだいろいろ異性体があるのですが、全体の含む数量というものは非常に大きいものなんですね。農林省が私に答えられたのは農薬にしてガンマ化した、特にリンデンを中心にした数量をおっしゃったのですけれども、実はべータその他の異性体を含むBHCの生産量というものは非常に膨大なものなんで、これはベータは大量に出回っている。これは必ずしも農業だけではない。工業のほうにも出回っている。そういうことからしますと、このBHCの害悪というのは非常に大きく環境汚染をしているということなんです。で、このBHCを
公害の中に扱うかどうかということはまだ疑問だというふうなお答えがあったけれども、水とか土壌とか、それから農薬の場合だって森林散布だの果樹園に散布したりする。それで空気の汚染にもなるわけですから、そういう
意味で環境汚染に大きくベータが役割りを果たしているということに非常に不注意であったということが第二点です。
それから第三点に、WHO、FAOのガンマの基準だけがあって、国内の許容基準というものはガンマについてもつくっていないのですね。ましてベータについては何にも持っていない。WHO、FAOではべータについても基準がない。そういうような言い方をするということはたいへん逃げ口上に使われるわけです。日本には基準がないのだ、だからそういうことはBHCが野放しに出回ることができるようになっているわけなんですね。そういう
意味で非常に重大なことなんで、やはり国内の人体許容一日摂取量、ADIというのを早急に制定しませんと、食品の中に入っているBHC、あるいは水や土から入ってくるBHC、そういうものに対する不安が非常に国民の中に一般に出てくる。だから牛乳に大量に出てくる、国内の許容基準がないから、もうあるということだけで、みんなおそれおののいて心配になってしまう。だからこういう不安をちゃんと一掃するためにはちゃんとしたADIというものをつくって、それにそういうものの基準を越さない牛乳をつくる、その基準を越さない牛肉あるいは食品をつくるということにしなければいけないわけなんで、WHO、FAOの基準があるだけで、国内にはありません。厚生
大臣にもそういうふうに言わせていらっしゃるのですね。ベータについては基準がないものですからああいう逃げ口上を使ってはいけないということなんですね。もっときびしく考えていただかないと。
そこでこういう重大な三つの欠陥の
もとで今度のBHC騒ぎがあってから後の対策が非常におくれてきている。そして今後の確固たる対策も私はまだ見出せない。これは農林省、厚生省
両方にもっとはっきりとしていただきたいと思っているわけなんです。
そこで
お尋ねしたいのですけれども、四月二十一日、例の食品衛生調査会の二つの合同部会の会合の後の発表ですね。その発表の前にとってきた措置のことです。環境衛生
局長に
お尋ねしますけれども、三月の二十一日だと思いますが、全国衛生
課長会議、それから県の衛生研究所長会議をお開きになったと思うのですが、そのときに牛乳の中のBHCの問題、そのほかどういうことが報告ざれたのか、ちょっと伺いたいのですが。